
三菱電機の株価はなぜ上昇しているんだろう?
今後、株価はどうなっているのかな?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 防衛関連銘柄として注目されているため株価が上昇
- 過去最高益更新を達成、総還元性向70%と積極的な株主還元を掲げる
- 不採算事業からの撤退とM&Aへの投資枠を強化
三菱電機(6503)は、家電から宇宙、そして工場自動化(FA)まで幅広く手がける日本の大手総合電機メーカーです。
防衛費の予算拡大が続き、防衛関連銘柄の株価の急上昇に伴って、三菱電機も2025年4月から株価が右肩上がりとなっています。



10月21日、高市早苗氏が第104代首相に指名され、防衛関連株の注目が一層高まっているワン!
このように盛り上がりを見せる防衛関連銘柄として、三菱電機株への投資を検討している方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、三菱電機の株価が上昇している理由や今後の株価がどうなっていくのか徹底分析していきます。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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三菱電機の株価はなぜ上昇?3つの理由を解説


💡このパートの要約
三菱電機の株価が上昇している理由は…
- 高市トレードとして注目される防衛関連銘柄の1つであるため
- 絶好調な業績とコンセンサスを超える業績予想
- 総還元性向最大70%を目標とした積極的な株主還元
まずは三菱電機の株価推移を見ていきましょう。
2025年4月月以降、大きく上昇し続けていることが分かります。



何でこんなに上昇したんだろう?
ここからは、三菱電機の株価が上昇した理由を3つご紹介します。
防衛関連銘柄として注目されている
三菱電機の株価が2025年4月から上昇した理由として、防衛関連銘柄として投資家から注目されていることが挙げられます。
同社は、防衛省への納入額ランキング(2024年)で3位と大規模な防衛事業を展開。
2026年3月期第1四半期でも防衛システム事業の大口案件の増加が見られます。



複雑かつ高度な防衛システムについてレーザー、ミサイル対応、指揮システムなど、垂直統合開発を得意としているんだワン!
防衛省は2026年度予算の概算要求で、8兆8454億円(対前年+3706億円)を求める方針を出しました。
さらに、日本の防衛力整備計画では、2023年から2027年にかけて約43.5兆円を投入する見通しです。
これはロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の核・ミサイル開発など、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさと、それに対応するための防衛力の抜本的強化のためです。



先日首相になった高市氏は安全保障関連の政策を重視しているよ!
高市氏が首相に指名されたことで、安全保障政策の強化への期待が高まり、市場では「高市トレード」の一部として防衛関連銘柄への関心が一層高まっています。


過去最高益更新とコンセンサスを上回る業績予想
同社の2025年3月期の決算は、売上高・営業利益ともに過去最高を更新と絶好調でした。
さらに、最新の2026年3月期第2四半期の業績予想では、従来の予想から上方修正を発表。
過去最高を更新する見通しです。
- 売上高:5兆6,700億円(対前期比2.7%増)
- 営業利益:4,300億円(対前期比7%増)
- 純利益:3400億円から3700億円に修正



米国関税影響として-300億円を見込んでいるのに、過去最高を更新する予想は驚きだね!
純利益の業績予想において事前の市場予想(QUICKコンセンサス、3307億円)を11%上回りました。
QUICKコンセンサスとは?
アナリストが予想した各企業の業績予想や株価レーティングを金融情報ベンダーのQUICKが独自集計したもの。



市場の予想より上回る業績予想が株価上昇を支えたんだワン!
特に、収益に貢献したのがインフラ部門とライフ部門です。
インフラ部門では防衛力整備計画を背景に防衛・宇宙システムの受注高は大幅に増加。
ライフ部門ではビルシステム事業や空調・家電事業の需要が堅調に推移し、収益性向上に寄与しました。
積極的な株主還元
最近では同社の積極的な株主還元が注目されています。
2025年5月に発表した経営戦略では、資本適正化の一環として総還元性向50%以上を掲げました。
総還元性向とは?
総還元性向とは、企業が稼いだ利益のうち、どれだけを株主に還元したかを示す指標です。
株主への還元策である配当金と自社株買いの合計額を、企業の当期純利益で割って算出します。
4月28日に「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」を発表、10月末までに1000億円を上限とした自社株買いを実施しています。
最近では、2027年に向け、ROE向上に向けて総還元性向最大70%を目指していくと発表しました。



業績が好調な上に積極的な株主還元によって株価がさらに上昇したんだね!
三菱電機の事業内容と業績・株主還元


💡このパートの要約
- 三菱電機は、社会のインフラから私たちの身近な家電まで、幅広い領域の事業を展開している。
- 2025年3月期は、売上高、営業利益で過去最高を達成、純利益も3年連続で過去最高を更新する見込み
- 配当は、50円から55円に増配予想
事業内容
三菱電機は、社会のインフラから私たちの身近な家電まで、幅広い領域を扱う総合電機メーカーです。
主に以下の4つのセグメントに分かれています。


- インフラ部門
- インダストリー・モビリティ部門
- ライフ部門
- ビジネスプラットフォーム/セミコンダクター・デバイス部門
インフラ部門
インフラ部門は社会システム、電力システム、防衛・宇宙システムの3つのサブセグメントに分かれています。
社会基盤の構築と安全保障に不可欠な事業です。
| 電力システム・エネルギー | 発電から送電、配電まで、電力インフラ全体を支える機器やシステム(タービン発電機、変圧器など)を提供しています。 |
|---|---|
| 社会システム・公共 | 水道、防災、通信など、公共サービスを支えるシステムや情報通信インフラを提供しています。 |
| 防衛・宇宙システム | レーダー、通信システム、人工衛星、防衛装備品などの高度なエレクトロニクス技術を提供しています。 |



私たちの生活に欠かせない基盤を三菱電機はつくっているよ!
インダストリー・モビリティ部門
インダストリー・モビリティ部門はFAシステム、自動車機器の2つのサブセグメントに分かれています。
「ものづくり」を支える中核事業と、自動車・交通システムに関わる事業です。
| FAシステム(ファクトリーオートメーション) | 工場や製造ラインの自動化・効率化に必要な制御機器(PLC、インバータ、サーボなど)を製造・販売しています。これは同社の最大の強みの一つです。 |
|---|---|
| 自動車機器 | 電動車や先進運転支援システム(ADAS)に関連する電装品や制御製品、カーマルチメディア機器などを提供しています。 |
ライフ部門
ライフ部門はビル・システム、空調・家電の2つのサブセグメントに分かれています。
日常生活に密接に関わるシステムや機器を提供しています。
| ビルシステム | エレベーター、エスカレーター、ビル管理システム、セキュリティシステムなどを提供し、都市空間の利便性を高めています。 |
|---|---|
| 空調・冷熱システム、ホームエレクトロニクス | 家庭用エアコン「霧ヶ峰」や、業務用エアコン、冷凍・冷蔵機器など、快適な空間と温度管理に関する製品を提供しています。 また、冷蔵庫、掃除機、調理機器といった一般消費者向けの家電製品を製造・販売しています。 |
ビジネスプラットフォーム/セミコンダクター・デバイス部門
ビジネスプラットフォーム部門では、顧客の経営課題解決や社会インフラの最適化を支援するITソリューションおよびシステムインテグレーションを提供しています。



三菱電機グループの総合力とITを融合させているワン!
セミコンダクタ-・デバイス部門では、電気製品やシステムに組み込まれる高性能な電子部品(デバイス)、特に電力変換・制御に欠かせない製品を提供しています。
業績
次に業績を見ていきましょう。


| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 44,767 | 50,036 | 52,579 | 55,217 |
| 営業利益 | 2,520 | 2,623 | 3,285 | 3,918 |
| 営業利益率(%) | 5.6 | 5.2 | 6.2 | 7.1 |
| 当期純利益 | 2,034 | 2,139 | 2,849 | 3,240 |
決算短信より、かぶリッジ作成。
2024年度の業績は売上高5兆5,217億円(前年比5%増)、営業利益3,918億円(前年比19.3%増)と着実に業績を伸ばしています。
営業利益では、インフラ部門、ライフ部門、セミコンダクター・デバイス部門、ビジネス・プラットフォーム部門での増益が、インダストリー・モビリティ部門での減益を上回りました。



自己資本比率も61.9%と改善を続けているよ!
株主還元
今までの1株当たりの配当金と配当性向をまとめると、以下の表の通りです。
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度(予想) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 40円 | 40円 | 50円 | 50円 | 55円 |
| 配当性向 | 41.9% | 39.5% | 36.8% | 32.1% | – |
2023年度には1株当たり50円となり、2025年度の配当は55円と増配する見通しです。
業績が好調のため、2027年に向けて総還元性向最大70%を目指して増配が続くと考えられます。



配当利回りは11月4日現在で1.27%とまだ伸びしろはありそうだね!
三菱電機の強みと弱みは?


💡このパートの要約
- FA制御機器や産業用ロボットの分野で高い評価を受けている
- 参入障壁が極めて高い特殊分野である防衛・宇宙事業を担っている
- 自動車機器事業の収益性が低い
三菱電機の具体的な強みと弱みを解説していきます。
FAにおける高い優位性
三菱電機は、競合他社と比べてFA制御機器や産業用ロボットの分野で高い評価を受けています。
FAとは?
生産工程を自動化するシステムのことで、産業ロボットなどを導入して、従来人が行っていた作業を代わりに行うことを指します。生産性向上や人件費削減、品質の安定化などを可能にします。
2024年のオートメーション業界全体の売上高シェアの簡易試算(deallab)によると、三菱電機は主要なグローバル企業(シーメンス、ジョンソンコントロールズなど)に次ぐ10位で世界トップ10クラスにランクインしています。



トップ10の中には日立もはいっているよ!
単なる機器販売にとどまらず、FA技術とITを融合させ、生産現場のトータルコスト削減を支援するソリューション「e-F@ctory」なども展開し、顧客との強い関係性を築いています。
また、近年ではFAシステム事業のAI関連需要の増加がみられ、FA事業の収益増加に寄与しています。
防衛・宇宙関連の特殊技術
三菱電機は、レーダー、誘導システム、電子戦システムといった防衛エレクトロニクス分野で、国内トップクラスの技術と実績を有しており、国家の安全保障に不可欠な役割を担っています。
これは、一般的な家電や産業機器メーカーとは一線を画す、参入障壁が極めて高い特殊分野での強みです 。
- レーダー・電子戦システム: 航空機やミサイルを早期に発見・追尾するレーダー技術や、敵の電波を無力化する電子戦システムにおいて、国内トップクラスの実績を持ちます 。
- 宇宙システム: 人工衛星や地上局システムなど、宇宙関連のインフラ構築に貢献しています



2025年3月期の決算では、大口案件の増加により最も業績を伸ばした分野だよ!
自動車機器の収益の低さ
業績が好調な三菱電機ですが、インダストリー・モビリティに属する自動車機器事業の収益性という点で競合他社に対する明確なマイナス面を抱えています。
| 自動車機器 | 売上高 | 営業損益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 9,192 | 359 | 3.91% |
| 2023年度 | 9,441 | 309 | 3.27% |
決算短信より、かぶリッジ作成。
営業利益率は4%未満と非常に低いです。
中国における日系自動車メーカーの販売減少による影響や、北米向けカーマルチメディアの減少などが原因として挙げられています。



主な構造的課題の一つに、中国市場での依存が挙げられるね。



中国市場は現地の電気自動車(EV)メーカーとの競争が激しく、全体的な内需の弱さも相まって、収益確保が難しくなっているんだワン!
会社全体として収益性・資産効率の改善が見込まれない課題事業は、「撤退や売却の検討を進める」と公言されており
、自動車機器事業もその対象に含まれる可能性があります。
三菱電機の株価は今後どうなる?将来性や見通しを解説


2026年3月期も最高益を予想
三菱電機は、2026年3月期も営業利益4,300億円(前期比9.7%増)、当期純利益3700億円(前期比14.2%増)を見込んでおり、連続での過去最高益更新を予想しています。
これは、経営改革の着実な進展を示すものです。
業績を牽引する主な要因
- FAシステム(ファクトリーオートメーション)の好調: 中国におけるAI関連のデータセンターや半導体分野への設備投資が堅調に推移しており、同社のFAシステム事業が業績を牽引しています。
- インフラ・ライフ事業の構造改善: 電力・交通インフラや、空調・家電を含むライフ事業において、コスト削減と価格適正化が進み、収益性が改善しています。
2026年3月期第2四半期(中間期)の業績も、売上高2兆7,325億円、営業利益2,243億円と、上期として過去最高を更新しました。



好業績は、株主への還元強化(自社株買いや増配)への期待を高め、株価のさらなる押し上げ材料となるんだワン!
高市首相の安全保障の強化
高市首相は、トランプ米大統領との会談や所信表明などで、日本の防衛力強化と防衛費増額に主体的に取り組む姿勢を鮮明にしています。
特に、防衛費の対GDP比2%達成目標を前倒しする方針は、日本の安全保障政策における歴史的な転換点となりつつあります。
この政治的な動きは、防衛エレクトロニクス分野で国内トップクラスの技術とシェアを持つ三菱電機にとって、極めて大きなビジネスチャンスです。
- 貿易費の拡大
-
政府の防衛予算の増加は、同社のレーダー、ミサイル関連システム、サイバーセキュリティソリューションなどの需要を直接的に押し上げます。
- 中長期的な成長戦略
-
同社は防衛事業を重点成長分野と位置づけており、2030年度までに売上高6,000億円を目指しています。
次期戦闘機開発プロジェクトへの参画など、中長期にわたり事業成長を加速させる商機を捉えています。
日本が主体的に防衛力強化に乗り出すという政治的な動向は、三菱電機のような防衛関連銘柄にとって、長期的な安定成長の基盤を構築することになります。
不採算事業の撤退と積極的なM&A
三菱電機は、全社的な収益構造を改善するため、低収益事業からの撤退や売却を積極的かつ大規模に進めています。
同社は、2025年度中に約8,000億円規模(売上高ベース)の低収益事業の見直しを進める方針を打ち出しており、これには一部事業の撤退・売却も含まれます。



これは、過去の不適切検査問題を踏まえ、経営資源を真の成長分野に集中させるという強い決意の表れだワン!
撤退によって得られた資金や人材は、「コンポーネント × デジタル両輪の成長への集中投資」や、「Serendieによるビジネスモデルの変革」といった将来的なM&Aに投下されます。



成長投資としてM&Aに1兆円の投資枠を企画しているよ!
構造改革の完了が近づくにつれ、市場からの評価はさらに高まると予想されます。
【まとめ】三菱電機の株価はなぜ上昇している?





三菱電機の株価が上昇した理由がよく分かったよ!
かぶリッジの結論
- 防衛関連銘柄として注目されているため株価が上昇
- 過去最高益更新を達成、総還元性向70%と積極的な株主還元を掲げる
- 不採算事業からの撤退とM&Aへの投資枠を強化
三菱電機は、高市首相による安全保障への注目、防衛費増大、絶好調な業績によって株価が上昇していることがわかりました。
今後の業績も、不採算事業の撤退と積極的なM&A投資によってさらに伸びていく予想です。
株価は、今後の成長性を織り込む形で推移しており、今後の業績予想を考えると妥当といえるでしょう。



同社に投資する場合は、安全保障の動向に注目が必要だワン!
かぶリッジでは、この他にも日本の注目されている銘柄についてまとめた記事をまとめているので、ぜひあわせてご覧ください。














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