・メルカリ株ってどうなの?
・メルカリは知ってるけど、イマイチ業績とか分からない…
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
以下の理由から、基本的にはメルカリの株を買うことはおすすめしませんが、成長性に期待を込めて長期的に保有する覚悟があるのであれば買っても良いでしょう。
懸念点
- アメリカ事業の赤字が続く可能性が高い
- 配当金や株主優待目的の投資には向かない
安心材料
- 国内のフリマアプリ市場はメルカリの1強
- フィンテックや新事業は成長中
- 業績は現在も拡大中
フリマアプリ「メルカリ」を運営していることで有名なメルカリは、日本には珍しいユニコーン企業として以前から注目を集めていました。
ユニコーン企業とは、「評価額が10億ドルを超える、設立10年以内の未上場のベンチャー企業」のことだワン!
しかし、ここ最近は株価が下落しており、買い時を考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、メルカリの株を買うべきかわかりやすく解説します。
執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
本記事の注意事項
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※掲載内容へのご指摘につきましては、お問い合わせフォームより受け付けております。
メルカリの株は買い時か?理由を2つ解説
💡このパートの要約
基本的にメルカリの株を買うことはおすすめしません。
- 今後もアメリカ市場で低迷が続くと予想される
- 配当や株主優待がない中で、キャピタルゲインを狙うのは少し厳しい
結論として、基本的にはメルカリの株を買うことはおすすめしません。
以下で、理由を2つご紹介します。
アメリカ市場での低迷
メルカリの株をおすすめできない理由の1つ目として、アメリカ市場で低迷していることが挙げられます。
進出してから10年以上になるけど、ずっと赤字が続いているよね
売上高が減少傾向であり、取引総額(GMV)もマイナス成長が続いています。
米国で中古のものを買う文化が日本より浸透していないことや中国EC(SHEINやTemuなど)の台頭が要因であり、今後も低迷が続くと考えられます。
アメリカ事業からの撤退、または黒字化の実現があれば、株価が上がる要因になるかもしれないね
配当や株主優待がない
メルカリの株をおすすめできない理由の2つ目として、配当や株主優待がないことが挙げられます。
メルカリ株には、配当金も株主優待も無いんだね!
メルカリの株主還元方針について、以下に引用します。
当社グループは、財務体質の強化および競争力の確保同様、株主のみなさまに対する利益還元を経営の重要課題と認識しております。現在、当社グループは成長過程にあるため、事業の拡大と効率化にともなう中長期的な企業価値の向上が株主のみなさまに対する最大の利益還元につながると考えており、創業以来、配当は実施せず内部留保の充実をおこなってまいりました。今後も、当面の間は内部留保の充実を図る方針ですが、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主のみなさまへの利益還元を検討してまいります。
メルカリ社「HP」
成長中のメルカリは中長期的に企業価値を向上させることで、株主に還元しようとしています。
しかし、現状ではアメリカ事業への投資が期待通りの成果を上げているとは考えにくく、今後もしばらくは配当を実施しないと思われます。
そのため、メルカリ株は配当金や株主優待といったインカムゲイン目的の長期投資には向きません。
また、配当や株主優待がない中でキャピタルゲインを狙いたいものですが、現状の業績では難しいかもしれません。
ブランド品など高価格帯カテゴリーの強化など今後の施策に注目だね
長期保有する覚悟があり成長性に賭けるなら買うのもアリ!
ここまで基本的にはメルカリの株は買わない方が良いとお伝えしてきましたが、一概におすすめしないという訳ではありません。
実は以下のように好材料もあるので、今後の成長性に期待を持てるなら買ってみても良いでしょう。
国内のフリマ事業はメルカリの1強
以下はフリマアプリの主要4サイトの国内ダウンロード数をまとめたものです。
この結果からもメルカリは40%以上を占めており、国内はメルカリ一強とも言える状態だと言えます。
近年、国内のフリマアプリでは単価の高いブランドバッグの取引や、推し活ブームによるアニメグッズの取引が増えており、今後もフリマアプリ需要は増加する見込みです。
こうした状態は市場シェア首位のメルカリにとって追い風であり、同社の国内市場は伸びていくと考えられます。
フィンテックや新事業は成長中
メルカリはスマホ決済サービス「メルペイ」などでフィンテック事業にも参入しており、売上や利益を順調に伸ばしています。
フィンテック部門の売上収益は以下の通りです。
クレジットにおいては99%を超える高い回収率を維持しつつ、債券残高は前年同期比+52%と順調に推移しています。
また、幅広いクレジットニーズへの対応を通じた利用拡大に向けて「分割払い」を開始するなど、サービスの更なる強化を実施中です。
電子マネーが主流になってきている今、フィンテックに参入していることはメルカリの強みだね!
また、フィンテック事業だけでなく2024年3月よりサービスを開始した新事業の「メルカリハロ」では、ワーカー登録者数、パートナー拠点数ともに高成長を実現しています。
詳しいサービス内容についてはこちらをご覧ください。
このように新事業もフィンテックも順調に拡大している点は、メルカリ株を買う上で好材料だと考えられます。
業績は拡大中
前の見出しにてアメリカ市場で低迷していると書きましたが、実は会社全体で見ると同社は以下のように順調に売上を伸ばし、黒字化を達成しています。
詳しくは業績にて解説しています。
アメリカ市場が低迷しているにもかかわらずこうした成長を遂げているので、アメリカでの事業が上手く行き始めると売上が急増する可能性があります。
以上のように、同社は好材料が揃っていますしアメリカ市場という課題が解決しさえすれば、株価も伸びるかもしれません。
こうした成長性に賭けるなら長期保有する覚悟で投資してみても良いでしょう。
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メルカリの事業内容・業績
💡このパートの要約
- フリマサービスは、日米ともに成長の鈍化が懸念されている
- メルペイなどの金融事業は比較的好調
- 新事業「メルカリ ハロ」をリリース
ここではメルカリの基本情報についてまとめます。
以下の2つについて詳しく見ていきましょう。
事業内容
メルカリ社が主に手掛ける事業は、以下の4つです。
その他にも、BtoCマーケットプレイス「メルカリShops」の運営や、暗号資産やNFTを取り扱う「メルコイン」の運営などを行っています。
メルカリ
「メルカリ」って何なの?
フリマアプリ「メルカリ」とは、個人が簡単に中古品の売買を行えるCtoCのマーケットプレイスです。
「使いやすく・楽しく、かつ安心・安全に取引ができる」という特徴があります。
- AI出品やバーコード出品を利用した出品の簡略化
- 商品の梱包から発送までの作業をすべてプロにおまかせできる配送サービス
- オールジャンルな多彩な商品ラインナップ
- カスタマーサービス体制の整備
- AIによる違反検知システム
現在も累計出品数は増加しつづけ、30億品を突破。
月間利用者数 も2200万人超と、「メルカリ」は大きく成長し続けています。
今後は、初のリアル店舗「メルカリステーション」や、無人投函ボックス「メルカリポスト」などでオフラインへの拡張を目指しています。
また他社とのデータ連携で新たなビジネス機会の創出や、越境販売を可能にすることでさらなる海外進出を狙っています。
東南アジア最大のマーケットプレイス「Shopee」とも提携しているよ!
ただ、「メルカリ」では転売などの問題行為が多発していることから、規制を求める声も多く挙がっており、利用を辞めるユーザーも出てきています。
今後、こうした問題にどのように対処していくかに注目です。
ある意味、社会インフラになっているともいえるワン!
メルカリUS
メルカリ社は、ミッションである「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」ことを目指し、早くから海外展開をしています。
2014年9月に「メルカリ」のUS版を開始し、現在まで現地に合わせたブランディングやUI・UXの改良、配送網の構築等に取り組んでいます。
メルカリは巨大かつ多様性に富む人口基盤を有するUSでの成功が、自社のミッションを実現するうえで重要だと考えており、今後もUS事業に注力していく予定です。
使いやすくするため、日本版をただ翻訳するのではなく、US向けアプリを新たに設計したんだよ!
メルペイ
「メルペイ」って何?
「メルペイ」とは、フリマアプリ「メルカリ」で利用できるスマホ決済サービスです。
「メルカリ」の売上金のほか、普段利用している金融機関を登録し「メルペイ」にチャージしたり、チャージ不要な「メルペイスマート払い」を使うことで、実店舗やECサイトで買い物ができます。
「iD」や「コード決済」に対応しているんだワン!
さらに「メルカリ」の利用実績や他ユーザーからの評価などのデータを用いることで、 与信(後払い)サービス「メルペイスマート払い」 や、少額融資サービス「メルペイスマートマネー」を新たに提供し、利益を出すことにも成功しています。
このように「メルカリ」と「メルペイ」が連携することで、メルカリ社はシームレスな金融圏を構築し、ユーザーはストレス無くサービスを利用することができるようになりました。
今後はメルペイ残高を使って暗号資産の取引ができるといった、さらに快適に金融サービスを利用できる環境の構築に取り組んでいく方針です。
2021年に、暗号資産やNFTを取り扱う「メルコイン」という会社を設立しているよ!
メルカリ ハロ【新事業】
メルカリは、2024年3月から新事業として「メルカリ ハロ」をリリースしました。
メルカリ ハロとは、最短1時間、1日だけから出勤可能なスポットワークです。
履歴書や面接が不要で、勤務後すぐに給料が受け取れます。
最近上場したタイミーと同じようなサービスだね!
コロナ後の働き方ニーズの多様化により、アルバイトよりも身近なスポットワークの需要が増加しています。
3月6日から1都3県で開始し、開始3ヶ月で登録ユーザが500万人を突破するなど好調なスタートを切っており、今後に注目です。
これまでサービス展開を優先し、アプリに搭載する機能を絞ってきましたが、これからはハロで稼いだお金をコード決済のメルペイで受け取れるようにしたり、勤務実績を金融事業の与信に活用したりすることを検討しています。
今後のサービス拡大に注目です。
業績
業績はどうなっているのかな?
ここでは、過去5年の業績推移を見てみましょう。
売上を順調に伸ばし、黒字化しているね
次に、3つのセグメント別に業績を見ていきます。
メルカリ
今までの投資の影響で順調に売上高は伸びており、営業利益もしっかり出ています。
招待キャンペーン等による新規ユーザ獲得や、メルカリ教室によるユーザ層の掘り起こしなどのマーケティング施策により、ユーザー数が伸びていることも業績向上の要因です。
初期投資の期間を終えて、投資額の回収に入っているね!
メルカリUS
赤字幅は減ってきているものの、売上高や取引総額(GMV)は軒並み減少しています。
米国では中古のものを買う文化が日本より浸透していないことやインフレの長期化が原因であると考えられます。
2014年から開始した事業ですが、営業利益はいまだに赤字のままで、苦戦を強いられています。
メルカリUSの撤退を求める声も上がってきているよ
メルペイ
メルペイの売上高は順調に増加しており、コア営業利益も2期連続黒字を達成しました。
近いうちに、調整後営業利益も黒字になると思われます。
通期売上高は前年比40%の高成長となっており、比較的好調に推移していると評価できます。
メルカードの発行枚数は340万枚を突破したよ
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なぜ今下がっているのか?メルカリの株価下落の原因とは?
💡このパートの要約
メルカリの株が下落している原因は…
- 国内市場で成長が鈍化している
- 米国フリマ事業で赤字が続く
ここで、メルカリの株価の推移を見てみましょう。
過去5年の株価推移ですが、2022年に入ってから下落していることが分かります。
下落の原因はなんだったのかな?
ここからは、メルカリの株価が下がっている理由を2つ見ていきましょう。
国内市場で成長が鈍化
メルカリの株価が下落している理由の1点目は、国内市場で成長が鈍化していることだと考えられます。
利用者数についてまとめた以下のグラフをご覧ください。
国内メルカリの利用者数(MAU)は、2024年に入って鈍化していることがわかります。
取引総額(GMV)も、3Q比で微減です。
また、前年比成長率を比較してみると、メルカリは年々成長率が鈍化していることがわかります。
メルカリが成長するには、利用者数を増やし、流通量を増加させなければなりませんが、その成長率は鈍化している状況です。
これらの結果から、成長鈍化の懸念が高まり、株価が下落したと考えられます。
米国フリマ事業で赤字が続く
メルカリの株価が下落している理由の2点目として、米国フリマ事業での赤字が続いていることが挙げられます。
前述した通り、米国事業は赤字が続いています。
それに加えて、利用者数(MAU)や売上高も減少しています。
アメリカ事業の低迷が株価を押し下げた原因なんだね
今後は、米国で需要の高い日本商品の在庫を増やすことで取引活性化を目指しています。
メルカリの今後の株価の見通しはどうなる?将来性を探る
💡このパートの要約
メルカリの今後は…
- アメリカ市場を撤退するのか、黒字転換させるのか注目
- メルペイやメルカードなどの金融事業が引っ張れるか
- 過去2000円付近で反発しており、買うなら比較的割安な今がチャンス
メルカリ株は今後どうなるんだろう?
結論から言うと、値上がりする可能性は十分にありますが、リスクも比較的大きいと考えられます。
アメリカ市場の撤退or継続
メルカリの今後を占う上で最も重要なのは、赤字が続いているアメリカ市場への対応でしょう。
撤退を求める声が強まる中、山田CEOは海外事業への投資を改めて強調しました。
その一環として、8月には日本で出品された商品をアメリカから購入できる機能を導入しました。
アメリカでは、アニメや漫画などの商品が特に人気を集めており、反転のきっかけとなるか注目されています。
メルカリの株価が上昇するかどうかは、アメリカ事業の成功にかかっていると言っても過言ではありません。
アメリカ事業の行方によっては、今後の株価上昇が期待できるね
メルペイやメルカードなどの金融事業の好調さ
前述した通り、メルカリの金融事業の成長率は著しいものがあります。
暗号資産取引口座数が220万を超え、直近一年間の口座開設数が業界No.1だね
金融事業においてユーザ獲得が進めば、フリマ事業利用者数も増加し、グループシナジーの拡大が期待できます。
また、新事業の「メルカリ ハロ」も好調な滑り出しを見せています。
フリマ事業だけではなく、金融事業やメルカリ ハロがどのように成長するかにも注目が集まります。
過去2000円付近で反発しており、割安な今がチャンス?
メルカリの株価は、過去2000円付近で反発しており、現在は比較的割安な状況です。
メルカリの将来性やリスクを理解し、今後の成長に期待するのであれば、割安な今がチャンスかもしれません。
しかし、アメリカ事業の赤字が続く限り、株価の上昇は期待できないため、今後の動向をしっかり注目しましょう。
【まとめ】メルカリ株は基本的に買わない方が吉
メルカリの事業や業績の現状と、将来性についてよくわかったよ
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
以下の理由から、基本的にはメルカリの株を買うことはおすすめしませんが、成長性に期待を込めて長期的に保有する覚悟があるのであれば買っても良いでしょう。
懸念点
- アメリカ事業の赤字が続く可能性が高い
- 配当金や株主優待目的の投資には向かない
安心材料
- 国内のフリマアプリ市場はメルカリの1強
- フィンテックや新事業は成長中
- 業績は現在も拡大中
メルカリは現時点で株は買い時とは言えません。
また、メルカリ株は配当金や株主優待がないため、インカムゲイン目的の長期投資には向きません。
今後の株価は、赤字が続いているアメリカ事業の行方に左右されると言えるでしょう。
アメリカ事業をどう改善するかや、新事業のメルカリ ハロの売上に注目していきましょう。
その他にも、かぶリッジでは日本の個別株について分析した記事が沢山あるので、ぜひあわせてご覧ください。