かぶリッジのピックアップニュースでは、IRニュースや決算発表を元に、市場で注目を集めそうな企業を主観でご紹介します。
ニュース内容
日本電技(1723)は1月29日の大引け後に、25年3月期第3四半期決算累計の決算を発表し、連結経常利益が前年同期比46.3%増益となりました。
同社は”計装”という技術を用いて、オフィスビルや工場の快適化・効率化・省力化・省エネ化を実現する事業を行っています。
- 空調計装(ビルディングオートメーション)…オフィスビルをはじめとする非住居用建築物の空調設備を有機的に機能させ、最少のエネルギーで建物用途に最適な環境を提供
- 産業計装(インダストリーオートメーション)…工場・プラントの生産設備に対する自動制御を手掛け、品質の安定や生産性の向上、省コスト化等のバリューを提供
日本電技は、詳細設計と施工を請け負う会社から工事の発注を受けており、設備完成後もメンテナンスや改修工事を受注しています。
今回の決算の詳細は以下の通りです。
日本電技2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)より
今回の決算では4-12月(3Q累計)の連結経常利益が前年同期比46%増益、第三四半期でも同58%の増益となりました。
増益の理由としては、以下の通りです。
- 空調計装の新設において、工場及び教育施設向け物件等の新設工事が増加
- 既設で研究施設及び公共施設向け物件等の既設工事が増加
そのほかにもコストカットや効率化などを内部で進めており、利益を生み出す姿勢があることがわかります。
また、静岡市の食品包装機械メーカーである靜甲(6286)は、25年3月期通期の業績予想および配当予想を上方修正しました。
連結経常利益を従来予想の9.8億円から14億円(前期は9.9億円)に42.9%上方修正したことで、一転して40.3%増益を見込み、一気に30期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなりました。
同社は上方修正の理由の一つに、「空調・設備機器で省エネ及び BCP 対応の大型更新工事が堅調に推移した」ことを挙げています。
今回好決算を発表した日本電技と靜甲は、どちらも工場設備の導入やシステムの設計を行っています。
ここから、環境や資本効率を意識した経営が求められる中で、省エネや効率化に対する需要は高まっていると言えるのではないでしょうか。
詳細は企業のIRニュース(日本電技・靜甲)をご確認ください。
企業情報・株価
企業名 | 日本電技株式会社 |
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市場・証券コード | 東証スタンダード・1723 |
時価総額 | 565.63億円 |
PER・PBR | 10.36倍・1.55倍 |
1/29 終値 | 3,450円 |
1ヵ月前の株価 *12/30 終値 | 3,440円(12月27日に1株から2株への株式分割を実施) |
企業名 | 靜甲株式会社 |
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市場・証券コード | 東証スタンダード・6286 |
時価総額 | 53.29億円 |
PER・PBR | 0.35倍・8.57倍 |
1/29 終値 | 830円 |
1ヵ月前の株価 *12/30 終値 | 764円 |
ひとこと
トランプ氏がパリ協定から離脱するなど、環境配慮に向かう流れが途切れてしまうのではないかと思うこともありました。
今回の2社の好決算は、環境意識の高まりによる導入増加だけが理由ではないですが、今後も企業がそうした省エネ意識を継続していく流れが見えた気がして安心しました!
特に日本電技は昨年末に株式分割を行っていて投資しやすくなっているので、投資を検討してみてもいいのではないでしょうか✨