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SUMCO(サムコ)の株価はなぜ上がらない?業績や財務分析から将来性を解説!

SUMCO(サムコ)の株価はなぜ上がらない?業績や財務分析から今後の将来性を解説

SUMCOの株価はなぜ上がらないの?
今後の株価はどうなるの?

このようなお悩みを解決します。

かぶリッジの結論

  • 市場環境の悪化や小径ウェーハ市場の低迷で業績が振るわず、競争激化や需要の伸び悩みも影響
  • 業績悪化による減配が投資家心理を冷やし、株価の上昇を抑制
  • 中国メーカーの台頭で競争が激化する中、宮崎工場の再編で収益性向上を図る

SUMCOは、シリコンウェーハの製造・販売を主な事業とする企業です。

シリコンウェーハとは?

高純度のシリコンから作られた薄い円形の板で、半導体デバイスの基板として使用される材料

同社は、シリコンウェーハ製造の世界シェアランキングでは2位にランクインしており、半導体産業向けに高品質なウェーハを提供し、AIやデータセンター向けの需要に対応しています。

また、製品の最先端化に向けて事業構造改革を進めており、小径ウェーハの生産体制を見直し、300mm先端品の供給能力強化に注力しています。

直近の株価は上昇していますが、依然として不安定な環境であることは変わりません。

そこで今回は、SUMCOの株価が上がらない理由や今後の株価の見通しについてわかりやすく解説していきます。

かぶリッジ公式ロゴ

執筆:かぶリッジ編集部

かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。

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目次

SUMCOの株価はなぜ上がらない?

SUMCOの株価はなぜ上がらない?

💡このパートの要約

SUMCOの株価が上がらない理由は…

  • 競争激化や需要の伸び悩みによる市場環境の悪化
  • 小径ウェーハ市場の低迷による業績不振
  • 業績悪化による減配の影響

SUMCOの株価はなぜ上がらないのかな?

SUMCOの株価が上がらないと言われる背景には、いくつかの理由があります。

大きく以下の3つに分けて、考察していきましょう。

市場環境の悪化

SOX指数(PHLX Semiconductor Index)は、米国の主要な半導体関連企業の株価を基に算出される指数であり、半導体業界全体のトレンドを示す重要な指標です。

SOX指数を見ることで、半導体業界全体の景況感や半導体関連企業の業績予測を確認できます。

soxとSUMCO
TradingViewより
※赤色がSOX指数、水色がSUMCOの株価を示す

2020年以降では、SOX指数が大幅に上昇している一方で、SUMCOは横ばいが続いていたことがわかります。

直近の株価の上昇によりSOX指数に上げ幅を近づけてきていますが、まだ上げ幅には数倍の差があります。

半導体関連企業の市場動向を示す指標であるSOX指数は、業界全体の成長や投資家の期待を反映しています。

しかし、SUMCOの株価はSOX指数と比べて低調に推移しており、市場の期待とのギャップが生じています。

そのギャップが生じる要因として以下の2点が挙げられます。

ウェーハ需要の伸び悩み

近年ではAI以外の半導体市場の成長が鈍化しており、シリコンウェーハの需要も伸び悩んでいます。

特に、民生・産業・車載向け需要の回復遅れにより、需要の拡大が限定的となっています。

半導体成長の軌跡
同社統合報告書より

また、200mm以下のシリコンウェ-ハは、顧客や製品によって在庫調整の進展に差があり、力強さに欠けるという会社予想も出ているため、こうした部分的な遅れは株の値上がりを抑える要因にもなっています。

SOX指数が上がっているのはAI向け半導体の影響だね!

しかし、SUMCOはこうしたAI向け需要の恩恵を受けつつも、売上構成の比率は小さいとされ、足元の需要鈍化の影響を避けられません。

レガシー半導体の弱さが足を引っ張ってるんだね…

こうした状況はSUMCOの収益にとって逆風となっており、株価が上がりにくい要因の一つとなっています。

競争激化が見込まれており、事業構造の改革が必要

近年、半導体業界における競争はますます激しくなっています。

特に、台湾や中国のメーカーが価格競争を仕掛けることで、SUMCOを含む日本メーカーの収益性が圧迫されています。

加えて、先端技術の開発競争も激化しており、既存のビジネスモデルだけでは持続的な成長が難しくなっています。

こういった懸念が、市場への期待とのギャップを生み出しているのかな…

そのため、SUMCOは生産効率の向上や高付加価値製品へのシフトなど、事業構造改革を進める必要があります。

業績不振

SUMCOの株価が上がらない理由の二つ目は、業績不振が続いていることが挙げられます。

ここで、SUMCOの業績の推移を見てみましょう。

スクロールできます
21/12期22/12期23/12期24/12期25/12期
売上高335,674441,083425,941396,619409,670
営業利益51,543109,68373,08036,9241,342
経常利益51,107111,33972,62737,457△3,886
当期純利益41,12070,20563,88419,877△11,751
単位:百万円
同社HPよりかぶリッジ作成

経常利益、営業利益ともに2022年12月期から減少しており、2025年12月期の当期純利益は117億5,100万円の赤字となりました。

記事の後半ではSUMCOの業績について詳しく解説しています。

業績不振の原因は、前述のとおりAI以外の半導体市場の低迷にあります。

また、価格下落と在庫調整も業績低迷の要因と考えられます。

これに加え、半導体メーカー各社が在庫調整を進めたことで、新規受注が減少し、SUMCOの収益に直接的な影響を与えています。

特に高付加価値製品の販売が伸び悩み、収益性の確保が難しくなっています。

コロナ禍におけるPCやスマートフォン市場の急成長の反動ともいえるね…

業績不振による減配

同社は、25年12月期の年間配当を前期より1円少ない20円にすると発表しました。

以下は、配当金の推移です。

スクロールできます
期間中間配当金期末配当金年間配当金(合計)
2025年12月期10円10円20円
2024年12月期15円6円21円
2023年12月期42円13円55円
2022年12月期36円45円81円
2021年12月期17円24円41円

同期の当期純利益が赤字見通しとなったことを受けて、減配となりました。

これにより、3期連続で減配することになります。

連続した減配により市場から将来的に利益を上げる見込みが薄いと判断されるため、株価にとってネガティブ要因となります。

そのため、このような減配も株価が上がらない要因の一つと考えられます。

SUMCOの事業内容と業績

SUMCOの事業内容と業績

💡このパートの要約

SUMCOは…

  • 主に半導体向けのシリコンウェーハの製造・販売を行っている会社
  • 2025年12月期の連結決算では、大幅な減益
  • 今後は、拡大が見込まれる先端品への供給体制強化に向けて収益基盤の強化を図っていく構え

ここでは、SUMCOの事業内容や業績について詳しく見ていきます。

事業内容

SUMCOは主に半導体向けのシリコンウェーハを製造・販売しており、用途に応じてさまざまな種類のウェーハを提供しています。

SUMCO 事業内容
同社HPより

以下は、展開しているウェーハの一例です。

  • 300mm(12インチ)ウェーハ:高性能プロセッサ(CPU、GPU)、メモリ(DRAM、NANDフラッシュ)、通信チップ(5G、AI処理用)などに使われる
  • 200mm(8インチ)ウェーハ:高耐久性が求められる車載向けや産業用途に適し、IoTや5Gインフラ機器にも使用される
  • エピタキシャルウェーハ(Epiウェーハ): シリコン基板の上に高純度シリコン層を成長させ、電子移動度を向上させることで低損失・高効率の半導体製造が可能
  • SOIウェーハ(Silicon On Insulator):シリコン層と絶縁膜(酸化シリコン層)を組み合わせた構造で、リーク電流を大幅に低減し、消費電力を抑えることができる
  • 極薄ウェーハ(Ultra-thinウェーハ):ウェーハの厚みを数十マイクロメートルレベルまで薄くすることで、軽量かつ柔軟性のあるデバイスを実現可能

また、主な顧客は、TSMC、サムスン、インテル、SKハイニックスなどの大手半導体メーカーとなっています。

大手半導体メーカーのウェーハ需要の変化に対して、同社の売上が大きく左右されてしまうんだね。

同社では、上記のような半導体材料であるシリコンウェーハの製造から加工までを行っています。

SUMCO 事業内容
同社HPより

半導体の製造には多くの工程が存在するワン!

業績

同社HPより
同社HPより
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2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
売上335,674441,083425,941396,619409,670
営業利益51,543109,68373,08036,9241,342
経常利益51,107111,33972,62737,457△3,886
当期純利益41,12070,20563,88419,877△11,751
単位:百万円
同社HPより作成

2025年12月期の連結決算では、売上高は前期比3.3%増の4,096億円、営業利益は同96.4%減の13億円、純利益は-117億円と、大幅な減益となりました。

背景には、半導体市場の二極化が影響しています。

AI向けデータセンターの需要は年間を通じて好調に推移した一方で、民生用、産業用、自動車向けなど、AI以外の用途では需要回復が鈍く、市場全体としては依然として力強さを欠く状況が続きました。

主力製品である300mmシリコンウェーハについては、AI関連の先端半導体用途を中心に需要は伸長しました。

またそれに伴い、佐賀県で稼働する最先端半導体向けのシリコンウエハー工場立ち上げによって減価償却費が膨れたことで大幅な最終赤字となりました。

事業内容の選択と集中が続いているね!

2026年12月期第1四半期の業績

2026年12月期第1四半期決算の業績は以下の通りです。

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25/12期1Q26/12期1Q前年同期比
売上高102,472101,402△1.0%
営業利益5,990△5,273
四半期純利益3,047△8,469
単位:百万円

売上高、営業利益ともに落ち込み、最終利益も赤字に転落しました。

AI向けデータセンター需要は引き続き堅調に推移している一方、産業用・自動車向け分野の需要回復は遅れており、収益を押し下げる要因となっています。

通期の業績予想は開示されていませんが、2026年12月期第2四半期の業績予想は以下の通りです。

2026年12月期第2四半期の連結業績予想(第2四半期累計)

  • 売上高:2,134億円(前年同期比3.9%増)
  • 営業利益:△77億円(赤字継続)
  • 経常利益:△144億円(赤字継続)
  • 当期利益:△154億円(赤字継続)

SUMCOと同業他社を比較!強みは?

SUMCOと同業他社を比較!強みは?

💡このパートの要約

SUMCOは同業他社と比較して…

  • ウェーハ専業メーカーならではの集中力が強み
  • 世界シェアでトップクラス
  • 設備投資に積極的で将来に備えた体制構築中

SUMCOのような半導体用シリコン関連メーカーである「信越化学(4063)」、「トクヤマ(4043)」と比較して、同社の強みと弱みを見ていきましょう。

以下に各社の主要財務データと参考指標を表にまとめています。

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SUMCO信越化学トクヤマ
売上高(億円)4,09625,7393,494
当期純利益(億円)△1174,744222
営業利益率0.3%24.7%10.6%
自己資本比率51.3%78.7%50.8%
ROE(自己資本利益率)△2.0%10.4%8.15%
PER(株価収益率)29.2倍16.21倍
PBR(株価純資産倍率)3.18倍3.09倍1.27倍
配当利回り3.87%1.42%2.00%
SUMCO:25年12月期、信越化学・トクヤマ:26年3月期を元に作成。
株式指標は26/7/6時点

SUMCOの強みは、大きく3つが挙げられます。

ウェーハ専業メーカーならではの集中力

SUMCOは、シリコンウェーハの製造に特化した専業メーカーとして、経営資源を集中投下できる強みを持っています。

対照的に信越化学は総合化学メーカーとして塩ビや電子材料など多角的な事業を展開し、トクヤマも化成品や特殊品など幅広い事業ポートフォリオを持っています。

SUMCOはウェーハ製造の技術開発や品質向上に経営資源を集中できるため、高度化する顧客ニーズへの迅速な対応が可能です。

特に300mmウェーハなど先端製品における技術的優位性を確立しており、半導体業界の厳しい品質要求に応える体制が整っています。

世界シェアでトップクラス

SUMCOは、信越化学に次ぐ世界2位(シェア約25%)の大手メーカーです。

特に大口径ウェーハ分野での競争力は高く、世界の主要半導体メーカーとの強固な取引関係を構築しています。

トクヤマは多結晶シリコン製造には強みを持つものの、ウェーハ完成品でのグローバルシェアではSUMCOや信越化学に及びません。

SUMCOのグローバルな生産・販売ネットワークは、台湾、米国、欧州など世界の半導体製造拠点をカバーしており、安定供給体制という点で大きな強みとなっています。

シリコンウエハーで世界トップのシェアを誇る信越化学工業については、以下の記事で詳しく解説してます。あわせてご覧ください。

設備投資に積極的で将来に備えた体制構築中

SUMCOは半導体需要の中長期的な拡大を見据え、積極的な設備投資を継続しています。

特にAI、IoT、5G関連の需要増加を背景に、生産能力増強や最先端製品の開発に向けた投資を加速させています。

信越化学も同様に積極投資を行っていますが、SUMCOはウェーハ専業として投資の集中度が高く、効率的な生産体制構築が進んでいます。

トクヤマと比較しても、半導体シリコン分野への資本集中度は明らかに高く、将来の需要拡大局面での供給力確保において優位性を持ちます。

SUMCOはこれらの強みを生かし、半導体産業の技術進化と需要拡大という追い風を受けながら、シリコンウェーハ市場での競争力を維持・強化しています。

SUMCOの今後の株価の見通しはどうなる?将来性を調査

SUMCOの今後の株価見通し

💡このパートの要約

  • 中国メーカーの台頭で競争環境の変化
  • 宮崎工場の再編計画による収益改善

SUMCOの株価推移を確認し、今後の将来性を探っていきましょう!

SUMCO 株価チャート
TradingViewより

同社の株価は、24年7月以降下落が続いていましたが、直近の半年間で大きく上昇しています。

今後はどうなる?

近年では各社の製品品質が向上してきたため、SUMCOの業界優位性が以前より低下し、価格競争に巻き込まれています。

SUMCOの株価は他の半導体関連銘柄と比べて回復が遅れており、SUMCOの業績や将来性に対する市場の懸念を反映していると考えられます。

ここでは、将来を予測するうえでの内部・外部環境の動向を紐解いていきましょう。

中国メーカーの台頭

最大の懸念は、中国市場での競争環境の変化です。

中国政府は「中国製造2025」という政策を通じて、半導体産業への大規模な補助金投入と技術支援をしています。

中国製造2025とは?

中国国内での新産業の創出・生産性の向上、更には雇用創出を目指すとしており、「5つの基本方針」と「4つの基本原則」を掲げ、2049年までに製造大国の地位を固め「製造強国のトップ」となるという中国の将来像を具体的に世界に示したもの。

中国の半導体産業は国家戦略として位置づけられ、急速に技術力を向上させています。

中国メーカーは価格競争力を武器に市場シェアを拡大しており、これはSUMCOの収益性に大きな影響を与える可能性があります。

SUMCOは依然として高い技術力を持っているものの、中国との価格競争に巻き込まれると収益性は低下する恐れがあります。

なぜなら中国メーカーは国家からの支援を受けているため、短期的な収益性を度外視した価格設定が可能になるからです。

今後、SUMCOは高い品質と技術力を維持するために多額の投資を続ける必要があり、この投資負担が収益性を圧迫しています。

一方で、ウェーハ専業メーカーならではの集中力やトップクラスのシェア率を生かし、売り上げを伸ばすことができれば、株価の上昇に期待できるでしょう。

中国のシリコンウェーハメーカーとしては、「中環領先半導体科技股份有限公司」や「上海新昇半導体」などが挙げられるワン!

不採算により宮崎工場での小径ウェーハ生産を26年に終了

同社は、子会社の宮崎工場(宮崎市)でのシリコンウェーハの生産を2026年末に終了すると発表しました。

今後は、SUMCOグループの国内やインドネシアの工場に移管し、宮崎工場はウェーハの材料になる単結晶インゴットの生産に特化していきます。

新型コロナウイルス禍での特需の反動や、米中摩擦をきっかけとした半導体供給網の構造変化などで、ウェーハは需要低迷が長期化しています。

今後は、生産体制を再編して収益改善につなげる狙いがあるんだね。

【まとめ】SUMCOの株価が上がらない理由と今後の展望

【まとめ】SUMCOの株価が上がらない理由と今後の展望

最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。

かぶリッジの結論

  • 市場環境の悪化や小径ウェーハ市場の低迷で業績が振るわず、競争激化や需要の伸び悩みも影響
  • 業績悪化による減配が投資家心理を冷やし、株価の上昇を抑制
  • 中国メーカーの台頭による競争環境にある中、宮崎工場の再編で収益性向上を図る

小径ウェーハ市場は低迷が見込まれていますが、シリコンウェーハ全体の需要は、右肩上がりになることが予想されています。

今後は、価格競争に高付加価値で対応できるかや収益性の改善が実現できるかが注目されるでしょう。

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