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ライオン(4912)の株価が下落したのはなぜ?下落した理由から今後の株価まで徹底検証!

ライオン(4912)の株価が下落したのはなぜ?下落した理由から今後の株価まで徹底検証!

・ライオンの株価が下落したのはなぜ?
・ライオンの業績は?
・ライオンの株価の見通しは?

このようなお悩みを解決します。

かぶリッジの結論

  • コロナ特需の剥落・原材料高騰・中期経営計画への市場の失望によって、ライオンの株価が下落
  • 現在は回復傾向にあるも、株価が割安のため見直し買いが加速する見込み。
  • 海外事業の利益貢献が本格化するまでは、長期的な視点が必要

ライオン(4912)はクリニカやシステマなどのハミガキ・ハブラシ、キレイキレイなどのハンドソープで知られる国内最大手の日用品メーカーです。

同社の株価は2019年ごろから下落傾向が続き、現在は1,600円前後で推移しています。

ライオン株価
TradingViewより

そのため、長期を見据えて購入を悩んでいる方もいるでしょう。

そこで今回は、ライオンの株価が下落した理由や、ライオン株の今後の見通しを、事業環境・内容を踏まえて分かりやすく解説していきます。

かぶリッジ公式ロゴ

執筆:かぶリッジ編集部

かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。

※本記事の注意事項

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※掲載内容へのご指摘につきましては、お問い合わせフォームより受け付けております。

目次

ライオンの株価が下落した理由は?主な3つの理由を解説

ライオンの株価が下落した理由は?主な3つの理由を解説

💡このパートの要約

  • コロナ禍のディフェンシブ銘柄としての買いと、その後の調整
  • 原材料高騰・円安による採算悪化
  • 中期経営計画と市場の見方のズレ

まずはライオンの株価推移を改めて見ていきましょう。

ライオン 株価チャート
TradingViewより

2019年以降下落傾向が続き、一度回復を見せるものの現在は軟調な展開となっています。

なぜ急落したんだろう?

ここからは、ライオンの株価が下落した理由を3つご紹介します。

コロナ禍でのディフェンシブ銘柄として買いを集めるも調整局面に

ライオンの株価が下落した理由の一つは、コロナ禍における衛生用品の特需をきっかけに買いを集めたものの、特需が一巡した後に大きく調整局面へ転じたことです。

特に「キレイキレイ」などのハンドソープ需要が急増し、新型コロナウイルスによる衛生関連特需を受けた2020年度の純利益は前年比+45%という好調ぶりを記録。

株価は上場来高値の2,800円まで上昇しました。

しかし、2021年以降はコロナ特需が剥落。

株価も下落傾向に転じ、2023年には1,300円台まで落ち込みました。

特需が終わると一気に反動が来るんだね…。

原材料高騰・円安による採算悪化

ライオンの株価が下落したもう一つの理由は、石油系原料やパーム油、界面活性剤などの原材料価格の高騰が収益を直撃したことに加え、円安の進行によって輸入コストがさらに増加したためです。

パームオイル価格
Investing.comのデータよりかぶリッジ作成。
国産ナフサ価格推移
大景化学株式会社公表データよりかぶリッジ作成

上記のように、2020年以降の原材料の価格水準は上昇していることが分かります。

また直近のドル円相場は1ドル160円を超す場面もあり、中東情勢の悪化による原油高・ドル高も重なり、コスト面での苦境が続いています。

ドバイ原油先物価格推移

ドル/円為替レート推移

一方で以下は同社の2026年度の原材料価格の見通しですが、米国によるイラン攻撃前の情報であるため、2026年度も原材料相場の影響を受ける可能性は大いにあります。

原料価格の前提2026年 想定2025年 実績
ドバイ原油70 ($/BBL)69.6 ($/BBL)
国産ナフサ66,000 (円/KL)65,021 (円/KL)
粗パーム油4,400 (RM/t)4,285 (RM/t)
為替の前提2026年 想定2025年 実績
米ドル155円149.8円
タイバーツ4.7円4.6円
2025年12月期 決算説明会資料より

原材料と為替のダブルパンチは厳しいね!?

中期経営計画と市場の見方のズレ

ライオンの株価が下落した理由として、2022年に発表した中期経営計画が、収益性の改善ではなく規模拡大を優先する内容だったため、投資家の理解を得られなかったことも挙げられます。

2024年12月期の事業目標として、売上高4,200億円・EBITDA520億円を掲げた一方、売上高事業利益率は21年度の8.4%から7.6%へ、ROEも9.8%から9.0%へと引き下げ、海外投資をする計画を打ち出しました。

当時の市場からは「もう少し収益性の改善の方向性を示すべき」「事業利益率やROEが低下する計画で積極的な投資姿勢はとりがたい」との指摘が多く挙がったのです。

投資家の理解を十分に得られなかったんだね…。

スクロールできます
2024年度
実績/計画比
実績中期経営計画達成率
売上高4,129.4億円4,200億円98.3%
EBITDA451.5億円520億円86.8%
事業利益263.3億円320億円82.2%
ROIC5.8%7.5%△1.7%
ROE7.4%9.5%△2.1%
2024年度決算説明会資料より

結果として、投資で一定の成果を上げることはできPERは改善されたものの、株価の上昇にはつながりませんでした。

PERと株価の関係
IR BANKより

投資家との対話に苦戦したのかな?

ライオンの基本情報【事業内容/業績/配当】

ライオンの基本情報

💡このパートの要約

  • ライオンは口腔ケア・衣料洗剤・ボディケアなどの日用品製造・販売を行っている会社
  • 2025年12月期の通期業績は、売上高が前期比2.2%増、営業利益が同28.1%増と増収増益で回復基調に

ここではライオンの基本情報を、事業内容・業績・配当政策の観点からまとめます。

事業内容

ライオンは、口腔ケア・衣料洗剤・住居用洗剤・ボディケアなどの日用品製造・販売を行っている会社です。

主に以下3つのセグメントを展開しています。

一般用消費財事業

  • 口腔ケア(クリニカ、システマ など)
  • 衣料用洗剤・住居用洗剤(ソフラン、ルック など)
  • ボディケア・ハンドソープ(キレイキレイ など)

産業用品事業

  • モビリティ事業
  • エレクトロニクス事業
  • ケアケミカル事業

海外事業

  • アジア圏を中心に事業を展開

一般用消費財事業

一般用消費財事業は国内の収益の柱で、5つの分野に分かれています。

各分野で、クリニカ・システマ・キレイキレイ・ルック・ソフランといったヒットブランドを多数保有している点が大きな強みです。

各分野における主要ブランド
  • オーラルヘルスケア分野
    • ハミガキ:「システマ」
    • ハブラシ:「NONIO」
    • デンタル用品:「クリニカ」
  • ビューティーケア分野
    • ハンドソープ:「キレイキレイ」
    • ボディソープ:「hadakara」
  • ファブリックケア分野
    • 柔軟剤:「ソフラン」
    • 洗濯用洗剤:「NANOX」
  • リビングケア分野
    • 住居用洗剤:「ルックプラス」
    • 台所用洗剤:「CHARMY」
  • 薬品分野
    • 解熱鎮痛薬:「バファリン」
    • 点眼剤:「スマイル40」
    • ニキビ薬:「ペアアクネクリーム」

オーラルケアでは国内トップシェアを誇り、衣料洗剤や住居用洗剤、ボディケアなど、日常生活に密着した幅広い製品カテゴリをカバーしています。

見たことある製品も多いね!

産業用品事業

ライオンの産業用品事業では、子会社のライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(LSC)が化学薬品・工業用薬品・界面活性剤などの製造・販売を担っています。

主な事業領域は以下の3つです。

  • モビリティ事業:導電性プラスチックや電気自動車向け導電性カーボンブラックなど、次世代自動車産業を支える素材を供給
  • エレクトロニクス事業:半導体・電子部品向けの工業用化学品を供給
  • ケアケミカル事業:VOC削減に貢献する水系の産業用洗浄剤を提供

同社はこれらの事業開発を通じて、電気自動車・半導体需要や環境対応(SDGs・循環型社会)に貢献する高機能素材の開発を進めています。

一方で同社は構造改革を目指しており、2025年度に化学品事業子会社2社の株式譲渡を決定しました。

2026年6月末に、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社 (LSC)とPT.IPPOSHA INDONESIA (LSCの子会社)を譲渡することを予定しています。

今後こうした再編を通じて、重点領域への経営資源の配分を強化し、育成に集中する方針です。

事業を再編して選択と集中を加速させているんだね!

海外事業

ライオンは、タイ・韓国・マレーシア・中国・シンガポールなどアジア各国で日用品の製造・販売を行っています。

特に中期経営計画の1st STAGE(2022年-2024年)においては、主要進出国で売上を拡大し、特に中国、韓国、マレーシアでは、市場の成長率を上回る成長を遂げました。

また海外展開にも積極的で、2026年1月にはオーストラリアでスキンケアやヘアケアを手掛けるPNBコンソリデイティッドを買収するなど、M&Aによる市場拡大を進めています。

アジアだけでなくオセアニアにも進出しているんだね!

業績

続いてライオンの最新の業績を見ていきましょう。

ライオン業績構成比
同社決算説明資料よりかぶリッジ作成。

同社の売上の半数以上を一般消費財が占めています。

一方で、海外事業売上高は直近5年で1.5倍以上になっており、中期経営計画における注力分野の1つです。

今後の動向に目が離せないワン!

ライオン 業績推移
各期決算短信よりかぶリッジ作成。

2025年12月期の通期業績は、売上高4,220億9,200万円(前期比2.2%増)、営業利益363億6,800万円(同28.1%増)と増収増益となりました。

またグラフのように直近の売上は右肩上がりではあるものの、コロナ以降一時的に利益率が落ち込んんでいました。現在は回復傾向にあり、今後の動向に目が離せません。

決算期営業利益率ROE
2025年12月期8.6%9.0%
2024年12月期6.9%7.4%
2023年12月期5.1%5.4%
2022年12月期7.4%8.5%
2021年12月期8.5%9.8%

中期経営計画「Vision 2030」の動向に注目だね!

配当政策

過去の配当金の推移をまとめると、以下の表の通りです。

1株あたり配当金配当利回り
2017年12月期17円0.79%
2018年12月期20円0.88%
2019年12月期21円0.98%
2020年12月期23円0.92%
2021年12月期24円1.56%
2022年12月期25円1.65%
2023年12月期26円1.98%
2024年12月期27円2.06%
2025年12月期30円1.81%
2026年12月期34円1.98%(※)
各期決算短信よりかぶリッジ作成。
配当利回りは各期年間配当実績を各期末株価で割った値。
※2026/04/01終値より

2026年12月期は、前期比4円増の年間34円への増配を予定しています。(配当性向37.6%を見込む)

株主還元への姿勢が強まっており、増配の動きは投資家にとってポジティブなシグナルといえます。

ライオン 株価と配当性向の関係
決算説明資料よりかぶリッジ作成。

株価が下がってきた分、配当利回りが上がってきたね!

ライオンの現在の株価動向と今後の株価は?【理論株価】

ライオンの現在の株価動向と今後の株価は?【理論株価】

同社の株価は以下のように営業利益に概ね連動しています。

営業利益と株価の関係
決算資料よりかぶリッジ作成。

よって今後業績が上方修正されると、株価も上がる可能性があります。

次にPERやPBR基準による理論株価を見てみましょう。

75日平均PER基準75日平均PBR基準
理論株価1749.8円(+92.3円)1750.5円(+93円)
上値目途
(各指標+2σ水準)
1878.8円(+221.3円)1861.8円(+204.3円)
上値目途
(各指標+1σ水準)
1814.3円(+156.8円)1806.1円(+148.6円)
下値目途
(各指標-1σ水準)
1685.3円(+27.8円)1694.8円(+37.3円)
下値目途
(各指標-2σ水準)
1620.8円(-36.7円)1639.1円(-18.4円)
カッコ内の数値は、2026/3/30終値(1,657.5円)からの乖離。

上記のように75日平均PER/PBRから算定した株価に対して概ね上・下値目途の中で納まっているものの、下値目途に下支えされており、割安水準であり、上昇余地があると言えます。

理論株価の上・下値の目途となる±2σ(シグマ)とは

σは、データの分布の度合を示す数値である標準偏差を指します。 平均値(75日平均PER/PBR)から標準偏差だけ離れていれば1σ、標準偏差の2倍離れていれば2σとなります。

分布のしかたが正規分布である場合、全体の68.3%が平均±1σの範囲に収まり、 95.4%が平均±2σの範囲に収まるとされています。

つまりほとんどの場合この範囲内で株価が推移する可能性が高く、中長期的な株価を見通す指標となります。

標準偏差分布

アナリスト評価での上昇余地

現在の株価水準(1,600円前後)に対して、証券会社の目標株価は上回る水準に設定されています。

大和証券は目標株価を2,200円、SMBC日興は2,250円と設定しており、アナリストの評価では現状の株価に上昇余地があるとの見方が優勢です。

アナリストも割安と見ているんだね!

ライオン株は買いか!?今後の株価や将来性を検証

💡このパートの要約

  • 中期経営計画の2nd Stageにあり、外部環境に対応した新たな戦略の展開
  • M&A・事業再編・新技術による成長戦略が今後の軸となるか

ライオンの株価は今後どうなっていくのでしょうか。

以下では、事業戦略・環境などに注目してライオンの将来性を見ていきます。

外部環境の変化への対応

2026年12月期予想では前期比9.4%の最終減益(当期利益250億円)を見込んでおり、短期的には収益の復調傾向が見られそうです。

その中でも中期経営計画の2nd Stageの2年目となる2026年12月期では、外部環境に対応した新たな戦略の展開を見込んでいます。

ライオン2026年ポートフォリオ戦略
同社決算説明資料より

ですが足元の中東情勢の見通しの不透明感や原材料価格や為替動向、アジア市場での競争激化など、外部環境の変化に引き続き注意が必要です。

短期では慎重に、長期では成長に期待というスタンスが必要だね!

M&A・カーブアウトによる事業再編

ライオンは2025〜27年の3年間で、M&Aや設備投資などの成長投資に約900億円を投じる方針を打ち出しています。

ライオン キャッシュフロー
各期決算短信よりかぶリッジ作成。

上記のように近年、「投資活動による現金支出」(図のオレンジの近似線と棒グラフ参照)が増加しており、積極的な設備投資や買収を行っています。

2025年4月にはベトナムのメラップライオンを完全子会社化し、2026年1月にはオーストラリアの日用品会社PNBコンソリデイティッドを買収しました。

一方で事業の選択と集中も進めており、調理用品ブランド「リード」を旭化成ホームプロダクツに売却したほか、化学事業子会社2社の株式を投資ファンドに譲渡することも発表しています。

攻めの買収と守りの売却を同時に進めているんだね!

新技術・新商品の展開

同社は研究開発に積極的に現預金を投じて、次々と新しい製品を販売しています。

特にコロナ禍での収益性の改善によるキャッシュフローの改善により多額の設備投資を実施してきました。

2025年9月には口の中から表情筋にアプローチする美顔器「inquto」を発売し、社内計画の4倍の売上を達成しました。

また、AWSジャパンと協力した生産現場のDX・生成AIモデル開発を進めるほか、2026年3月にはすすぎ0回・洗濯15分で完了する衣料用洗剤「NANOX one 抗菌×時短」を発売し環境に優しい製品も販売しています。

ライオン新製品
同社HPより
ライオン新製品2
同社HPより

さらに、FABRIC TOKYOと共同で家庭用洗濯機の「標準コース」で洗えるスーツ「SPEED WASH ONE」を開発するなど、異業種との協業による新市場の開拓も積極的に進めています。

美容器具やスーツとのコラボなど、日用品の枠を超えた展開が面白いね!

【まとめ】ライオンの株価が下落した理由

ライオン株価まとめ

ライオンの株価が下落した理由がよく分かったよ!

かぶリッジの結論

  • コロナ特需の剥落・原材料高騰・中期経営計画への市場の失望によって、ライオンの株価が下落
  • 現在は回復傾向にあるも、株価が割安のため見直し買いが加速する見込み。
  • 海外事業の利益貢献が本格化するまでは、長期的な視点が必要

ライオンは、コロナ禍の衛生用品特需が剥落したことや、原材料高騰・円安によるコスト増、中期経営計画への市場の失望によって株価が下落したことが分かりました。

しかし、構造改革の成果が出始め、増収増益への回復基調が鮮明になっています。M&Aによる海外展開の加速や新技術・新商品の投入によって、業績のさらなる回復が期待できるでしょう。

また、製品の特性上、生活必需品としての安定した需要を背景に、長期的視点を持って見守ることが重要です。

今後の株価に注目だね!

かぶリッジでは、この他にも日本の優良銘柄について解説した記事を掲載しているので、ぜひあわせてご覧ください!

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