かぶリッジのピックアップニュースでは、IRニュースや決算発表を元に、市場で注目を集めそうな企業を主観でご紹介します。
ニュース内容
伊藤忠商事(8001)が11月6日、第2四半期決算(中間期決算)を発表しました。
連結経営成績は以下の通りとなっています。
- 収益:7兆2,913億07百万円(前年同期比+7.6%)
- 営業利益:3,667億44百万円(同+4.5%)
- 税引前中間利益:6,022億66百万円(同+5.3%)
- 当社株主に帰属する中間純利益:4,384億42百万円(同+6.2%)
繊維セグメント・機械セグメントの好調に加えて、ファミマ関連セグメントの純利益2.2倍増が業績を大きく牽引しました。
繊維セグメントでは、海外スポーツ分野を中心としたアパレル関連事業が堅調な伸びを見せ増益。
機械セグメントでは前年同期好調だった北米電力関連事業の反動減があったものの、自動車関連事業の堅調な伸びや一部事業売却に伴って増益を記録しました。
また、ファミマ関連セグメントでは、中国での事業再編に伴う一過性利益が生じたほか、国内での売上増加も相まって純利益は前年同期比2.2倍という結果に。
ただし、住生活セグメントでは北米設備資材関連事業で苦戦し、約8%の減益となっています。
おまけ
伊藤忠商事の決算発表をもって、5大商社の中間期決算が出揃いました。
純利益(億円) | 前年同期比 | |
---|---|---|
三菱商事 | 6,180 | +33% |
伊藤忠商事 | 4,384 | +6% |
三井物産 | 4,117 | -10% |
住友商事 | 2,539 | -11% |
丸紅 | 2,381 | -5% |
三井物産・住友商事・丸紅の3社が金属セグメント等の不調から減益となった一方で、それぞれローソン・ファミマとコンビニ事業を展開する三菱商事・伊藤忠商事が増益を記録しました。
ただし、金属セグメントについては伊藤忠商事もやや苦戦しており、事業売却等の一過性利益を除いた基礎利益予想では400億円の下方修正を行いました。
企業情報・株価
企業名 | 伊藤忠商事株式会社 |
---|---|
市場・証券コード | 東証プライム:8001 |
時価総額 | 約12兆2,949億円 |
PER・PBR | 12.66倍・1.98倍 |
11/6終値 | 7,938円(+1.68%) |
1ヵ月前の株価 *10/4終値 | 7,877円 |
ひとこと
5大商社のうち3社が減益と苦戦を強いられる中、しっかりと利益を増やしている点がここ数年で大きく躍進した伊藤忠商事の地力を表しているように思えます。
ただし、今回の決算では事業売却といった一過性利益に助けられている面も多々あり、今後持続的な成長ができるかは玉虫色。
トランプ氏の当選が決まった現在、資源面や脱炭素面で大きな影響を及ぼす米中貿易摩擦に対し、どのようにアプローチしていくかについても注目していきたいですね👀