
・北の達人コーポレーションって何をやってる会社?
・北の達人コーポレーションの株価は今後どうなるんだろう?
・健康食品・化粧品EC事業で話題になっているけど将来性はあるの?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 北の達人コーポレーションは定期購入型EC事業の強固な収益基盤により将来性が高い
- 高いLTV(顧客生涯価値)とデータドリブン経営で持続的成長を実現
- M&A戦略と新商品開発で新たな成長ステージへの転換期
北の達人コーポレーションは、「びっくりするほど良い商品で、世界のQOLを1%上げる」という壮大なミッションを掲げ、健康食品・化粧品のEC販売で独自のポジションを築いている企業です。
「北の快適工房」ブランドを中心とした定期購入型ビジネスモデルにより、EC業界でも屈指の高収益体質を実現しています。
この記事では、そんな北の達人コーポレーションの事業内容から株価の将来性まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。



北の達人株への投資を検討している方は必見だワン!


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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北の達人コーポレーションの将来性は?3つの理由を解説


💡このパートの要約
- 定期購入型ビジネスモデルによる安定的な収益基盤の構築
- データドリブンなマーケティング戦略で高いLTVを実現
- M&A戦略と新商品開発により新たな成長機会を追求
北の達人コーポレーションは、EC業界で独特な存在感を示しています。



同社社長である木下勝寿氏は、販売戦略や人材戦略等に関する本を販売していて注目されているよ!
同社の将来性を語る上で欠かせないのが、以下の3つのポイントです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
定期購入型ビジネスモデルによる安定的な収益基盤
北の達人コーポレーションの最大の競争優位性は、売上の約7割を占める定期購入型ビジネスモデルにあります。
同社の商品は、1~3ヶ月毎に定期的に同商品を自動的に届ける便利な購入方法を採用しており、継続的に使用するタイプの商品特性と相まって、多くの利用者が定期購入に加入しています。
定期購入モデルの強み
- 安定的な売上の積み上げ:定期購入の売上は、今月の売上分と同額が来月も計上される
- 予測可能な収益構造:一定の解約率を織り込んでも、安定的な収益予測が可能
- 外部環境に左右されにくい:震災等の影響を受けにくい強固な事業基盤
新規売上と定期売上の連動性があり、新規売上の増減は、概ね2~3か月後に定期売上への影響として現れます。


新規顧客が定期購入することにより、定期購入型ビジネスモデルによる安定的な収益基盤を実現しています。
データドリブンなマーケティング戦略で高いLTVを実現
北の達人コーポレーションは、データドリブンなマーケティングで一人あたりの顧客生涯価値(LTV)を最大化する戦略で高い収益性を実現しています。



LTVとは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略で、ある顧客が、企業と取引を開始してから終了するまでの全期間において、企業にもたらす利益の総額を表す指標だワン!
データドリブン(Data Driven)とは?
売上データや顧客の行動データなど、客観的なデータに基づいて判断やアクションを行うことを指す。
勘や経験に頼るのではなく、収集・分析したデータという「事実」に基づいた意思決定を行うことで、ビジネスの成功確率を高め、迅速な対応や業務効率化を実現する。
また、同社は以下のように広告宣伝等に投資をすることで新規顧客の獲得を実施しています。
広告投資の内容
- デジタル広告(リスティング・SNS・動画広告)の最適化
- ECモール(Amazon・楽天)の集客力を活用
- アフィリエイトを活用した専門チーム体制
また、既存の顧客に対しては以下のような取り組みを行うことで高いリピート率を維持しています。
既存顧客のLTV最大化戦略
- 定期購入率の向上とリピート売上の増加
- CRM強化によるパーソナライズマーケティング
- 解約防止のための専門スタッフによる丁寧なサポート
特に注目すべきは、定期解約を受け付ける際に「なぜ解約するのか」をヒアリングし、使用方法の間違いによる離脱を防ぐ取り組みです。



こうした徹底したデータ分析と顧客対応により、営業利益率14.2%という高い収益性を実現しているよ!
M&A戦略と新商品開発により新たな成長機会を追求
北の達人コーポレーションは、ロールアップ型M&A戦略の強化と積極的な新商品開発により、新たな成長ステージへの転換を図っています。
対象会社の一部事業もしくは一部商品のみを買収し、同社の広告最適化システムをはじめとする独自システム及び管理会計制度に載せて事業運営を行う
以下は、同社のM&A戦略の成功事例です。
M&A戦略の成功事例
- M&Aによって取得した子会社「SALONMOON」が第2の柱に成長(売上高9億36百万円、前期比16.8%増)
- ロールアップ型M&A戦略の強化を推進
- 自己資本比率85.9%、現金及び現金同等物56億98百万円という強固な財務基盤を活用
また、同社は新商品開発にも力を入れています。


2027年以降は新商品発売数を段階的に拡大し、商品ラインナップの拡充を図っています。



海外展開への挑戦も予定されており、グローバルブランドを目指しているね!
北の達人コーポレーションの事業内容・業績


💡 このパートの要約
- 北の達人コーポレーションは健康食品・化粧品のEC事業を展開
- 主力ブランド「北の快適工房」で39商品を取り扱い
- 売上は減少するも利益率は大幅改善という構造転換を実現
ここでは、北の達人コーポレーションの詳細な事業内容と業績について見ていきます。
事業内容
北の達人コーポレーションは、健康食品・化粧品・雑貨の企画、開発、製造、販売事業およびECサイトの運営を主力事業としています。
主力ブランド「北の快適工房」
- 『カイテキオリゴ』『ヒアロディープパッチ』をはじめとした39商品(2025年9月末現在)を取り扱い
- 「びっくりするほど良い商品」ができた時にしか販売しない厳格な開発ルール


その他のブランド
- オリジナルヘアケアブランド「SALONMOON」
- 電子タバコブランド『SPADE』(2025年2月期をもって新規顧客獲得を終了)
変化の激しい業界のため、受注業務、サイト制作、販売促進ツール等の企画制作、システム開発、広告運用、サポートについては極力外注化せずに社内運営を基本としています。
それによって常に最先端のノウハウ、知見を自社内に構築維持しております。
業績
北の達人コーポレーションの業績は、構造転換期を迎えています。
決算期 | 2022年2月 | 2023年2月 | 2024年2月 | 2025年2月 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 9,510 | 9,831 | 14,665 | 11,826 |
営業利益 | 2,082 | 510 | 1,449 | 1,675 |
経常利益 | 2,102 | 541 | 1,480 | 1,704 |
当期純利益 | 1,342 | 343 | 994 | 1,205 |
営業利益率 | 21.9 | 5.2 | 9.9 | 14.2 |
※売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は百万円単位。
2025年2月期の業績
- 売上高:118億26百万円(前期比19.4%減)
- 営業利益:16億75百万円(同15.6%増)
- 経常利益:17億4百万円(同15.1%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:12億5百万円(同21.2%増)
- 営業利益率:14.2%(同4.3pt増)
この結果は、売上よりも利益率の向上に注力した経営を行っていることを示しています。



売上は減ったけど、利益率は大幅に改善したんだね!



構造転換が成功している証拠だワン!
また、業績予想は以下の通りです。
2026年2月期の業績予想
- 売上高:102億89百万円(前期比13.0%減)
- 営業利益:8億97百万円(同46.4%減)
- 経常利益:9億11百万円(同46.5%減)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:6億22百万円(同48.4%減)
北の達人コーポレーションの2026年2月期業績予想がマイナスになっている理由は、新規顧客獲得人数の大幅減少や販売ページ改善の困難性があげられます。
また、業績予想に新商品効果を織り込まない方針も影響しています。
つまり2026年2月期の業績予想減少は、現在直面している新規顧客獲得の課題と、新商品効果を織り込まない保守的な予想方針が組み合わさった結果といえます。
同社は中長期的な成長に向けた基盤作りの過渡期にあると考えられます。
北の達人コーポレーションの強みから見た将来性


💡このパートの要約
- 「実感主義」による商品開発力で他社との差別化を実現
- インハウス体制のマーケティング力で広告効率を最大化
- 安定的な収益構造により持続的な成長投資が可能
北の達人コーポレーションの持続的な成長が期待される理由は、同社の独自の強みにあります。
以下で詳しく解説していきます。
「実感主義」による商品開発力と差別化戦略
北の達人コーポレーションの商品開発の最大の特徴は、「びっくりするほど良い商品」ができた時にしか販売しないという厳格なポリシーです。
商品開発の特徴
- 流行に左右された商品づくりは一切行わず、「実感主義」にこだわった商品開発を徹底
- 使ったらすぐに効果が実感できるものだけを作ることにこだわり
- 顧客に効果を満足いただき、結果としてリピートいただける商品のみを販売
この開発ポリシーにより、健康商品や美容関連商品に「効果があるのかよくわからない」という感想を持つ顧客が多い中で、明確な差別化を実現しています。



科学的エビデンスと顧客の実感を両立させているのが凄いところだね!
競争優位性の確立
- 科学的エビデンスを強みとした差別化
- 顧客満足度の高い商品設計とアフターサービスによる長期的なファン獲得
- SNSや口コミを活用したオーガニック流入の増加
インハウス体制のマーケティング力と広告効率の最大化
北の達人コーポレーションの最大の強みは圧倒的なマーケティング力です。
インハウス体制の優位性
- 受注業務からシステム開発、広告運用まで社内運営を基本とし、最先端のノウハウを自社内に蓄積
- 「誰に」「何を」の上流設計を最重要視し、顧客のインサイトを深掘り
- 適切なターゲットと訴求軸を定めた上でのクリエイティブ作成を重視
データドリブンな意思決定
- 広告投資効率を可視化する独自の管理会計システム
- 「必ずリピートしたくなる」定期購入制度の構築
- CRMを強化したパーソナライズマーケティングの実施
この結果、損益計算書において広告宣伝費が全体の37%を占めるほど積極的な投資を行いながらも、高い収益性を維持しています。



広告費をたくさん使っても利益率14.2%を維持できるのは、マーケティング効率が抜群に良い証拠だワン!
安定的な収益構造による持続的な成長投資力
北の達人コーポレーションの定期購入型ビジネスモデルは、予測可能な収益を生み出し、持続的な成長投資を可能にしています。
安定収益の仕組み
- 売上の約7割を占める定期購入により、毎月の売上が積み上がる構造
- 一定の解約率を織り込んでも、安定的な収益予測が可能
- 外部環境の変化に左右されにくい強固な事業基盤
また、同社積極的な投資により持続的な成長を図っています。
以下は成長投資の活用例です。
成長投資への活用
- 現金及び現金同等物56億98百万円という豊富な投資余力
- ロールアップ型M&A戦略の推進
- 新商品開発への積極投資
また、たった70人で史上初となる4年連続上場を成し遂げ、Forbes Asiaが選んだアジアの急成長企業30社に選ばれるなど、効率的な組織運営も大きな強みとなっています。



少数精鋭で効率的な組織運営を実現している点も評価されているんだね!
【まとめ】北の達人コーポレーションの株価は今後どうなる?


最後に、北の達人コーポレーションの将来性と投資価値についておさらいです。
かぶリッジの結論
- 北の達人コーポレーションは定期購入型EC事業の強固な収益基盤により将来性が高い
- 高いLTV(顧客生涯価値)とデータドリブン経営で持続的成長を実現
- M&A戦略と新商品開発で新たな成長ステージへの転換期
北の達人コーポレーションの株価見通しとしては、中長期的には上昇トレンドが期待されると考えられます。
プラス要因と注意点に分けて見てみましょう。
プラス要因
- 定期購入型ビジネスモデルによる安定的な収益基盤
- 高いLTV(顧客生涯価値)とデータドリブンなマーケティング戦略
- 「実感主義」による明確な商品差別化
- 強固な財務体質(自己資本比率85.9%)
- M&A戦略・新商品開発体制の強化による成長加速の可能性
注意すべきリスク要因
- 販売ページの疲弊現象等の新規顧客獲得の難化
- EC市場の競争激化
- SPADEの事業縮小による一時的影響
- 2026年2月期は構造転換に伴う大幅減益予想(営業利益46.4%減予想)
総合的に見て、北の達人コーポレーションは定期購入型EC事業における「中核的なプレイヤー」として、中長期投資に適した銘柄だと考えます。



2025年2月期に売上減少を受け入れながらも営業利益率14.2%を実現しているワン!



構造転換が成功している証拠だね!
一方で、2026年2月期は新商品投入効果を織り込まない保守的な予想により大幅減益を見込んでいますが、これは同社の慎重な業績予想の姿勢を示しています。
「びっくりするほど良い商品で、世界のQOLを1%上げる」というミッションを掲げる北の達人コーポレーションの挑戦は、まさに新たな成長ステージの入り口に立っていると言えるでしょう。