
・ノーリツ鋼機の株価は今後どうなるんだろう?
・写真機器から大幅な事業転換をしたけど将来性はあるの?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 写真機器から音響機器・部品材料事業への大胆な事業転換が成功
- 各分野で世界トップシェアを誇る「No.1/Only1」戦略を実現
- ROE10%以上、総還元性向50%以上を目標とする株主重視経営
ノーリツ鋼機は、かつて世界のミニラボ市場で50%超のシェアを誇った写真現像機器メーカーでしたが、デジタル化の波を受けて劇的な事業転換を実行しました。
現在はDJ機器で世界トップのAlphaTheta(Pioneer DJ)や、ペン先で世界シェア50%超のテイボーを擁する企業に変貌を遂げています。
そこで今回は、ノーリツ鋼機の株価の今後の見通しと、事業転換後の将来性について詳しく解説します。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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ノーリツ鋼機の株価は上昇する?3つの理由を解説


💡このパートの要約
- 各分野でNo.1シェアを誇る質の高い事業ポートフォリオ
- 事業売却で得た潤沢な資金を活用した成長投資戦略
- 株主還元重視の経営方針で市場評価向上への期待
ノーリツ鋼機の株価が今後上昇する可能性について、以下の3つの理由から考察していきます。
ニッチ分野で世界トップシェアを誇る事業ポートフォリオ
ノーリツ鋼機の最大の強みは、各事業分野において「No.1/Only1」の地位を確立していることです。
同社傘下の主要企業は、それぞれがニッチ分野で圧倒的な競争優位性を持っています。
- AlphaTheta(Pioneer DJ):DJ機器で世界トップシェア
- JLab:100ドル以下のワイヤレスイヤホンで全米No.1
- テイボー:フェルトペン先で世界シェア50%超、化粧品用チップで世界トップ
これらの事業は単なる市場参加者ではなく、それぞれの分野における「ニッチトップ」として高い収益性と安定した市場地位を確保しています。



ニッチな分野でトップを取れば、価格決定権を持てるから利益率も高くなるんだね!
潤沢な資金を活用した成長戦略の実行力
ノーリツ鋼機は過去の事業売却により蓄積した潤沢な資金を保有しており、これが今後の成長戦略実行の大きな原動力となっています。
特に2022年のJMDC(日本医療データセンター)売却により940億円の売却益を獲得し、これらの資金を新たな成長投資に振り向けています。
中期経営計画(2025-2030年)では、以下の資本配分戦略を明示しています。
- 既存事業の成長投資:300億円
- 補完的M&A:最大400億円
- 新規事業領域の大型M&A:600~1,000億円規模
この戦略的な資本配分により、売上高年平均成長率10%以上という野心的な目標達成を目指しています。



残りの金額は借入金返済の300憶円と株主還元原資600億円を想定しているワン
株主還元を重視する経営方針と市場評価の改善余地
現在のノーリツ鋼機は、株主還元に対して明確な方針を掲げています。
中期経営計画では以下の株主還元目標を設定しており、これが市場での再評価につながる可能性があります。
- ROE 10%以上の高い資本効率目標
- 総還元性向50%以上の積極的な株主還元
- PBR1倍割れから脱却する余地
現在のPBRは1倍を下回っており、質の高い事業ポートフォリオに対して市場が「ホールディング・カンパニー・ディスカウント」を適用している状況です。
しかし、計画通りの業績向上と株主還元が実現されれば、この割安評価は徐々に解消されると期待されます。
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ノーリツ鋼機の事業内容・業績


💡このパートの要約
ノーリツ鋼機の事業内容は以下の通り
- 音響機器関連事業:AlphaTheta(Pioneer DJ)、JLab
- 部品・材料事業:テイボー(フェルトペン先、化粧品部材、MIMなど)
ここでは、ノーリツ鋼機の事業内容や業績について詳しく見ていきます。
事業内容
ノーリツ鋼機は現在、音響機器関連事業と部品・材料事業の2つのセグメントに経営資源を集中させています。
かつて世界の写真現像機器市場で50%超のシェアを誇った同社ですが、デジタル化の波を受けて2018年から岩切隆吉CEOの下で大胆な事業転換を実行し、現在の事業ポートフォリオを構築しました。
音響機器関連事業
音響機器関連事業は、現在のノーリツ鋼機の成長エンジンとして位置づけられています。
2023年12月期の業績では売上収益945億円、事業EBITA220億円を計上し、事業EBITDAマージン23.3%という極めて高い収益性を実現しています。
この事業は、プロフェッショナル市場とコンシューマー市場の両方をカバーする2つの主要子会社で構成されています。
AlphaTheta株式会社(旧パイオニアDJ)
2020年に買収したAlphaThetaは、「Pioneer DJ」ブランドでプロフェッショナルDJ/CLUB機器市場において世界トップシェアを誇ります。
- DJミキサー・CDJ:世界中のトップDJやクラブで標準機として採用
- 楽曲管理ソフト「rekordbox」:ハードウェアと連携したエコシステム構築
- 「KUVO」サービス:楽曲の著作権料分配を支援するプラットフォーム
JLab(PEAG, LLC)
2021年に買収したJLabは、米国のコンシューマー向けオーディオブランドです。
- 完全ワイヤレスイヤホン:100ドル以下の価格帯で2020年に全米No.1を獲得
- スポーツイヤホン:アクティブユーザー向けで高いシェア
- キッズヘッドホン:子供向け市場でトップクラスの地位



プロ市場のAlphaThetaとマス市場のJLabで、音響市場の両面を攻略しているんだね!
部品・材料事業
部品・材料事業は、ノーリツ鋼機の安定した収益基盤として機能しています。
2023年12月期の業績では売上収益119億円、事業EBITA32億円を計上し、事業EBITDAマージン27.3%という高い収益性を維持しています。
テイボー株式会社
2015年にグループ入りしたテイボーもニッチ分野でトップの事業を複数保有しています。
フェルト・繊維ペン先事業
- マーキングペン用ペン先:世界シェア50%以上
- 毛細管力コントロール技術:インクの流量を精密に制御する独自技術
- 文具メーカー各社:世界中の大手文具メーカーに供給
化粧品用部材事業
- 液体アイライナー用チップ:世界トップクラスのシェア
- マスカラブラシ:化粧品ブランド各社に供給
- 化粧液の流量制御:文具で培った技術を化粧品分野に応用
MIM(金属射出成形)事業
- 高精度金属部品:複雑な形状を大量生産で実現
- 自動車部品:軽量化・高強度が求められる部品に対応
- 医療機器部品:高精度が要求される医療機器向け部品



どれも「なくてはならない」部品だから、安定した需要があるワン!
業績



ノーリツ鋼機の業績はどうなのかな?
ノーリツ鋼機の近年の業績は、事業転換の成果が明確に現れている状況です。
2024年12月期の業績
- 売上収益:1,065億円
- 営業利益:205億円(営業利益率19.2%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:161億円
2025年12月期の業績予想
- 売上収益:1,126億円(前年比+5.7%)
- 営業利益:174億円(前年比-15.2%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:117億円(前年比-27.4%)
2025年度は増収減益の予想となっていますが、これは為替影響に加えて、研究開発費や体制強化などの成長に向けた先行投資を計画通りに実行することによるものです。
財務面では、自己資本比率74.4%と極めて健全な財務基盤を維持しており、潤沢な現金を成長投資や株主還元の原資として活用する方針です。
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ノーリツ鋼機の強み


💡このパートの要約
ノーリツ鋼機の強みは…
- 各分野でNo.1/Only1の地位を確立した事業ポートフォリオ
- 規律あるM&A戦略と優秀な経営陣による価値創造



ノーリツ鋼機の強みは何だろう?
ノーリツ鋼機の強みと将来性について、以下の観点から分析していきます。
「No.1/Only1」戦略による競争優位性
ノーリツ鋼機の最大の強みは、「No.1/Only1」という明確な戦略コンセプトにあります。
同社は、参入する分野で必ずトップシェアを取ることを徹底しており、これが高い収益性と安定した市場地位の確保につながっています。
- 価格決定権:各分野でのトップ地位により価格競争を回避
- 高い参入障壁:技術的優位性と顧客基盤により競合の参入を阻止
- 安定した収益性:ニッチ分野での独占的地位により高い利益率を維持
この戦略は単なる事業運営の方針ではなく、M&Aによる買収判断の基準としても機能しています。
同社が買収するのは「その分野で既にNo.1の地位にある企業」または「No.1になる潜在能力を持つ企業」に限定されており、これが質の高い事業ポートフォリオの構築につながっています。



中途半端な事業は持たない、という明確な方針があるワン!
プロフェッショナル経営による価値創造
2018年に就任した岩切隆吉CEOによるプロフェッショナル経営が、同社の価値創造の大きな推進力となっています。
岩切CEOは、IT・投資業界出身の外部人材として招聘され、これまでの同社の歴史にはない視点で事業戦略を構築しています。
- 大胆な事業再編:JMDC売却で940億円の利益を創出
- 選択と集中:非コア事業を整理し、成長分野に資源を集中
- 株主価値重視:ROE、総還元性向に具体的な数値目標を設定
特に注目すべきは、成長事業であったJMDCを売却し、得られた資金を音響機器事業の買収に振り向けた戦略的判断です。
これは短期的な利益を犠牲にしてでも、長期的な企業価値向上を優先する経営姿勢の表れと言えるでしょう。
成長投資余力と柔軟な資本配分
ノーリツ鋼機は、潤沢な資金力と柔軟な資本配分能力を強みとしています。
事業売却により蓄積した資金を背景に、以下のような戦略的な資本配分を計画しています。
- オーガニック成長:既存事業の拡大に年平均50億円を投資
- 戦略的M&A:新規事業領域で600~1,000億円規模の大型買収を計画
- 株主還元:総還元性向50%以上で積極的な利益還元
この資本配分戦略により、年平均成長率10%以上という野心的な目標達成を目指しており、持続的な企業価値向上が期待されます。



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ノーリツ鋼機の株価は今後どうなる?将来性や見通しを解説


💡このパートの要約
- 中期経営計画の着実な実行による業績向上への期待
- ホールディング・カンパニー・ディスカウントの解消可能性
- リスク要因への注意も必要



ノーリツ鋼機は今後はどうなっていくのかな?
将来性や今後の見通しについて分析していきます。
中期経営計画(2025-2030年)の実現可能性
ノーリツ鋼機が2025年2月に発表した中期経営計画は、同社の将来性の成否を最もはかる指標です。
この計画で掲げられた目標は非常に野心的ですが、これまでの実行力を考えると実現可能性は高いと評価できます。
- 売上高CAGR 10%以上:既存事業の成長とM&Aによる拡大
- ROE 10%以上:高収益事業への集中による資本効率向上
- 総還元性向50%以上:株主価値を重視した利益配分
特に注目すべきは、1,000億円規模の大型M&Aを計画していることです。
これまでのAlphaTheta、JLab買収の成功実績を踏まえると、新たな成長エンジンとなる事業の獲得が期待できます。
市場評価の改善余地とカタリスト
現在のノーリツ鋼機は、「ホールディング・カンパニー・ディスカウント」により割安に評価されている可能性があります。
しかし、以下のカタリストにより市場評価の改善が期待されます。
- 業績の安定成長:中期計画の着実な実行による信頼性向上
- 株主還元の実績:高い総還元性向の継続による投資家評価改善
- 新規M&Aの成功:第3の事業セグメント創出による成長期待



質の高い事業ポートフォリオが正当に評価されれば、株価上昇の余地は大きいワン!
投資する際の注意点とリスク要因
一方で、ノーリツ鋼機への投資には以下のリスク要因も存在します。
主要なリスク要因
- キーマン・リスク:岩切CEOへの依存度が高い
- 大型M&Aのリスク:統合の成否や投資効果の不確実性
- 特殊な株主構造:創業家が議決権の40%超を保有
- 景気循環の影響:コンシューマー向け事業の変動性
特に、創業家が大株主として経営に影響力を持つという点は、投資家として十分に理解しておく必要があります。
現在は経営陣と創業家の利害が一致していますが、この関係性が変化した場合のリスクは考慮すべきでしょう。
総合的に見ると、中長期的な成長ストーリーは魅力的だが、短期的な変動や経営リスクには注意が必要な銘柄と言えます。
【まとめ】ノーリツ鋼機の将来性は?





ノーリツ鋼機の今後の株価について、よくわかったよ!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
- 写真機器から音響機器・部品材料事業への大胆な事業転換が成功
- 各分野で世界トップシェアを誇る「No.1/Only1」戦略を実現
- ROE10%以上、総還元性向50%以上を目標とする株主重視経営
ノーリツ鋼機は、日本企業史上でも稀に見るほど劇的な事業転換を成功させた企業として注目に値します。
かつてのミニラボ世界王者から、DJ機器とペン先でそれぞれ世界トップシェアを誇る企業群を束ねる事業持株会社へと完全に生まれ変わりました。
ノーリツ鋼機は今後もニッチトップな企業のM&Aなどを通して成長する将来性がある企業といえそうです。
一方で、岩切CEOへの依存や特殊な株主構造などのリスク要因も存在するため、長期的な視点での投資判断が重要です。
ノーリツ鋼機への投資を検討する際は、同社の変革ストーリーの継続性と、中期計画の実行進捗を注意深く見守ることが大切でしょう。