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・キオクシアの株価が急騰しているのはなぜ?
・今後も上がり続けるの?今から買っていい?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
キオクシアホールディングス(285A)は、NANDフラッシュメモリに特化した世界有数の半導体メーカーです。
2024年12月に東証プライム市場へ上場し、その後は生成AI特需を追い風に株価が急騰しています。
「ここまで上がってしまったら、今から投資しても遅いのでは?」と感じている方も多いでしょう。
そこで本記事では、キオクシアの株価が上昇した理由・今後の見通しをまとめて解説します。

証券各社の目標株価や、知っておきたいリスクもあわせてチェックしたワン!

💡このパートの要約
キオクシアの株価が急騰した背景には、複数の要因が重なっています。
キオクシアの株価急騰の最大要因は、生成AIの爆発的な普及にあります。
AIの学習や推論には大容量・高速なNAND(ストレージ)が不可欠で、データセンター向けSSD需要が急速に拡大中。
スマートフォンやUSBメモリ、パソコンのSSD(記憶装置)の中に入っている「記憶媒体」の一種。
電源を切っても記憶が消えない「不揮発性メモリ」に分類され、写真・動画・アプリなどのデータを長期保存するのに使われます。
1987年に東芝(現キオクシア)が世界で初めて発明し、現在はあらゆるデジタル機器に欠かせない部品となっています。
生成AIの普及でサーバー内に大量のNANDが必要とされるようになり、近年は需要が急拡大しています。
SSD(ソリッドステートドライブ)とは、半導体メモリにデータを保存するストレージのことです。
従来のHDD(ハードディスク)と比べて読み書き速度が圧倒的に速く、軽量・コンパクトなため、スマホからデータセンターのサーバーまで幅広く使われています。
24時間365日の連続稼働に耐える高耐久性と超高速な読み書き性能が求められ、AIサーバーに大量搭載されるためキオクシアの業績回復の主役となっています。
2026年3月期では、SSD&ストレージ部門の売上が前期から37.5%増の1兆3,626億円を記録しました。
生成AIの普及で大手クラウド企業※が設備投資を急拡大しており、NANDを大量購入する「大口顧客」として市場に大きな影響を与えています。
※GoogleやAmazon(AWS)、Microsoft(Azure)、Metaなど、世界規模で超大型データセンターを構築・運営する巨大テック企業

2026年分のNANDフラッシュがすでに「完売」状態で、今後も供給不足が続くワン!
競合他社がHBM(高帯域幅メモリ)の増産に傾注する中、キオクシアがNAND一本に集中しているという点が大きな差別化要因です。
HBM(High Bandwidth Memory)は、AIの計算処理を担うGPU(グラフィック処理チップ)と組み合わせる超高速なメモリです。
NANDフラッシュとは異なり「揮発性メモリ」の一種(DRAMの進化版)で、電源を切ると記憶が消えますが、その分データの読み書きが非常に高速です。
エヌビディアのAI用GPU「H100」などに搭載されており、現在はサムスンやSKハイニックスがHBMの生産拡大に経営資源を集中させています。
NAND専業のキオクシアは、AI需要急増によるNAND価格上昇の恩恵をダイレクトに享受できる構造です。
実際に主要メーカーが足並みをそろえて協調減産を実施したことで、NAND価格の回復が加速しました。

NAND専業のキオクシアは価格上昇の恩恵をフルに享受できるね!
アナリストの評価もキオクシア株を後押しする材料になっています。
JPM(JPモルガン)は5月18日に目標株価を8万円に引き上げました。
| 発表日 | 証券会社 | レーティング※1 | 目標株価 | 株価との乖離率※2 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/05/18 | GS | 中立継続 | 36,000 → 48,000 | -6.71% |
| 2026/05/18 | シティG | 買い継続 | 31,000 → 73,000 | +41.89% |
| 2026/05/18 | JPM | 買い継続 | 38,000 → 80,000 | +55.49% |
| 2026/05/18 | モルガンS | 買い継続 | 33,000 → 70,000 | +36.05% |
| 2026/05/18 | 野村 | 買い継続 | 51,000 → 68,000 | +32.17% |
| 2026/05/08 | 岩井コスモ | 買い継続 | 40,200 → 60,000 | +16.62% |
| 2026/04/28 | 大和 | 買い継続 | 33,000 → 50,000 | -2.82% |
| 2026/03/17 | SMBC日興 | 買い継続 | 16,400 → 48,000 | -6.71% |
また、米国のNAND専業メーカーであるサンディスクとの株価連動性が高く、サンディスク株が大きく動くとキオクシア株も連動する傾向が見られます。

さらに2026年4月1日からは日経平均株価の構成銘柄に正式採用され、指数連動型ファンドからの継続的な買いも期待される状況です。

米国の半導体市況に大きく影響を受けるので要チェックワン!

💡このパートの要約
ここでは、キオクシアの事業内容・業績・株主還元の状況を詳しく見ていきます。
キオクシアは、1987年に東芝が世界で初めてNANDフラッシュメモリを発明した歴史を持つ、日本唯一のメモリ専業大手です。
東芝の半導体メモリ事業が2019年にキオクシアと改称し、2024年12月18日に東証プライム市場へ上場しました。
事業はメモリの単一セグメントで構成されており、売上をアプリケーション別に3つに分類しています。
三重県四日市市と岩手県北上市に世界最大級の製造拠点を持ち、米国サンディスクとの合弁(JV)で製造コストを効率化している点が特徴です。
| アプリケーション | 売上収益(26/3期累計) | 概要 |
|---|---|---|
| SSD&ストレージ | 1兆3,626億円 | PC・データセンター・エンタープライズ向けSSD等 |
| スマートデバイス | 7,600億円 | スマートフォン・タブレット・車載向け組み込みメモリ |
| その他 | 2,150億円 | SDメモリカード・USBメモリ・サンディスク向け等 |

NANDの産みの親が東芝(現キオクシア)だワン!
2026年5月15日に発表された2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の通期決算では、売上収益が2兆3,376億円、営業利益が8,703億円と2年連続で過去最高を更新しました。
黒字転換を果たした前期(25/3期)から、さらに売上収益+37%・営業利益+93%と大幅に成長しています。
特に主力の「SSD&ストレージ」部門は、AI推論サーバー向けの需要が引き続き旺盛で、前期比+37.5%の1兆3,626億円を達成しました。
| 項目 | 26/3期 | 25/3期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆3,376億円 | 1兆7,065億円 | +37.0% |
| 営業利益 | 8,703億円 | 4,517億円 | +92.7% |
| 営業利益率 | 37.2% | 26.5% | +10.7pt |
| 当期純利益 | 5,544億円 | 2,723億円 | +103.6% |
| 基本的EPS | 1,024.07円 | 519.96円 | +97% |
2026年5月15日に発表された2026年3月期第4四半期(2026年1〜3月)の単体業績は、あらゆる指標でガイダンスの上限を大幅に超過し、過去最高を更新しました。
第4四半期の売上収益は1兆29億円、営業利益は5,968億円、営業利益率は60%という驚異的な数字を叩き出しています。
さらに2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)のガイダンスも強気で、売上収益1兆7,500億円(前四半期比+74.5%)、営業利益1兆2,980億円(同+117.5%)が見込まれています。
第1四半期だけで26/3期通期の営業利益を上回る水準を見込んでおり、勢いが衰えていないことが分かります。
| 26/3期4Q(実績) | 27/3期1Q(ガイダンス) | 前四半期比 | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆29億円 | 1兆7,500億円 | +74.5% |
| 営業利益 | 5,968億円 | 1兆2,980億円 | +117.5% |
| 当期純利益 | 4,077億円 | 8,690億円 | +113.1% |
| Non-GAAP基本的EPS | 751.78円 | 1,593.15円 | +111.9% |

ものすごい伸び率だワン!
2026年3月期も普通株式への配当は実施されず、2年連続で無配となりました。
2027年3月期についても現時点では配当予想額は未定で、決定次第速やかに開示するとしています。
一方で、26/3期の決算説明会では「成長投資・資本効率・株主還元等に関する幅広い施策を検討する」と明言しており、還元姿勢の転換に向けた動きが始まっています。
また、今期(27/3期1Q)にはシニアローン4,000億円の早期完済を予定しており、財務体質の強靭化とともに株主還元の余力が急速に拡大している状況です。

💡このパートの要約

キオクシアの強みと弱みを教えてほしい!
主な競合となるサムスン電子、SKハイニックスと比較しながら見ていきましょう。
キオクシアは、NANDフラッシュメモリの世界市場において、サムスン・SKグループに次ぐ世界3位のシェアを保持しています。
製造拠点としては、フラッシュメモリ工場として世界最大級とも言われる三重県四日市市の四日市工場と、岩手県北上市の北上工場の2拠点が中心です。
特に北上工場のK2棟が本格稼働を始めており、次世代NANDの量産体制が整いつつあります。
サンディスクとの合弁(JV)生産による製造コストの分担も、規模の経済を活かした競争力維持の大きな要素でしょう。
| メーカー | 国 | NANDシェア | 特徴 |
|---|---|---|---|
| サムスン電子 | 韓国 | 27% | DRAM・NAND・HBMを手掛ける総合半導体大手 |
| SKグループ(SKハイニックス) | 韓国 | 22% | DRAMとHBMにも強く、Solidigmを傘下に持つ |
| キオクシア | 日本 | 15% | NAND専業、世界最大級の製造拠点 |
| マイクロン | 米国 | 13% | DRAM・NANDの両方を展開する米半導体大手 |
| サンディスク | 米国 | 13% | 旧ウエスタンデジタルのNAND部門が独立 |
キオクシアの技術的な競争力の核となるのが、独自に開発した3D積層型NAND技術「BiCS FLASH」です。
キオクシアが独自に開発した3D積層型NANDフラッシュ技術のブランド名。
従来のNANDはシリコン(半導体素材)の上に記憶素子を平面的に並べる方式でしたが、BiCS FLASHではビルのように上方向に積み重ねる「3D積層」構造を採用しています。
積み重ねることで同じ面積あたりのデータ保存量(密度)が大幅に増加し、大容量化・低コスト化・高速化を同時に実現可能。
AIサーバーのような膨大なデータを処理する用途に非常に適した技術で、キオクシアの競争力の源泉のひとつ。
2025年2月にはサンディスクと共同で、業界最高水準となる4.8Gb/sのNANDインターフェース速度を実現する新技術の開発を発表しました。
また、2025年6月には2029年までにNAND生産能力を2倍にする中長期事業計画を発表。
さらに2026年3月には、台湾のNanya Technologyへ出資してDRAMの長期供給契約を締結し、製品ラインナップの補完も進めています。

BiCS FLASHの世代進化が、今後のキオクシアの競争力を大きく左右するよ!
強みの裏返しとなるのが、NANDフラッシュのみに依存した事業構造です。
サムスンやSKハイニックスはDRAMとNANDの両方を手掛けており、一方の市況が悪化しても互いに補完できる分散構造を持っています。
DRAM(Dynamic Random Access Memory)は、パソコンやスマホの「作業用メモリ(RAM)」に使われるメモリの一種。
キオクシアはNAND専業のため、NAND価格が下落する局面では業績への打撃が競合より大きくなりがちです。
| キオクシア | サムスン | SKハイニックス | |
|---|---|---|---|
| NAND | ○ | ○ | ○ |
| DRAM | ×(調達のみ) | ○ | ○ |
| HBM | × | ○ | ○ |

市況が良いときはNAND専業の強みが最大化されるけど、悪化時は要注意だよ!

💡このパートの要約

キオクシアの株価は今後どこまで上がるんだろう?
将来性や今後の見通しについて分析していきます。

キオクシアは2024年12月18日に東証プライム市場へ上場しましたが、初値は公募価格(1,455円)を下回る1,440円と、いわゆる「公募割れ」でのスタートでした。
その後、AIデータセンター向けSSD需要の爆発を背景に株価が急騰し、2026年5月18日には51,450円の終値を記録しています。
上場からわずか約1年半で初値の30倍超という驚異的な上昇を遂げました。
一方でボラティリティ(価格変動)は日本株全体でもトップクラスで、急騰・急落を繰り返す側面もあります。
急上昇してきたキオクシア株ですが、いくつかのリスクも念頭に置く必要があります。
最大のリスクはシリコンサイクルで、NAND需要と供給のバランスが崩れた局面では製品価格が急落し、業績が大幅に悪化するおそれがあります。
半導体(シリコン)業界で繰り返される景気循環のこと。
需要が増えると各社が増産→供給が需要を上回り価格が急落→各社が減産→今度は供給不足で価格が回復→また需要増で増産…というサイクルを数年おきに繰り返します。
NANDフラッシュはこのサイクルの影響を特に受けやすい商品で、価格下落局面ではキオクシアの業績が急速に悪化するリスクがあります。
過去にもNAND市況が急落した局面でキオクシアの業績が大幅に悪化した事例があり、その影響は競合と比べて大きくなりがちです。

ボラティリティが高い分、上がりも激しいが下落も急になりやすいのが半導体株の特徴だよ!
しかし、現在の爆発的な需要に対し、供給はすぐに追いつくわけではないので、2026~27年にかけては追い風局面が続く可能性が高いです。
目先の2027年3月期1Qの見通しは非常に強気です。
平均販売単価の上昇を受け、第1四半期の営業利益見通しは前年同期比約29倍の1兆2,980億円と成長は止まりません。
中長期的には、サンディスクとのJV契約を2034年まで延長したことで製造基盤が安定し、2029年までに生産能力を2倍にする計画も着実に進んでいます。
生成AIによるデータ爆発は構造的・不可逆的なトレンドであり、NANDへの旺盛な需要がこの先も続くと考えられます。

生成AI関連以外の用途も多いので、今後も期待大だよ!
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
キオクシアの株価はNAND市況の動向次第で大きく変動するため、短期的な急落局面も起こりえます。
しかし、生成AIによるデータ爆発という不可逆的なトレンドを背景に、NANDへの構造的な需要は今後も続くと考えられます。
キオクシア株への投資を検討する際は、ボラティリティの高さを踏まえ、リスク許容度に応じた判断を心がけましょう。