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・株価が安い大企業にはどんな特徴があるの?
・株価が安かったら投資は危険なの?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
様々な銘柄を調査していると、規模が大きく知名度も高いにも関わらず株価の安い企業を見かけることがあります。
今回は、大規模なのに株価の安い企業の特徴を、具体的な事例を挙げながらご紹介。
投資初心者の方も、大穴銘柄を探している方も、一緒に見ていきましょう。
正しい情報をお伝えするために随時更新を実施しますが、掲載内容には古い情報、誤った情報が含まれることがございます。
また、本記事でご紹介する企業や投資商品はすべて情報提供目的であり、投資を推奨・勧誘する目的はございません。
情報の取捨選択や投資判断は各ユーザー様のご判断・責任にてお願いいたします。
※掲載内容へのご指摘につきましては、お問い合わせフォームより受け付けております。
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大企業でありながら、株価が安い銘柄には、主に以下3つの特徴があります。

いくつかの理由に分類できるんだね!
それぞれ詳しく見ていきましょう。
まず1つ目に、会社が保有している自己資本に比べて利益を上げられていない場合です。
返済不要な資産は多いものの、手元に残る利益が少ないと自己資本利益率(ROE)が低下。
そして市場が「資本効率が悪く将来性に課題がある」と判断し株価が下落した場合、株価純資産倍率(PBR)が低下します。
これが割安と呼ばれる状態で、株価上昇に歯止めをかけてしまいます。

PBRが1倍を割ると、理論上は解散価値が株価を上回ることになるワン!
株価純資産倍率が1倍=「企業が解散した際に株主が受け取れる資産の価値」と株価が等しい
したがってPBRが1倍を割った状態が続くと、理論上は企業が解散した方が株主にメリットがある、ということになります。
また、市場が「会社が出している利益の割に、成長性が期待できない」と判断すると株価収益率(PER)が低下します。

ちなみに、PBR=PER×ROEで表せるよ!
積極的な設備投資を行い資産は増えているが売上や利益に反映されていない場合、どうなるでしょう。
今後の成長を見込んで割安である可能性もありますが、既に市場が見切りをつけている可能性もあり要注意です。
次に、現在のトレンドから取り残されてしまっている業界の企業は、規模に関わらず株価が低水準となる場合があります。
例えば物流(郵便)業界では、SNSの発達により郵便物数が大きく減少中です。

2023年度までの推移では、内国郵便物取扱数が22年間で48.3%減。
2024年度は約125億通でさらに減少しました。

最近は手紙や書留を利用しない人も多いもんね……
また、家電量販店や百貨店はECの普及により厳しい状況に陥ってます。
コロナショック後、家電需要の低迷により家電量販店は以前の水準から大きく店舗数を減らしました。
百貨店業界はさらに苦しく、1999年をピークに四半世紀で店舗数が4割減少。
(2025年3月17日付 毎日新聞より)

都心部でも閉鎖が相次いでいるよね……
こうした業界に含まれる企業の株価はなかなか上昇しにくい傾向があります。
株価が安い原因はネガティブな理由ばかりではありません。
業界のトレンド性が悪くなく、業績や利益率も安定しているにも関わらず、お手頃な株価の企業も見かけますよね。
その背景としてよくある事例が、株式分割です。
例えば、現在の株価が20,000円で100株を発行している企業が1株を5株にした場合、どうなるでしょう。
株式数は単純に500株に増え、時価総額は変わらないので、株価は4,000円まで下がることになります。

株式分割を行う理由ってどんなものがあるの?
理由は様々ですが、一つは流動性を高めるためです。
株価が高くなりすぎた場合、購入できる投資家が限られてしまいます。
一株の金額を小さくし、より多くの個人投資家が取引できるようにすることで、市場からの注目や評価を高めることができるのです。

株価が小さいことで、変動リスク(ボラティリティ)が高まる点には注意が必要だワン!


それぞれの理由で株価が安い銘柄を知りたいな!
ここでは、上記の理由が自社の株価に影響している企業の例をいくつか取り上げます。
本項目で取り上げる銘柄について、当該理由のみが株価に影響を与えているとは限りません。
また将来の株価の値動きを保証するものではありません。
急激な変化などにより、当該理由が誤りとなる場合もありますのでご了承ください。
資本効率や収益性が悪いと市場から判断されている代表的な銘柄は下記の2つです。

| 株価 | 398 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | -10.5% |
| 時価総額 | 1兆4,781億円 |
| PER | - |
| PBR | 0.29倍 |
| 売上高 | 55,786(前年同期比 -6.8%) |
| 営業利益 | -276 |
日産自動車は24年の米中での販売不振により業績が悪化し、深刻な経営危機に陥りました。

ホンダとの経営統合破談でも話題になったよね…
本社のセールス・アンド・リースバックや大規模なリストラにより経営改善を進めていますが、売上改善につながる好材料に乏しく苦境にあります。
自社保有の不動産を投資会社などに売却し、その物件を借りることで、引き続き利用できるようにすること。

一時的にキャッシュを得られるので収支改善につながりますが、長期的に賃料を払い続けなければなりません。
PBRを見ると、0.29倍と日本で上場する銘柄の中でもかなりの低水準です。
経営のさらなるスリム化と利益の確保が急務になっていると言えるでしょう。


| 株価 | 608.3 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | +2.1% |
| 時価総額 | 3兆2,687億円 |
| PER | - |
| PBR | 0.62倍 |
| 売上高 | 46,356(前年同期比 +5.8%) |
| 営業利益 | -28 |
日本製鉄をはじめとする鉄鋼業や重工業は工場や設備の規模・金額が大きく、他業界に比べて資本効率が低くなる性質があります。
特に同社はUSスチール買収に多額の資金を投入したため、その傾向が顕著です。

約141億ドル(約2兆円)での買収に加えて、米国への追加投資も決まっているよ!
日本製鉄は2025年10月に株式分割を行っているので、その影響もあります。
ただ、今後の成長に期待できないという訳ではなくとも、PBRの低さなどが影響して株価が上昇しにくいということもあるのです。
note記事で取り上げています。
続いて、業界のトレンドや市況に株価が大きな影響を受けている銘柄として、以下2つをご紹介。

| 株価 | 495.1 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | +11.6% |
| 時価総額 | 4,786億円 |
| PER | 12.25倍 |
| PBR | 0.52倍 |
| 売上高 | 8,000(前年同期比 +0.5%) |
| 営業利益 | 216(前年同期比 -6.7%) |
大手家電量販店ヤマダ電機を擁する同社の売上は、ここ10年で徐々に縮小しています。
家電需要の低迷を受け、住宅事業や海外事業への投資を進めていますが、市場からの期待感が高いとは言えません。
PBRも低水準、割安で株主還元も充実していますが、将来性には不安があり株価も伸び悩んでいるのです。


| 株価 | 1,606 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | +7.3% |
| 時価総額 | 4兆7,745億円 |
| PER | 14.87倍 |
| PBR | 0.50倍 |
| 経常収益 | 56,824(前年同期比 +3.1%) |
| 経常利益 | 5,216(前年同期比 +12.6%) |
かつての郵政省を母体とする日本郵政は、内国郵便物取扱数が22年間で48.3%減となっているように厳しい状況にあります。
さらに傘下にある日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命では相次いで不祥事が発覚。

顧客情報漏洩や不適切点呼、不適切な保険販売は大問題になったよね……
そのため株価も低迷しており、先の見通せない情勢が続いています。
3つ目の効果を考える際は、競合他社との乖離が大きい銘柄を見るのがおすすめです。

| 株価 | 157 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | +1.2% |
| 時価総額 | 14兆2,164億円 |
| PER | 12.46倍 |
| PBR | 1.39倍 |
| 営業収益 | 67,727(前年同期比 +2.8%) |
| 営業利益 | 9,450(前年同期比 +2.7%) |
日本の情報通信業をけん引するNTTの株価は、競合であるKDDIやソフトバンクと比べてかなり安い水準です。
同社は、2023年7月に1株を25株に分ける大規模な株式分割を行っており、その影響で多くの株式を発行しています。
| NTT | KDDI | ソフトバンクグループ | |
|---|---|---|---|
| 株価 | 157 | 2,709.5 | 17,115 |
| 発行済株式数 | 90,550 | 4,187 | 1,427 |
| 時価総額 | 14兆2,164億円 | 11兆3,469億円 | 24兆4,395億円 |
NTTは900億株超と発行済み株式数が圧倒的に多く、時価総額の差より株価の差が大きくなっていることがわかります。

KDDI以外の2社は通信事業以外の事業が多いことには注意だワン!


| 株価 | 2,449.5 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | +33.5% |
| 時価総額 | 29兆699億円 |
| PER | - |
| PBR | 1.36倍 |
| 経常収益 | 68,937(前年同期比 +0.5%) |
| 経常利益 | 17,466(前年同期比 -0.6%) |
三菱UFJFGは、日本の時価総額ランキングでトヨタに次ぐ2位ですが、株価は比較的安くなっています。
メガバンクと呼ばれる3行を比較してみましょう。
| 三菱UFJFG | 三井住友FG | みずほFG | |
|---|---|---|---|
| 株価 | 2,449.5 | 5,020 | 5,626 |
| 発行済株式数 | 12,067 | 3,857 | 2,489 |
| 時価総額 | 29兆5,592億円 | 19兆3,621億円 | 14兆円 |
三井住友FGが約40億株、みずほFGが約25億株であるのに対し、三菱UFJFGは約120億株の株式を発行しており、これが株価を抑えている要因と分かります。

三菱UFJFGは発行済株式数が非常に多く、1株あたりの価値が分散されやすい構造なんだワン!
三菱UFJFGは直近では株式分割を行なっていませんが、この株式の多さが特徴的な株価の要因だとわかります。



今後伸びていきそうな株価の安い銘柄を知りたいな!
かぶリッジ編集部がおすすめする割安銘柄は以下の2つです。

| 株価 | 427.7 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | -0.7% |
| 時価総額 | 2兆9,435億円 |
| PER | - |
| PBR | 1.01倍 |
| 売上高 | 9,953(前年同期比 +7.6%) |
| 営業利益 | 2,145(前年同期比 +24.2%) |
LINEやYahoo!といった誰もが知るサービスを手掛ける同社は、2025年3月期決算において営業利益率が16.4%でした。

競合のサイバーエージェントや楽天と比べても圧倒的だよ!
Yahoo!ショッピングやZOZOTOWNなどのコマース事業の他、PayPayの活用を始めとするフィンテック領域に強みがあります。
ただし、配当利回りやEPSが低水準である点には注意が必要です。


| 株価 | 486.9 |
|---|---|
| 一年間の騰落率 | +27.6% |
| 時価総額 | 7,627億円 |
| PER | 10.56倍 |
| PBR | 1.11倍 |
| 売上高 | 1,656(前年同期比 +6.0%) |
| 営業利益 | 540(前年同期比 +12.6%) |
アコムは、2008年に三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社となった、グループ内の消費者金融事業の中核企業です。
ローン・クレジットカード事業を主軸に、信用保証や海外金融事業も展開しています。

最近はCMも話題だよね!
25年3月期と24年3月期はいずれも営業収益の成長率が7%台で、業績は堅調。
配当利回りも3%前後を推移し、26年3月期は4%超を見込んでいます。

株価はなぜ急成長株のような評価になりにくいのかな?
株価は足元で上昇していますが、急成長株のような評価になりにくい要因もあります。
フィンテック領域や各金融機関との連携にも力を入れていますが、消費者金融という事業特性上、爆発的な成長を見込みにくい点は中長期的な評価の上では意識されやすいでしょう。
一方、日本最大の金融グループを後ろ盾とすることで、需要の安定性が高く、業績の振れも比較的抑えられているため、安定収益を重視する投資家にとっては評価しやすい銘柄といえます。

ここでは、比較的安価だった銘柄の株価が上昇した時の効果とリスクを見ていきましょう。

企業目線と投資家目線どちらも知りたいな!
企業としても投資家としても注意すべきポイントがあり、それぞれご紹介します。
株価が上昇すると、具体的には、以下のような資金面でのメリットがあります。
株式会社が株式を発行する最大の理由は資金調達です。
市場からの評価が高まり株価が上がると、新株発行の際に、より多くの金額を得ることができます。

手元の資金が増えれば、事業拡大や積極投資に繋げたり、従業員の待遇向上や株主還元の強化ができたりするんだワン!
また時価総額が増加するため、市場から注目され買い手が集まると、さらなる株価上昇につながるという好循環が生まれます。
ある銘柄を保有する株主にとって、その株価の上昇は明らかにメリットですよね。
例えば、500円の銘柄Aを100株で購入した場合、株価が1,000円になった時に売却すると、50,000円の利益を獲得。
さらに長期的にも、A社が豊富な資金を得て株主還元の強化を行えば、配当や優待といった面で利益を得られます。

株価が割安だけど伸び始めている銘柄はチェックしておきたいね!

株価が急騰している銘柄はすぐにでも買いたいところだけど……
株価上昇の際は、その理由をよく調べることが必要です。
その企業の業績や配当政策の傾向を知らないまま買ってしまうと、以下のような落とし穴があるかもしれません。
株価が上がった企業の配当政策が思うように進まなかった場合、どうなるでしょうか。
配当利回りは配当金と株価によって決まるため、株価だけが上昇すると利回りが下がってしまいます。
近年株価が好調の三菱UFJフィナンシャル・グループの事例を見てみましょう。
同社は金融緩和解除やコロナ禍以降、業績を大きく伸ばしており、それに伴い株価も右肩上がりとなっています。
しかし、伸び幅があまりにも大きかったため、高配当銘柄として知られる同社の配当利回りは低下していました。

株価が上がると配当利回りは下がっちゃうんだ!
| 配当金 | 配当利回り(実績) | |
|---|---|---|
| 2021年3月期 | 25円 | 4.22% |
| 2022年3月期 | 28円 | 3.68% |
| 2023年3月期 | 32円 | 3.77% |
| 2024年3月期 | 41円 | 2.63% |
| 2025年3月期 | 64円 | 3.18% |
21年3月期に4%を超えていた利回りは、3年後には2%台に低下。
配当金も徐々に引き上げていましたが、株価上昇になかなか追いつきません。

25年3月期には13円の増配を決めて、配当利回りも取り戻したよ!
長期保有を志向する株主にとって、配当利回り低下は買い増しのハードルが高くなり、魅力が劣るように感じてしまうかもしれません。
市場の反応が過剰な場合、株価が過熱していると判断され大きく引き戻されることがあります。
ここではソフトバンクグループの事例を紹介します。

ソフトバンクグループは、AI分野への積極投資などで2025年夏以降、大きく株価を上げています。
特に10月23日終値で22,595円だった株価は、6日後に一時27,695円と年初来高値を記録しました。
しかし、さらにその7日後の11月5日には22,640円と約18%下落。

トレンド性が高くて株価が急騰していても、大きな損失になることがあるよ……
その後も株価は下降し、2025年12月現在は2025年9月頃の水準まで引き戻されています。
特に業績を伴わない場合や期待感が先行する場合は注意が必要です。

株価が上昇した背景や、今後の見通しを調べた上で投資することが重要だワン!

かぶリッジの結論

大企業でも株価が安くなる理由がよくわかったよ!
ここまで、企業規模が大きいものの安価な銘柄の特徴と具体例を紹介してきました。
安いからといって即買いは危険で、低評価にはそれなりの理由があることが多いです。
ただ、理由が分かっていて改善の兆しも見えるなら、“地味だけど伸びしろ”の穴場として化ける可能性もあります。

財務指標や業界全体の傾向、競合他社との比較を見て慎重に判断することをおすすめするワン!