
・オルカンとS&P500ってよく聞くけど、どっちが良いのかな?
・人気のインデックス投資について知りたいな…
このようなお悩みを解決します。
この記事の結論
- オルカンとS&P500は米国インデックスファンドの中でも人気の商品
- 現状は、オルカンに比べてS&P500の方がパフォーマンスが良い
- リスク分散の観点からはオルカンがおすすめ!
2024年1月よりスタートした新NISAでは、インデックスファンド、アクティブファンド、個別株など幅広い投資が可能です。
その中でも、世界に分散投資ができる「オルカン(通称)」やアメリカの主要な500銘柄の時価総額をもとに算出される「S&P500」など投資信託の人気が高まっています。
とはいえ、どちらも非常に優秀なファンドであるため、「オルカンとS&P500のどちらに投資すべきか悩む…」と困っている方も多いはず。
今回は人気投資信託であるオルカンとS&P500の違いについて、現役投資家の筆者が分かりやすく解説します。



商品選びで必須の比較ポイント4項目を紹介したから、自分にピッタリの商品が見つかるワン!


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。


合同会社 Next Meeting 代表取締役。1988年に証券会社へ入社し約30年間勤務。
東京証券取引所において、4年間の“場立ち”を経て20年間以上証券ディーラーとして活躍。多い時には約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益を上げる。
現在は個人投資家である傍ら「誰にでも、わかりやすく」にこだわりラジオ、セミナーなど多くの舞台で投資手法を伝え、一人でも多くの投資家が株で収益を上げられるように専門家として日々活動を行っている。
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オルカン・S&P500とは?【基礎知識】


オルカンとは、全世界の株式に分散投資をすることが出来る全世界株式型(オール・カントリー)インデックスファンドです。
世界の国・地域の企業の株価から作られた指数に連動し、人気の商品には「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「たわらノーロード 全世界株式」などがあります。
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している、米国の代表的な株価指数の1つ。
ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500銘柄の時価総額をもとに算出されます。



日本でいう「TOPIX」的な存在だよ!
S&P500は米国株式市場全体に対し約80%の時価総額比率を占めており、米国市場全体の動きをおおむね反映していると言えます。
どちらもシンプルで分かりやすく過去パフォーマンスが良いため、投資知識の少ない初心者にもおすすめの商品です。



それぞれどんな特徴があるの?
オルカンとS&P500の基本情報をさらに知りたい方は、以下記事も参考にしてみてください。



どちらも指数に連動するインデックスファンドなんだね!
オルカンとS&P500の違いを4項目で徹底比較





オルカンとS&P500を具体的に比較して、商品選びに役立てたいな!
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の違いを理解するうえで、比較ポイントとなるのが以下の4つ。
4項目で比較結果を、以下で詳しく確認していきましょう。
①基準価額(チャート比較)


過去のデータを比較すると、オルカンに比べてS&P500のパフォーマンスが高いことがわかります。
S&P500の利回りが高くなった要因としては、IT企業と米ハイテク産業の躍進や中国経済の成長鈍化などが考えられます。



あくまで過去の市場実績だから、将来の予測の1つとして考えてね!



過去のチャートを見るとS&P500の方がパフォーマンスが高いです。
ここ数年は米国株の上昇が目立ったからです。
なお、積立投資をした場合のシミュレーションは「積立シミュレーション」のページでできます。
②月間積立金額ランキング
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)は実際どれくらい人気なのでしょうか?
多くの投資家が利用している楽天証券の2025年5月の月間積立設定金額ランキングを見てみましょう。
上の画像のとおり、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)はランキングTOP2を占めていて、2つとも非常に人気の高い投資信託であると分かります。
その中でもeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は純資産が6兆円に迫っており、特に多くの人に買われています。



どちらもリターンの高さが人気につながっているワン!
③構成銘柄



オルカンとS&P500にはそれぞれどんな銘柄が含まれているの?
ここでは、オルカンとS&P500の組入れ上位10社と、その構成比率をご紹介します。
順位 | オルカン | 構成比率 | S&P500 | 構成比率 |
---|---|---|---|---|
1 | アップル(AAPL) | 4.1% | アップル(AAPL) | 6.6% |
2 | マイクロソフト(MSFT) | 3.6% | マイクロソフト(MSFT) | 6.1% |
3 | エヌビディア(NVDA) | 3.4% | エヌビディア(NVDA) | 5.6% |
4 | アマゾン(AMZN) | 2.3% | アマゾン(AMZN) | 3.7% |
5 | メタ (META) | 1.6% | メタ (META) | 2.5% |
6 | アルファベットA (GOOGL) | 1.5% | アルファベットA (GOOGL) | 2.1% |
7 | ブロードコム(AVGO) | 1.1% | バークシャー・ハサウェイ(BRK.B) | 2.0% |
8 | テスラ(TSLA) | 1.1% | ブロードコム(AVGO) | 1.9% |
9 | イーライリリー(LLY) | 0.9% | テスラ(TSLA) | 1.7% |
10 | バークシャー・ハサウェイ(BRK.B) | 0.9% | イーライリリー(LLY) | 1.5% |



構成銘柄の上位10社はほとんど同じなんだ!
オルカン・S&P500ともに時価総額を基準として組入比率を決めているため、アップルやマイクロソフト、テスラなど、今をときめく巨大ハイテク企業が上位を占めています。
10位までの銘柄が全体に占める割合をまとめると、次のようになります。
- オルカン:20.5%
- S&P500:33.7%
S&P500よりオルカンの方が構成銘柄数が多いということもあり、上位銘柄の比率が低くなっていることが分かります。



オルカンの方が、より分散投資できているということだワン!



両商品の組み入れ上位10銘柄はほとんど変わらず、S&P500の方が上位の構成比率が高くなります。
そうした中で、私が最も注目する銘柄はエヌビディアです。
今年に入り、大きく下降傾向となっていますが、2025年1期は大幅な好決算となり、今後の株価を注目しています。
④セクター、国別比率
続いて比較するのは、セクター、国別比率です。
順位 | オルカン | 構成比率 | S&P500 | 構成比率 |
---|---|---|---|---|
1 | 情報技術 | 23.2% | ソフトウェア | 11.4% |
2 | 金融 | 17.7% | 半導体 | 9.9% |
3 | 資本財 | 10.5% | 金融 | 8.6% |
4 | 一般消費財 | 10.5% | テクノロジー | 8.4% |
5 | ヘルスケア | 9.8% | メディア | 8.2% |
6 | コミュニケーション | 8.1% | 医薬品 | 6.0% |
7 | 生活必需品 | 6.3% | 一般消費財 | 5.7% |
8 | エネルギー | 3.7% | 資本財 | 5.7% |
9 | 素材 | 3.6% | ヘルスケア | 4.5% |
10 | 公益事業 | 2.7% | 銀行 | 3.4% |
この表から、情報技術/テクノロジー、金融はセクター比率が高いことがわかります。
その一方で、ヘルスケアと一般消費財は上位にランクインされていますが比率が異なります。



上位の構成銘柄とは異なり、構成セクター比率には少し違いがあるね。
国別比率は、以下のとおりです。
順位 | 国 | オルカン | S&P500 |
---|---|---|---|
1 | アメリカ | 63.1% | 100.0% |
2 | 日本 | 5.0% | 0.0% |
3 | イギリス | 3.4% | 0.0% |
4 | カナダ | 2.8% | 0.0% |
5 | フランス | 2.6% | 0.0% |
6 | ドイツ | 2.3% | 0.0% |
7 | スイス | 2.2% | 0.0% |
8 | インド | 1.9% | 0.0% |
9 | ケイマン諸島 | 1.8% | 0.0% |
10 | 台湾 | 1.7% | 0.0% |
全世界株式に分散投資できる点がメリットであるオルカンですが、6割が米国株です。



米国株が下がった場合、オルカンも少なからず影響を受けるワン!
オルカンとS&P500はどっちに投資するべき?





結局オルカンとS&P500どっちに投資するべきなの?
オルカンとS&P500はどちらも優秀なインデックスファンドであるため、どちらに投資しても問題はないかと思います。
ただ、それだと決めきれない方のために、あえて紹介するのであればオルカンの方がおすすめです。
迷ったらオルカンを選ぶのがおすすめな理由2つ
オルカンは投資初心者や安定的な運用をしたい方におすすめでして、そのワケは以下の2点です。
- リスク分散がしやすい
国内、海外先進国、新興国のすべてに分散投資 - 低コストで中長期的な資産形成にもピッタリ
手数料の低いファンドで、積立投資とも相性が良い
たった一つのファンドを購入するだけで、各国の銘柄に投資できるのと同義なので、リスクの低さと手数料のバランスで非常に優れています。
ただし注意点として、オルカンのうち約60%はS&P500採用企業を含む米国株式に投資されます。
そのためオルカンとはいえ米国メインの分散になるため、全世界へ均等に分散したリスク軽減を考えている方には物足りないかもしれません。



オルカンも米国株式の割合が高いからこそ、S&P500の投信とも似た好調なパフォーマンスになっているワン!
オルカンに対する評価について、実際の投資家に答えてもらったアンケート結果を以下にまとめたので、参考にしてください。


- 全世界の株式に1本で投資できる
- S&P500よりリスクが抑えられそう
- 信託報酬が低い
- 6割程度はアメリカ株への投資になる
- 中国など成長性に不安の残る新興国が含まれている


- 低コストで分散投資が可能
- 投資に使う時間のない人でも安心して投資ができる
- 短期的な利益を目指す人には向いていない
- 若い世代の方が有利である


- ポートフォリオを考えず1本で全世界に投資できる
- 少額から気軽に始められる
- アメリカの比率が高い
- よりリターンを狙いたい人はS&P500など別の投資信託を探してみるもの良さそう


- とりあえず投資をしてみたいという方にちょうど良いように思う
- 信託報酬が比較的低いため長期保有しやすい
- どの銘柄を購入したらよいかを考えなくてはならない個別株よりもハードルが低い
- 米国株が6割以上を占めていて、名前のわりに分散されていない
- 全世界株式とは別に米国株式を保有している方や保有したい方にとっては、持株のうちの米国株の割合が多すぎてしまう


- 他の投信と比べても手数料が格段に安い
- 元本割れのリスクを避けたい投資初心者の方には強くお勧めできる
- 順調に上がって行っているのがストレスフリーで良い
- 短期間で大きく資産を増やすのには向いていない
- 「投資をやっている感」を得たい人にはお勧めできない


- 手数料が非常に安く、個別銘柄を選ぶ必要がないため、初心者でも始めやすいこと
- アメリカの情勢の影響を受けやすいこと


- eMAXIS Slimシリーズのブランド力
- 手数料がかなり安いこと
- 日本株も含めて幅広く投資が出来ること
- オルカンは日本株が含まれているため、日本の個別株にも投資している人は、オルカンではなく「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」でも良いかもしれない


- 手数料が業界最安値というのが魅力的
- eMAXISは乖離率も低いからインデックス投信として他の全世界株式として優秀
- 米国株式の構成比率が高い
監修者のポイント



私のおすすめもオルカンです。
これから投資を行うのであればオルカンをおすすめします。
今年に入り、米国市場のパフォーマンスの大幅な下落がありました。トランプ大統領が就任し、米国市場の動向が読めないので、全世界の株式にまとめて投資するオルカンに優位性を感じます。
リスクより直近パフォーマンス重視ならS&P500を選ぼう



じゃあS&P500は、どういう人がおすすめなの?
今年に入ってからの米国市場は大幅下落が続き、S&P500のリターンはオルカンと変わりませんでした。
しかし、長い目で見て多少リスクをとってでも、リターンを求めたい方にとっては、S&P500がおすすめといえるでしょう。
とはいえ初めての投資であれば、分散投資の効果を高められる意味でもオルカンを選ぶのがおすすめです。



目的に合わせた投資手法を選ぶ必要があるワン!
S&P500に投資する代表的な商品・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に対する、投資家のリアルな評価も参考にしてください。


- S&P500を持っておくだけで、まだまだ成長する米国の企業に分散して投資できるのが魅力 パフォーマンスもオルカンに比べてよい
- 米国一強の流れがいつまで続くかはわからない
- 米国以外でリスク分散もしておくと心強いと思う


- eMAXIS Slimシリーズ等で知名度も上がり投資を始める第一歩の投資先の印象
- 今後数十年はアメリカが安泰であると考えるならリターンの高さを享受できるS&P500がよい
- アメリカ企業にのみ投資するため、投資の基本となる分散が出来ない点は考慮する必要がある


- 名だたる世界的有名企業を構成銘柄にしており、安心感がある
- 過去の運用実績も良く、コストも安い
- アメリカだけを投資対象としているため、マクロ的に見ると分散投資になっていない
- 地政学リスクが高まっている昨今の影響なども考慮に入れて、投資すべきだと考える


- 新NISAでも圧倒的な人気を誇るという信頼性の高さが魅力
- コストも非常に低く抑えられているので、運用効率が高い
- 現状は好調すぎる傾向なので、運用成績が鈍化する可能性は高い
- 分散効果を高めるのであれば、本ファンドは米国のみなので他商品も買う必要がある


- 低コストで保有できるので長期保有しやすく利回りもとても良い
- S&P500と連動している点でも投資初心者にも分かりやすい
- アメリカ経済の流れに乗れば良く、追いやすいという
- 信託報酬が最安ではない点が気になる


- よくニュースにも取り上げられ、情報収集がしやすい
- 手数料が安いことと個別銘柄を選ぶ必要がない
- 初心者で経済について詳しくは分からなくても始めやすい投資先
- 分散投資であるため、大きなリターンを望むことはできない
- アメリカの情勢の影響を大きく受けてしまうということ


- どんな銘柄に投資したら良いかわからないけど、とりあえずお金を増やしたいという方にお勧めできるファンド
- リターンに対して信託報酬が安い事が最も推せるポイント
- 国としてアメリカが強いということもあり、他国のファンドよりも安心感がある
- 長期投資で見ると、20年後30年後もアメリカが強いかどうか確証が得られないというのが不安要素
- 為替相場の影響も色濃く受けるので、FOMCの利下げや日銀の利上げに振り回される可能性があるのもややネック


- 何のしがらみもなくアメリカの上位500企業を投資できるのは魅力的
- 過度なリスクを取らずに分散効果も期待でき、外国株の投資にはうってつけ
- 手数料も安い
- FANG+やNASDAQ100と比べるとリターンが見劣りする
- 日経平均やTOPIXに投資する方が今後は良いと思う
オルカン・S&P500の買い方





実際にこれらの投資信託を買ってみたいんだけど、どうすれば良いのかな?
eMAXIS Slimや楽天インデックス・ファンド等に投資するには、取り扱い証券会社で口座開設をする必要があります。
証券口座を開設する場合、ネット証券で開くのがおすすめです。
ネット証券は口座開設から取引までパソコンやスマホ一台で可能なので、若い人や手数料を抑えたい方は特におすすめですよ。
SBI証券【人気No.1】
- TポイントやVポイントで投資信託が買える
- 2,700本以上という豊富な投資信託ラインナップ
- 当メディア(かぶリッジ)の独自調査で人気度No.1
「ネット証券と言えばSBI証券」という投資家もいるほど、人気なのがSBI証券。
投資信託の積立投資も簡単で、新NISA対象商品も豊富に取り揃えています。
もちろんeMAXIS Slimや楽天VTIにも投資でき、TポイントやPontaポイント、Vポイントを使った投資が可能となっています。



かぶリッジの「投資信託におすすめの証券会社」の調査でも1位を獲得したワン!
楽天証券【楽天ポイントが貯まる】
- 楽天ポイントで投資信託を購入できる
- 投信積立を楽天カード決済すると、楽天ポイントが貯まる
- 投資信託の残高に応じて楽天ポイントが10~500ポイントもらえる
楽天証券は、楽天カードや楽天銀行との連携でお得にポイントが貯まるのが特徴的。
楽天カードで投資信託の積立ができるだけでなく、投資しながら楽天ポイントを貯めることもできます。
楽天証券も業界最多水準の投資信託のラインナップを揃えていて、かぶリッジの独自調査でも人気No.2となっています。



最近は20代・30代の口座開設が増えているみたいだよ!
\楽天カードを持っているなら/
もっと多くのネット証券を比較したい人は、「株初心者におすすめのネット証券ランキング」もご覧ください。
【まとめ】オルカン・S&P500どっちがおすすめ?





オルカンとS&P500の違いがよく分かったよ!
今回は4つの比較ポイントから、オルカンとS&P500の違いを解説しました。
最後に、本記事でもっとも重要なポイントを2つまとめます。
- オルカンとS&P500は米国インデックスファンドの中でも人気
- リスク分散の観点からはオルカンがおすすめ!
どちらも過去のパフォーマンスは高く、資産運用としておすすめです。
多くの社会人は日本円で給与が支払われるため、ポートフォリオに他国株を入れることはリスク分散の面からとにかく重要。
どちらが良いか分からず悩んでいる人は、2025年直近の積立ランキングにて1位であり、分散投資もできるオルカン投資がおすすめです。