今回はIPO企業の中から、11月28日に東証グロースに上場予定のククレブ・アドバイザーズ(276A)をご紹介します。
ククレブ・アドバイザーズは、AIを活用したCRE(企業不動産)に関するソリューションの提供及び不動産テックシステムの開発・販売をする企業です。
想定時価総額は43.1億円で、不動産業のIPOとなっています。
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この記事の監修者
監修者:曽根原 大介
上智大学 外国語学部卒業。在学中に米 San Diego State University ファイナンス学部に留学。FP3級保持。
2019年より株式会社インベストメントブリッジにて投資家向けWebサイトの運営や上場企業のIRコンサルティングを手掛け、現在は社長室 室長。
学生・新卒向けの金融教育活動も実施。日本株やアメリカ株、NISAの投信積立、仮想通貨などに7年以上投資している。
ククレブ・アドバイザーズのIPO基本情報
ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 11月28日(木) |
---|---|
かぶリッジ独自の初値予想 | B(1.3倍以上1.5倍未満) ※想定価格1,050円から、1,365円~1,574円 |
企業Webサイト | https://ccreb.jp/ |
取り扱い証券 | みずほ証券(主)、楽天証券、水戸証券、極東証券など |
主幹事はみずほ証券だよ!
ククレブ・アドバイザーズのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,050円 |
---|---|
仮条件 | 890~950円 |
ブックビルディング期間 | 11月12日(火)~11月18日(月) |
当選発表日 | 11月19日(火) |
公開価格 | 11月19日(火)発表予定 |
申込期間 | 11月20日(水)~11月25日(月) |
上場日 | 11月28日(木) |
初値 | 11月28日(木)発表予定 |
仮条件は想定価格よりやや弱気の890~950円に決まったね。
ククレブ・アドバイザーズのIPO初値予想
公募比率が52.9%と高い点はプラスにはたらくでしょう。
また、想定時価総額43.1億円、吸収金額14.6億円と小型のIPOである点もプラスです。
一方、オファリングレシオが35.0%と高い点は初値にマイナスの影響を与えると考えられます。
これらの点から、IPO評価: B(予想レンジ1.3倍以上1.5倍未満=1,365円~1,574円)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
ちなみに
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
ククレブ・アドバイザーズの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
みずほ証券(主幹事) | % | 株 |
楽天証券 | % | 株 |
水戸証券 | % | 株 |
極東証券 | % | 株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 91 | 18 | 完全平等抽選: 60% IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30% 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10% | 必要 |
楽天証券 | 59 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 52 | 18 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 67 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 49 | 3 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 51 | 6 | 完全平等抽選 | 必要 |
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、筆頭株主の宮寺 之裕氏は同社の代表取締役です。
また第2位の株式会社フィールド・パートナーズは、土壌汚染に関する調査・対策から保証まで行う会社で、同社の関係会社となっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
宮寺 之裕 | 49.56% |
株式会社フィールド・パートナーズ | 20.80% |
コタエル信託株式会社 | 9.19% |
エムエル・エステート株式会社 | 4.82% |
合同会社ステルラ | 4.24% |
株式会社シーアールイー | 2.39% |
合同会社ティー・エム・ティー | 2.05% |
白土 秀樹 | 1.30% |
東金 陽子 | 1.06% |
鏑木 範久 | 1.06% |
未上場企業に信託型ストックオプションを提供するコタエル信託も大株主になっているね!
ククレブ・アドバイザーズの業績情報
決算期 | 2019年8月 | 2020年8月 | 2021年8月 | 2022年8月 | 2023年8月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | ー | 112 | 418 | 515 | 703 |
成長率 | ー | ー | +273.2% | +23.2% | +36.5% |
経常利益 | -1 | 46 | 161 | 147 | 234 |
成長率 | ー | ー | +250.0% | ー | +59.2% |
経常利益率 | 0.0% | 41.1% | 38.5% | 28.5% | 33.3% |
当期純利益 | -1 | 30 | 101 | 98 | 163 |
成長率 | ー | ー | +236.7% | ー | +66.3% |
EPS | -0.8 | 11.6 | 32.8 | 29.5 | 47.8 |
BPS | 4.1 | 73.7 | 103.5 | 167.7 | 208.9 |
※2022年8月期より連結決算へ移行。
2023年8月期は売上高703百万円(前年同期比+36.5%)、経常利益234百万円(前年同期比+59.2%)となりました。
売上高、経常利益ともに年々順調に増加していることがわかります。
同社の主力事業であるCRE(企業不動産)戦略は、景気動向に関わらず経営戦略の一環として実行されます。
そのため、同社のビジネスは景気変動の影響を受けづらい事業構造と言えるでしょう。
CREを必要と考える企業が近年増えているよ!
ククレブ・アドバイザーズの事業内容
ククレブ・アドバイザーズは、AIを活用したCRE(企業不動産)に関するソリューションの提供及び不動産テックシステムの開発・販売をする企業です。
以下の2つの事業を展開しています。
CREソリューションビジネス
ククレブ・アドバイザーズは自社開発の不動産テックシステムを自ら活用した企業不動産ソリューションビジネスを展開しています。
主なサービス内容は以下の通り。
- CREアドバイザリー
- 企業毎の方針・戦略に合ったCRE(企業不動産)アドバイザリー業務
- プロジェクトマネジメント
- 企業の保有する遊休/低利用不動産の活用プロジェクトを事業計画から竣工までワンストップで推進
- 不動産売買、賃貸借の仲介
- 自社開発のCRE営業支援ツール”CCReB CREMa”を活用し、規模の大小を問わず、あらゆる不動産ニーズを効率的にマッチング
- CREファンド組成
- 従来金額規模などから見送られてきた企業不動産の流動化を実現し、企業のアセットファイナンスの幅を拡大
- B/S活用不動産投資・賃貸
- 企業のニーズに応じて自社B/Sを活用し不動産を取得。企業不動産の機動的なオフバランス化を実現
CREマーケットでは、不動産に関するノウハウだけでなく企業経営や財務、各産業についてのノウハウも必要になっており高い参入障壁が存在するとのこと。
そんな中、自社のテクノロジーを活用し、効率的なソリューションを提供できている点は明確な強みだと言えそうです。
不動産テックビジネス
同社は、CRE営業の業務効率化・DX化へ向けたシステム開発やサブスクリプションサービスも展開しています。
提供する主なシステム・サービスは以下の通り。
- CCReB GATEWAY
- 企業経営に関わる経営トレンド等の情報を発信するB2B向けポータルサイト
- CCReB AI
- 「中期経営計画」「有価証券報告書」をAIエンジンが解析し、不動産ニーズへの効率的な営業アプローチを実現するCRE営業支援システム
- CCReB CREMa
- AIを活用した事業用不動産ニーズのマッチングシステム
- CCReB PROP
- AIエンジンを活用し、上場企業が開示する有価証券報告書に掲載されている固定資産情報を抽出しリスト化する固定資産情報取得ツール
- CCReB Clip
- 営業リスト・統計用データなど、企業の開示資料をもとにターゲットリストを作成する情報支援ツール
- CCReB BI
- 対象不動産の都市計画や土壌汚染に関連した公的な情報を一括で簡単に取得できる不動産基礎調査ツール
- CCChat
- 独自のテックシステムデータ、CRE提案パターンの蓄積を活用し、CRE営業を支援する生成AIチャットシステム
AIを活用し、人件費のかかりにくい効率的なシステム援助を行なっている点がポイントです。
また、サブスクリプション開始とともに契約数も急増しており、将来性に期待が寄せられます。
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Sapeet | 10/29 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.52倍 |
Hmcomm | 10/28 | A(1.5倍~1.7倍未満) | 1.33倍 |
リガク・ホールディングス | 10/25 | D(1倍未満) | 0.96倍 |
東京地下鉄 | 10/23 | C(1倍~1.3倍未満) | 1.36倍 |
Schoo | 10/22 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.1倍 |
伸和ホールディングス | 10/21 | D(1倍未満) | 0.93倍 |
上場時期が重なり資金が分散され、初値が公開価格を下回ったIPO銘柄も複数ありました。
ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。
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