今回はIPO企業の中から、 6月30日に東証グロースに上場予定の株式会社リップス（373A） をご紹介します。（同日は「レント」が上場予定です）
リップスは、 メンズコスメの企画・販売を行う商品事業及びヘアサロンのフランチャイズ運営を行うサロンフランチャイズ事業を展開する企業です。
想定時価総額は79.1億円で、化学業のIPOとなっています。
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この記事の監修者
執筆：かぶリッジ編集部
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リップスのIPO基本情報
ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。
| 上場日 | 6月30日（月） |
|---|---|
| かぶリッジ独自の初値予想 | C（1.0倍以上1.3倍未満） ※想定価格3,100円から、3,100円～4,029円 |
| 企業Webサイト | https://www.lipps.co.jp/ |
| 取り扱い証券 | 野村證券（主）、岡三証券、SBI証券、楽天証券 など |
主幹事は野村證券だよ！
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リップスのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
| 想定価格 | 3,100円 |
|---|---|
| 仮条件 | 6月12日（木）発表予定 |
| ブックビルディング期間 | 6月13日（金）～6月18日（水） |
| 当選発表日 | 6月19日（木） |
| 公開価格 | 6月19日（木）発表予定 |
| 申込期間 | 6月20日（金）～6月25日（水） |
| 上場日 | 6月30日（月） |
| 初値 | 6月30日（月）発表予定 |
まずは仮条件がどうなるか注目だよ。
リップスのIPO初値予想
想定時価総額79.1億円、吸収金額39.6億円の中型案件です。
オファリングレシオが44.4%と高く、公募割合も4.5%と低いため、売り圧力が強くなる可能性があります。
また、VC保有比率も35.6%と比較的高い水準にあります。
一方で、前期の売上高成長率が21.1%、経常利益率も19.1%と堅実な業績成長を維持しており、メンズコスメという成長市場での事業展開も魅力的です。
総合的に見ると、売り圧力の強さが懸念材料となる一方、業績の良さがバランスを取る形となっています。
これらの点から、IPO評価： C（予想レンジ1.0倍以上1.3倍未満＝3,100円～4,029円）と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら
- 発行済み株式数：想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ：小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合：大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場：グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性：成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率：VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率：大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数：少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去１ヶ月の日経平均リターン：高い方が人気。投資家心理に影響。
ちなみに
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説！過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
リップスの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
| SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | SMBC日興証券 | 松井証券 | 岡三証券 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 取扱数 | 76 | 50 | 54 | 52 | 55 | 49 |
| 主幹事数 | 11 | 0 | 0 | 22 | 0 | 0 |
抽選方法 | 完全平等抽選: 60％ IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30％ 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10% | 完全平等抽選 | 完全平等抽選 | 完全平等抽選: 10％ ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 配分予定数量の70％以上を抽選 | 取引実績に応じて優遇抽選 |
| 事前入金 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン！
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大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、第1位の株式会社Akeruは同社代表取締役社長の的場隆光氏の資産管理会社です。
また第2位の野村キャピタル・パートナーズ第一号投資事業有限責任組合は、野村ホールディングス系のVCファンドとなっています。
| 株主名 | 比率 |
|---|---|
| 株式会社Akeru | 37.37% |
| 野村キャピタル・パートナーズ第一号投資事業有限責任組合 | 35.59% |
| 的場 隆光 | 16.01% |
| 長島 幹孟 | 1.60% |
| 上原 大輔 | 1.60% |
| 平 剛 | 1.33% |
| 西澤 民夫 | 1.33% |
| ー（従業員） | 0.89% |
| ー（従業員） | 0.89% |
| ー（従業員） | 0.31% |
創業者とその資産管理会社で過半数を握り、VC保有比率は35.59％となっているね！
リップスの業績情報
| 決算期 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2022年8月 | 2023年8月 | 2024年8月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,221 | 1,878 | 1,012 | 3,106 | 3,760 |
| 成長率 | ー | +53.8% | -46.1% | +206.9% | +21.1% |
| 経常利益 | 479 | 522 | 193 | 770 | 719 |
| 成長率 | ー | +9.0% | -63.0% | +299.0% | -6.6% |
| 経常利益率 | 39.2% | 27.8% | 19.1% | 24.8% | 19.1% |
| 当期純利益 | 316 | 349 | 135 | 539 | 423 |
| 成長率 | ー | +10.4% | -61.3% | +299.3% | -21.5% |
| EPS | 210.7 | 232.9 | 71.0 | 215.6 | 169.4 |
| BPS | 227.6 | 81.8 | 743.4 | 959.0 | 1,128.5 |
※2025年3月15日付で普通株式1株につき25株の割合で株式分割を実施。EPS、BPSは2020年3月期期首に株式分割が行われたと仮定して算出。
※2022年から決算期を変更
単位（売上・利益）：百万円
同社の業績を見てみると、売上高は一貫して右肩上がりで成長しており（2022年に決算期を変更）、2024年8月期には前年比21.1%の成長を記録しています。
メンズコスメ市場の拡大とヘアサロン「LIPPS hair」ブランドの浸透により、商品事業が業績を牽引してきました
利益面では高い収益性を維持しており、2024年8月期の経常利益率は19.1%と健全な水準を保っています。
ただし、組織体制の強化や販路拡大に向けた投資により、利益率は緩やかに低下傾向にあります。
商品事業の売上が全体の88%を占めているよ！
同社の主力である商品事業は売上の約9割を占めており、メンズコスメ市場の成長とともに業績拡大が期待されます
今後は上場によりブランド力向上と販路拡大を図り、メンズコスメ市場におけるシェア拡大を目指すとしており、持続的な成長が期待されます。
リップスの事業内容
株式会社リップスは、メンズビューティーのトップランナーとして、ヘアスタイルに関する新たなトレンドを提案する企業です。
「Boys, Be Beautiful！」をテーマに、すべての人のありのままの自分を楽しみ、自由に幸福に生きることを後押ししています。
事業は以下の2つに分けられます。
商品事業
商品事業は、メンズコスメの企画・販売を行う同社の主力事業で、売上高の88％を占めています。
- 主力商品: ヘアワックスシリーズ（2023年度グッドデザイン賞受賞）
- ブランド: 「LIPPS BOY」（メンズスキンケア・メイクアップ）
- 販売チャネル: ドラッグストア、EC通販、美容室での店販
ヘアサロンでの日常的なサロンワークから発生した課題やニーズを起点とした商品開発が特徴です。
年間約40万回の施術を行うスタイリストの声を取り入れ、「ヘアセット」「洗い流し」「手荒れ」などの意見を商品に反映させています。
Amazon や楽天といったEC通販サイトでの販売も順調に拡大しており、多様な販路を確立しています。
サロンフランチャイズ事業
サロンフランチャイズ事業は、メンズヘアサロン「LIPPS hair」のフランチャイズ運営を行う事業です。
- 店舗数: 28店舗（2025年4月時点）
- スタイリスト数: 161名
- ターゲット層: 16-25歳の美容感度の高い男性
1999年に東京原宿で開店した「LIPPS」から始まり、メンズヘアサロン文化を創造してきました。
独自のシザー（業務用はさみ）の開発やカット技法の体系化により、独自のブランドポジションを確立しています。
フランチャイジーに対する経営指導、店舗運営支援、美容師への技術指導を行い、安定したロイヤリティ収入を得ています。
ホットペッパービューティ・アワードでは、上位10名中5名がLIPPS hair所属のスタイリストが受賞するなど、高い技術力を誇ります。
メンズビューティー市場は成長が期待される分野で、同社はそのトップランナー的存在なんだワン！
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
| 企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
|---|---|---|---|
| エレベーターコミュニケーションズ | 4/25 | C（1.0倍~1.3倍未満） | 1.29倍 |
| LIFE CREATE | 4/24 | D（1.0倍未満） | 1.02倍 |
| デジタルグリッド | 4/22 | D（1.0倍未満） | 1.17倍 |
| IACEトラベル | 4/7 | C（1.0倍~1.3倍未満） | 0.86倍 |
| ジグザグ | 3/31 | B（1.3倍~1.5倍未満） | 1.35倍 |
4月のIPOは予想に近い結果となりましたが、一方で初値を下回るケースもありました。
足もとでは中小型株が好調のため、複数社のIPOが控える6月末も相場が続くことに期待です。
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