今回はIPO企業の中から、10月11日に東証グロースに上場予定のオルツ(260A)をご紹介します。
オルツは、デジタルクローン開発のための製品群の展開やAIソリューションの提供を行う企業です。
想定時価総額は170.1億円で、情報・通信業のIPOとなっています。
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監修者:曽根原 大介
上智大学 外国語学部卒業。在学中に米 San Diego State University ファイナンス学部に留学。FP3級保持。
2019年より株式会社インベストメントブリッジにて投資家向けWebサイトの運営や上場企業のIRコンサルティングを手掛け、現在は社長室 室長。
学生・新卒向けの金融教育活動も実施。日本株やアメリカ株、NISAの投信積立、仮想通貨などに7年以上投資している。
オルツのIPO基本情報
ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 10月11日(金) |
かぶリッジ独自の初値予想 | B(1.3倍以上1.5倍未満) ※想定価格510円から、663円~764円 |
企業Webサイト | https://alt.ai/ |
取り扱い証券 | 大和証券(主幹事)、SBI証券、野村證券、あかつき証券、松井証券など |
IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!
オルツのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 510円 |
仮条件 | 510~540円 |
ブックビルディング期間 | 9月26日(木)~10月2日(水) |
当選発表日 | 10月3日(木) |
公開価格 | 540円 |
申込期間 | 10月4日(金)~10月9日(水) |
上場日 | 10月11日(金) |
初値 | 551円 |
初値は551円になったよ!
オルツのIPO初値予想
公募比率が約83%と非常に高く、企業に資金が多く入るため、投資家の注目が集まるでしょう。
また、AIをメインに扱う情報・通信業ということで魅力的なテーマだという点もプラスです。
その一方で、吸収金額が50億円超と大きいのと、オファリングレシオがやや高めの約35%というマイナス面もあります。
これらの点から、IPO評価: B(予想レンジ1.3倍以上1.5倍未満=663円~764円)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
ちなみに
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
オルツの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
大和証券(主幹事) | 82.61% | 8,550,000株 |
SBI証券 | 7.91% | 819,000株 |
野村證券 | 7.13% | 738,000株 |
あかつき証券 | 1.13% | 117,000株 |
松井証券 | 1.13% | 117,000株 |
丸三証券 | 0.09% | 9,000株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 91 | 18 | 完全平等抽選: 60% IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30% 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10% | 必要 |
楽天証券 | 59 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 52 | 18 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 67 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 49 | 3 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 51 | 6 | 完全平等抽選 | 必要 |
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
大株主情報
大株主の状況は以下のとおりで、筆頭株主の米倉千貴氏は代表取締役を務めてています。
米倉千貴氏と、副社長を務める第9位の米倉豪志氏は兄弟です。
株主名 | 比率 |
---|---|
米倉 千貴 | 21.01% |
Vertex Growth Fund II Pte. Ltd. | 13.29% |
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 | 9.17% |
SBI Ventures Two株式会社 | 4.82% |
SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合 | 3.85% |
イーストベンチャーズ2号投資事業有限責任組合 | 2.94% |
SMBCベンチャーキャピタル6号投資事業有限責任組合 | 2.89% |
Dawn Capital1号投資事業有限責任組合 | 2.89% |
米倉 豪志 | 2.80% |
SMBC日興証券株式会社 | 2.12% |
オルツの大株主には、ベンチャーキャピタル(投資事業有限責任組合)が比較的多いね
オルツの業績情報
決算期 | 2019年12月 | 2020年12月 | 2021年12月 | 2022年12月 | 2023年12月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 49 | 55 | 955 | 2,666 | 4,111 |
成長率 | ー | +12.2% | +1636.4% | +179.2% | +54.2% |
経常利益 | -440 | -201 | -384 | -670 | -1,497 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
経常利益率 | ー | ー | ー | ー | ー |
当期純利益 | -571 | -187 | -385 | -671 | -1,498 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
EPS | -45.1 | -14.7 | -27.0 | -39.6 | -80.0 |
BPS | -262.5 | -289.9 | -346.3 | -444.4 | -663.5 |
※2024年7月31日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実行。
2023年12月期には売上高4,111百万円(前年同期比+54.2%)となりました。
ただ、売上の急伸に対して、経常利益は2023年12月期で-1,497百万円を記録するなど赤字幅は拡大中です。
パーソナル人工知能の開発を目標とするIPOということで、これからの成長に期待できるでしょう。
このような状況のため、赤字業績という現実を見るか、AI分野という成長性を取るかはどちらも一長一短です。
業績を見れば分かるとおり、赤字上場ということで注目されているよ!
オルツの事業内容
オルツは人工知能(AI)事業を単一セグメントとしていますが、その中の事業区分としてAI Products事業とAI Solutions事業に分かれています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
AI Products事業
AI Products事業では、同社の研究開発や開発力、AIの社会実装力を基盤とし、多くのAIプロダクトの開発・提供を行っています。
例えば、同社のプロダクトである AI GIJIROKU は、会議の議事録作成等の業務を代替し、各会議結果及び経緯等をデータ化し可視化できるサービスです。
AI GIJIROKU の最も優位性のある特徴に「パーソナライズ機能」があります。
パーソナライズ機能ってなんだろう?
これは、一人ひとりの単語選択の癖や文脈構成の癖、さらには発言の文脈などを学習していくことで、一人ひとりに合った音声認識を学習していく機能のことです。
この技術を駆使して、業界ごとの専門用語も認識しやすくすることができ、例えば建築業界では認識精度が約8%も向上しました。
他にも、AIが自動で応答してくれるAIコールセンターや人格までも再現する CLONEdev など、様々なプロダクトを生み出しています。
AI Solutions事業
AI Solutions事業は、AIの活用を検討するクライアントに対して、コンサルティング、PoC、本番開発から協業販売までのプロジェクト遂行の支援を行っています。
今まで蓄積させてきた要素技術や統合ノウハウを活用することで、クライアントごとのデータ・特徴に合わせたプロダクト活用やインフラの構築などを支援しています。
また、キーエンスやNVIDIAとの業務提携を行っており、生成AI領域における確固たるポジションを築き上げてきています。
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Cross Eホールディングス | 8/29 | D(~1.0倍) | 0.92倍 |
オプロ | 8/21 | B(1.3~1.5倍) | 1.29倍 |
Faber Company | 7/31 | C(1.0~1.3倍) | 1.19倍 |
Heartseed | 7/30 | A(1.5~1.7倍) | 1.33倍 |
Liberaware | 7/29 | S(1.7倍~) | 1.46倍 |
初値はおおむね予想通りとなりました。
日経平均も徐々に回復しつつある中で、今後の動きに引き続き注目です。
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