
・配当金で年間30万円ゲットすることは可能なの?
・そのためには、準備資金がいくらくらい必要なの?
このようなお悩みを解決します。
銀行預金だけではお金を増やしづらい現在、株式投資の配当金をゲットして資産を増やす方法が注目されています。
とはいえ、配当利回りが良いからといって優良株という訳ではありません。
この記事では、限られた資金でより多くの配当金を得るためにはどうしたら良いか解説していきます。



一緒に配当金について学んでいくワン!


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
配当金で年間30万円を得るなら1,429万円必要


東証プライムの予想平均配当利回りは、2.52%※です。
※2025年2月5日時点。加重平均。
これを基準にしてこの配当利回りで年間30万円の配当を手に入れるには、1,429万円必要です。
ただし、銘柄によって配当利回りは異なるので銘柄選択を工夫すれば、これよりも少ない資金で年間30万円の配当を手に入れられます。



配当利回りが高い銘柄を買えば、間違いないっていうことだね!
実は、この考え方は危険です。
配当金のみ重視するとキャピタルゲインを狙いづらく、減配リスクがあった際に対応できないケースも。
配当利回りのみならず、他の指標もみて投資先を考えるようにしましょう。
配当金生活のために心がけたい2つのこと



配当金生活をするにあたっての注意点ってあるの?
結論、配当金だけで生活することは厳しいです。
しかし、積立投資で資産を増やせば、ある程度まとまった分配金を受け取ることも可能です。
年間30万円の配当を得るためには投資方法も重要ですが、日々の家計管理も同じくらい重要になってきます。
ここでは、配当金生活を目指す人が注意すべきポイントを2つ紹介します。
家計を見直す
まずは分配金で賄う割合を増やすために、無駄な支出を減らしましょう。
余分なサブスクリプションの解約や固定費の見直しなど、できることは多々あります。
分配金で多くを賄うとしたら、派手な暮らしは望めません。



生活レベルは急には落とせないから、徐々に余分な支出を削ってその生活感に慣れていくんだワン!
生活防衛資金の確保
病気やけがなど、突然の支出に備えるために、生活防衛資金の確保は必須です。
資金の目安は家族構成などによっても変わりますが、独身1人暮らしの場合は、3~6か月分の生活費が目安とされます。
時には目標の保有資産額を早く達成しようとし、なるべく多くのお金を投資に回したくなることも。
しかし、いざという時のために、現金で資産を保有しておくことは重要です。



投資はあくまで余剰資金で行うワン!
【シミュレーション】年間30万円の配当を得るには


まずは、配当利回りによって必要資金がどのくらい変化するのか次のシミュレーションをご覧ください。
配当利回り | 必要資金 |
---|---|
1.0% | 3,000万円 |
2.0% | 1,500万円 |
3.0% | 1,000万円 |
4.0% | 750万円 |
5.0% | 600万円 |
6.0% | 500万円 |
7.0% | 約429万円 |
8.0% | 375万円 |
9.0% | 約333万円 |
10.0% | 300万円 |
このように、配当利回りが高ければ高いほど、必要資金は少なくて済みます。
配当利回りの平均は2%程度ですが、一般的に高配当と呼ばれる配当利回りが4%を超える銘柄もあります。
こうした銘柄を狙うことで、必要資金は当初の1,429万円から750万円へとグッと少なくなります。
配当金の計算方法
配当金について考えるうえで必要となる2つの指標の計算方法を紹介します。
配当利回りとは、株価に対して1株当たりの配当金(DPS)が多いか少ないかを知るための指標です。
計算方法としては以下の通り。


配当利回りが高いということは、投資金額に対して多くの配当金を得られるため、狙い目の株式だと言えます。



配当と株価の関係性によって、配当利回りが導き出せるんだね!
つづいて、配当性向とは、企業が稼いだ利益のうち何%を株主に「配当金」として分配するかを示す指標です。
計算方法しては以下のようになります。


配当性向が低すぎると投資家から文句を言われたり、アクティビストと呼ばれる機関投資家が介入することもあります。
その一方、成長のために多額の投資を必要とするベンチャー企業だと配当性向が0%、もしくは非常に低い場合が多いです。
「配当性向が低いから投資魅力がない!」と判断せず、事業成長による株価の上昇を期待して応援投資するのも一つのテクニックです。
配当を出していなかった企業が大きく成長し、株価が5倍,10倍になることは珍しくありません。



成熟企業の場合、平均的な配当性向は20~30%だワン!
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1,429万円未満で年間30万円配当を得る方法3選


これまで説明してきたように、工夫次第で最初に伝えた1,429万円の資金がなくても年間30万円の配当を得られます。
今回はそのための方法を3つご紹介するので参考にしてみてください。
配当利回りの高い銘柄に投資する
配当利回りの高い銘柄に投資することで、必要資金を抑えることができます。
ただ、配当利回りだけで投資銘柄を判断するのは危険です。
買ってはいけない高配当銘柄の特徴は次の4つだとされています。
- 異常に高い配当利回り
- 不安定な業績
- 配当額の急増
- 100以上の配当性向
こうした高配当銘柄に注意しながら、適度に必要資金を抑えられる銘柄に投資すると良いでしょう。


【シミュレーション付】配当利回りの高い銘柄は?
今回配当利回りの高い銘柄として紹介するのは、次の2つです。
- 神戸製鋼所 5406
- 東ソー 4042
神戸製鋼所は、素材・機械・電力を3本柱とする技術・製品・サービスを提供する大手鉄鋼メーカーです。
株価 | 予想PER | PBR | 配当利回り | 株主優待制度 |
---|---|---|---|---|
1,657.5円 | 5.45倍 | 0.59倍 | 5.45% | なし |
では、神戸製鋼所の配当利回りの推移を見てみましょう。


神戸製鋼所の配当利回りは、2024年3月期には5.45%とかなり高めです。
では、神戸製鋼所で年間30万円の配当金を得るためにはいくら必要かシミュレーションしてみましょう。
配当利回り5.45%の銘柄で年間30万円配当金を得るために必要な資金は約661万円です。
※配当利回りは増配率1.05%とする
期間 | 年間配当金 | 累積配当金 | 元本回収率 | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
1年 | 30万円 | 30万円 | 6% | 5.9% |
5年 | 31万円 | 153万円 | 30% | 6.2% |
10年 | 33万円 | 315万円 | 62% | 6.5% |
15年 | 35万円 | 485万円 | 96% | 6.9% |
20年 | 37万円 | 664万円 | 131% | 7.2% |
25年 | 39万円 | 853万円 | 163% | 7.6% |
30年 | 41万円 | 1,052万円 | 207% | 8.0% |



16年あれば元本回収も見込めるほど、配当利回りが高いんだね!
続いて、東ソーはクロル・アルカリ事業、石油化学事業、機能商品事業を展開する総合化学メーカーです。
株価 | 予想PER | PBR | 配当利回り | 株主優待制度 |
---|---|---|---|---|
2,130円 | 12.80倍 | 0.83倍 | 4.58% | なし |
では、東ソーの配当利回りの推移を見てみましょう。


東ソーは、連続増配はほとんどありませんが、14年以上減配がありません。
そして、配当利回りも2024年3月期には4.58%になるなど、安定した配当が期待できます。
では、東ソーで年間30万円の配当利回りを得るためにはいくら必要かシミュレーションしてみましょう。
配当利回り4.58%の銘柄で年間30万円配当金を得るために必要な資金は786万円です。
※配当利回りは増配率1.05%とする
期間 | 年間配当金 | 累積配当金 | 元本回収率 | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
1年 | 30万円 | 30万円 | 5% | 4.7% |
5年 | 31万円 | 153万円 | 24% | 4.8% |
10年 | 33万円 | 315万円 | 49% | 5.1% |
15年 | 35万円 | 485万円 | 75% | 5.4% |
20年 | 37万円 | 664万円 | 103% | 5.7% |
25年 | 39万円 | 852万円 | 132% | 6.0% |
30年 | 41万円 | 1,051万円 | 163% | 6.3% |



毎年30万円の配当金をもらうための必要経費を786万円にまで抑えられたね!
増配率の良い銘柄に投資する
増配率の良い銘柄に投資することも、必要費用を抑えるために効果的です。
また、増配しているといういうことは企業の売上が好調ということなので、安心材料となるでしょう。
というのも、企業は減配はしにくいという風潮があるので、よっぽど業績が堅調で株主還元意識が高くないと増配はしません。



増配というのは、配当金を狙わない場合でも企業の業績を表す指標として使えるんだワン!
増配率の良い銘柄は?
今回配当利回りの高い銘柄として紹介するのは、次の2つです。
- 安藤ハザマ 1719
- ライフコーポレーション 8194
まず、安藤・間は、ダムやトンネルなどの大型土木を行う大手ゼネコン企業です。
株価 | 予想PER | PBR | 配当利回り | 株主優待制度 |
---|---|---|---|---|
1,166円 | 12.02倍 | 1.16倍 | 5.15% | なし |
年間1株配当額の推移は次の通りです。


続いて、ライフコーポレーションは、スーパーマーケット「ライフ」を展開する大手小売企業です。
株価 | 予想PER | PBR | 配当利回り | 株主優待制度 |
---|---|---|---|---|
3,640円 | 10.04倍 | 1.18倍 | 2.75% | なし |
非減配期間は40年、直近20年の増配率は5.0倍、直近3年の増配率は1.75倍という好成績を収めています。
年間1株配当額の推移は次の通りです。





2021年から連続増配しているね!
株を長期保有する
大前提として、配当金をもらうためには、権利確定日に株を保有していなければなりません。
また、多くの企業ではただ権利確定日に株を持っているだけでは配当をもらうことができず、権利確定日までに1年以上所有していないといけないといった規定があります。
配当金を狙う場合は特に、短期取引せず、長期保有するように心がけましょう。



長期保有なら、値動きを逐一気にして精神的に疲れるといったことも無くなるので、おすすめだよ!
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コツコツ利益を出すなら「スワップ投資」もおすすめ





積立投資以外で、お金を受け取る方法ってないのかな?
積立投資は、長期間の積み立てが原則です。
将来まとまったお金が手に入りますが、積立期間中は利益を得ることができません。
日々少しずつでも利益を受け取れる方法として、FXのサヤ取りがあります。
そもそもサヤ取りとは、同じタイミングで上下する特徴を持つ相関性の高い2つの金融商品において、一方を買い、一方を売る方法です。



FXはハイリスクハイリターンのイメージだけど、サヤ取りの場合はリスクが抑えられるんだワン!
特にスワップポイントを活用する場合は、あらかじめリターンも計算しやすいです。
スワップポイントを活用したサヤ取りとは?
FX取引を行うと、買った通貨の金利を受け取り、売った通貨の金利を支払う仕組みになっています。
日本円を買って米ドルを売った場合、米ドルの金利を支払い、日本円の金利を受け取ることに。
この「受け取る金利」から「支払う金利」を引いた金利の差を、一般的にスワップポイントと言います。





通貨の金利は各国の中央銀行が決める短期金利(政策金利)に連動しているワン!
スワップポイントの金額は?
スワップポイントは、買う通貨が高金利に、売る通貨が低金利になるほどたくさん受け取ることができます。



「買う通貨が低金利」、「売る通貨が高金利」だと金利差がマイナスになるから、スワップポイントを支払う形になってしまうんだね。
高スワップポイントで有名な「SBI FXトレード」と「みんなのFX」のスワップポイントを見てみましょう。
SBI FXトレード | みんなのFX | |
---|---|---|
米ドル/円 買いスワップ | 338円 | 334円 |
ユーロ/円 買いスワップ | 292円 | 240円 |
ポンド/円 買いスワップ | 428円 | 422円 |
豪ドル/円 買いスワップ | 196円 | 200円 |
この表の金額は1万通貨のポジションを翌日に持ち越した際に発生する1日分のスワップポイントの金額です。
表を見ると、「みんなのFX」で米ドル/円を1万通貨分持っていると、258円のスワップポイントが入ってくることになります。
このスワップポイントは毎日変動し、みんなのFXの米ドル/円だと、大体220~240円あたりが多い印象です。
大きめの取引量のポジションを長期間保有して毎日コツコツ受け取るイメージです。



1万通貨ってどれくらの金額なの?
1ドル=100円とすると、単純に1,000通貨で10万円、1万通貨で100万円です。
何十年もの積立期間を待つのが嫌な人は、FXにある程度まとまった金額投資するのも1つの手です。



ただし、新NISA制度を利用した積立投資よりリスクは高くなる点は十分考慮して検討するワン!
【まとめ】配当金で年間30万円は達成可能!


今回は配当金で年間30万円は可能なのか見ていきました。



必要費用の抑え方や注目の高配当株についてイメージが湧いたよ!
ここで、今回の重要なポイントを3点おさらいします。
- 配当金で年間30万円を得ることは可能
- 高配当株や増配率の良い株を狙えば、必要資金を抑えられる
- コツコツ増やすならスワップ投資もおすすめ
投資するうえで、配当利回りだけで銘柄を決めてしまうのは良くないです。
あくまでも一つの指標として、配当利回りも銘柄選択のヒントにしていけると良いでしょう。