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JT株は買ってはいけない?高配当だけど人気や将来性はある?株価や業績から分析

JT株は買ってはいけない?高配当だけど人気や将来性はある?株価や業績から分析

JT株は買ってはいけないの?
高配当株だけど将来性はある?

このようなお悩みを解決します。

かぶリッジの結論

以下の理由から、JT株への投資には注意が必要です。

  • 決算が好調で株価が年初来高値を更新するも、長期的に見ると配当減少や株価下落のリスクが高い
  • たばこ市場の縮小により、海外たばこ事業に頼るビジネスモデルはリスクが高い
  • 加熱式たばこ市場に進出するものの、出遅れ感あり

日本たばこ産業(JT)は、たばこ事業を展開する特殊法人です。

JT株は人気の高配当株のひとつなので、これから購入したいと思っている方も多くいるでしょう。

とはいえ実際に高配当を得られるのか、たばこ事業に頼るJTの将来性は大丈夫なのか不安に思う方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、JT株を買ってはいけないと言われる理由やJTの将来性について分かりやすく解説していきます。

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執筆:かぶリッジ編集部

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目次

JT株はなぜ買ってはいけない?理由3つを解説

JT株を買ってはいけない理由

JT株を買ってはいけないと言われる理由は、1つではありません。

大きく以下の3つに分けて、考察していきましょう。

①配当減少や株価下落のリスク

JTは配当性向75%を目安(±5%程度)にする株主還元方針を掲げており、利益を積極的に株主に還元する姿勢が見て取れます。

実際に、同社の1株当たりの配当金と配当性向の推移を見てみましょう。

年度1株当たりの年間配当金(円)連結配当性向(%)
2025年度194(予想)76.5(予想)
2024年度19474.3(192.2)※
2023年度19471.4
2022年度18875.4
2021年度14073.4
2020年度15488.1
同社HPより
※2024年度は、カナダ訴訟損失引当金3,756億円を一括して計上しており、当該影響を含めた連結配当性向は192.2%となる。

一般的に、配当性向が50%を超えると「高い」と評価されることが多いですが、JTの配当性向は、平均すると約77%となり配当性向は非常に高水準を維持しています。

配当性向は当期純利益のうち、どれだけ配当金の支払いに回しているかの指標であるので、この高い配当性向を維持するためには安定した利益計上が求められます。

特に問題はなさそうだけど…

高配当には良い面だけでなく、以下のようなリスクもあります。

  • 利益が減った際に無理に配当を続けようとすると、将来の成長に必要な研究開発費や設備投資が不足する
  • 業績悪化により、配当減少や廃止をせざるを得なくなる可能性が高まり、株価が大きく下がるリスク

実際、2024年3月14日の日経新聞朝刊によると、JTは税務リスクを避けるため、海外子会社から受け取った約1200億円の配当を返還し、一時的に単体の利益が減少しました。

税金リスクを回避するために、海外子会社から受け取った配当を返還することにしたんだ。

その結果、JT単体としての利益が減少し、23年12月末と24年6月末の合計配当額が上限を超えてしまう可能性があると指摘されました。

ですが、最終的には、3月の株主総会で株主資本のうち「資本準備金」(配当可能額に含まれない金額)を、「その他資本剰余金」(配当可能な金額)に振り替える議案が可決され、予定通り配当は支払われました。

今回は大丈夫だったけど、少し心配になるニュースだったよ。

これは配当計画に影響を及ぼす可能性がある事例です。

高すぎる配当は、一時的には魅力的でも、長期的には不安定な要因になることもあるよ!

②たばこ市場の縮小

近年、国内外で喫煙者は減少し、たばこ税は増加傾向にあります。

まず、国内喫煙者数の推移を見てみましょう。

厚生労働省 喫煙率調査
厚生労働省「喫煙環境に関する実態調査」より引用

調査によると、国内の習慣的に喫煙する人の数は下降傾向にあるようです。

喫煙者数の減少に伴い、国内の紙巻たばこの販売数も減っています

財務省 紙巻きたばこ販売数
財務省の資料より引用

さらに、国内の紙巻たばこの税率は徐々に高くなっています。

財務省 たばこ税の推移
財務省の資料より引用

海外のたばこ市場はどう変化しているのかな?

海外の喫煙率も低下傾向にあります。

WHOの調査によると、2020年時点には世界の喫煙率が21.7%となり、今後も喫煙率は低下し続けると考えられます。

また、海外の規制もますます厳しくなっています(下記は一例)。

  • JTの主要市場ロシアでは、たばこおよびニコチン製品の生産・流通・輸入に対する包括的な規制が導入
  • EUでは、「たばこ製品指令」に基づき加熱式たばこを含む製品に規制が適用
  • 英国では、法律で特定の年齢層へのたばこの販売が禁止に

JTはロシア市場での事業を継続しつつ、新規投資およびマーケティング活動の停止など事業運営には慎重な対応を進めているよ…

③加熱式たばこ市場での出遅れ感と多額な投資

JTは新型加熱式たばこ「プルーム・オーラ」の発売を発表し、国内シェアトップを誇るフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「アイコス」に対抗していく方針です。

しかし、JTは加熱式たばこ市場への参入が遅れた影響で国内シェアは13.9%と最下位加熱式たばこ市場での出遅れ感は否めません。

以下は、2025年の日本国内加熱式たばこ市場のシェアトップ3とシェア率です。

たばこブランドTOP3シェア率
アイコス(PMI)69.8%
グローハイパー(BAT)16.3%
プルームX(JT)13.9%
日経新聞より数値引用

JTは高機能・軽量設計と低価格を武器に巻き返しを狙いますが、首位のPMIの69.8%、第2位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の16.3%に大きく差を付けられています。

初期の規格競争で敗れたことで主流のスティック型導入が遅れ、開発・販売体制の構築にも時間を要しました。

現在は2027年までに国内シェア2位を目指し、6500億円規模の販促投資や海外展開を進める計画です。

JTの加熱式たばこの売上高比率は1割未満で、単体の事業では赤字が続いているワン!

加熱式たばこ市場に出遅れたJTは、挽回ために6500憶円もの多額の投資が必要になるんだね…

JTの株価推移を時系列で解説

💡このパートの要約

  • 2025年初来高値を連日更新で株価は堅調に推移
  • 背景には、2025年1Qの決算にて営業利益+15%などの好材料
  • 医薬事業から撤退を発表し、たばこ事業への経営資源の集中が投資家に好感触

JTの株価推移と株価変動の背景が知りたい!

株価推移

こちらは、2021年以降のJTの株価推移です。

JT 株価 25/6
TradingViewより引用(2025年6月4日時点)

2025年現在の今は最高値付近を推移しているんだね!

2016年から始まった株価の下落は2021年には落ち着き、そこからは順調な上昇を続けています

さらに25年5月8日に、欧州系大手証券会社は、JTのレーティング強気を継続し、目標株価を4,900円から5,400円に引き上げました株予報Pro参照)

NISAで注目されたこともあり、人気がある銘柄だよね!

JT株の主なニュース

ここからはJTの主なニュースを時系列にまとめます。

年月ニュース・トピック株価への影響
2025年5月・2025年1Qの好決算
・医薬事業から撤退
⇒たばこ事業への経営資源の集中が市場から好感
上昇
2024年3月・外子会社から受け取った配当約1200億円を返還
⇒配当計画に支障が出る懸念
下落
2024年8月・米シェア4位のベクターグループを買収上昇
2023年~2024年・円安進行により海外たばこ事業の利益増加
・新NISAの開始以降、高配当銘柄として個人投資家に人気
上昇
2020年7月・新型コロナウイルスの影響や業績悪化により、株価が上場来安値を記録下落
2018年~2020年・減配リスクや国内たばこ市場縮小、ESG投資の流行で機関投資家の売りが増加下落
2016年・業績好調や高配当利回りが評価され、株価が上場来高値の4,850円を記録上昇
2015年9月・米国アメスピ事業を約6000億円で買収するものの買収額の割高さが指摘され、株価が一時10%急落急落
2013年3月・政府保有株株買い(約2500億円)を実施急落

JTはなぜ高配当?配当や株主還元を分析

JTはなぜ高配当?配当や株主還元を分析

高配当株として知られるJT株。

実際に配当の方針として「配当性向75%」を目安としており、株主還元に力を入れています

では、JTはいったいなぜ高配当なのでしょうか

株価推移や配当推移のデータとともに見ていきます。

JT株は「豊富なキャッシュ」が高配当の秘訣!

JT株が高配当である理由として、安定かつ高い収益性によるキャッシュの多さがあるでしょう。

このように「安定かつ高い収益性」を実現できている原因としては、以下の2つが考えられます。

  • 海外でのたばこ需要の拡大
  • 国内の愛煙家による安定したたばこ需要

そして安定かつ高い収益性の結果として、高い自己資本比率を実現できています。

以下の表をご覧ください。

決算期自己資本比率
2024年12月期52.7%
2023年12月期51.4%
2022年12月期57.9%
2021年12月期54.0%
同社決算短信より数値引用

表の通り、自己資本比率は50%前後で推移しており、2024年12月期は52.7%となっています。

一般的には、自己資本比率は30%以上で安定企業、50%以上で優良企業です。

自己資本比率から、JTは財務が健全であることが分かるね!

また、JTは自己資本利益率(ROE)も高水準です。

日本たばこ産業 ROE 推移
同社HPより

上のグラフの通り、2023年度までのROEは12-13%台で推移しています。

また、2024年度のROEは4.7%、ROAは3.0%と低い水準となっていますが、これはカナダにおける訴訟の和解に伴う訴訟損失引当⾦の影響が主な要因です。

この影響を除いた場合のROEは11.8%、ROAは7.8%ですので、収益性自体は高いと言えるでしょう。

一般的にROEは8-10%が目安で、10%を超えると投資価値がある優良企業だと言われます。

ROEは、企業がどれくらい効率よくお金を稼いでいるかを示す指標だワン!

つまり、豊富な自己資本をもとに効率的に経営をすることで、さらなる自己資本を生み出しているのです。

このように、国内外のたばこ需要によって「安定かつ高い収益性」を実現し、これによって潤沢なキャッシュがあるからこそ、高配当を実現できていると言えるでしょう。

配当推移

JTグループの2024年度の1株当たり配当金は194円となりました。

1株当たり配当金の推移を見てみましょう。

スクロールできます
年度中間期末年間連結配当性向
2025年度97円(予想)97円(予想)194円(予想)76.5%(予想)
2024年度97円97円194円74.3% (※1)
2023年度94円100円194円71.4%
2022年度75円113円188円75.4%
2021年度65円75円140円73.4%
2020年度77円77円154円88.1%
2019年度77円77円154円78.6%
2018年度75円75円150円69.7%
2017年度70円70円140円63.9%
2016年度64円66円130円55.2%
2015年度54円64円118円53.2% (※2)
2014年度50円50円100円50.1%
2013年度46円50円96円40.8%
2012年度30円38円68円37.6%
※1) カナダにおける訴訟の和解に伴う訴訟損失引当⾦の影響を含めた配当性向(連結)は、192.2%
※2) 2015年度は飲料水事業を非継続事業に分類。非継続事業を含めた連結配当性向は43.6%
同社HPより作成

2024年度は利益の70%以上も配当に回したんだね!

配当額は年々増加傾向にあります。

配当性向が最も高かったのは2020年度の88.1%でした。

株主還元

2023年の株主優待商品の発送をもって、JTの株主優待制度は廃止されました。

以前は自社グループの食品セットを株主優待にしていましたが、現在は配当を中心とした株主還元へと変更しています。

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JTの事業内容・業績

JT 事業内容と業績

JTの株の3分の1は日本政府が保有しているため、JTの完全な民営化はされていません

同社が新しい事業を始める場合、財務大臣の認可が必要となります。

筆頭株主が財務大臣だなんて、知らなかったよ!

事業内容

JTは以下の2つの事業を展開しています。

25年5月7日、同社はグループ会社である鳥居薬品を塩野義製薬に売却医薬事業から撤退することを発表しています。

たばこ事業

JTは「グローバルたばこカンパニー」として130以上の国と地域で事業展開をしています。

以下のブランドは、世界的な地位を誇る同社のたばこブランドです。

  • ウィンストン
  • キャメル
  • メビウス
  • LD

近年は、健康に配慮した「リスク低減製品(RRP)」にも注力し始めました。

加工食品事業

加工食品事業は、冷食・常温事業と調味料事業の2つに分かれます。

冷食・常温事業では冷凍うどんやパックご飯等を販売しており、主導企業はテーブルマーク(株)です。

調味料事業では富士食品工業(株)を中心に、海外4拠点も含めて様々な調味料の販売を行っています。

業績

2022年12月期~2024年12月期のセグメント別の売上収益と営業利益を見てみましょう。

なお、2024年12月期通期決算の発表時点では医療事業があったため、以下の表には医療事業も含まれています。

スクロールできます
たばこ事業医療事業加工食品事業売上収益営業利益
2024年12月期28,9709451,57231,4983,235
2023年12月期25,9099491,53928,4116,724
2022年12月期24,1778291,55526,5786,536
単位:億円
2024年12月期決算短信および2023年12月期決算短信より数値引用

2024年12月期の実績は、売上収益が過去最高を記録しました。

その中でも、たばこ事業の売上収益が約9割を占める形となっています。

同事業の売上収益は順調に伸びていますが、その他事業では厳しい状況が続いているようです。

たばこの地域別売上はどうなっているのかな?

同社のたばこ製品の地域別売上収益は以下の通りです。

Asia比率(%)Western Europe比率(%)EMA比率(%)合計
2024年12月期8,02328.96,88924.812,87346.327,786
2023年12月期7,96932.26,03224.210,78443.524,786
2022年12月期8,04834.85,38823.39,71542.023,152
単位:億円
2024年12月期決算短信および2023年12月期決算短信より作成
Asia:日本を含むアジア全域。Western Europe:西欧地域。EMA:アフリカ、中近東、トルコ、南北アメリカ大陸及びすべての免税市場

アジア地域での売上収益の割合が徐々に低下しているね…

今後はさらにアジア地域以外のたばこ売上収益に頼るビジネス構造となっていくかもしれません。

実際に24年8月21日には、米国4位のたばこ会社「ベクター・グループ(VGR)」を約3,780億円で買収することを発表し、同年10月7日付でVGR社を完全子会社としました。

これによって、米国市場でのシェアが2.3%から8.2%まで大幅に拡大しました。

アジア地域以外の海外進出にも積極的だね!

2025年12月期 第1四半期の決算まとめ

JTは2025年5月7日に、2025年12月期の第1四半期決算を発表しました。

25/12期1Qでの決算は以下の通りです。

  • 売上高:8,269億円(前年同期比+11.7%)
  • 営業利益:2,487億円(同+15.3%)
  • 経常利益:2,260億円(同+12.3%)
  • 当期純利益:1,574億円(同+0.1%)

なお、売上高・営業利益・経常利益は前年同期比で+10%以上になったものの、当期純利益は前年同期と同水準になりました。

売上収益が増加した要因は、主にたばこ事業におけるプライシング(戦略的価格設定)効果が索引したことです。

このように営業増益となった一方で、金融損益の悪化および法人所得税費用が増加したことにより、当期純利益は前年同期と同水準となりました。

2025年12月期通期の業績予想は以下の通りです。

  • 売上収益:32,730億円(前期比+3.9%)
  • 営業利益:6,710億円(同 約2.1倍)
  • 当期純利益:4,500億円(同 約2.5倍)

利益は前期比で2倍超となることが見込まれています。

しかし、これはたばこ事業におけるカナダ現地子会社の喫煙と健康に関する訴訟の原告等との和解に係る費用を計上したため、2024年12月期に大幅に減益となったことが要因です。

利益が2倍超なのは見かけ上の数値であるから注意が必要だね!

JTの株価や配当は今後どうなる?将来性・見通しを分析

JTの株価や配当は今後どうなる?将来性・見通しを分析

JTの今後はどうなっていくのかな?

以下の3点について詳しく考察していきましょう。

①減配リスクが大きい

JT株の減配リスクは大きいと言えるでしょう。

海外子会社への1,200億円配当返還がきっかけとなり、JT株の配当上限額が減少する可能性もありました。

海外での事業展開に成功しているからこそ、海外子会社を配慮した財務管理はJTにとって非常に重要です。

今回は危機を乗り越えましたが、今後も高配当を維持していけるかどうかは懸念事項でしょう。

②さらに為替の影響を受けやすくなる可能性が高い

JTの売上収益の約9割をたばこ事業が占めており、その中でも海外(アジア地域以外)での収益が約7割のため、為替の影響は受けやすいです。

円安の恩恵を受けやすい銘柄だから、円高時の業績下落リスクもあるね…。

売上収益構造の推移から、今後も海外でのたばこの売上収益の割合が増え続けると予想されます。

海外の割合が増えるにつれ、JTが為替の変動で受ける影響も大きくなるワン!

③NISAでの人気は高配当の維持が鍵

ここまでたばこ市場の縮小や加熱式たばこ市場への出遅れなどマイナス要因を挙げてきました。

とはいえ、JT株はNISAで非常に人気の高い株であるのは事実です。

新NISAでの個人投資家による購入量ランキングでは、いつも上位だワン!

やはり高配当が人気の理由だろうから、JTは何としても高配当を維持したいだろうな…。

JT株は高配当株として人気なため、配当次第で株価が上がる可能性も、下がる可能性もあります。

今後の事業展開や業績、たばこ市場の動向にも注目していきましょう。

アナリストの見解は?

JTの将来性について当社所属のアナリスト森本氏にインタビューしました。

森本

JTの株価は、今後上がることは予想できますが、長期的な目線では買いづらいですね。

JT(日本たばこ産業)は海外展開も進めていますが、たばこ需要の世界的な減少は避けられず、長期的な成長には限界も見えています。

他事業への展開も行っているものの、業績への影響は限定的で、最終的にはたばこ事業の動向が業績全体を左右しています。

かぶリッジ編集部

JT株の特徴はなんですか?

森本

株式の特徴としては「ディフェンシブ銘柄」として知られ、景気に左右されにくい安定感があります。

ディフェンシブ銘柄とは

景気の変動に影響を受けにくい、業績が安定している銘柄。

具体的には、食品や医薬品、公共事業(電力・ガスなど)といった、生活必需品や社会インフラ関連などが挙げられる。

ただし、足元ではPERやPBRなどのバリュエーション指標が中途半端に高く、株価はすでに一定の評価を受けた水準に達しており、妙味(投資妙味)には欠ける印象です。

JT株のPER・PBRを見る
PERPBR
17.2倍2.05倍
株Proより
2025/6/4時点

株価は今後も緩やかに上昇する可能性はあるものの、成長株のような大幅な上昇は期待しにくいです。

特に市場全体がハイテクや半導体といった成長分野に注目している局面では、見向きされにくい傾向があります。

一方で、市場がディフェンシブな銘柄に資金を向ける局面では注目度が高まることもあります。

かぶリッジ編集部

注目するべき株価のポイントはありますか?

森本

現在の株価は多くの証券会社の目標株価にすでに近づいており、レーティングとしては「中立」が多い状況です。

今後の株価動向は、個別要因よりも市場全体のリスク選好度に左右されやすいといえるでしょう。

【まとめ】JT株を取り巻く環境は厳しい!慎重な判断を!

【まとめ】JT株を取り巻く環境
は厳しい!慎重な判断を!

JT株を買ってはけないと言われる理由について、よくわかったよ!

最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。

結論、JT株への投資は注意が必要です。

かぶリッジの結論

  • 配当減少や株価下落のリスクが高い
  • たばこ市場の縮小により、海外たばこに事業に頼るビジネスモデルはリスクが高い
  • 医療事業を売却し、加熱式たばこ市場に進出するが出遅れ感あり

JT株をこれから購入しようと思っている方は、配当減少のリスクについて十分に考慮する必要があるでしょう。

たばこ市場全体に加えJTの事業環境も厳しい状況が続いています。

また、事業の将来性について不安がある方は、今後加熱式たばこ市場への進出動向について注目しましょう。

次の一歩として、高配当株についての記事を読んでみることをおすすめします。

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