米国トランプ大統領の就任後、米中関税問題や地政学的リスクの高まりによって、日本の株式市場も方向感の見えない状況が続いています。
株式市場に見通しがつきにくい時こそ、応援したいと思える”キラリと光る企業”を発掘したいところ。
今回は、割安成長株への投資を得意とし、現在は10億円超の資産を運用するDAIBOUCHOUさんが、個人投資家を代表して株式会社システナ<2317> の三浦社長にインタビューを行いました。
この記事のまとめ
- システナはITに関する多様なサービスをワンストップで提供しているBtoB企業。
- 新たな領域として取り組む次世代モビリティ事業では、前年同期比200%以上の増益を達成。
- フレームワークデザイン事業においても、金融系システムの開発で培った技術を生かし、収益性の高いポートフォリオを実現。
- 創業者が株主に誓った「連結配当性向40%以上」の約束を守り、20年連続減配なし。
- キャッシュは「人への投資」やさらなる事業成長のための投資、自社株買いにも活用。
- DAIBOUCHOUさんの感想:システナさんはROEとROAが高い会社。特に次世代モビリティ事業については、今後の成長性に期待できると感じました。
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※アンケート締切:5月5日(月)

インタビュアー…DAIBOUCHOU
1973年生まれ。2004年から専業投資家。
割安成長株への超分散投資を得意とする。
会社員時代の2000年に200万円の元手から株式投資を始め、ピークで資産10億円を達成。
2024年8月には著書『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』を発売。
X(旧Twitter):@DAIBOUCHO
※本記事は企業情報をご提供するもので、個別企業の株式売買を推奨するものではありません。
対談インタビュー全編はコチラ
「お客様に寄り添う」姿勢と機動的な事業展開が強み

本日はよろしくお願いいたします。
まずは、御社の概要や手がけている事業について教えてください。
企業名 | 株式会社システナ |
---|---|
市場・証券コード | 東証プライム・2317 2002年8月に上場 |
株価 | 368円 |
時価総額 | 156,724百万円 |
PER/PBR | 16.97倍/4.38倍 |
配当(予想)/配当利回り | 12円/3.26% |
当社は1983年の3月に設立して現在43期、2025年4月に44期を迎えるところです。
資本金は約15億円で、売上高は2025年3月期で815億円を想定しています。


業態はBtoBで、各業界におけるトップランナーである日本企業がほとんどになります。
BtoCの業態はほとんどないため、残念ながら生活者や個人株主からの知名度は低いかもしれません。
私たちが手がけている事業は、パソコンやサーバーの販売、ネットワーク構築基盤の構築、企業のコンサルティングアセスメント、仕様の策定、開発評価運用などで、ITにまつわるほとんど全てのサービスをワンストップで提供しております。


約6,000名弱の独立系IT企業でこれだけ幅広くワンストップのサービスを提供しているのは珍しく、上場企業の中でも稀有な存在ではないかと思っております。



三浦社長は2016年4月に就任されましたが、就任後に営業利益が3倍、時価総額は約2.7倍となっています。
その実績に対する自己評価や、当時から社長として意識していることなどを教えてください。


私たちには、幅広い業務知識と技術力によって、上場以来お客様からの信頼と信用を勝ち取ってきた自負があります。
加えて、「常にお客様に寄り添ってシステムインテグレートしていこう」というベンチャースピリッツも大切にしています。
IT業界はとてもスピードが速く、技術の革新も次々と起こっています。
その中で、私たちはこの先どのようなFutureTechが時代をリードしていくのかを重視しており、常に未来を見据えながら、高い機動力を持って事業をスクラップアンドビルドし、成長させていくことが私たちの特徴です。
この経営スタイルこそが、最終的な数字につながっているのではないかと考えています。



直近2025年第3四半期決算では、営業利益においては修正後の通期予想に対して進捗が75%まで達しています。
前年の達成度は66%でしたのでかなり改善されたと思うのですが、今回の決算の手応えを教えていただけますか。


私たちは今期1年間、次なる成長ステージへ向けて経営資源の再配置に取り組んできました。
特に開発系のセグメントについては、各プロジェクトの受注まで全てを制御し、今後3~5年を見据えた上で、「さらに伸びる技術・マーケットは何なのか」ということを念頭に置いて経営資源の再配置を行っています。
2025年第3四半期決算の内容を見てみると、その手応えは十分だと感じますし、この勢いを来期にもつなげていきたいと考えています。
【200%増益】2つの高収益事業の背景を深堀り



御社には現在6つのセグメントがありますが、特筆すべきは次世代モビリティ事業だと思います。
昨年より新設されたセグメントですが、第3四半期時点では、売上高35億円、営業利益12億円で前年同期比200%以上の増益と成長が著しく、利益率も35%と高い収益性を実現 しています。
なぜこの事業の業績が成長しているのでしょうか。また、この高い成長率は今後も続きそうでしょうか。


現在自動車業界は、100年に一度といわれる変革期に入っています。
従来の車が持つ「走る・曲がる・止まる」といった原則的な機能に加えて、最近では「コネクティッド化」「自動化」「シェアリング」「電動化(EV)」という4つの新しい領域が加わっています。
これら4つの頭文字を取って「CASE(ケース)」と呼びますが、このCASEが100年に一度の変革期を代表する領域になり得ます。
つまり次世代モビリティ事業は、伸びしろがあるマーケットだといえます。
そして注目いただきたいのは、このCASEのほとんどにソフトウェアの提供が必要だということです。
まさに私たちがサービスを提供している根幹でもあります。
私たちが提供しているCASE領域のソフトウェアは、すでに皆さんの身近なところにも活用されています。
例えば、カメラ機能やAI技術を使って安全運転を支援する「ADAS(先進運転支援システム) 」などがその例です。
また、最近のニュースを見ると、アメリカのカリフォルニア州では自動運転とシェアリングを組み合わせた自動運転タクシーサービスが一般公開され、すでに街中を走っています。
私たちが現在手がけているプロジェクトは、2030年ごろまでを見据えた中期的な視点で進めており、その中でポートフォリオを組んでいる最中です。
CASEの4つの領域は今後さらに成長していくと考えており、私たちの立ち位置や提供するサービスもますます広がっていくと予測しています。



自動車業界には多くの競合他社がひしめいています。
その中で、なぜ御社は大手自動車メーカーやその1次仕入れ先(Tier1)と直接取引ができ、35%という高い利益率を実現しているのでしょうか。
自動車業界は巨大かつ歴史のある業界であり、私たちが完成車メーカーと直接取引するのは夢のような話でした。
しかし、私たちが移動体通信で培ったコアテクノロジーを応用・発展させたことで、完成車メーカーやその1次仕入れ先(Tier1)との直接取引が叶い、次世代モビリティ事業のスタートラインに立てたと考えています。


また、自動車業界が100年に一度の変革期を迎えているという重要なタイミングを逃さず、経営資源の多くを次世代モビリティ事業にシフトしたことも要因のひとつだと思います。
現在はどの業界でも人手不足に苦しんでいますが、自動車運転の世界でもやはり技術者が足りていません。
しかし、私たちのように4つの領域を全て網羅し、お客様にワンストップで提供できるプレーヤーとなると限られています。
加えてお客様のリクエストにしっかりと応えながら、全体を見据えてコーディネート、マネジメントする力を持っていることも、高い利益率を実現している要因のひとつだと思います。



御社のもうひとつの高収益事業として、フレームワークデザイン事業が挙げられます。
この事業も、利益率が22%と次世代モビリティ事業に次いで高くなっていますが、他のシステム開発事業に比べて利益率が高い理由を教えてください。


フレームワークデザイン事業では、法人や公共団体などに対して、業務アプリケーション開発や基幹システム開発、クラウド・DXソリューションの導入支援、各種先進技術に対するテクニカルコンサルティングなどを提供しています 。
その中でも金融系の大型システム開発を得意としており、メガバンクや大手生命保険会社・損害保険会社を中心に受注しております。
金融のシステムでは正確性やセキュリティ機能も担保しながら開発を進める必要があります。
そういった堅牢な金融システムを作ってきた実績をもとに、5~6年ほど前から新しい領域を作る動きもしています。


そのひとつがデジタル庁を中心とした政府系の案件で、マイナンバーや健康保険のネットワーク交換案件などを中心に受注を伸ばしています。
またこの事業では、エンドユーザー向けのサービスも開発しています。
得意分野として挙げられるのは、スマホを使った電子決済システムといったEコマース分野のテクノロジーなどです。
こうした取り組みの結果、2019年度には金融分野の案件が65%を占めていたところ、現在は金融分野が26%、公共分野が29%、小売などの法人分野が26% と、バランスのよいポートフォリオ構築に成功しています。





フレームワークデザイン事業において、今後どの程度まで成長を見込まれていますか?
現状と将来の成長戦略について、市場動向を踏まえてお聞かせください。
地方自治体では、クラウドやセキュリティ、その他ツールがうまく連携されていないことが多いと感じます。
これらを統合し、セキュアな環境を担保しながら仕様を決め、最終的には中央省庁とも連携を取ろうとしています。
中央省庁に関わることができればマーケットがさらに拡大しますので、今後3~5年にかけて受注する案件はより大きくなると考えてよいと思います。
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上場来減配無しの「信念」と人材に対する思い



さらに、三浦社長の株主還元や人的資本の考え方にも迫っていきたいと思います。
まず、御社は上場以来20年間減配していません。
不景気で減益となった期もありましたが、それでも減配しなかった理由を教えていただけますか。
減配を行わない理由は非常に明確で、弊社の創業者であり代表取締役会長の逸見(愛親氏) が、上場当時に「配当性向40%」という水準を大切な株主との約束として守っていこうと宣言したからです。
私たちは現在もその約束を守っています。


当社の事業や収益には当然ながら波がありますが、先述した高利益率の2事業やWindows 10のリプレイスを支えるビジネスソリューション事業、DX&ストック型ビジネス事業など、各セグメントが補完し合いながら、現在まで歩むことができました。



御社は配当性向が高いものの、設備投資もさほど必要なく、キャッシュ が増え続ける事業内容だと思われます。
同業他社の買収などを行う会社も多いですが、御社におけるキャッシュの活用方法について教えてください。
キャッシュの使い道については機関投資家の皆さんにもよく聞かれるのですが、当社は「人への投資」を重視しています。
例えば、今後再びパンデミックが起きた際にも従業員が安心できるよう、日頃から備えておくために資金を使っています。
また、オフィスやセキュリティの担保など、はたらく環境の整備も意識している部分です。


事業自体の成長はもちろんのことながら、M&Aも視野に入れて検討していきたいと考えています。
これから私たちが次のステージへ進んでいくにあたって、さらに必要となるテクノロジーは多くありますし、新たな事業についても議論を重ねています。
さらに先日は、個人株主の皆さんを下支えするために、ボードメンバーで話し合い、自社株買いも実施しました。
今後も予算を組みながら、適宜キャッシュを活用していく予定です。



御社の企業価値を考えたとき、やはり「人材」に大きな価値があるかと思います。
一方、ITエンジニアは比較的転職に寛容で、競合他社へ転職するエンジニアも少なくありません。従業員の定着率や満足度を高めるため、今後どのような取り組みを考えていますか?
日本の中途人材マーケットは非常に加熱しています。
特に、私たちは人手不足が最も深刻なIT業界に身を置いていますので、賃金のベースアップや、成果報酬型の評価制度の採用などに取り組む必要があると考えています。
また、今後は単一ソフトウェアの開発だけでなく、業界の枠を超えた横断的な取り組みや技術交流、業界交流がさらに活発になっていくのではないかと予想しています。
よって、従業員に新たなフィールドで活躍できる場を提供し、新しいスキルを得る機会を生み出すなど、競合他社との差別化を図りながら経営していく必要があると考えています。



御社は2024年12月に、元執行役員および元従業員らとの損害賠償請求訴訟について和解が成立したことを発表するリリース を出されています。
今後どのようなガバナンス体制を講じる予定か、具体的に教えてください。
本件は、弊社の元執行役員と従業員が当社を退職した後に、当社と競合する事業を立ち上げたという経緯があり、訴訟に至りました。


当社を原告、対象者を被告として損害賠償請求訴訟を行っています。
そして結果的には和解金が支払われたため、和解が成立した旨をプレスリリースいたしました。
当社のガバナンスや利益の保持に対しては、今後もしっかりと取り組んでいきます。
また、こうした事例には断固とした姿勢で必要な措置を講じていこうと考えています。
DAIBOUCHOUの感想~インタビューを終えて~


システナが手がけるシステムは、企業が事業を行う上で欠かせないものばかりです。
投資家の皆さんも、実はシステナが開発されたシステムやサービスを意識せずに使っているかもしれません。
また、同社はROEとROAが高い会社ですが、今回インタビューを通じてなぜこの高収益が実現できたのか、その背景をセグメントごとに伺うことができました。
特に次世代モビリティ事業については、今後の成長性と確実性を改めて認識できたと感じています。
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