
さわかみ投信は「怪しい」の?
低コストで効率的なファンドはどこ?
最近、さわかみ投信について、”怪しい”といったマイナスな言葉を耳にした方もいるでしょう。
実際、調べてみるといくつもの不安点が見つかりました。
そこで今回は、さわかみ投信が「怪しい」と言われる理由をメリット・デメリットから徹底解説していきます。
🔰かぶリッジの結論
- 信託報酬(1.1%)に見合うリターンを長期的に出せていない
- 低コストインデックスファンドにリターンが負けている
- 独立系直販投信により資産管理が複雑化する

執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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さわかみ投信の基本情報

さわかみ投信は、国内外の株式などを対象とした、長期投資を基本とする日本初の独立系直販投資信託です。
この章では、さわかみ投信が運用する「さわかみファンド」の基本情報についてお伝えします。
さわかみファンドの概要
さわかみ投信が運用するさわかみファンドの基本情報は以下の通りです。
| 概要 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | さわかみファンド |
| 設立日 | 1999年8月24日 |
| 純資産総額(11月14日現在) | 4,517億円 |
| 基準価格(11月14日現在) | 43,552円 |
| 信託報酬 | 1.1% |
| 購入時手数料 | 0円 |
| 新NISA成長投資枠対象 | 〇 |
| 新NISAつみたて投資枠対象 | ✕ |
さわかみファンドは、1999年8月に設立され、純資産総額は約4,517億円に上る人気のファンドです。
運用方針と保有銘柄
さわかみファンドの運用方針は、「バイ・アンド・ホールド型」といわれるアクティブ運用を実践。
これは、「長期的な視点で、最も割安と考える国内外の株式・債券に資産を集中分散し、企業の成長を応援しながら信託財産の成長を図る」ものです。

保有銘柄は何があるの?
さわかみファンドの組入上位10銘柄は以下の通りです。
| 保有銘柄順 | 銘柄名 | 比率(%) |
|---|---|---|
| 1 | ディスコ | 4.15 |
| 2 | 信越化学工業 | 3.39 |
| 3 | INPEX | 3.21 |
| 4 | スズキ | 3.11 |
| 5 | ダイキン工業 | 2.67 |
| 6 | 日立製作所 | 2.40 |
| 7 | トヨタ自動車 | 2.27 |
| 8 | セブン&アイ・ホールディングス | 2.22 |
| 9 | ソニーグループ | 2.06 |
| 10 | アサヒグループホールディングス | 1.97 |
2025年10月31日時点
78%が日本株で構成されており(2025年7月時点)、日本への依存度が高いことが分かります。


日本の経済状況に大きく左右されるね…

第25期:2023年8月24日~2024年8月23日
第26期:2024年8月24日~2025年8月25日
第25期から第26期にかけて現金比率が約71%上昇しており、これによって直近の株高に置いていかれている状況です。
リターン実績
次は、さわかみファンドのリターンについて解説します。


基準価格と純資産は長期的に上昇しているね!
ファンドの騰落率は、設定来から326%ほど上昇しています。
リターンからも長期的に安定して上昇していることが分かります。
さわかみ投信の良い評判・メリット

次に、さわかみファンドに投資するメリットについて紹介します。
解約手数料がかからない
さわかみファンドのメリットの一つは、解約手数料や販売手数料、口座管理手数料がすべて0円であることです。
理由としては、さわかみファンドが独立系直販投信であるからです。
「独立系直販投信」とは、特定の金融グループに属さない運用会社が、証券会社や銀行などの販売会社を介さず、個人投資家へ直接投資信託を販売することです。
これにより販売手数料が無料になり手数料コストが抑えられるメリットがあります。
長期投資を重視した運用方針
さわかみファンドは、「ともに未来」をテーマに未来に励む企業を応援する投資スタイルを実践。
短期的な市場の変動や景気動向に一喜一憂することなく、数十年単位の長い時間軸で企業の成長を見据え、資産形成を行います。

長期の投資だから新NISAと相性がいいね!
また、信託期間が無制限という特徴もあります。
多くの投資信託には期限が設定されていますが、さわかみファンドの信託期間は無制限です。
さわかみファンド「3つの落とし穴」

上記のような、さわかみファンドの「長期投資」や「直販」というスタイルは、確かに魅力的です。
しかし、投資の目的が「効率的に資産を増やすこと」である場合は、理念の美しさだけでは判断できません。
ここからは、「怪しい」といわれる3つの理由を紹介します。
①リターンが市場に負けている
さわかみファンドは、手数料(信託報酬)が高いアクティブファンドです。
アクティブファンドとは、ファンドマネージャーが独自の戦略で銘柄を選定し、設定されたベンチマーク(日経平均やTOPIXなどのインデックス)を上回るリターンの獲得を目指す投資信託です。
高コストである信託報酬1.1%を顧客が支払うのは、この超過リターンへの期待があるからです。
しかし、さわかみファンドは長期的に見て市場平均のリターンに劣後しているという事実があります。
以下の表は、さわかみファンドの騰落率をS&P500および日経225と比較したものです。
| 期間 | さわかみファンド | S&P500 | 日経225 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 7.99% | 15.43% | 27.69% |
| 3年 | 40.52% | 94.53% | 81.40% |
2025年11月25日時点
長期スパンで実績を比較すると、低コストで運用されるS&P500や日経225連動型ファンドの成績を継続的に下回っています。
これは、アクティブファンドとして深刻な問題です。

どうしてこの結果になったのかな?
なぜこのような結果になるのかといえば、運用責任者の判断により現金を高比率で保有していた期間が長かったことなどが挙げられます。
この「守り」の姿勢が、世界の経済成長の波を捉えきれず、結果として高コスト低リターンという非効率な状態をつくりました。
②高すぎる信託報酬の「重い負担」
さわかみファンドの「怪しい」という評判に大きく影響しているのは、リターンが小さいことだけではありません。
他にも、投資維持コストである信託報酬が年率1.1%と高い水準になっていることもファンドの評判に影響しています。
前の章でも紹介したS&P500や日経平均連動型ファンドは、信託報酬が年率0.1%前後で運用することができます。

信託報酬に差があると長期のリターンは変わってくるの?
では、信託報酬が高いと長期的にどれだけ差があるかをシミュレーションしてみましょう。
下の表は、元本1,000万円を投資し、同じ年率5%のリターンが得られたと仮定した場合のシミュレーション結果です。
| 期間 | 信託報酬1.1%(さわかみファンド想定) | 信託報酬0.1%(低コスト想定) | コスト差による差額 |
|---|---|---|---|
| 10年後 | 14,660,726円 | 16,134,477円 | 1,473,751円 |
| 20年後 | 21,493,689円 | 26,032,134円 | 4,538,445円 |
| 30年後 | 31,511,308円 | 42,001,485円 | 10,490,177円 |
さわかみファンドのような信託報酬が高いファンドは、年率5%から1.1%が差し引かれ、実質的な成長率は3.9%になります。
しかし、低コストファンド(0.1%)は、年率5%から0.1%が差し引かれ、実質的な成長率は4.9%になります。
上の表から、この1%の成長率の差が同じリターンでも30年後には、1000万円以上の差になることがわかるでしょう。

これは大きな差になるね…!
これが、高すぎる信託報酬が「重い負担」であり、実利を追求するならさわかみファンドを避けるべき強力な根拠となります。
③「直販」がもたらす流動性の低さと不便さ
続いてのデメリットは、独立系直販投信であるところにあります。
さわかみファンドは、販売会社を通さずさわかみ投信と直接取引する直販形式を採用。
これにより顧客とのコミュニケーションを深める一方で、利便性の面では大きな欠点となるのです。

どういうことだろう?
さわかみファンドは、SBI証券や楽天証券といった主要なネット証券で購入・売却ができません。
iDeCoやNISA、国内・外国株など、他の主要な金融商品をネット証券で管理している場合、さわかみファンドだけが別の口座になってしまいます。
これにより資産管理が複雑化して、管理の手間と時間が余計にかかる問題が生じます。

管理が複雑になるのは大変かもしれないね。
低コストで効率的なファンドの選択肢

これまでの検証で、さわかみファンドは「怪しい」わけではないものの、高すぎるコストと市場平均に劣る実績によって、長期的な資産形成において非常に非効率であることが明らかになりました。
ここでは、低コストで効率的に運用できるインデックスを紹介します。
S&P500と日経225がおすすめ
ここでは、低コストインデックスファンドのeMAXIS Slim米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim国内株式(日経平均)の2つを紹介します。
下の表は、S&P500と日経平均の騰落率を表したものです。
| 期間 | S&P500 | 日経平均 |
|---|---|---|
| 6カ月 | 27.63% | 30.68% |
| 1年 | 15.43% | 27.69% |
| 3年 | 94.53% | 81.40% |
| 5年 | 194.15% | 101.77% |
2025年11月25日時点
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim米国株式は、アメリカの優良企業500社(Apple、Microsoftなど)に分散投資できるファンドです。
過去数十年にわたり、世界経済の成長を牽引してきた米国の力強い実績を享受できるため、長期資産形成の核として推奨されています。

5年間で194%も上昇していてすごいね!
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
eMAXIS Slim国内株式は、日本の主要な225銘柄で構成される日経平均株価に連動するファンドです。
身近な日本経済全体に手軽に分散投資できる点や近年の日本市場の復活により、投資対象として再び注目を集めています。

25年の10月には、初めて5万円を突破したよね!
日経225が上昇している理由の1つは、高市総理が掲げる「ニュー・アベノミクス」と呼ばれる政策です。
積極財政や、経済安全保障を重視した「危機管理投資」への期待から、海外投資家が日本株を猛烈な勢いで買い戻しています。
おすすめ証券会社
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim国内株式(日経平均)のようなインデックスファンドを購入できるおすすめ証券会社を2つ紹介します。
SBI証券

SBI証券は国内株式個人取引シェアトップの実績を誇っています。
米国株の取扱数も5,400銘柄以上と業界最多。
安心感・安定感があるため、まずはSBI証券で、という方も多い印象です。
\ 国内株式個人取引シェアNo.1! /
SBI証券なら1株から日本株に投資できます。
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マネックス証券

マネックス証券は、業界で唯一米国株の時間外取引に対応していて、最大14時間取引できます。
また、中国株を売買することも可能で、外国株取引に注力したい方にはもってこいでしょう。
ただし、日本株の手数料が他社に劣ったりポイントの活用が限定的だったりするなど、初心者には難易度が高いといえるかもしれません。

自分の投資目的にあった証券会社を選ぶことが重要だね!
【まとめ】さわかみ投信が怪しいといわれる理由


さわかみ投信が「怪しい」と言われる理由についてわかったよ!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
🔰かぶリッジの結論
- 信託報酬(1.1%)に見合うリターンを長期的に出せていない
- 低コストインデックスファンドにリターンが負けている
- 独立系直販投信により資産管理が複雑化する
これらのことから、さわかみ投信は「怪しい」と言われていたことが分かりました。
さわかみ投信は、「長期投資」や「直販のコミュニティ」に価値を置く人には良い選択かもしれません。
しかし、投資の目的が「資産を最大化すること」であるのであれば低コストのインデックスファンドを購入することがいいでしょう。

投資スタイルによってはさわかみ投信以外も検討した方が良さそうだね!




