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・宇宙関連銘柄として本命の企業はどこ?
・リスクが高そうだけど、平気なのかな?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 米国を筆頭に宇宙産業への投資がブームに
- 宇宙産業は幅広く、現状後手に回っている日本企業にも十分チャンスはある
- 価格変動が大きいものの、投資信託やETFを活用することでリスクを抑えることができる
現在、国内には100社を超える宇宙スタートアップ企業が存在しています。
実用化を目指して、各国が鎬を削る宇宙産業は最もホットなセクターの1つと言えるでしょう。
そんな宇宙産業の中には、まだまだ成長段階であるテンバガー銘柄も眠っているはず。
この記事では、宇宙産業の成長性から代表的な宇宙関連銘柄の本命6選、編集部注目の穴場銘柄について紹介していますので、是非最後までご覧ください。
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執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
本記事の注意事項
正しい情報をお伝えするために最善を尽くしておりますが、掲載内容には古い情報、誤った情報が含まれることがございます。
また、本記事でご紹介する企業や投資商品はすべて情報提供目的であり、投資を推奨・勧誘する目的はございません。
情報の取捨選択や投資判断は各ユーザー様のご判断・責任にてお願いいたします。
※掲載内容へのご指摘につきましては、お問い合わせフォームより受け付けております。
宇宙関連銘柄とは
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💡このパートの要約
- 衛星通信の発達により、圏外がなくなり今よりも高速通信に
- 宇宙空間を活用して、新薬や新素材が開発されている
- 将来的に富裕層のみならず多くの方にとって宇宙旅行が身近になる日が来る!
ここでは、宇宙産業に関する宇宙ビジネスについて見ていきます。
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そもそも宇宙ビジネスって何?
宇宙ビジネスとは、ロケットや人工衛星の打ち上げや打ち上げられた人工衛星を活用したビジネス全般を指します。
宇宙ビジネスの目的は、宇宙空間を開発して地球の環境を改善させたり、地球で暮らす私たちの生活が豊かになることです。
大きく、以下の3つに分けることができます。
それぞれ解説していきます。
衛星・通信事業とは
まずは、衛星・通信事業について見ていきましょう。
衛星通信とは、人工衛星を介して地上とデータや情報をやり取りする通信方式です。
衛星通信の普及により、普段我々は地球上のどこでも誰とでもコミュニケーションを取ることが出来るようになりました。
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衛星通信に何か課題はあるのかな?
現状の課題として、一部地域や山間部において通信が遅延が生じたり、そもそも圏外になる点が挙げられます。
この問題を打破するサービスとして期待されているのは、イーロンマスク氏が率いるSpaceX社が提供するスターリンク(Starlink)でしょう。
同サービスの特徴は、広範囲なネットワークを形成するため圏外がなくなり、今よりもさらに高速な通信を可能とすることです。
世界の人工衛星打ち上げ数の約7割をスターリンクが占めるなど、宇宙産業内での高いプレゼンスを発揮しています。
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残念ながらスペースXは上場していないから投資できないんだ…
開発事業
開発事業とは、宇宙空間を活用した新薬や新素材の開発です。
宇宙空間が活用される理由として、品質の良い結晶ができる傾向にあるためです。
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宇宙空間の微小重力環境では、たんぱく質の結晶が「流れのない静かな環境」で安定して成長することが出来るワン!
これまでも、宇宙ステーション「きぼう」が宇宙空間で生成したたんぱく質の結晶を地球に持ち帰って分析し、人工血液の開発や筋ジストロフィーなどの新薬デザインに貢献してきました。
また、開発分野は新薬だけに留まらず、半導体などの新素材の研究も行われています。
新素材の研究においても、宇宙空間における結晶の組成の均一性が重要な役割を担っています。
現状課題も少なくないですが、社会的意義の大きい事業となっています。
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課題として、打ち上げや輸送などに莫大なコストがかかることや、事前審査が煩雑であることなどがあるよ…。
観光事業
最後に観光事業について見てみましょう。
「ロケットに乗って家族で宇宙旅行へ」と聞くと、まだまだ夢物語のような印象を受けますが、実は着々と進んでいます。
今回は、実現可能性が高まっているサービスを4つご紹介します。
- 無重力を体験できる小宇宙旅行
- 滞在する宇宙旅行
- 宇宙を経由した旅行(移動)
- 月・火星への移住
2023年には、米ヴァージン・ギャラクティックが民間人の宇宙旅行を成功させました。
料金は6,600万円と高かったものの、新しく7泊8日で300万円のプランを掲げる企業も出てきました。
将来的には価格も低下していき一部の超富裕層に限らず、より多くの方にとって身近になる時が来るかもしれません。
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宇宙飛行士であれば過酷な訓練が必要だけど、短期間の宇宙旅行であれば、簡易的なトレーニングで足りるんだよ!
日本の宇宙関連銘柄本命3選
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ここでは、日本における宇宙関連銘柄の本命をご紹介します。
以下3社について、詳しく解説していきます。
会社名 | 銘柄コード | 市場 | 株価 | 時価総額 |
---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 7203 | 東証プライム | 2,800円 | 44.2兆円 |
三菱重工業 | 7011 | 東証プライム | 2,178円 | 7.3兆円 |
QPS研究所 | 5595 | 東証グロース | 1,058円 | 401億円 |
トヨタ自動車(7203)
- 株価:2,800円(2025年2月12日終値)
- 時価総額:44.2兆円
トヨタ自動車は、時価総額44.2兆円で国内トップ企業です。
そんな世界を代表する自動車メーカーですが、近年宇宙開発にも注力しています。
2019年にJAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で「ルナクルーザー」の研究に着手することを発表しました。
以降、研究開発の分野で三菱重工と提携を結んだり、様々な取り組みを行っています。
2025年1月に宇宙開発を加速させるべく、宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」にトヨタの子会社が70億円出資すると発表しました。
参照:日本経済新聞「インターステラ、トヨタ子会社が70億円出資」
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人工衛星を搭載可能な新型ロケットを量産化することが狙いだよ!
自動車産業で培った疑いようのない技術力と宇宙への先行投資より、国内の宇宙関連銘柄の本命と言えるでしょう。
三菱重工業(7011)
- 株価:2,178円(2025年2月12日終値)
- 時価総額:7.3兆円
三菱重工は、日本を代表する総合機械メーカーとして幅広い分野で事業を展開しており、時価総額は7.3兆円を誇ります。
同社は、1960年代末よりロケット事業へ取組み、現在では「H3ロケット」の開発・運用をメインで担っています。
また、2026年度の防衛宇宙事業の売上高は約1兆円を見込んでおり、その規模の大きさは国内トップクラス。
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政府が防衛予算を増額することが追い風となるワン!
2024年9月には、大型ロケット「H2A」の49号機の打ち上げに成功するなど着々と実績を積んでいます。
今後は打ち上げコストを「H2A」の半額程度に抑えることのできる「H3」にシフトチェンジしていくとされています。
名実ともにリーディングカンパニーである三菱重工は宇宙関連銘柄の本命と言えるでしょう。
QPS研究所(5595)
- 株価:1,058円(2025年2月12日終値)
- 時価総額:401億円
QPS研究所は、衛星開発・運用メーカーであり、特に小型人工衛星の開発と運用に強みを持つ企業です。
同社が開発する超小型合成開口レーダー(SAR)衛星は、天候や昼夜に関わらず詳細な地表観測が可能となっています。
また、同社は独自のデータ解析技術を駆使して、精度の高い準リアルタイムデータを提供しており、国際的に評価されています。
2023年に、グロース市場へ上場し資金調達能力が向上したため、今後はますます日本の宇宙産業をけん引する存在になっていくでしょう。
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小型SAR衛星開発で国際的に評価を受けているんだワン!
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海外の宇宙関連銘柄本命3選
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続いて、海外の宇宙関連銘柄の本命をご紹介します。
以下の3社について詳しく解説していきます。
会社名 | ティッカー | 市場 | 株価 | 時価総額 |
---|---|---|---|---|
Intuitive Machines | LUNR | NASDAQ | 18.14ドル | 2,762億ドル |
Rocket Lab | RKLB | NASDAQ | 28.22ドル | 1.41兆ドル |
Planet Labs | PL | NYSE | 6.49ドル | 1,851億ドル |
Intuitive Machines(LUNR)
- 株価:18.14ドル(2025年2月11日終値)
- 時価総額:2,762億ドル
Intuitive Machinesは月面輸送サービスなどを手がけるアメリカ企業です。
2024年2月に同社は、Nova-Cクラスの着陸船「Odysseus」を月の南極付近に着陸させ、民間企業として初めて月面軟着陸を達成。
また同社は、月面物流、貨物、モビリティソリューションを前進させるためNASAと250万ドル相当の契約を発表しました。
本契約により、現在開発中の大型貨物級月面着陸船を使った月面貨物輸送に関する技術に注力できるようになります。
加えて、トランプ大統領の就任演説を受け、宇宙探査への強いコミットメントから有望な宇宙銘柄への期待がますます高まっています。
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NASAとのパートナーシップ契約は心強いね!
Rocket Lab(RKLB)
- 株価:28.22ドル(2025年2月11日終値)
- 時価総額:1.41兆ドル
Rocket Labはニュージーランド発の小型ロケット企業で2021年にNASDAQに上場しました。
2018年に初めてロケットの打ち上げに成功し、以降59回の打ち上げを実施しています。
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2025年2月12日時点で、209基の衛星を宇宙に送っているワン!(同社HPより)
同社の特徴は、その精度の高さにあります。
2015年にNASAの超小型衛星打上げロケット育成プログラム「Venture Class Launch Services」に選定された3社のうち、事業が継続しているのは同社のみです。
その後、小型ロケット事業に進出するベンチャー企業は増えていますが、事業化に成功したと呼べる企業は未だ出てきていません。
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同社は、アストロスケールホールディングス・QPS研究所
・Synspectiveなど日系の宇宙関連企業とも打ち上げ契約を締結しているよ!
柔軟な打上げスケジュールと各衛星の正確な軌道投入などをコントロールできる点が評価されているようです。
日本企業ともつながりが深いRocket Labは、宇宙関連銘柄の本命であると言えるでしょう。
Planet Labs(PL)
- 株価:6.49ドル(2025年2月11日終値)
- 時価総額:1,851億ドル
3社目に紹介する企業は、Planet Labsです。
同社は、地球観測衛星を運用し、リアルタイムでの衛星画像を提供する企業です。
同様のサービスに「Google Earth」が存在しますが、同サービスにはタイムラグが存在しており、また地域によっても精度が異なります。
一方で、Planet labsは、地球観測衛星を200基以上運用しているため常に地上の画像を撮り続けています。
また、オランダの衛星画像解析ベンチャーVenderSatを買収したことで、衛星画像から土壌の水分量を算出する技術を取得しました。
画像分析を通して、政府によるインフラ管理や農業、林業に応用していくことが考えられています。
気候変動がますます激しくなっていくことが想定される今後において同社サービスの需要は増えていくでしょう。
【テンバガー】編集部注目の穴場銘柄2選
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最後に、編集部おすすめのデータセンター関連銘柄の穴場銘柄をご紹介します。
以下の2社について、詳しく解説していきます。
会社名 | 銘柄コード | 市場 | 株価 | 時価総額 |
---|---|---|---|---|
ispace | 9348 | 東証グロース | 650円 | 667億円 |
アストロスケールホールディングス | 186A | 東証グロース | 746円 | 871億円 |
ispace(9348)
- 株価:3,855円(2025年2月12日終値)
- 時価総額:667億円
ispaceは、月面開発事業を手掛ける宇宙ベンチャー企業です。
同社が手掛けるサービスは大きく分けると以下3つ。
- 輸送サービス
- データサービス
- パートナーシップサービス
輸送サービスは、月面ロボットなどの物資を同社の着陸船に搭載し、月を周回する軌道または月面までに輸送するサービスです。
先ほど紹介したIntuitive MachinesがNASAからの強大なバックアップを受けているため、同社は追う展開となっています。
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月面輸送サービスのビジネス環境は厳しいんだね…。
しかしながら、同社がテンバガー銘柄になるための勝機はあります。
米国企業の資金源は主にNASAや政府であるため、自国への還元要望が強くなる傾向があります。
さらには、アメリカは輸出規制が厳しいので海外企業との取引が難しいです。
それに対して、同社はグローバルに事業ができる強みを活かして、様々な国の案件に関わることができれば躍進していく可能性は十分にあるでしょう。
アストロスケールホールディングス(186A)
- 株価:746円(2025年2月12日終値)
- 時価総額:871億円
アストロスケールホールディングスは、打ち上げたロケットの残骸などの「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」を除去する衛星を開発しています。
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宇宙開発を続けていくと、スペースデブリ問題は同時に増えていくよね…。
機能停止した衛星が地球の軌道上に増えている中、社会的意義は今後ますます大きくなることが見込まれます。
ただし、成長産業として期待が高まる一方で、事業化までに開発費がかさむ点や業績見通しが試算しづらい点がネックになりそうです。
海外拠点を5か国に構えるなど同社のグローバル力に磨きがかけられるかがカギとなるでしょう。
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宇宙関連銘柄に投資するなら投資信託やETFがおすすめ!
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ここまで、宇宙関連銘柄として国内外の様々な企業を紹介してきました。
以下では、宇宙関連銘柄に投資をする上で抑えておくべき2つの注意点を詳しく見ていきます。
株価が乱高下しやすい
2023年4月に上場したispaceですが、月面探査プロジェクトに期待が集まり公開価格254円に対して、1,000円の初値がつきました。
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2023年のIPO企業の中で、3番目に高い騰落率だワン!
一方で、月面着陸の失敗が報告されると、株価は下落に転じ、連日で制限値幅の下限まで下落しました。
このように、宇宙関連銘柄は打上げや着陸の成否など、個別のニュースによって株価が大きく変動するケースが多いです。
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通常以上にリスク管理が重要となるんだね!
日本市場は米国に比べて規模が小さい
宇宙関連銘柄への投資で注意すべき点として、現状の日本市場は米国に比べて規模が小さい点も挙げられます。
宇宙ビジネスの育成には、時間と資金がかかります。
例えば、スペースXの設立は2002年と20年以上前に遡り、電気自動車テスラよりも早いです。
ロケット開発後の国際宇宙ステーションへの輸送を委託するなど、NASAによる市場確保面でのバックアップもありました。
日本の市場は官民ともに米国に比べて規模が小さく、企業側の資金需要に対して十分な供給があるとは言えません。
宇宙関連銘柄に投資するなら投資信託やETFがおすすめ!
上記のような問題点を解決する方法として、投資信託やETFがあります。
例えば、東京海上アセットマネジメントの「東京海上・宇宙関連株式ファンド」は純資産額が1,000億円を超えるなど人気が高まっています。
投資信託やETFであれば、専門性が高い宇宙ビジネスや企業の収益性の見極めにファンドマネージャーの力を借りることができます。
また、比較的少ない金額から始めることができますし、何より分散投資による各企業のリスク回避も可能です。
ボラティリティの高い宇宙関連銘柄の中でも、比較的価格変動を少なくすることができる点は魅力的と言えるでしょう。
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特に初心者におすすめだワン!
【まとめ】宇宙関連銘柄の本命6選
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いかがだったでしょうか?
ここで本記事のポイントをおさらいしておきましょう。
かぶリッジの結論
- 米国を筆頭に宇宙産業への投資がブームに
- 宇宙産業は幅広く、現状後手に回っている日本企業にも十分チャンスはある
- 価格変動が大きいものの、投資信託やETFを活用することでリスクを抑えることができる
宇宙産業は、未だ発展途上故、多くの資金と時間が必要です。
そのため、投資の機会は多くあり、まだ眠るテンバガー銘柄も存在するかもしれません。
ただ、宇宙関連銘柄は、性質として打ち上げや着陸といったニュースに株価が大きく変動します。
投資信託やETFを用いて分散投資する方法もあるので、自分の目的に合わせた投資を探してみましょう。