
・オルカンってたくさんあるけど、ニッセイ外国株式とeMAXIS Slim 全世界株式ならどっちが良いのかな?
・人気のオルカン(全世界株式)インデックスについて知りたいな…
このようなお悩みを解決します。
この記事の結論
- ニッセイ外国株式とeMAXIS Slim 全世界株式はどちらも全世界株式インデックスで、運用成績は大差なし
- アメリカへの依存度の違いによって今後のリターンに影響
- 運用管理費は長期投資ではキーポイント
2024年1月よりスタートした新NISAでは、インデックスファンド、アクティブファンド、個別株など幅広い投資が可能。
その中でも、世界に分散投資ができる「オルカン」(全世界株式インデックス)の投資信託の人気が高まっています。
様々なオルカンインデックスが販売されており、有名なeMAXIS Slim 全世界株式の他に、ニッセイ外国株式などもあります。
とはいえ、どれも「全世界株式インデックス」を謳っていて違いが分かりにくいですよね。
「eMAXIS Slim 全世界株式とニッセイ外国株式のどちらに投資すべきか悩む…」と困っている方も多いはず。
そこで今回はeMAXIS Slim 全世界株式とニッセイ外国株式を例にあげ、両者の違いを分かりやすく解説します。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。


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ニッセイ外国株式とeMAXIS Slimとは?


「全世界株式」とは、世界全体の株式の値動きを示す指数に連動する投資信託です。
投資信託は目安となる指数と連動するようになっており、オルカンは世界の国・地域の企業の株価から作られた指数に連動しています。
つまり、全世界株型の投資信託を1本買えば、世界中の株に分散投資をしたのと同じ効果を得られるのです。



「分散投資」にぴったりの投資信託で、初めて投資する人や長期的に資産を増やしたい人に最適だワン!
全世界株式型の投資信託にもさまざまな会社のファンドがありますが、「ニッセイ外国株式」と「eMAXIS Slim」シリーズはどちらも非常に人気。
「ニッセイ外国株式」と「eMAXIS Slim」シリーズの基本情報について紹介します。
ニッセイ外国株式
ニッセイ外国株式はニッセイアセットマネジメントが運営する低コストのインデックスファンドとして知られています。
このファンドのベンチマーク(連動対象指数)はMSCIコクサイ・インデックスを採用し、この指数は日本を除く先進国20数カ国の株式市場の動向を表す代表的な株価指数です。
日本を除くアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの主要な先進国の株式に幅広く分散投資してくれます。



ニッセイ外国株式は「日本と新興国を除いた先進国」に投資しているんだね!
ニッセイ外国株式は購入時手数料と換金時手数料が無料で、運用管理費も極めて低い水準(年率0.1%未満)のため、長期の資産形成に適していると評価されています。
しかし、このファンドは「為替ヘッジ」を行いません。
これは、投資したお金が、日本円と外貨(主に米ドル)の関係に大きく影響されるということです。
具体的な影響は、以下のようになります。
- 円安になると、資産が増えやすくなる
持っている外国株の価値が同じでも、「1ドル=100円」だったのが「1ドル=150円」のように円安になると、円に戻したときの資産がその分増えます。
- 円高になると、資産が減りやすくなる
外国株の価値が上がっていても、「1ドル=150円」だったのが「1ドル=100円」のように円高になると、円に戻したときに資産が目減りしてしまうリスクがあります。



でもなぜ為替ヘッジをしないのかな
ヘッジをかけるには、通常コスト(費用)がかかります。
このファンドは、そのコストを極力抑えて、手数料を安くすることを優先しているため、為替の変動によるメリットもデメリットもそのまま受け入れる運用方針になっています。



だから手数料が安いんだね!
eMAXIS Slim
「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)」は、三菱UFJアセットマネジメントが提供するインデックスファンドのシリーズ名です。
eMAXIS Slim シリーズ
- シリーズの最大の特徴:「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」というコンセプトを掲げています。
- 商品構成:全世界株式、米国株式、先進国株式、S&P500、国内株式など、様々な地域のインデックスに連動する商品が多数ラインナップされています。
今回対象となるのは、eMAXIS Slimの全世界株式(オール・カントリー)です。
ベンチマークは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)で、日本・先進国・新興国を全て含めた世界の株式市場の約85%をカバーしている指数になっています。



こっちのファンドは日本も新興国も含む全世界に投資しているんだね!
購入時手数料はニッセイ外国株式と同様に無料で、為替ヘッジも行っていません。
信託報酬は年率0.05775%程度で業界最低水準を目指しているため、ニッセイ外国株式の年率0.09889%よりもさらに低い水準です。
徹底比較


ここからは、ニッセイ外国株式とeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を徹底比較していきます。
比較する項目は以下の4つです。
①リターン
ニッセイ外国株式とeMAXIS Slim全世界株式のチャートの比較を見てみましょう。


(2025年10月24日時点)
全体的に右肩上がりになっているため、リターンが出ていることがわかります。
騰落率を数字で見ると以下の通りです。
| 期間 | ニッセイ外国株式 | eMAXIS Slim全世界株式 |
|---|---|---|
| 1ヵ月 | +3.6% | +4.1% |
| 3ヵ月 | +10.3% | +10.6% |
| 6ヵ月 | +18.6% | +18.9% |
| 1年 | +22.1% | +22.1% |
| 3年 | +93.2% | +89.9% |
| 設定来 | +386.3% | +204.1% |
eMAXIS Slim全世界株式は三菱UFJのHPより記載。
どちらも2025年9月末時点
直近の数か月ではeMAXIS Slim全世界株式がやや上回っていますが、3年や設定来ではニッセイ外国株式がわずかに高いパフォーマンスを示しています。
短期的・長期的に見てもリターンに大きな差はありませんでした。
②組入銘柄
次に組入銘柄の比較をしてみましょう。
| 比率順位 | ニッセイ外国株式の銘柄名(比率) | eMAXIS Slim全世界株式の銘柄名(比率) |
|---|---|---|
| 1 | エヌビディア(5.8%) | アップル(4.1%) |
| 2 | アップル(5.0%) | マイクロソフト(3.6%) |
| 3 | マイクロソフト(4.8%) | エヌビディア(3.4%) |
| 4 | アマゾン(2.8%) | アマゾン(2.3%) |
| 5 | メタ・プラットフォームズ(2.1%) | メタ・プラットフォームズ(1.6%) |
| 6 | ブロードコム(1.9%) | アルファベット(A)(1.5%) |
| 7 | アルファベット(A)(1.9%) | ブロードコム(1.1%) |
| 8 | テスラ(1.9%) | テスラ(1.1%) |
| 9 | アルファベット(C)(1.7%) | イーライリリー(0.9%) |
| 10 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(1.2%) | バークシャーハサウェイ(0.9%) |
eMAXIS Slim全世界株式は三菱UFJのHPより記載(2025年04月30日時点)。
上位トップ10の組入銘柄はほとんど違いがないことがわかります。
どちらもアメリカのトップ企業が上位を占めており依存度が高いです。



上位の組入銘柄がほとんど一緒だからリターンも変わらないんだね!
③地域・国別構成比
次に地域・国別構成比の比較を見てみましょう。
| 国別構成比率順位 | ニッセイ外国株式(比率) | eMAXIS Slim全世界株式(比率) |
|---|---|---|
| 1 | 米国(76.6%) | 米国(63.1%) |
| 2 | その他の国・地域(4.5%) | その他の国・地域(13.2%) |
| 3 | 英国(3.8%) | 日本(5%) |
| 4 | カナダ(3.5%) | 英国(3.4%) |
| 5 | フランス(2.8%) | カナダ(2.8%) |
eMAXIS Slim全世界株式は三菱UFJのHPより記載(2025年04月30日時点)。
どちらも米国への投資が6割以上とアメリカ企業に大きく依存していることがわかります。
またeMAXIS Slim全世界株式の「その他の国・地域」には、日本以外の先進国に加え、新興国(中国、台湾など)も含まれるため、ニッセイ外国株式よりも比率が高いです。
eMAXIS Slim全世界株式には日本も入っており国別構成比率の順位も3位で位置しています。



日経平均も近年上昇しているから今後に期待できるね!
業種別順位も見ていきましょう。
| 業種別順位 | ニッセイ外国株式(比率) | eMAXIS Slim全世界株式(比率) |
|---|---|---|
| 1 | 情報技術(28.1%) | 情報技術(23.2%) |
| 2 | 金融(16.9%) | 金融(17.7%) |
| 3 | 資本財・サービス(10.4%) | 資本財・サービス(10.5%) |
| 4 | 一般消費材・サービス(10.0%) | 一般消費材・サービス(10.5%) |
| 5 | ヘルスケア(9.1%) | ヘルスケア(9.8%) |
eMAXIS Slim全世界株式は三菱UFJのHPより記載(2025年04月30日時点)。
業種別順位も違いがないことがわかります。
その他のインデックスファンド紹介
リターン、組入銘柄、地域・国別構成比の3つを比較していきました。
どれも大差がなく、違いはほとんどありませんでした。
では、ニッセイ外国株式やeMAXIS Slim全世界株式以外のインデックスファンドには違いがあるのでしょうか。
有名どころのS&P500と日経225で比較してみましょう。
基本情報
- S&P500:アメリカで上場する主要500社の株価を基に算出される指数に連動しています。
- 日経225:東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄の中から、代表的な225銘柄の株価を基に算出される指数です。
ニッセイ外国株式を基準にこの2つのファンドのリターンを比較していきます。
| 期間 | ニッセイ外国株式 | S&P500 | 日経225 |
|---|---|---|---|
| 3か月 | 10.3% | 11.2% | 11.7% |
| 6か月 | 18.6% | 19.5% | 27.1% |
| 1年 | 22.1% | 22.4% | 20.4% |
| 3年 | 24.5% | 24.9% | 22.1% |
過去のリターンを見てもほとんど変わりません。
6か月目の日経225は27%と大きく上昇していますが、期間が長くなるにつれて3つともほぼ同じリターンになることがわかります。
日経225とS&P500で投資対象は全く異なりますが、近年は動きに相関がみられ同じようなリターンになっています。
どっちを選ぶ?投資家タイプ別のおすすめ


前章ではニッセイ外国株式とeMAXIS Slim全世界株式の比較をしてきました。
リターンにあまり差がないことや投資している国に違いがあることを理解できたのではないでしょうか。
しかし、結局どっちに投資をしたらいいのかわからないと思う方もいると思います。
この章では、それぞれのファンドにおすすめな人を紹介していきます。
ニッセイ外国株式がおすすめな人
ニッセイ外国株式がおすすめな人は以下の2つに当てはまる方に特におすすめです。
- 日本と新興国に対して悲観的で、よりアメリカなどの先進国に期待したい人
- より大きいリターンを得たい人
ニッセイ外国株式では、上記の紹介の通り日本と新興国を除く先進国だけに投資をしています。
特にアメリカに76%もの投資をしており非常に大きな比率を占めています。
よってアメリカの今後に期待できると思う人には非常におすすめです。



近年はアメリカ株が大きく上がっているからeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)よりもリターンがあったんだね!
しかし、アメリカ企業に大きく依存するためアメリカ株が下がるとほかのファンドよりも下落が大きいというデメリットもあります。
eMAXIS Slim全世界株式がおすすめな人
eMAXIS Slim全世界株式がおすすめな人は以下の2つに当てはまる方に特におすすめです。
- 世界全体に広く分散した投資をしたい人
- 運用管理費(信託報酬)をできるだけ下げたい人
eMAXIS Slim全世界株式は、ニッセイ外国株式とは違い日本や新興国にも投資をしており、世界中の約3,000銘柄に分散投資をしているファンドです。
これにより一部の先進国に依存することなくリスクが分散されています。
加えて、eMAXIS Slim全世界株式は、運用管理費(信託報酬)が年率0.05775%程度で業界最低水準であり、ニッセイ外国株式よりも低く設定されているのです。
長期的に投資を考えている人には非常にメリットがあります。



運用管理費が安いと長期で見たときリターンが全然違うよね!
しかし、アメリカ企業の成長が大きい近年は、アメリカ企業への投資の割合が大きいニッセイ外国株式のほうがリターンが大きくなっています。
まとめ


今回はニッセイ外国株式とeMAXIS Slim全世界株式を比較してきました。



二つの違いとそれぞれのメリット、デメリットがよくわかったよ!
この記事の結論を以下にまとめます。
この記事の結論
- ニッセイ外国株式とeMAXIS Slim 全世界株式はどちらも全世界株式インデックスで、運用成績は大差なし
- アメリカへの依存度の違いによって今後のリターンに影響
- 運用管理費は長期投資ではキーポイント
リスクやリターンをよく考えて長期投資の参考にしてみてください。






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