
・フェローテックの株価は今後どうなるの?
・掲示板でも話題だけど、なぜ上がったり下がったりするの?
・フェローテックが急騰した理由は?
・秋からTOPIX銘柄として採用されるの?
このようなお悩みを解決します。
【かぶリッジの結論】フェローテックの今後の株価は・・・
- AI・半導体需要の減速による「セクター全体の調整」
- 顧客である半導体関連メーカーに引きずられる「連動下落」
- 中国依存度の高さによる「地政学リスク」
フェローテックホールディングス(6890)は、半導体製造装置向けの真空シールで世界トップシェアを誇るグローバル電気機器メーカーです。
「AI・半導体」需要の高まりにより、2025年から上昇基調にあり、2025年4月の1,923円を底に、同年6月には11,000円超へ急騰しました。

TradingViewより
「なぜこんなに上がったの?」「今から買っても大丈夫?」と気になっている方も多いでしょう。
そこで今回は、フェローテックの株価が急騰した理由と今後の見通しを、初心者にも分かりやすく解説します。

執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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フェローテックの株価が上昇した3つの理由

💡このパートの要約
- 世界的な半導体需要の増加
- 東京エレクトロンの成長がフェローテックを牽引
- 今期決算の上方修正が株価を押し上げる

なんでこんなに上昇しているんだろう?
ここからはフェローテックが上昇している理由について見ていきましょう。
AI・半導体の実需の増加
2025年から3倍以上上昇しているフェローテックですが、その裏には半導体需要の増加があります。
下の画像はSOX指数のチャートです。
SOX指数とは、米国の主要な半導体関連企業30社で構成されるフィラデルフィア半導体株指数のことです。半導体市場全体の景気や動向を示すバロメーターとして世界中の投資家が注目している指数です。

TradingViewより
これを見ると直近の数ヶ月は調整があるものの、2025年の初めから2倍以上上昇していることが分かります。
この半導体需要の増加に伴い、フェローテックの株価が上昇しています。

世界的な半導体の需要の増加がフェローテックにも影響しているんだね!
直近ではマイクロソフトの売上高が市場予想を上回り、通期でフリーキャッシュフローが黒字を維持する見通しを示しました。
これにより、AIインフラ投資がハイパースケーラーの現金流出を招くという過度な懸念が後退しました。
東京エレクトロンの成長が直接影響
フェローテックが上昇しているもう一つの要因は東京エレクトロンの成長にあります。
下の画像は東京エレクトロンのチャートです。

TradingViewより
2025年9月頃から3倍近く上昇しており、成長が期待されています。

でもどうして東京エレクトロンが関係してくるの?
フェローテックと東京エレクトロンは、半導体製造装置の分野における「部品・素材サプライヤー」と「製造装置メーカー」という取引関係(ビジネスパートナー)にあります。
そのためフェローテック製品の買い手である東京エレクトロンの成長がフェローテックの売上に直結する構造になっています。

取引関係だからフェローテックに影響するんだね!
直近の業績も順調に成長しており、2027年3月期の業績予想は上方修正されました。
今後も東京エレクトロンの成長が続くと期待されており、フェローテックにもより多くの注文が入ることが予想されます。
東京エレクトロンについて詳しく知りたい方は下の記事もチェックしてみてください。
今期の決算を大幅上方修正
最後の理由としては、2026年7月22日に2026年12月期決算の予想を大幅に上方修正したことです。

2026年から、決算日を3月31日から12月31日に変更したよ。
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 修正前の予想 | 350,000 | 38,000 | 36,000 | 23,000 |
| 修正後の予想 | 380,000 | 60,000 | 55,000 | 33,000 |
| 増減率 | 8.6% | 57.9% | 52.8% | 43.5% |
同社開示資料より

大幅な上方修正を出したんだね!
営業利益は前回予想から57.9%増、当期純利益も43.5%増と強気の予想を出し、業績のさらなる成長を見込んでいることを示しました。
この発表を受けて、同社の株価は前日比+20%以上を記録しました。
2026年8月現在、フェローテックのバリュエーションはPER12倍、PBR1.5倍と割高水準ではないため、継続的な株価の上昇は期待できると考えられます。

PER12倍だと割高感はまだないね!
フェローテックの事業内容・業績・株主還元

💡このパートの要約
- 主力の半導体等装置関連事業が売上の6割超、真空シールは世界シェア約7割
- 業績は増収傾向で、2026年12月期は大幅な増益予想
- 配当は年々増加(利回り約2%)、株主優待はなし
ここからは以下の3つについて詳しく見ていきましょう。
事業内容
事業内容は以下の3つに分けて解説します。
半導体等装置関連事業
半導体等装置関連事業はグループの中核であり、半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)・LED等の製造装置に使われる真空シール、石英製品、セラミックス製品等を手掛けています。

代表製品の真空シール(上の画像)は、真空状態を保ちながら装置内部へ回転運動を伝える部品で、半導体製造装置向け真空シールでは約7割の世界シェアを持つのが同社の大きな強みです。

2026年3月期の半導体等装置関連事業の売上高は1,851億円で、年々増加しています。
電子デバイス事業
電子デバイス事業は、サーモモジュールを中心としています。
サーモモジュール(ペルチェ素子)は電流を流すことで冷却・加熱・温度制御ができる半導体素子で、光通信、車載、民生機器、医療機器など幅広い用途で使われます。

売上高も成長しており、電子デバイス事業の2026年3月期の売上高は575億円となりました。
車載関連事業
この事業は、車載向けサーモモジュール、パワー半導体用基板、センサ製品が中心です。

こちらは前期と比べて若干売上高が落ちていますが、EV化が進む中でEV向けのパワー半導体用基板の需要が見込まれます。

どの事業も成長が感じられるね!
業績
フェローテックの業績推移は、以下の通りです。
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 2,224億円 | 265億円 | 151億円 |
| 2025年3月期 | 2,743億円 | 255億円 | 156億円 |
| 2026年3月期 | 2,889億円 | 260億円 | 148億円 |
| 2026年12月期(会社予想) | 3,800億円 | 550億円 | 330億円 |
同社決算短信より
2026年3月期の売上高は2,889億円(前期比5.3%増)、経常利益は260億円(前期比2.0%増)と上昇しましたが、当期純利益は148億円(前期比5.1%減)となりました。

2024年3月期からの業績は上昇傾向にあるのがわかるね!
上の項目でも説明しましたが、2026年12月期の会社予想が大幅に上昇しました。
今後の業績成長を見込んだ上方修正と考えられるため株価の上昇も期待できます。

上方修正は株価に好材料だね!
株主還元
次に株主還元について見ていきます。

配当金や優待はあるの?
配当金
配当金は実施しています。
1株当たり配当金は以下のように推移しています。
| 22/3期 | 23/3期 | 24/3期 | 25/3期 | 26/3期 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 中間配当金 | 23 | 50 | 50 | 55 | 74 |
| 期末配当金 | 27 | 55 | 50 | 86 | 74 |
| 年間配当金 | 50 | 105 | 100 | 141 | 148 |
同社HPより
1株当たりの配当金は上昇傾向にあります。
配当利回りは2026年8月現在、2%前後と悪くない水準です。

配当の権利確定日は12月末と6月末だね!

決算期変更で次の配当権利確定日が12月末となることに注意が必要だワン!
また、2026年12月期の年間配当予想は200.00円となる見込みです。
株主優待
フェローテックは現在、株主優待は実施していません。
フェローテックの強みと弱みは?

💡このパートの要約
- 強みは真空シール世界シェア約7割などのニッチ寡占製品
- M&Aと大規模投資による垂直統合とスピード感ある成長
- 弱みは中国依存の地政学リスクと利益率・財務指標の低さ
次はフェローテックの強みと弱みについて以下の3つに分けて解説していきます。
強み①:ニッチ寡占製品の圧倒的シェア
フェローテック最大の強みは、ニッチな市場で圧倒的なシェアを握る製品を複数持っていることです。

フェローテックの主なシェア
- 半導体製造装置向け真空シール:世界シェア約7割
- サーモモジュール:世界トップクラスのシェア
グループ売上の6割以上を占める半導体等装置関連事業は着々と業績を伸ばしており、その中核となるのがこれらの寡占製品です。

シェアが高いと何がいいの?
シェアの高いニッチ製品は競合が参入しにくく、景気が回復する局面で真っ先に需要を取り込めるのがメリットです。
AI・半導体の需要が今後も拡大すると期待される中で、装置メーカーが増産すればするほどフェローテックの部品も売れる構造になっています。

半導体業界の成長がそのまま追い風になるんだね!
強み②:M&Aと大規模投資による垂直統合・スピード
2つ目の強みは、M&Aと大規模な設備投資によって成長スピードを加速させてきたことです。
フェローテックは1980年の設立以来、数々のM&Aを繰り返して事業領域を拡大してきました。
材料から部品・洗浄サービスまで自社グループ内で手掛ける「垂直統合」を進めることで、顧客の細かい要望に素早く応えられる体制を築いています。
直近ではマレーシア・ジョホール州に「Ferrotec Silicon Materials (Malaysia) SDN BHD」を設立し、生産拠点を拡大中です。
また、M&Aや育成によって成長した中国子会社を現地市場に上場させる戦略も特徴的で、グループ全体の成長ドライバーとなっています。

投資のスピード感が成長につながっているんだね!
弱み①:地政学リスクと利益率の不安定さ
一方で弱みとなるのが、中国への依存度の高さと、利益率・財務指標の低さです。

上の画像にあるように、地域別売上高構成比では中国が半分以上を占めており、米中対立などの地政学リスクの影響を受けやすい構造になっています。

フェローテックは対策していないの?
同社はこれを最重要課題と認識しており、中期経営計画の基本方針ではマレーシア等の生産を拡大すると記載しています。
ただし、その積極投資が財務面の負担にもなっています。
2026年3月期の財務状況
- 投資キャッシュフローは▲668億円
- マレーシア工場への投資等で有形固定資産が360億円増加
- 有利子負債は400億円増えて2,023億円に
- 自己資本比率は39.4%から37.6%へ低下
また収益性の面でも、ROE6.0%・ROIC3.2%と低水準にとどまっています。
2028年12月期の経営目標も、前回計画のROE15%・ROIC8%からROE11%・ROIC7%へ引き下げられました。
ROE(自己資本利益率)は株主のお金でどれだけ効率よく利益を上げたか、ROIC(投下資本利益率)は借入も含めた投下資本全体でどれだけ稼いだかを示す指標です。一般にROEは8〜10%以上で優良とされます。

成長投資の成果が利益率に表れてくるかがポイントだね!
フェローテックの株価は今後どうなる?

💡このパートの要約
- 株価は年初来安値から2倍超の水準で、短期は調整に注意
- 最大のリスクはAI・半導体需要の減速とセクター連動下落
- PER12倍と割高感はなく、中長期での上昇に期待
【チャート】株価推移
もう一度、直近の株価推移を確認しましょう。

TradingViewより
半導体需要の上昇により中長期で上昇トレンドが続いています。
先述した通り、2025年4月の安値からはすでに約4倍の水準にあり、短期的には過熱感からの調整(利益確定売り)が入る場面も想定されます。

急騰後は値動きが荒くなりやすいから、慌てて飛びつかないことも大切だね!
株価下落リスク

今から買って下がったりしないかな…?
フェローテックに投資するうえで、押さえておきたい下落リスクは以下の通りです。
フェローテックの主な下落リスク
- AI・半導体相場の熱が冷めること
- SOX指数や半導体大手の株価に連動した「連動下落」
- 中国依存度の高さによる地政学リスク
最大のリスクは、AI・半導体の需要が減少することです。
フェローテック自体の決算は順調ですが、株価はSOX指数や顧客である半導体関連メーカーの動向に大きく影響されます。
そのため、業績に問題がなくても半導体セクター全体の調整に巻き込まれて下落する可能性がある点には注意が必要です。

個別の業績が良くても、セクター全体の地合いには逆らえないんだね。
一方で、PERは12倍程度とそこまで高くないため、現時点で割高感はありません。
バリュエーション面から見ると、期待が先行しすぎた銘柄に比べて下値リスクは相対的に小さいと考えられます。
今後の見通しと将来性
結論として、フェローテックの株価は中長期的に上昇が期待できると考えられます。
理由は大きく3つです。
- AI向けを中心に半導体需要は今後も増加する見込み
- 大幅上方修正など業績の成長が続いている
- PER12倍・PBR1.5倍とバリュエーションに割高感がない
AIの普及に伴い、世界的な半導体需要は今後も拡大していくと見込まれています。
真空シールで世界シェア約7割を握るフェローテックは、半導体の着実に恩恵を受けやすいポジションにあります。
ただし、弱みの項目で解説した通り、中国依存や利益率の低さといった課題も残っています。
短期の値動きに一喜一憂せず、半導体需要の拡大と業績成長を前提とした中長期目線での投資が向いている銘柄と言えるでしょう。

リスクも理解したうえで、長い目で付き合いたい銘柄だね!
また2026年10月末に予定されているTOPIXの入れ替えの候補銘柄にフェローテックが入っています。
すでに株価に織り込まれている可能性がありますが、同社にとってポジティブな材料と言えるでしょう。
今秋からはプライム市場の銘柄でなくてもTOPIXに採用される可能性があるんだね!
【まとめ】フェローテックはどこまで上がるの?

フェローテックの株価が上がった理由と今後の見通しがよくわかったよ!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
- 株価急騰の理由は半導体需要の増加・東京エレクトロンの成長・決算の大幅上方修正
- 強みは真空シール世界シェア約7割などのニッチ寡占製品
- PER12倍と割高感はなく、中長期での株価上昇に期待
フェローテックは、AI・半導体需要の拡大を追い風に業績・株価ともに成長を続けている銘柄です。
短期的には急騰後の調整や半導体相場全体の変調に注意が必要ですが、半導体の技術革新に不可欠な存在として、中長期的な成長が期待できるでしょう。
中国依存などのリスクも理解したうえで、ご自身の投資方針に合わせて検討してみてください。

投資は自己責任で、余裕資金の範囲で行うことが大切だワン!



