
・新日本電工の将来性ってどう?
・今から投資しても大丈夫かな?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 高炭素フェロマンガンの国内シェア1位、モビリティ分野で国内オンリーワン製品を製造する独自性を持つ
- 焼却灰資源化事業がグリーン企業としての成長を大きく牽引している
- 棚卸資産の効率性向上等によって財務体質の改善が進む
新日本電工は、鉄に添加することで様々な特性をもたらす合金鉄を製造する鉄鋼メーカーです。
電気炉・冶金技術を応用し、5つの事業(合金鉄事業、機能材料事業、焼却灰資源化事業、アクアソリューション事業、電力事業)を通じて社会の発展に貢献しています。

幅広い事業を行っているよ!
特に注目すべきは、高炭素フェロマンガンでの日本シェア1位の実績です。
そこで今回は、新日本電工の将来性について、事業内容や業績、強みの観点から詳しく解説します。

脱炭素化・環境負荷低減にも大幅に貢献しているワン!

執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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新日本電工の将来性は?3つの理由を解説

💡このパートの要約
- 利益成長率40%超えの新分野への取り組みで多角化戦略を実現
- モビリティ分野成長に伴い、自動車電動化・電装化用国内オンリーワン製品の需要が増加
- 明確な中長期経営計画による財務体質改善の期待
ここでは新日本電工の将来性について、3つの観点から考察していきます。
焼却灰資源化事業が牽引する多角化戦略
新日本電工の成長を牽引しているのが、焼却灰資源化事業です。
焼却灰資源化事業は、2025年12月期の経常利益を20億7,400万円(前期比46.9%増)まで伸ばし、主要事業である合金鉄事業の減益をカバーしています。
廃棄物の資源化ニーズは、埋立処分場の減少に伴い上昇中です。

また、新灰溶融炉への投資も予定されており、灰処理能力・収集量が拡大される見込みです。


新灰溶融炉への投資は経済産業省の補助金対象にもなっているワン
アクアソリューション事業においても、サーキュラーエコノミーの実現に向けた事業の強化が行われています。
サーキュラーエコノミーとは
資源を効率的に循環させ、持続可能な社会をつくるとともに経済的な成長もめざす「経済システム」のこと。
持続可能な形で資源を最大限活用することがキーワードで、持続可能性と成長性の両立を志向する点が特徴的です。
新分野への取り組み強化による事業領域の拡大による多角化戦略が進んでいます。
自動車電動化・電装化の拡大による需要増
現在、モビリティ分野で電動自動車が注目されていますが、同社はこの分野に大きな強みを持ちます。
自動車電動化に用いるフェロボロン・炭酸マンガンは国内で新日本電工のみが提供しており、モビリティ分野の発展に伴う成長が期待できると言えるでしょう。

蓄積された冶金・粉体技術を利用しているよ!
| 国内オンリーワン製品 | 用途 |
|---|---|
| 炭酸マンガン | 表面処理用原料や燃料電池用電極材原料 |
| フェロボロン | ハイブリッド車のモーターや風力発電機 |
| 酸化ほう素 | ガラスパネル |
機能材料事業における2025年12月期の経常利益は19億2,300万円(前期比+16%)に伸びており、モビリティ分野のトレンドが追い風となって今後も成長すると推測できます。
財務戦略によるROEの改善
2025年12月期の新日本電工のROEは同業界内で比較しても低く、2.0%でした。
同社は2023年11月、2030年をターゲットとした中長期経営計画(2024年~2030年)を発表。
その中で、成長戦略の実現と収益性の向上に資する財務体質への変革を掲げています。
2030年あるべき姿実現に向けた財務戦略(2027年見通し)
- 棚卸資産の効率性向上
流動資産の増加を抑えながら、DX推進により資本回転を高める。 - 利益の源泉となる固定資産の増強
7年間で450~500億円規模の投資を成長分野に行う。 - 適正な範囲での財務レバレッジ
- 積極的な株主還元
2030年までに純資産額を1.5倍まで拡大することを目標としています。

これらの財務戦略を通してROE10%を目指しているよ!
新日本電工の事業内容・業績

💡このパートの要約
- 新日本電工は5つの事業を展開する多角化型企業
- 2025年12月期は合金鉄事業の在庫影響で経常利益44.4%減
- 2026年12月期は在庫影響解消で経常利益121.9%増を見込む
ここでは、新日本電工の事業内容と業績について詳しく見ていきます。
事業内容
新日本電工は、合金鉄事業・機能材料事業・焼却灰資源化事業・アクアソリューション事業・電力事業の5つの事業から成る鉄鋼メーカーです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
合金鉄事業

合金鉄事業では、同社は徳島県とマレーシアに生産拠点を有し、高品質のマンガン系合金鉄を供給。
合金鉄は、ほぼすべての鉄に添加される素材で、強度や耐食性など鉄の様々な特性を向上させます。

ビルや橋、車、鉄道にも合金鉄が使われているよ
売上高の6割以上を占める同社の主力分野です。
機能材料事業

機能材料事業では、冶金・粉体技術を強みとして、高機能と高品位を併せ持つ電池・電子部品材料を製造。
ハイブリッド車や電気自動車用の電池材料といった多くの先端素材に採用され、モビリティ分野におけるサステナビリティ向上に寄与しています。
焼却灰資源化事業

焼却灰を電気炉で溶融固化し、余すことなく再利用することで循環型社会に貢献しています。
- 専用炉による溶融
- 高温処理による有害物の無害化・安定化
- 高効率の減容化・軽量化
- 資源リサイクル
アクアソリューション事業
工場排水の処理技術によって環境負荷の低減と水素社会の発展に貢献しています。
- 排水処理装置
排水を脱イオン水・純水として再利用し、水と資源の循環に貢献 - 純水製造装置
燃料電池車などの最先端技術を支える高純水を供給

同社が今後注力する分野の1つだね!
電力事業
自らもダムを運営することでクリーンな再生可能エネルギーの発電事業に取り組んでいます。
- 北海道に民間最大級の貯水量を誇るダムの保有
- 再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用した売電事業
- カーボンニュートラル社会実現に貢献
業績
続いて、業績も確認していきます。
2025年12月期は、売上高77,277百万円(前期比-1.2%)、経常利益2,703百万円(同-44.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,418百万円(同-54.9%)でした。
21/12期以降の業績推移を見てみましょう。
| 決算期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 65,978 | 79,341 | 76,406 | 78,235 | 77,277 |
| 経常利益 | 6,870 | 10,367 | 2,465 | 4,859 | 2,703 |
| 当期純利益 | 7,768 | 7,949 | 4,375 | 3,144 | 1,418 |
| ROE | 12.9% | 11.9% | 6.2% | 4.3% | 2.0% |
※売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は百万円単位。

利益面では苦しい状況が続いているワン!
2025年12月期は、合金鉄以外の事業は順調に拡大を続けましたが、マンガン鉱石市況が大幅下落したことに伴う在庫影響により減益となりました。
2026年12月期の業績予想
- 売上高:75,000百万円(前期比-2.9%)
- 経常利益:6,000百万円(同+121.9%)
2026年は、焼却灰収集量増加や合金鉄事業でのコストミニマムの徹底により増益する見通しです。
新日本電工の強みから見た将来性

💡このパートの要約
- 高炭素フェロマンガンの安定生産・供給を目指す
- 市場参入障壁の高い機能材料を供給
- 複数の事業を展開し、グリーン企業として急速に成長
新日本電工の持続的な成長を支える強みは、以下の3点です。
日本シェア一位の高炭素フェロマンガン

新日本電工は、主要製品である高炭素フェロマンガンで国内市場シェア一位を確立。
合金鉄は国際市況商品ですが、日本の高い電力コストを技術力でカバーすることで世界でも競争力を維持しています。

国際的な品質基準のもと、世界中で売買されているんだワン!
第9次中期経営計画
- 年間生産能力の増強:生産能力10%増強を目標
- 安定供給体制の構築:地政学リスクへ備えた原料調達の分散化
- 生産体制の強化:グリーン電力の最大限活用
国内市場は、今後日本の人口減少と高齢化により、製造業や土木建築向けの鉄鋼需要が減少することが想定されています。
しかし、高級鋼に不可欠なマンガン系合金鉄の需要は底堅く推移するとの想定も。

海外の市場環境はどうだろう?
海外市場は、今後インドを含むアジアでの成長が見込まれており、今後の注目ポイントです。
特殊合金・機能材料のニッチ市場での競争優位性
同社の機能材料事業では、酸化ジルコニウム・酸化ほう素・フェロボロンなど、代替の効きにくい特殊素材を取り扱っています。
これらはニッチな市場ながら、電子部品・セラミックス・特殊鋼など多様な産業に不可欠な素材であり、参入障壁の高い市場での優位性が同社の強みです。
機能材料事業の主要製品と用途
- 酸化ジルコニウム:自動車電装化・半導体電子部品
- フェロボロン:ネオジム磁石
- 酸化ほう素:ガラスパネル・グラスファイバー

生成AI関連部材の増加で市場規模が大きくなっているよ
脱炭素化・環境負荷低減へ貢献する製品やサービスの提供
新日本電工は、環境・エネルギー領域に複数の事業を展開するグリーン企業としての側面が急速に強まっています。
同社の特徴を一言で表すと、脱炭素・資源循環・水環境という3つの軸で社会課題の解決と収益成長を両立させている点です。
環境・脱炭素に貢献する主な事業・製品
- 焼却灰資源化事業:最終処分場への埋め立てを不要にする溶融固化処理で廃棄物の減容・無害化を実現。
- アクアソリューション事業:工場排水からほう素・ニッケルなど有害重金属を回収するイオン交換装置を提供し、水環境の保全に寄与。
- 電力事業(水力発電):FIT制度を活用した水力発電による売電事業。CO₂を排出しない再生可能エネルギーとして安定稼働中。

幅広く環境に貢献しているんだね!
特に焼却灰資源化事業は、「廃棄物を燃やした灰をさらに溶かして資源に変える」というサーキュラーエコノミーの象徴的なビジネスモデルです。
日本では最終処分場の残余容量が逼迫しており、焼却灰の溶融処理は社会インフラとしての需要が今後も拡大すると見込まれています。

ESG投資の観点から、環境貢献事業の売上比率がどこまで高まるか注目だワン!
【まとめ】新日本電工の将来性は?

最後に、新日本電工の将来性についてまとめます。
かぶリッジの結論
- 高炭素フェロマンガンの国内シェア1位、モビリティ分野で国内オンリーワン製品を製造する独自性を持つ
- 焼却灰資源化事業がグリーン企業としての成長を大きく牽引している
- 棚卸資産の効率性向上等によって財務体質の改善が進む
総合的に見て、新日本電工は合金鉄の高いシェアとグリーン企業としての成長を併せ持つ、魅力的な投資対象と言えます。
プラス要因と注意点に分けて見てみましょう。
【プラス要因】
- 2026年12月期に経常利益の大幅回復(121.9%増)見込み
- 焼却灰資源化事業による多角化戦略
【注意すべきリスク要因】
- 合金鉄事業が売上高の多くを占め、市況変動リスクが大きい
- マンガン鉱石市況が再度下落し、再びマイナスの在庫影響が発生するリスク

市況変動リスクに対して、焼却灰資源化事業という景気耐性の高い事業を育てているワン!
新日本電工の株価見通しとしては、2026年12月期の業績回復を見極めながら判断したい局面です。
今後のマンガン鉱石市況と在庫影響の方向性、焼却灰処理量の推移に注目です。
投資判断は自己責任で行ってください。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の責任において行ってください。






