ディズニーランド・シーを運営しているオリエンタルランドの株価が急落しているね。今は買うべきタイミングなのかな?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
以下の理由から、長期保有ならオリエンタルランドの株を買うことをおすすめします。
- 前期純利益1.5倍!新規エリアの好調により今期も増収増益を見込む
- 魅力的な優待があって人気株だから割高なのは変わらない。今まで渋っていた人にとっては少し下がった今がチャンス!
- 優待だけでなく、増配や自己株取得など株主還元の強化をアピール
しかし、短期的に見るとしばらく株価のもみ合いが続く可能性があるため注意が必要です。
2024年に入って株価が下落気味のオリエンタルランド。
優待人気銘柄として有名ですが、このタイミングで株を買うべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
優待で1デーパスポートがもらえる憧れの株だし、なるべく安い時に買いたいな!
そこで今回は、オリエンタルランドの株を買うべきか初心者にもわかりやすく解説します。
合同会社 Next Meeting 代表取締役 かぶリッジ監修者:たけぞう
専門家のポイント
オリエンタルランドの株価について私の見解も紹介していきます。
2024年7月31日に発表した決算で、第1四半期営業益が2ケタ減益となりました。市場予想をやや下回った事が株価の伸び悩みにつながっています。
また、今年7月に新たな事業として、日本を拠点とするディズニークルーズを展開すると発表しました。今回締結したライセンス契約に基づき、2025年度から造船を開始し、2028年度の就航を目指しています。総投資額は約3300億円です。期待は大きいものの、数年先の事業です。2028年以降のクルーズ就航が同社の株価を左右するでしょう。
執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
合同会社 Next Meeting 代表取締役。1988年に証券会社へ入社し約30年間勤務。
東京証券取引所において、4年間の“場立ち”を経て20年間以上証券ディーラーとして活躍。多い時には約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益を上げる。
現在は個人投資家である傍ら「誰にでも、わかりやすく」にこだわりラジオ、セミナーなど多くの舞台で投資手法を伝え、一人でも多くの投資家が株で収益を上げられるように専門家として日々活動を行っている。
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オリエンタルランド株は買うべきか?理由を3つ解説
💡このパートの要約
オリエンタルランドの株を長期保有で買うのはおすすめできます。
- 新テーマポートの好調や新規事業への投資から、業績に期待できる
- 魅力的な優待があり、人気なコンテンツだからこその高いPER
- 優待だけではなく、増配や自己株買いなど株主還元の強化が期待できる
以下では、オリエンタルランド株の長期保有をおすすめする理由を3つご紹介します。
順番に見ていきましょう。
中間期ではやや落ち込みつつも増収増益を見込む
2023年度の通期決算では純利益約1.5倍と好調だったオリエンタルランドでしたが、10月30日に発表された2024年度中間期決算では業績にやや落ち込みが見られました。
ホテル事業、テーマパーク事業共に増収したものの、商品原価高騰や人件費増といったコスト面の圧迫から18%の減益。
また、ゲスト1人当たりの売上高は増加していますが、リベンジ消費の落ち着きによる旅行需要減や猛暑の影響から入園者数にも減少傾向が出ているようです。
チケット代も高くなって気軽には行きにくくなってるよね…
一方で、2024年度通期の業績予想には強気な姿勢が見られます。
上半期の下振れはあったものの、業績予想は据え置き。
40周年イベントに大きく牽引された2023年度から、さらに売上高10.7%増、営業利益2.8%増の増収増益を見込みます。
2024年6月6日にオープンした「ファンタジースプリングス」の好調や海外ゲスト数の増加に期待しつつ、コストコントロールを推進することで通期業績予想の達成を目指すそうです。
通常、業績予想はやや低めに設定することがほとんどであり、コロナ収束以降は10月の業績予想を毎期上回っているため、達成の確度も高いと考えられます。
直近ではやや苦戦しているように見えますが、将来の業績は概ね明るいと言えるでしょう。
また、来期以降も新テーマポート開業や新アトラクション建設、ディズニークルーズといった新規事業への投資に積極的であり、更なる成長が期待できます。
業績面での不安はなさそうだね!
魅力的な優待とディズニーの人気さ
オリエンタルランドの株を500株以上保有することで、ディズニーランド・シーの1デーパスポートを1枚もらうことできます。
この株主優待がオリエンタルランド株の人気を押し上げており、ファンを長期投資家としてうまく取り込めています。
また、ミッキーなどのキャラクターの人気やキャストのおもてなし、アトラクションの豊富さなどから唯一無二な存在であるディズニーランド・シーの人気は続くと考えられます。
このように割高な株価にはそれなりの理由があり、ただ単にPERが高いからと言ってすぐに見切りをつけることはもったいないです。
割高と言われているけど、それに見合ったコンテンツと人気を兼ね備えているね。
増配や自己株取得など株主還元の強化
オリエンタルランドは2024年3月期決算で年間配当金を5円増配し、新型コロナウイルス感染症流行前を超える水準となっており、今期も増配の予想です。
また、同時に自己株買いの発表をしており、株主還元を強化する姿勢を見せています。
株主還元への積極的な姿勢は、投資家にとって好印象だよね!
ディズニーリゾートを利用される方は、長期保有で株主優待を受け取る事が有効でしょう。今年5月に「スペース・マウンテン」および周辺環境を一新する事も発表しており、クルーズ就航などと合わせ成長を期待しています。さらにインバウンド需要による訪日外国人の増加も同社にとっては大きな恩恵を受けることになります。
オリエンタルランドの事業内容・業績
💡このパートの要約
- オリエンタルランドは東京ディズニーランド・シーとディズニーホテルを経営
- 前期の純利益は約1.5倍となり、今後も好調が続くとみられる
ここではオリエンタルランドの基本情報についてまとめます。
以下の2つの情報について詳しく見ていきましょう。
事業内容
オリエンタルランドでは、以下の3つの事業を運営しています。
テーマパーク事業
東京ディズニーランド・シーを運営しています。
年間来場者数は日本のテーマパークの中で最大。約2,210万人となっており、世界3位の規模です。
世界で唯一、ディズニー本社からのライセンスを受けて運営しているんだワン!
ホテル事業
ディズニー周辺のホテルを4つ、子会社の持つホテル3つの合計7つのホテルを運営中です。
客室稼働率は98.4%となっており、一般的なホテルの客室稼働率は46.6%であることから人気の高さがうかがえます。
客室内もディズニーの世界観が広がっていて、とても人気だね!
その他
舞浜駅周辺のショッピングモール「イクスピアリ」やモノレールの運営を行っています。
「イクスピアリ」は130店に及ぶショップ、レストランで構成されています。
また、モノレールの車体や内装にミッキーのデザインを取り入れることで、ゲストの気分を盛り上げています。
業績
オリエンタルランドの2023年度(2024年3月期)は、売上高6,184億円(前年同期比+28.0%)、当期純利益1,202億円(前年同期比+48.9%)となりました。
単位:百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 最終益 |
---|---|---|---|---|
2021年3月期 | 170,581 | -45,989 | -45,205 | -54,190 |
2022年3月期 | 275,728 | 7,733 | 11,278 | 8,067 |
2023年3月期 | 483,123 | 111,199 | 111,789 | 80,734 |
2024年3月期 | 618,493 | 165,437 | 166,005 | 120,225 |
2025年3月期(予想) | 684,764 | 170,000 | 171,749 | 120,517 |
東京ディズニーリゾート40周年イベントと海外ゲストの回復により、入園者数が増加しました。
それに伴い、ホテルの宿泊者数やモノレールの乗降客数も増加しました。
新型コロナが流行していた時期に比べると、だいぶ回復したね
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なぜ今下がっているのか?オリエンタルランド株価下落の原因とは
💡このパートの要約
オリエンタルランドの株が下落している原因は…
- 筆頭株主による株式売却
- 割高感への警戒
- 上半期の業績不振
ここで、オリエンタルランドの株価の推移を見てみましょう。
2022年から2024年までの株価推移ですが、2024年に入ってから下落が続いていたことが分かります。
下落は何が原因だったのかな?
ここからは、オリエンタルランドの株価が下がっている理由を3つ見ていきましょう。
筆頭株主による株式売却
オリエンタルランドの株価が下落している理由の1点目として、筆頭株主による株式売却が挙げられます。
以下の表はオリエンタルランドの大株主をまとめたものです。
株主名 | 所有株式数 (千株) | 比率 (%) |
---|---|---|
京成電鉄株式会社 | 72,628 | 22.15 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 32,889 | 10.03 |
三井不動産株式会社 | 21,797 | 6.65 |
株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 13,742 | 4.19 |
千葉県 | 13,200 | 4.03 |
株式会社日本カストディ銀行(信託口4) | 4,474 | 1.36 |
オリエンタルランドの筆頭株主である京成電鉄は発行済み株式の1%分を売却すると発表しました。
京成電鉄のアクティビスト(物言う株主)である英投資ファンドがオリエンタルランド株の一部売却を求めており、今後も引き続き売られる可能性があります。
また、第3位の三井不動産もアクティビスト投資家エリオットから売却を求められており、保有率は年々減少しています。
売却された株が市場に大量に出ることで、需給が悪化するのではないかという懸念から株価が下落しているのです。
アクティビストによる株主提案は近年急激に増加しているよね…
合同会社 Next Meeting 代表取締役 かぶリッジ監修者:たけぞう
専門家のポイント
現在、日本では政策保有株式の売却や縮減が進められています。
同社の大株主には京成や三井不動産があります。その大株主に対して、上述のアクティビスト(物言う株主)が同社株の売却を促しています。
イギリスの投資ファンド「パリサーキャピタル」が昨年10月に筆頭株主の京成にOLCの株式を売却するよう要求しました。同社株を2026年3月末までに15%未満に減少させることを要求しています。
また、米投資ファンドのエリオット・マネジメントは、同社株を保有する三井不動産にOLC株の売却と1兆円の自社株買いを求めました。海外のファンドによる同社株の売却提案が株価の下落要因と考えられます。
また、前途したように、第1四半期の業績も株価を押さえている要因と言えます。
割高感への警戒
オリエンタルランドの株価が下落している理由の2点目は、割高感への警戒があることだと考えられます。
PBRやPERなどの指標はどうなっているんだろう?
オリエンタルランドのPBRは6.20、PERは52.77となっており、どちらも高い水準で推移しています。
ここで、リゾートやエンターテイメントのサービスを展開する企業のPBR、PERを見てみましょう。
企業名 | PBR | PER |
---|---|---|
オリエンタルランド | 6.60 | 52.77 |
サンリオ(サンリオピューロランドを運営) | 13.28 | 35.94 |
富士急行(富士急ハイランドを運営) | 4.07 | 26.40 |
ラウンドワン | 3.81 | 16.85 |
サービス業平均 | 3.7 | 21.7 |
このように、オリエンタルランドの株価はサービス業平均と比較しても、かなり割高水準であることが分かります。
株価が下落しているにもかかわらずPBR・PERともに割高感がありますね。
上半期の業績不振
オリエンタルランドの株価が下落している理由の3点目として、上半期の業績悪化が挙げられます。
2024年度に入ってから、オリエンタルランドは減益が続きました。
業績の悪化に加えて、ディズニークルーズやファンタジースプリングスといった大型投資が重なったことで、先行き不透明感から株価が下落したと考えられます。
現に、2025年3月期第一四半期決算が出た時点から株価は急落。
下降トレンドを加速させる形となりました。
一方で、2025年3月期第二四半期決算が発表された10月30日以降は株価が転じて僅かな上昇トレンドを見せるように。
第二四半期も減益とはなったものの、業績予想に修正が無かったことや、ファンタジースプリングスの好調が株価回復を後押ししました。
オリエンタルランドの株価は今後どうなる?
💡このパートの要約
オリエンタルランドの今後は
- 新テーマポート「ファンタジースプリングス」の好調
- 訪日外国人旅行者の増加
- しばらくの間、株価は下落しもみ合いになる可能性が高い
- 新規事業への投資に積極的で、今後さらに成長するかも
オリエンタルランドの株価は今後どうなっていくのでしょうか。
以下では、株価や事業戦略・環境などに注目してオリエンタルランドの将来性を見ていきます。
新テーマポート「ファンタジースプリングス」の好調
2024年6月6日には、新テーマポート「ファンタジースプリングス」が開業しました。
ファンタジースプリングス関連商品や、ポート内新規レストランへの流入などにより売上向上へ大きく貢献。
また、同時に開業した「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」も大幅な増収に寄与しました。
今後も新テーマポートの人気をを追い風に、業績を伸ばしてゆくと考えられそうです。
2023年の東京ディズニーリゾート40周年記念イベントの反動を受けながらも、新テーマポートの人気から増収を達成しているよ!
新エリア「ファンタジースプリングス」の開業に対する反応をみると、「数分で完売した」「東京ディズニーシーに新たな魅力が加わった」など好意的な意見が多いですね。
訪日外国人旅行者の増加
2023年度は海外ゲストが回復し、入園者数に占める海外ゲストの比率は12.7%にまで上昇しました。
今後もしばらくは円安傾向が見込まれるため、海外ゲストのさらなる増加に期待が持てます。
インバウンドによる需要増はオリエンタルランドにとって、かなりの追い風だよね!
株価の推移
オリエンタルランドの株価はしばらくの間、低空飛行しながら上下を繰り返し、もみ合いになる可能性があります。
しかし、業績に期待が持て、新テーマポートや新アトラクション、ディズニークルーズといった新規事業への投資が積極的であることから将来性は高いと考えます。
投資家でもあるかぶリッジ編集部メンバーの意見としても、長期的に見たら株価は上昇するという意見が多かったですよ。
私の見解としては、当面のあいだは政策保有の行方を気にしながらの展開が続くと思われます。また、業績の回復も期待したいです。
株主優待で個人投資家に人気あるだけに、下値は固そうではあります。
8/5の日経平均が急落する場面でも、他社と比較して下落率は低かったです。
【まとめ】長期保有なら迷わず買うべき
オリエンタルランドの株価は客観的に見て割高であり、買うのをためらってしまうのも無理がありません。
しかし、期待の持てる業績や株主還元の強化などポジティブな要素が続き、ディズニーが好きで株主優待に魅力を感じる方は長期目線で保有するのが良いでしょう。
オリエンタルランド株は人気株のためずっと割高で推移しています。
そのため、安い時に買おうなどとは考えず、株主優待やディズニーの今後に期待して保有することをおすすめします。
かぶリッジでは、この他にも日本の優良銘柄についてまとめた記事をまとめているので、ぜひあわせてご覧ください。