今回はIPO企業の中から、10月16日に東証プライムに上場予定のテクセンドフォトマスク(429A)をご紹介します。
テクセンドフォトマスクは、フォトマスクの製造・販売を手がける企業です。
想定時価総額は3,088億円で、その他製品(フォトマスク製造業)のIPOとなっています。
※想定仮条件2,670円~3,110円の上限値3,110円より算出。
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この記事の監修者

執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
テクセンドフォトマスクのIPO基本情報
ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 10月16日(木) |
---|---|
かぶリッジ独自の初値予想 | C(1.0倍以上1.3倍未満) 想定価格3,110円(※)から、3,110円~4,042円 ※想定仮条件2,670円~3,110円の上限値3,110円 |
企業Webサイト | https://www.photomask.com/ |
取り扱い証券 | SMBC日興証券、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券 など(いずれも共同主幹事) |

上記4社に加えて、BofA証券も主幹事だよ!
テクセンドフォトマスクのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定仮条件 | 2,670円~3,110円 |
---|---|
仮条件 | 9月30日(火)発表予定 |
ブックビルディング期間 | 9月30日(火)~10月6日(月) |
当選発表日 | 10月8日(水) |
公開価格 | 10月8日(水)発表予定 |
申込期間 | 10月9日(木)~10月14日(火) |
上場日 | 10月16日(木) |
初値 | 10月16日(木)発表予定 |



まずは仮条件がどうなるか注目だよ。


テクセンドフォトマスクのIPO初値予想


想定時価総額3,088億円、吸収金額1,416.7億円という超大型案件であることが最大の懸念材料です。
半導体業界でのフォトマスク事業というトレンド性の高い事業領域に加え、営業利益率24.1%と収益性も良好な点は評価できます。
しかし、オファリングレシオが42.9%、公募比率17.7%と需給面での売り圧力の強さが懸念されます。
9/25時点の日経平均の好調な推移(1ヵ月で+6.59%)は追い風となりますが、案件規模の大きさが投資家心理に重く響く可能性があります。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍以上1.3倍未満=3,110円~4,042円)と判断しました。
※想定仮条件2,670円~3,110円の上限値3,110円より。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
ちなみに
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
テクセンドフォトマスクの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(共主) | % | 株 |
野村證券(共主) | % | 株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共主) | % | 株 |
モルガン・スタンレーMUFG証券(共主) | % | 株 |
BofA証券(共主) | % | 株 |
みずほ証券 | % | 株 |
大和証券 | % | 株 |
SBI証券 | % | 株 |
マネックス証券 | % | 株 |
松井証券 | % | 株 |
岡三証券 | % | 株 |
岩井コスモ証券 | % | 株 |
当選しやすい証券会社ランキング



なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | SMBC日興証券 | 松井証券 | 岡三証券 | |
---|---|---|---|---|---|---|
取扱数 | 76 | 50 | 54 | 52 | 55 | 49 |
主幹事数 | 11 | 0 | 0 | 22 | 0 | 0 |
抽選方法 | 完全平等抽選: 60% IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30% 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10% | 完全平等抽選 | 完全平等抽選 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 取引実績に応じて優遇抽選 |
事前入金 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |



松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!


大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、筆頭株主のTOPPANホールディングスが47.46%を保有しています。
また第8位の二ノ宮 照雄氏は、同社の代表取締役社長です。
株主名 | 比率 |
---|---|
TOPPANホールディングス | 47.46% |
Iceインテグラル2投資事業有限責任組合 | 21.01% |
Infinity Gamma Ice L.P. | 8.50% |
Initiative Delta Ice L.P. | 7.36% |
Insight Beta Ice L.P. | 6.68% |
Innovation Alpha Ice L.P. | 5.65% |
Iceインテグラル1投資事業有限責任組合 | 0.92% |
二ノ宮 照雄 | 0.15% |
Michael G. Hadsell | 0.09% |
糸雅 誠一 | 0.05% |



TOPPANホールディングスからのスピンオフIPOだね!
テクセンドフォトマスクの業績情報




決算期 | 2024年3月 | 2025年3月 |
---|---|---|
売上高 | 107,086 | 117,974 |
成長率 | ー | +10.2% |
営業利益(調整後) | 22,504 | 28,469 |
成長率 | ー | +26.5% |
営業利益率 | 21.0% | 24.1% |
当期利益(調整後) | 17,963 | 24,601 |
成長率 | ー | +37.0% |
EPS | 161.0 | 104.1 |
BPS | 1,377.0 | 1,260.9 |
単位:百万円
テクセンドフォトマスクの業績を見ると、売上高は安定的な成長を維持しており、2025年3月期は前期比10.2%増の1,179億74百万円を達成しています。
利益面では営業利益・当期利益ともに大幅に上昇し、営業利益率も21.0%から24.1%に向上するなど、収益性の強化が顕著に表れています。
これはフォトマスク製造における技術力と生産効率の向上によるものと考えられます。



半導体業界は設備投資の波が大きいから、利益の変動は珍しくないよ!
同社はTOPPANホールディングスからスピンオフした企業として、長年培われたフォトマスク製造技術を活用し、生成AI向け半導体需要の拡大という追い風を受けています。
しかし、中国市場での価格競争激化や半導体市況の変動リスクもあり、今後の業績推移は市場環境に大きく左右される可能性があります。
安定した技術力を背景とした長期的な成長に期待が集まる一方で、短期的な業績変動には注意が必要です。
テクセンドフォトマスクの事業内容
テクセンドフォトマスクは、半導体用フォトマスクの製造・販売を手がけるグローバル企業です。
TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)のフォトマスク事業を会社分割により設立され、2022年4月から事業を開始しています。
主要事業領域
グローバル体制
- 世界8つの製造拠点を展開
- アジア、北米、欧州の顧客サービスネットワーク
- 外販フォトマスクのリーディングカンパニー
技術的優位性
- 業界最先端の技術開発力
- 1961年からの長い事業歴史(前身含む)
- 生成AI向け高精度半導体に対応
半導体用フォトマスクの製造・販売
これはテクセンドフォトマスクの中核事業です。


- 何をしているか: スマートフォンやPCなどの電子機器に欠かせない半導体チップを作る際に使用するフォトマスク(回路パターンが描かれた透明な原版)を製造し、世界の半導体メーカーに販売しています。
- ポイント: フォトマスクは、半導体の製造工程で光を使って回路パターンをウェハーに焼き付けるための「型」であり、その精度がチップの性能を決定づけます。テクセンドフォトマスクは、この分野でグローバルな生産体制と高いマーケットシェアを持っています。
次世代半導体向け高精度フォトマスクの開発
技術の進化に合わせた最先端のマスクを開発しています。
- 何をしているか: 半導体の回路は年々小さく、より複雑になっています。テクセンドフォトマスクは、現在の技術で最も微細な回路を転写できるEUV(極端紫外線)露光技術に対応したフォトマスクなど、次世代の半導体製造に不可欠な超高精度なマスクの研究・開発を積極的に行っています。
- ポイント: この開発力こそが、企業が世界の半導体技術の進化をリードし続けるための生命線となっています。
ナノインプリントモールドの製造
フォトマスクの技術を応用した新しい「型」を製造しています。


- 何をしているか: ナノインプリントという、微細なパターンを金型でスタンプのように型押しして転写する技術に使われる**「モールド」(金型)**を製造しています。
- 応用: 特に、AR(拡張現実)グラスや次世代ディスプレイに必要な超微細な光学部品(光の通り道を制御する部品)の量産に利用されます。
微細加工製品の製造
フォトマスク製造で培ったナノレベルの加工技術を、さまざまな製品に展開しています。
- 何をしているか: フォトマスクやナノインプリントモールド以外にも、微細な構造が必要とされる他の電子部品やデバイス(MEMSデバイスなど)向けに、培った微細加工技術を活かした製品やサービスを提供しています。
- ポイント: これは、半導体以外の成長分野へ事業領域を拡大し、「微細加工のエキスパート」として新たな価値を生み出すための取り組みです。



半導体業界の重要な部品を作っているワン!
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
UNICONホールディングス | 9/26 | C(1倍~1.3倍未満) | 1.31倍 |
オリオンビール | 9/25 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 2.19倍 |
GMOコマース | 9/25 | S(1.7倍以上) | 1.81倍 |
アクセルスペースホールディングス | 8/13 | A(1.5倍~1.7倍未満) | 2.0倍 |
山忠 | 7/29 | C(1倍~1.3倍未満) | 1.0倍 |
フラー | 7/24 | S(1.7倍以上) | 4.44倍 |
フラーやアクセルスペースHD、オリオンビールなど、条件の良い銘柄は高い騰落率となっています。
一方、テクセンドフォトマスクは超大型案件のため、慎重な投資判断が必要と考えられます。
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