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・川崎重工の株価は今後下落するのかな?
・下落するとしたらどんなリスクがあるの?
・逆に、今は買い時なの?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
川崎重工業(7012)は、航空宇宙システム・車両・エネルギーソリューション&マリン・精密機械/ロボット・パワースポーツ&エンジンという幅広い事業を手掛けている総合重工メーカーです。
2026年3月期は受注・売上・利益がいずれも過去最高を更新する好決算となりました。
一方で、2025年12月には防衛省から指名停止処分を受けるなど、ガバナンス面での逆風もありました。
そのため、川崎重工の株価が今後どうなるか気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、川崎重工の株価が下落するリスクと、今後の将来性・買い時について徹底解説します!
正しい情報をお伝えするために随時更新を実施しますが、掲載内容には古い情報、誤った情報が含まれることがございます。
また、本記事でご紹介する企業や投資商品はすべて情報提供目的であり、投資を推奨・勧誘する目的はございません。
情報の取捨選択や投資判断は各ユーザー様のご判断・責任にてお願いいたします。
※掲載内容へのご指摘につきましては、お問い合わせフォームより受け付けております。

川崎重工には、主に以下の3つのリスクがあります。
しかし、同社は防衛省という極めて安定した取引先を持つ事業構造であることに加え、AI・フィジカルAI関連の恩恵も受けられるポジションにあります。
したがって、結論としては、これらのリスクによって株価が下落しても長期的な下落トレンドにはなりにくいと考えています。

政策銘柄でもあるね!
川崎重工の最大の懸念材料は、度重なる不正事案、ガバナンス不全です。
同社では2024年に潜水艦修繕事業における不適切な会計処理(裏金問題)と、船用エンジン事業における検査不正が相次いで発覚しました。
さらに2025年12月26日には、防衛省が「潜水艦用ディーゼルエンジンの燃費性能に関する検査データを長期間にわたり改ざんしていた」として、川崎重工に対して2.5か月間の指名停止処分を科しています。

海上自衛隊が保有する潜水艦24隻のうち23隻に不正のあったエンジンが搭載されていたとも報じられたよ。

防衛省からの信頼を大きく失ったワン!
しかし、2026年3月期の決算資料の中で、以下のように信頼回復に向けた改革を実施していると発表しました。

| 改革の方向性 | 主な取り組み |
|---|---|
| 不正ができない仕組みの構築 | 取引先通報制度の設置、データ監査の導入 |
| 不正発見機能の強化 | 監査機能の本社集約、調達等プロセス調査 |
| 不正を正当化させない組織風土改革 | 「組織風土改革・コンプライアンス総括部」の新設(2026年4月) |
指名停止処分そのものは2026年3月に解除されていますが、2026年3月期の防衛関連事業の受注高は5,340億円と前期比▲31.1%の大幅減となりました。
今後も、防衛関連の受注悪化が長期的に続く可能性があります。
2つ目の下落リスクは、米国の関税政策による通商リスクです。
同社は二輪車・四輪車・汎用エンジンを扱う「パワースポーツ&エンジン(PS&E)」事業において、北米市場への依存度が高いです。
2025年度のPS&E事業は、売上収益こそ北米向け四輪車の増加などにより前期比+734億円の増収となりましたが、事業利益は前期比▲251億円の大幅減益となりました。
主に米国の関税コストの上昇が挙げられますが、それに加えて、米国パワースポーツ市場の競争激化が影響を与えました。

増産投資に伴う固定費の増加も重荷になったよ
2027年3月期においても、米国関税政策によるコスト上昇として全社で事業利益▲150億円(うちPS&Eが▲132億円)を予想しています。
しかし、IEEPA関税の還付について「未織り込み」としているため、今後の米国の動向によっては業績予想が大きくブレる可能性もあります。
米国情勢に大きな影響を与える米中対立や中東問題、通商政策の変化は今後も注意が必要です。
3つ目は、決算発表による短期的な利益確定売りです。
2026年3月期の決算は、受注高27,391億円、売上収益23,112億円、事業利益1,451億円、当期利益1,081億円といずれも過去最高を更新する好決算でした。
2027年3月期についても、事業利益1,700億円・純利益1,100億円とさらなる過去最高益を予想しています。
こうした好業績や、後述するNVIDIAとの協業といった好材料によって株価は急騰するため材料が出尽くした局面で利益を確定させる売りが出やすいのです。

実際、2026年初頭の株式分割によって1つのニュースで数%単位で値動きする場面もあったよ!

続いて、同社の事業内容と直近の業績を確認していきましょう。
川崎重工は、以下の5つのセグメントで事業を展開しています。
防衛省向け航空機、民間航空機分担製造品、航空エンジン分担製造品など
鉄道車両(国内・北米向けなど)
ガスタービン、ごみ処理施設、船舶海洋、船用推進機など
油圧機器、産業用ロボット、半導体製造装置向けロボットなど
二輪車、四輪車・PWC(水上バイク)、汎用エンジンなど
2026年3月期のセグメント別の売上収益構成比を見ると、パワースポーツ&エンジンが約3割を占める最大セグメントになっています。
次に航空宇宙システムが続き、全体売上収益の26.5%を占めています。

同社の直近の業績推移は以下の通りです。
| 年度 | 受注高(億円) | 売上収益(億円) | 事業利益(億円) | 親会社の所有者に帰属する当期利益(億円) |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 20,834 | 18,492 | 462 | 253 |
| 2024年度 | 26,307 | 21,293 | 1,431 | 880 |
| 2025年度 | 27,391 | 23,112 | 1,451 | 1,081 |

売上高・事業利益率ともに右肩上がりのトレンドが続いています。
来期(2027年3月期)の業績は以下の通りです。
| 2027年3月期(億円/円) | 前期比 | |
|---|---|---|
| 受注高 | 25,400 | ▲7.3% |
| 売上収益 | 25,600 | +10.8% |
| 事業利益 | 1,700 | +17.2% |
| 税引前当期利益 | 1,470 | +1.0% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,100 | +1.7% |
| 基本的1株当たり当期利益(EPS)※ | 131.61 | +1.6% |
為替は、1ドル150円・1ユーロ180円を前提としつつ、事業利益・当期利益ともに過去最高益を更新する計画です。
米国関税政策によるコスト上昇を増収効果や価格適正化でカバーする見立てとなっています。
| セグメント | 2026年度事業利益予想(億円) | 前期比 |
|---|---|---|
| 航空宇宙システム | 720 | +15.4% |
| 車両 | 100 | +16.3% |
| エネルギーソリューション&マリン | 690 | +25.5% |
| 精密機械&ロボット | 210 | +46.9% |
| パワースポーツ&エンジン | 300 | +32.2% |
セグメント別にみると、いずれの事業も増益を見込んでいます。

防衛関連の反動減などで受注高は前期比で減少しているよ。
財務面では、税後ROICは9.0%から8.6%へやや低下する見通しですが、これは主に米国関税政策や中東情勢による外部環境が影響しています。

事業利益率自体は6.3%から6.6%へ改善する計画だワン!
2026年度では、事業利益率8%、2030年度までに10%超を実現する中期的な目標を掲げていて、着実な前進を目指しています。

ここからは、川崎重工の今後の株価を左右する成長材料について解説します。
川崎重工の将来性を語るうえで見逃せないのが、AI・半導体分野における取り組みです。
同社は2026年5月、AI・半導体分野における日米連携を加速するため、米国・シリコンバレーにフィジカルAIの社会実装を推進する拠点「Kawasaki Physical AI Center San Jose」を開設したことを発表しました。
現実空間で自律的に認識・判断し、機会を通じて物理的行動を起こすAIのこと。社会実装には「現実世界」に関するデータが必要不可欠とされている。
この拠点を通じて、NVIDIA・Analog Devices・Microsoft・富士通といった世界的なテック企業と協業を推進していく方針です。
| 協業先 | 協業テーマ |
|---|---|
| NVIDIA | 医療をはじめ多様な分野でのAI・ロボティックス技術を融合した新ソリューション創出 |
| Analog Devices | AI・オーディオ・マニピュレーション技術を融合したロボットの実現 |
| Microsoft | クラウド/AIプラットフォームを活用した実世界ソリューションの導入加速 |
| 富士通 | 業務システム・ロボットシステム・AIの連携によるヘルスケア領域での新価値提供 |
川崎重工は、航空宇宙・造船・エネルギー・プラント・モーターサイクルなど幅広い事業領域から生み出される現場データやノウハウを長年蓄積していることが強みです。
まずは医療・介護分野やモビリティ分野を起点に、自律走行サービスロボット「Nyokkey」や手術支援ロボット「hinotoriTM」などの既存製品とフィジカルAIを組み合わせたソリューション創出を目指しています。

AIの恩恵を受けやすいポジションだね!
2つ目の成長ドライバーは、防衛費拡大の流れを受けた航空宇宙システム事業です。
前述した指名停止処分という逆風はあったものの、事業そのもののファンダメンタルズは底堅く、2025年度の航空宇宙システム事業は売上収益6,136億円(+458億円)、事業利益624億円(+66億円)と増収増益を達成しています。
主な背景は以下の3つです。
2026年度の業績予想でも、航空宇宙システムの売上収益は7,200億円(+1,064億円)、事業利益は720億円(+96億円)とさらなる増収増益を計画しています。

3つ目は、水素サプライチェーンという国策テーマへの取り組みです。
同社は、水素の「つくる・はこぶ・ためる・つかう」というサプライチェーン全体を手掛ける国内でも数少ない企業の1つです。
2025年11月には液化水素基地「川崎LH₂ターミナル」をはじめ、2026年1月には世界最大となる40,000m³型液化水素運搬船の造船契約を締結するなど、商用化に力を入れています。
さらに、2026年6月には、兵庫県の播磨工場において2027年度中の運用開始を目指していると発表しました。

液化水素関連機器の試験・検証を行う国内最大級の設備になるよ!
この取り組みは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「グリーンイノベーション(GI)基金事業」の一環として進められており、いわば国策プロジェクトとしての後ろ盾がある点がポイントです。
また、中東情勢の悪化に伴い、水素は代替エネルギーとしての期待が一層高まっています。
水素分野は事業化までに時間がかかる長期テーマではあるものの、国のエネルギー安全保障戦略が注目する成長投資であり、中長期的な株価材料として注目しておきたいところです。

最後にこの記事のポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
以上の点を踏まえると、短期的には下落する恐れがあります。
しかし、長期的に見ると、様々な成長ポイントを持っていることも事実です。
こうした状況を踏まえると、同社の株価が大きく下落トレンドに転じる可能性は低く、長期的には安定した株価上昇を狙えると考えられます。
今後も決算内容だけでなく、世界中のAI・防衛関連ニュースなどを確認しながら投資判断していくことが重要です。