アルピコホールディングス（297A）のIPO初値予想と上場概要紹介

今回はIPO企業の中から、12月25日に東証スタンダードに上場したアルピコホールディングス（297A）をご紹介します。（同日は「MIC」が上場予定です）

アルピコホールディングスは、小売、運輸、観光の各事業を中心とした企業グループの企画、管理および運営事業を行う企業です。

想定時価総額は148.6億円で、小売業のIPOとなっています。

アルピコホールディングスのIPO基本情報

ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。

上場日	12月25日（水）
かぶリッジ独自の初値予想	B（1.3倍以上1.5倍未満） ※想定価格209円から、272円～313円
企業Webサイト	https://www.alpico.co.jp/
取り扱い証券	みずほ証券（主）、野村證券、八十二証券、長野證券 など

アルピコホールディングスのIPO日程と価格

IPOの日程と価格は次のようになっています。

※発表次第更新しています。

想定価格	209円
仮条件	173～191円
ブックビルディング期間	12月9日（月）～12月13日（金）
当選発表日	12月16日（月）
公開価格	191円
申込期間	12月17日（火）～12月20日（金）
上場日	12月25日（水）
初値	201円

アルピコホールディングスのIPO初値予想

ちなみに

初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説！過去の事例も」の記事で解説しています。

また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。

アルピコホールディングスの主幹事・幹事証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。

証券会社名	割当率	割当株数
みずほ証券（主幹事）	82.61%	11,807,300株
野村證券	6.09%	869,900株
八十二証券	4.35%	621,400株
長野證券	2.61%	372,800株
大和証券	2.61%	372,800株
三菱UFJモルガン・スタンレー証券	1.74%	248,500株

当選しやすい証券会社ランキング

この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。

IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。

以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。

証券会社名	取扱数	主幹事数	抽選方法	事前入金
SBI証券	91	18	完全平等抽選: 60％ IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30％ 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10%	必要
楽天証券	59	0	完全平等抽選	必要
SMBC日興証券	52	18	完全平等抽選: 10％ ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て	必要
松井証券	67	0	配分予定数量の70％以上を抽選	不要
岡三証券	49	3	取引実績に応じて優遇抽選	不要
マネックス証券	51	6	完全平等抽選	必要

大株主情報

大株主の状況は以下の通りで、エネルギー総合商社のサンリン株式会社が筆頭株主です。

また、第2位の八十二銀行とは人的・資本的な関係性がありますが、経営判断において同行の影響はなく、人的関係の変化や資本的な関係の見直しによる影響はないと判断しています。

株主名	比率
サンリン株式会社	10.11%
株式会社八十二銀行	9.27%
高沢産業株式会社	8.09%
キッセイ薬品工業株式会社	6.35%
損害保険ジャパン株式会社	5.75%
鈴與株式会社	5.06%
ホクト株式会社	4.85%
八十二キャピタル株式会社	4.68%
昭和商事株式会社	4.65%
株式会社日本アクセス	3.17%

アルピコホールディングスの業績情報

決算期	2020年3月	2021年3月	2022年3月	2023年3月	2024年3月
営業収益	98,844	88,289	87,796	92,637	99,620
成長率	ー	-10.7%	-0.6%	+5.5%	+7.5%
経常利益	475	-2,591	–603	527	2,123
成長率	ー	ー	ー	ー	+302.8%
経常利益率	0.5%	ー	ー	0.6%	2.1%
当期純利益	-150	-2,629	-643	72	904
成長率	ー	ー	ー	ー	+1,155.6%
EPS	-3.4	-44.8	-11.6	0.2	14.1
BPS	174.3	128.8	114.9	114.2	126.2

2024年3月期は営業収益99,620百万円（前年同期比+7.5％）、経常利益2,123百万円（前年同期比+302.8％）となりました。

一時は新型コロナウイルスの影響もあり、減収や赤字の決算となりましたが、その後は順調に回復しています。

24/3期に増収・増益を達成した理由は、主に以下の3つです。

アルピコホールディングスの事業内容

アルピコホールディングスは、小売、運輸、観光の各事業を中心とした企業グループの企画、管理および運営事業を行う企業です。

同社は長野県を中心に5つを事業を展開しています。

以下でそれぞれの事業を詳しく見ていきましょう。

流通事業

流通事業についてまとめました。

流通事業は以下のブランドから構成されています。

• 付加価値重視の上質な食品スーパー「デリシア」
• 大容量・低価格を打ち出す「業務スーパー・ユーパレット」
• 移動スーパー「とくし丸」
• 宅配サービス「デリシアネットスーパー」

長野県内で、「デリシア」51店舗、「業務スーパー・ユーパレット」9店舗の計60店舗を展開するドミナント戦略を取っています。

また、「デリシア」と「業務スーパー・ユーパレット」で明確にコンセプトを変えている点も戦略の一つです。

「デリシア」は低価格路線から一線を画し、品質や利便性などの付加価値を重視する一方、「業務スーパー・ユーパレット」は大容量低価格のお値打ち感を打ち出しています。

この他にも、フードサービス事業として株式会社モスフードサービスやタリーズコーヒージャパン株式会社とフランチャイズ契約を締結しています。

2022年4月には株式会社マックドラッグを傘下に置き、新規事業となる医薬品の販売事業を立ち上げるなど拡大を続けているようです。

運輸事業

続いて、運輸事業では主に次の4つの事業が行われています。

運輸事業では基本的に長野県への観光客の輸送がメインになっています。

その中でもバス事業では次のように区分され、それぞれの役割を担っているのです。

• 新宿などの都市と上高地・白馬などの観光地を結ぶ「高速バス」
• 松本市内から上高地を中心とする地域の輸送を行う「観光路線バス」
• 長野県内各地にて運航する「一般路線バス」および「貸切バス事業」

この他、鉄道やタクシーなどの観光には欠かせない交通網の多くが同社によって支えられています。

観光事業

観光事業では主に次の4つの事業が行われています。

国内からの観光客に加え、需要が拡大しているインバウンドでは台湾、東南アジア、欧米などの各国からの観光客を受け入れています。

また、旅行事業を担うアルピコ長野トラベル株式会社は、募集型・受注型、個人・団体など多種多様なニーズに応えた旅行を展開。

また、八ヶ岳などの大自然の絶景を臨む蓼科高原でのゴルフ場やキャンプ場の運営まで行っています。

不動産事業

続いて、不動産事業では次の2つの事業が行われています。

賃貸事業では、松本市、長野市、茅野市など長野県内の約30件の賃貸不動産事業を行っています。

同社が保有する土地や建物を主に法人に賃貸し、賃料を得るというビジネスモデルです。

一方、別荘分譲地管理事業は、同社所有の土地の建築やリフォーム、別荘管理などを行っています。

その他サービス事業

その他サービス事業としては、長野県内を中心に行う保険代理店事業などです。

この事業を担うアルピコ保険リース株式会社では、長野県内9つの営業所網があり長野県民に保険販売を中心としたサービスを提供を行っています。

直近IPOの初値予想と騰落結果

直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。

企業名	上場日	初値予想	初値騰落結果
Terra Drone	11/29	C（1倍~1.3倍未満）	0.92倍
グロービング	11/29	B（1.3倍~1.5倍未満）	1.23倍
ククレブ・アドバイザーズ	11/28	B（1.3倍~1.5倍未満）	1.32倍
ガーデン	11/22	D（1倍未満）	0.96倍
Sapeet	10/29	B（1.3倍~1.5倍未満）	1.52倍
Hmcomm	10/28	A（1.5倍~1.7倍未満）	1.33倍

上場時期が重なり資金が分散され、初値が公開価格を下回ったIPO銘柄も複数ありました。

またガーデンは約1か月ぶりのIPOでしたが、初値は振るわず公開価格を下回りました。

ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。