
・バークシャー・ハサウェイってどんな銘柄を保有しているの?
・最近の投資傾向は?
・日本株で注目のバークシャー・ハサウェイ関連銘柄は?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- バークシャー・ハサウェイのポートフォリオは8割以上が米国株
- アップル、コカ・コーラなど生活に身近な企業への投資が多い
- 日本株は5大商社のみ
投資をしていない方でも、ウォーレン・バフェットという名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
彼の平均的なリターンは驚異の年間+20%であり、「投資の神様」として広く知られています。
そして、そんな「投資の神様」が率いたことで有名なのがアメリカの機関投資家であるバークシャー・ハサウェイ。
バフェット氏への信頼から、バークシャー・ハサウェイの投資先は誰もが注目しています。
そこでこの記事では、バークシャー・ハサウェイ保有銘柄から、近年の投資傾向や注目の日本株を分析していきます。
「投資の神様」イチオシの銘柄を紹介しますので、是非最後までご覧ください。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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バークシャー・ハサウェイ保有銘柄一覧


以下は最新のバークシャー・ハサウェイの保有銘柄上位一覧です。
セクター | ポートフォリオ割合 | 企業の保有割合 | |
---|---|---|---|
アップル(AAPL) | テクノロジー | 21.9% | 1.9% |
アメリカンエクスプレス(AXP) | 金融サービス | 16.6% | 21.8% |
バンクオブアメリカ(BAC) | 金融サービス | 10.2% | 8.2% |
コカコーラ(KO) | 飲料 | 8.8% | 9.3% |
シェブロン(CVX) | エネルギー | 6.5% | 6.0% |
ムーディーズ(MCO) | 金融サービス | 4.1% | 13.8% |
オキシデンタル・ペトロリアム(OXY) | エネルギー | 4.1% | 26.9% |
三菱商事 | 総合商社 | 3.0% | 10.2% |
クラフトハインツ(KHC) | 生活必需品 | 2.7% | 27.5% |
伊藤忠商事 | 総合商社 | 2.6% | 8.5% |
2025/06/30時点。



バークシャー・ハサウェイといえばアップルだよね!
バークシャー・ハサウェイ保有銘柄のうち、ほとんどは米国株が占めています。
また、投資先のセクターについても、アップルを除けば金融サービス・エネルギー・生活消費財の3つにおおよそ固まっていると言えるでしょう。



生活に身近な企業への投資が多いというイメージだワン!
続いて、日本株についても見ていきましょう。
セクター | ポートフォリオ割合 | |
---|---|---|
三菱商事 | 総合商社 | 約3.0% |
伊藤忠商事 | 総合商社 | 約2.6% |
三井物産 | 総合商社 | 約2.3% |
丸紅 | 総合商社 | 約1.2% |
住友商事 | 総合商社 | 約1.1% |
2025/06/30時点。
バークシャー・ハサウェイの日本株投資はいまのところ5大商社のみ。
割合で見ると三菱商事が頭一つ抜けていますが、三菱商事・伊藤忠商事・三井物産間での投資的優先順位を示唆する発言はありません。
明確な数値が公表されていないため表中には反映されていませんが、三井物産を筆頭に他の商社株の保有割合も増やしているとの報道があり、どれか一社に絞っていく様子は無いと言えるでしょう。
日本の商社株については依然として割安の水準にあり、これからも「長い時間をかけて」「幾分か」保有を増やしていくつもりだとBloombergで報じられています。
バークシャー・ハサウェイの投資方針は?


保有銘柄をみると、金融サービス・エネルギー・生活消費財の比重が多いことに加えて、近年では日本の商社株に注目していることがわかります。
しかしながら、バークシャー・ハサウェイは何を基準にこれらの銘柄を買っているのでしょうか。
以下では過去のウォーレン・バフェットの発言やプレスリリースを基に、バークシャー・ハサウェイの基本的な投資方針・投資理念について解説して行きます。
バリュー投資の徹底
バークシャー・ハサウェイの最も有名かつ基軸的な価値観がバリュー投資です。



バリュー投資ってなに?
バリュー投資とは、企業の内在的な価値に焦点をあてた投資手法を指します。
ブームや社会情勢の変化といったマクロ的あるいは短期的な値動きから利益を狙うトレンド投資とは対照的に、特定企業の業績を徹底的に見定め、市場で過小評価されている銘柄を買う手法がバリュー投資。
極端にまとめていえば「割安な株を買う」という一言に集約できるでしょう。



言うのは簡単だけど実際にやるのは難しいよね…。
企業が割安かどうかを判断するものとして、PERやPBRなどが直感的に思いつきますが、バフェット氏はこれらの他にも企業の内在価値や経済的堀(Economic Moat)を重視します。
内在的価値は将来的なキャッシュフローの現在価値で、主にはDCF法などを使って計算されます。
過去の発言では、1株あたりの内在的価値に対して、株価が30〜50%程度である株をバフェットは割安と認識しているそうです。
また、経済的堀は簡単にいってしまえば競合優位性。
ブランド力やコスト優位性、ネットワーク効果、スイッチングコスト、規制による保護といった他者には無い優位性を持っている企業は高評価となります。



割安といってもいろんな判断軸があるワン!
実際、バフェット氏はアップルやコカ・コーラの圧倒的なブランド力に目をつけ、莫大な利益を得ることに成功しました。
なかなか時間はかかってしまいますが、DCF法も競合優位性分析も勉強すれば誰でも習得が可能です。
より堅実な投資をしたい方はご自身でもぜひ調べてみてください。
長期保有・継続投資戦略
バリュー投資とセットで重要となってくるのが、長期保有と継続投資戦略です。
こちらは言葉の通り、1度買った株をなかなか手放さず、むしろ途中で買い増していく投資スタンスを指します。



実際に長期保有している銘柄にはどんなのがあるのかな?
バフェット氏が長期保有している銘柄の最も代表的な例がコカ・コーラ。
35年以上にもわたって保有され続け、総リターンは3500%以上。
配当だけでも年間約8億ドルの収入を得ています。



配当金も再投資しているから複利効果で加速的に資産が増えていくワン!
また、2024年にはリバランスのため大幅売却をしたものの、アップルへの投資においてもバフェット氏は3年間買い増しを続けました。
バフェット氏は過去に、気に入った銘柄は「永久保有」する気持ちで買うとの発言もしており、長期保有や継続投資へのこだわりは強いと言えるでしょう。
バークシャー・ハサウェイが次に買いそうな銘柄を考える際は、全く新しい銘柄ではなく、既に保有している銘柄をあたるのがベターと考えられます。
未知の分野へ対する投資回避
バフェット氏は「理解できないものには投資しない」というスタンスを持っていることでも知られています。
彼は「能力の輪」という投資原則を重視し、自分の判断能力の外側で評価されている銘柄への投資を回避します。
特に、1990年代のITバブルでは判断に足る情報が足りていなかったとして投資せず、当時は時代遅れと批判されたもののバブル崩壊で正しさが証明されました。



保有銘柄が身近な企業に寄っているのもこの考えがあるからだワン!
現代では、やや過剰なトレンド性を帯びているAI企業や実績のない新興テクノロジー企業への投資を避けている傾向があります。
また、仮想通貨への投資回避は更に顕著。
彼は、仮想通貨には価値の創出ができないとして、世界中のビットコインを25ドルで買えるとしても絶対に買わないと明言しています。
一方で、バフェット氏は過去、「テクノロジー企業は理解できない」と避けてきたアップルについて、消費者製品企業として再定義し、投資をしたことも。
更に、バークシャー・ハサウェイは仮想通貨事業を営むNu Holdings(NU)への投資をした過去があったりと、近年ではやや寛容になりつつあるようです。
「理解できないものには投資しない」という大原則はあるものの、時間が経ち、生活へ浸透することで理解可能になることもあるという点は覚えておいた方が良いでしょう。
【2025年最新】バークシャー・ハサウェイの買い増し・売却銘柄


バフェット氏の投資理念を理解した上で、次に直近のバークシャー・ハサウェイで見られる具体的な投資傾向を買い増し銘柄と売却銘柄から紐解いていきましょう。
※以下の情報は2025年Q2 13F報告書に基づいてお伝えしています。
消費財買い増し
直近では消費財系の買い増しが目立ちます。
大きな動きがあったのは以下の銘柄。
- シェブロン(CVX):石油を中心にエネルギー関連製品を扱う米国の企業
- 推定5~7億ドルの買い増し
- プール・コーポレーション(POOL):米国のプール用品販売会社
- 推定6~8億ドル買い増し
- ドミノ・ピザ(DPZ):米国発の大手宅配ピザチェーン
- 推定2~3億ドル買い増し
相変わらず生活に身近で業界でも大手の企業が並んでいる印象。
特に、最も意外なプール・コーポレーションについては、メンテナンス業を中核としているため、プールという贅沢品を扱いながらも、景気後退に強いビジネスモデルを構築しています。
また、消費財ではありませんが医療保険や医療サービスを手掛けるヘルスケア大手のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)にも新規で約15億ドルを投資しており、ディフェンシブ銘柄を強化する姿勢がうかがえます。



急な値崩れが起きにくい銘柄を買っているんだね!
一方で、新規として米国鉄鋼大手のニューコア(NUE)や住宅建設大手のレナ―レナー(LEN)にもそれぞれ約8億ドルの投資がありました。
ディフェンシブ銘柄買い増しで強化する傍ら、新規投資では景気敏感株への投資も行っています。
足元の米金利緩和の動きを見通して景気敏感株への投資がやや積極的になっていると考えられるでしょう。
テクノロジー・情報通信系売却
テクノロジーや情報通信系銘柄では売却が目立ちます。
大きな動きがあったのは以下の銘柄。
- アップル(AAPL):ITデバイスやOS、アプリケーション開発を行う米国テクノロジー企業
- 推定40億ドル相当の売却
- チャーター・コミュニケーションズ(CHTR):テレビや携帯電話の通信を担う米国電気通信企業
- 推定3億ドル相当の売却
- Nu Holdings(NU):ブラジルのデジタルバンキングサービスを行うフィンテック系企業
- 推定2~3億ドル相当の売却
企業自体に大幅な問題があったというよりは、株価上昇に伴なったポートフォリオ調整のために売却したとの見方が主流。
とはいえ、メーカー系の企業と異なり、テクノロジー・情報通信系の企業は気軽に売られやすい傾向にあるようです。
実際、ポートフォリオ整理のためバークシャー・ハサウェイは米国携帯電話事業者TモバイルUS(TMUS)の完全売却も行っており、今後も手元のキャッシュを作るためにテクノロジー・情報通信系が売られる可能性は考えるべきでしょう。
銀行系売却
テクノロジー・情報通信系にならんで、銀行系の銘柄も売られています。
大きな動きがあったのは以下の銘柄。
- バンク・オブ・アメリカ(BAC):銀行や証券業を主とする米国企業
- 2,630万株売却
- シティグループ(C):銀行や証券業を主とする米国企業
- 全1,460万株売却
- キャピタル・ワン(COF):銀行やクレジットカード業を主とする米国企業
- 1億ドル相当売却
銀行株については足元の金利緩和を見据えて売却した可能性が高いと言われています。
今後も緩和的政策はしばらく続くとの見解が強いので、あえて銀行株を買う局面は少なくなるでしょう。
日本株で注目のバフェット銘柄


直近の売買を見るとやはり米国株が中心となっていますが、今後の日本株への投資はどのようになるでしょうか。
以下では、保有銘柄の中でも特に注目のものから、新規投資先として有力そうなまで、バフェット氏好みと考えられる日本株3つを紹介します。
伊藤忠商事(8001)
日本株では現在5大商社への投資のみを行っているバークシャー・ハサウェイですが、有力な継続投資候補として伊藤忠商事が挙げられます。



なんで伊藤忠をピックアップしているの?
5大商社の中でも特に伊藤忠に期待したい理由はズバリ、消費者へ密接に関わっているから。
他の商社がエネルギーや金属、工業機器といったBtoB寄りの強みを有しているのに対し、伊藤忠商事ではBtoCのビジネスが目立ちます。
実際、2024年度の経営方針では、消費者に近い「川下」のビジネスをさらに強化して行きたいと表明しており、今後も消費者寄りの方針が大きく変わることはないでしょう。



ファミリーマートの運営も実は伊藤忠商事が行っているワン!
近年の投資動向からも分かる通り、バークシャー・ハサウェイは生活に身近な企業へ投資する傾向が強く、5大商社の中では伊藤忠が最もマッチしている可能性が高いです。
したがって、伊藤忠はバークシャー・ハサウェイが次に買いそうな日本株として最有力候補の一つだと考えられるでしょう。
とはいえ、今の所5大商社のうちどこかに肩入れするといった発言はありません。
5大商社は全て継続投資される可能性が高いですが、中でも伊藤忠商事は「切られにくい」銘柄だという程度に認識しておきましょう。
クボタ(6326)
有力な日本株の新規投資先の一つと考えられるのがクボタです。



クボタってどんな企業なの?
クボタは農業機械、建設機械、水環境システムなどを製造・販売する企業で、日本だけでなく海外でも強い支持を有しています。
特に、農業農機・農業機器分野では世界2位、建設機械分野ではミニバックホーで世界1位のシェアを獲得しており、グローバルニッチトップ企業との声も強いです。



クボタは海外売上が全体の約8割を占めているワン!
消費者の生活へ直結しながら圧倒的なブランド力を有しているという点からも、クボタがバフェット氏の好みの銘柄である可能性は高いと推察されます。
また、2025年9月時点ではPERが約15倍、PBRも1倍以下と割安水準であり、新規投資先としては十分な資質を持っていると言えるでしょう。
JT(2914)
最後に、オススメしたいのがJT。
JTはタバコ事業を中核としつつ、医療や加工食品事業も展開する企業です。



JTといえば高配当株として有名だよね!
JTの配当利回りは2025年時点で約4.0%とかなりの高水準。
長期保有&継続投資を好むバークシャー・ハサウェイからすると、恩恵が非常に大きい銘柄だと言えるでしょう。
また、配当だけでなく業績も魅力的です。
日本の食品業界では売上がトップであることに加えて、近年では海外でのタバコの売上も増加中。
世界的に見てもかなり強力なブランド力を有していると考えられます。



直近ではPloomという加熱式たばこが成長を牽引しているワン!
今の所バークシャー・ハサウェイがJT株を買うといった報道はありませんが、クボタと同様、新規投資先になる資質は十分でしょう。
バークシャー・ハサウェイを抜きにしても、高配当株として一度は投資を検討しておきたい銘柄なので、ご自身でも詳しく調べることをおすすめします。
JTに関しては以下の記事でも取り扱っているので、ぜひ併せてご覧ください。
【まとめ】バークシャー・ハサウェイ保有銘柄とは?


ここで本記事のポイントをおさらいします。
かぶリッジの結論
- バークシャー・ハサウェイのポートフォリオは8割以上が米国株
- アップル、コカ・コーラなど生活に身近な企業への投資が多い
- 日本株は5大商社のみ
バークシャー・ハサウェイは市場へ非常に大きな影響力を持つ機関投資家です。
バフェット氏が買うと言った銘柄は市場で急騰することもあり、次にどこが来そうかは見極めていきたいところ。
日本株への投資は今の所5大商社のみですが、今後は投資を拡大していく可能性もあり、特に消費財系の企業にはアンテナを張っておくのが良いでしょう。
記事で紹介したクボタやJTを筆頭に、ぜひご自身でもお調べになってみてください。
※本記事は特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任にてお願い致します。