
・キーエンスの株価が高いのはなぜ?
・今後の株価や配当はどうなるの?
・株式分割はいつするのかな?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 盤石な財務基盤や海外事業展開などから期待が高まり株価が高い
- 50%を超える高い利益率を維持しながら売上を伸ばし続ける成長企業
- キーエンス株が高くて買えない人にはミニ株がおすすめ!
キーエンスは、ファクトリー・オートメーション(FA)用センサや測定器などを開発・製造・販売する会社です。
日本を代表する製造業の一つとして有名ですが、日本で株価が一番高い銘柄として知っている方もいるでしょう。
では、そんなキーエンスの株価が高い理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
そこで本記事では、キーエンスの株価が高いと言われる理由や、株価・配当の今後についてわかりやすく解説していきます。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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キーエンスの株価はなぜ高い?理由3つを解説


💡このパートの要約
キーエンスの株価が高い理由は…
- 盤石な財務基盤
- 高収益を生み出す独自のビジネスモデル
- グローバル市場での高い成長性と将来への期待
キーエンスの株価は、日本の他の銘柄と比べて非常に高いことで有名です。
2025年10月現在、日本の単元株価格ランキングでは1位となっており、投資家から高く評価されていることが分かります。



でも、どんな要因でこんなに株価が高いのかな?
ここからは、キーエンスの株価が高い理由を3つご紹介します。
盤石な財務基盤
キーエンスの株価が高い理由の一つとして、盤石な財務基盤が挙げられます。
まず、財務基盤についてですが、キーエンスはここ数年、営業利益が50%を超える水準となっています。



製造業全体における営業利益率の平均が4~5%くらいだから、驚異的な数字だね!



コロナショックの時も利益率50%超を維持していたワン!
売上高も右肩上がりで推移していることから、今後も売上高の成長に伴って利益も安定して伸びていくことが期待できるでしょう。
また、同社の2026年3月期中間期の自己資本比率は95.0%となっており、借り入れにほとんど依存していません。
この高い自己資本比率は、景気変動に対する耐性などの経営の安定性に繋がっています。
高収益を生み出す独自のビジネスモデル
キーエンスの高収益性を生み出す源泉は、その特徴的なビジネスモデルにあります。
このビジネスモデルが同社の競争優位性を高め、投資家からの評価を集めることに繋がっています。
以下では、キーエンスの独自のビジネスモデルの特徴を3つ解説します。
代理店を介さない直販体制
キーエンスは、「グローバルダイレクトセールス」という代理店を介さない直販体制を取っています。
通常のメーカーでは販売を代理店に任せることが多いですが、同社では営業担当者が生産現場に直接足を運びます。


これにより、生産現場で隠れたニーズを見つけることができ、顧客の抱える真の課題を解決しやすくなるのです。



直販によって安心感に繋がるだけでなく、見積や受注などをスピーディーに行えるよ!
ファブレス経営
キーエンスは、自社で工場を持たないという「ファブレス経営」を採用しています。
これにより、工場の建設や維持にかかる設備投資や固定費を削減することができるのです。
また、コスト面以外にも以下のようなメリットが生じます。
- より自由な発想で商品を企画開発できる
- 商品の特性に応じて、マッチした条件をもつ工場を選定できる
- 生産数の変化など、市場の変化に対応しやすい



協力工場に全てを任せるわけでなく、重要な部分は自社で緻密に管理を行っているワン!
商品開発力
キーエンスは、「世界初」「業界初」を生み出す革新的な商品開発を行っています。
この商品開発力には、同社の高い技術力が背景にあります。



技術力は他の企業もあると思うけど…
同社の商品開発を支えているもう一つの要因は、直販体制の営業スタイルです。
直販体制では現場で吸い上げた意見をすぐに商品開発に反映させられることから、ユーザーに寄り添った商品をスピーディーに開発することが可能となっています。



開発と営業でシナジーが生まれているね!
グローバル市場での高い成長性と将来への期待
キーエンスは市場から成長性を評価されており、さらなる成長に期待が寄せられています。
その成長エンジンの一つが、グローバル市場への展開です。



すでに海外には進出しているよね?
同社の2025年3月期通期決算では、海外売上比率は約6割とすでに高い水準となっています。
しかし、世界のFA市場の大きさを考えると、同社の成長余地は非常に大きいです。
また、主に先進国における少子高齢化や人件費の高騰、スマートファクトリーへの注目といった要因から、FA需要は今後さらに高まることが期待されます。
2025年10月現在も46ヶ国250拠点で事業を展開し、同社の強みである直販体制を海外に根付かせようとしています。
こうした成長への積極的な取り組みは、市場からの期待を集め、株価の上昇に貢献しています。


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キーエンスを競合他社と比較!強みや弱みは?


💡このパートの要約
- 収益性が高く、健全な財務状況を維持している
- 不景気などで顧客企業の設備投資意欲が減退してしまうと打撃となる
類似企業のオムロン(6645)、三菱電機(6503)の2社と比較して、キーエンスの強みや弱みを見ていきましょう。
大きく以下の強み、弱みが挙げられます。
以下に、3社の主要財務データと参考指標を表にまとめ、比較してみます。
| 2025年3月期 | キーエンス(6861) | オムロン(6645) | 三菱電機(6503) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,591 | 8,017 | 55,217 |
| 営業利益 | 5,497 | 540 | 3,918 |
| 当期純利益 | 3,986 | 162 | 3,240 |
| 営業利益率 | 51.9% | 6.7% | 7.1% |
| 自己資本比率 | 94.5% | 56.7% | 61.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.5% | 2.1% | 8.4% |
| PER(株価収益率) | ー | 29.42倍 | 25.65倍 |
| PBR(株価純資産倍率) | 4.61倍 | 1.10倍 | 2.20倍 |
| 配当利回り | 0.88% | 2.40% | 1.31% |
| 時価総額 | 151,518 | 8,936 | 88,902 |
各社決算短信やHP等より作成(3社とも3月決算)
※PER/PBR/配当利回り/時価総額は10月30日時点。
強み:高い収益性・健全な財務状況
キーエンスの強みは、高い収益性と健全な財務状況です。
上の表からもわかるとおり、各数値が他社よりも秀でていることがよくわかります。
特に営業利益率と自己資本比率は突出して高く、収益性と安定性が抜群に良いことが見て取れます。
長期的な成長性や安全性もある企業なので、魅力的な投資先と言えるでしょう。
弱み:景気変動の影響を受けやすい
キーエンスの弱みは、景気変動の影響を受けやすいことです。
景気後退などで顧客企業の設備投資意欲が減退してしまうと、売上に繋がらないため業績が悪化する可能性があります。



ただし、高い自己資本比率やファブレス経営のおかげで市場の変化にも対応しやすくなっているワン!
キーエンスの事業内容・業績


💡このパートの要約
- ファクトリー・オートメーション(FA)の総合メーカーであり、電子応用機器の製造と販売を行っている
- 50%を超える高い利益率を維持しながら売上を伸ばし続ける成長企業
ここからは、キーエンスの基本情報について詳しく説明していきます。
以下の2つの情報をまとめます。
事業内容
キーエンスはファクトリー・オートメーション(FA)の総合メーカーであり、事業内容は電子応用機器の製造と販売となっています。
ファクトリー・オートメーション(FA)とは、工場で行われている加工、組み立て、原材料・製品などの運搬や、全体の管理など、あらゆる生産工程の自動化を図るシステムの総称です。
従来は人の手によって行われていた作業を自動化することで、生産効率化、品質安定、人件費削減などが期待できます。
FAで最も重要なのが人の目にあたるセンサですが、同社ではそのセンサを中心としたFAシステムの研究・開発・設計・製造を行っています。



従来は人間が行っていた不良品検査などをセンサが判別してくれるから自動化が可能になるんだよ!



判別にはセンサの精度も求められるワン!
また、センサだけでなく、画像処理システムやロボット制御のためのプログラマブルコントローラーなど、FAに関するすべての商品を取り扱っています。
業績



業績はどうだったのかな?
キーエンスの過去5年間の業績をまとめてみました。


| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,381 | 7,551 | 9,224 | 9,672 | 10,591 |
| 売上総利益 | 4,408 | 6,211 | 7,547 | 8,025 | 8,877 |
| 営業利益 | 2,767 | 4,180 | 4,989 | 4,950 | 5,497 |
| 営業利益率(%) | 51.4 | 55.4 | 54.1 | 51.2 | 51.9 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,972 | 3,033 | 3,629 | 3,696 | 3,986 |
| 研究開発費 | 160 | 178 | 216 | 251 | 288 |
| 設備投資額 | 43 | 61 | 393 | 124 | 143 |
| 減価償却費 | 75 | 86 | 115 | 137 | 151 |
同社各年度決算短信、有価証券報告書より
近年のキーエンスは、安定して成長を遂げています。
これは、50%を超える高い営業利益率を保ちながら売上高を伸ばすことができているためです。
国内事業ではコロナショックからの回復で持ち直しが見られるほか、海外事業では過去10年の平均成長率が15%を超えるなど、力強い成長を見せています。



海外の営業体制強化を進めているから、今後の業績への反映に期待だね!
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キーエンスの株価や配当は?将来性を解説


キーエンスの今後はどうなっていくでしょうか。
株価の推移を見ながら、将来性や今後の見通し・株式分割の可能性を分析していきます。
株価の推移



キーエンスの株価は今までどのように推移してきたのかな?
キーエンスの株価推移と上昇・下落要因についてチャートと共に見ていきましょう。



キーエンスの株価は、近年上昇傾向にあるんだワン!
同社の株価は、盤石な財務基盤とそれを支える独自のビジネスモデル、海外事業を含めた将来性への期待など、様々な要因によって上昇しています。
10年前の2016年から株価は約3倍にもなっており、コロナショックなど一時下落する時期もありましたが、その後回復を見せています。
キーエンスの株は買えない?株式分割はいつあるのか



キーエンスの株価は高すぎて買えないよ…
キーエンスは株価が高いことで有名で、個人投資家には手の届きにくい銘柄となっています。
2025年10月現在では、キーエンスの株を購入するには最低でも600万円ほど必要です。



そのくらいの資金が無いと投資できないのかな…
しかし、株式分割が行われるとキーエンスの株を買いやすくなることが期待できます。
実際、直近では2019年11月付で1株を2株に分割しました。
株式分割とは・・・
株式分割とは、既に発行されている株式を1株を2株、3株などに分割することです。
既に株式を保有している投資家は、分割した株式が割り当てられます。
株式分割を行うと株式の最低購入金額が下がるため、その企業の株式を買いたいと思う投資家が株式を買いやすくなり、株価が上昇する可能性が高いです。



株式分割が行われた際には保有株式数は変わる一方で、保有株の価値自体は変わる事はないんだワン!
ただし、2020年以降は同社の株式分割は行われていません。
また、2025年6月の同社株主総会でも株式分割を求める声が上がったのですが、前向きな回答は得られていません。
このことから、直近で株式分割を実施する可能性は少ないでしょう。
ただし2025年4月に東証が、株式投資に必要な最低投資金額を10万円程度に引き下げるよう要請したことから、今後同社が歩み寄りを見せる可能性も少しはあると思われます。



株式分割以外に必要資金が少なくて済む方法はあるのかな?
投資金額が少なくて済む方法にミニ株投資があります。
証券会社の提供するミニ株のサービスを利用すれば、1株単位で買うことができるため必要資金が少なくて済みます。



記事の後半では、ミニ株投資におすすめの証券会社を紹介しているよ!
低い配当利回りだが増配傾向
キーエンスは配当利回りが低く、株主還元としてはあまり充実しているものではありません。
この背景として、高い利益を配当に回すよりも将来のために再投資する同社の姿勢があります。
ここで、直近10年間の1株あたり年間配当金を見てみましょう。
| 中間配当 | 期末配当 | 配当金合計 | 配当性向 | |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 (予想) | 275円 | 275円 | 550円 | ー |
| 2025年3月期 | 175円 | 175円 | 350円 | 21.3% |
| 2024年3月期 | 150円 | 150円 | 300円 | 19.7% |
| 2023年3月期 | 150円 | 150円 | 300円 | 20.0% |
| 2022年3月期 | 100円 | 100円 | 200円 | 16.0% |
| 2021年3月期 | 100円 | 100円 | 200円 | 24.6% |
| 2020年3月期 | 100円 | 100円 | 200円 | 18.4% |
| 2019年3月期 | 100円 | 100円 | 200円 | 10.7% |
| 2018年3月期 | 50円 | 50円 | 100円 | 5.8% |
| 2017年3月期 | ー | 75円 | 75円 | 7.5% |



配当性向の低さが気になるね…
配当性向が30%を超える企業が多い中、同社の直近の配当性向は21.3%となっています。
また、配当利回りも1%を切ることが多く、配当金目的の投資には不向きな銘柄です。
一方で、業績の成長に合わせて増配する傾向にあり、株主への利益還元を軽視している訳ではありません。
実際に、2025年10月には大幅な増配を発表し、年間配当金は前期比の5割増となる1,300億円を見込んでいます。
同社のこれらの特徴的な配当政策には、「短期的な配当金として利益を分配するのではなく、将来の成長のために事業に再投資する方が、長期的に見て株主価値をより大きく向上させることができる」というメッセージが込められていると言えるでしょう。



同社社長は、株主還元策について「配当のさらなる充実や自社株の取得」を挙げているワン!
【ミニ株】キーエンス株が高くて買えない人におすすめの証券会社





キーエンスに投資したいんだけど、単元株は高くて買えないよ…
キーエンスは株価が高く、単元株である100株購入するためには最低でも600万円ほど(2025年10月現在)は必要になります。
キーエンスに投資はしたいけど、そんなに多くの資金はないという方におすすめなのが、1単元=100株よりも細かい単位で株の取引ができるミニ株投資です。
中でもネット証券はパソコンやスマホで簡単に開設でき、おすすめなのが以下の2社。
どちらもミニ株で人気の高いネット証券なので、順に紹介していきます。



取引手数料が無料のネット証券はミニ株投資に適しているワン!
SBI証券


SBI証券はネット証券国内株式個人取引シェアNo.1を誇る人気のネット証券です。
SBI証券が取り扱うミニ株のサービスである「S株」は売買手数料が完全無料となっています。



初心者に優しく、経済的にも買付しやすいね!
また、S株だけでなく投資信託の積立投資や米国株など、様々な投資商品を扱っているのも嬉しいポイントです。
かぶリッジが実施したアンケートでも「おすすめの証券会社」などで1位を獲得しており、実際に投資家からの人気が高いですよ。
\ 国内株式個人取引シェアNo.1! /


SBI証券なら1株から日本株に投資できます。
高配当株・優待株もお任せ!クレカ積立でポイントも貯まる
マネックス証券
マネックス証券が手掛ける「ワン株」では、買付手数料無料で1株から投資ができます。
NISAにも対応していて、簡単に注文することができます。



配当金も受け取れるワン!
マネックス証券が提供する投資SNSと、1株から投資できる投資機能が一つになったスマートフォンアプリ「ferci(フェルシー)」もあるため、SNSでのアイデアを簡単に投資に反映することができます。
また、マネックス証券はミニ株だけでなく米国株投資(買付時の為替手数料無料)やクレカ積立(1.1%還元)でもお得感満載のネット証券なので、メインの口座にも最適です。
【まとめ】キーエンスの株価が高い理由


キーエンスの株価が高い理由は、盤石な財務基盤とそれを支える独自のビジネスモデル、海外事業を含めた将来性への期待など、様々な要因が複合的に作用していると考えられます。
同社は、高い収益性と海外を含めた将来性があり、今後も高い成長が見込まれています。
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
- 盤石な財務基盤や海外事業展開などから期待が高まり株価が高い
- 50%を超える高い利益率を維持しながら売り上げを伸ばし続ける成長企業
- キーエンスの株が高くて買えない人にはミニ株がおすすめ!



キーエンスの株価が高い理由について、よくわかったよ!
投資家にとって、キーエンスは魅力的な投資対象と言えるでしょう。
FA需要の拡大が期待されることから、今後もキーエンスとそれを取り巻く環境を注視することが必要です。
キーエンスに投資してみたいと思った方は、必要資金が少なくても投資できるミニ株での投資を検討してみてくださいね。
その他にも、日本の個別株について分析した記事があるので、ぜひあわせてご覧ください。




















