
・古河電工の株価はなぜ上昇したんだろう?
・今後の将来性はどうなんだろう?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 業績が好調で、上方修正&増配の発表によって投資家の注目を集めている
- データセンターや再生可能エネルギー向け需要増が業績改善を後押し
- 2024年から2025年年初に株価上昇、まだ割安な水準で成長ポテンシャルあり
古河電気工業:5801(以下、古河電工)は、電線御三家の一角を担う老舗企業で、電線メーカーとして広く知られています。
同社の株価は2024年から2025年年初にかけて3倍以上に急騰しており、注目している方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、古河電工の株価が上昇した理由や今後の将来性について分かりやすく解説します。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
本記事の注意事項
正しい情報をお伝えするために最善を尽くしておりますが、掲載内容には古い情報、誤った情報が含まれることがございます。
また、本記事でご紹介する企業や投資商品はすべて情報提供目的であり、投資を推奨・勧誘する目的はございません。
情報の取捨選択や投資判断は各ユーザー様のご判断・責任にてお願いいたします。
※掲載内容へのご指摘につきましては、お問い合わせフォームより受け付けております。
古河電工の株価はなぜ上昇?3つの理由を解説


💡このパートの要約
古河電工の株価が上昇した理由は…
- 業績が好調で、上方修正&増配の発表によって投資家の注目を集めた
- データセンター需要の拡大が業績向上の追い風に!
- 2024年から2025年年初に株価は上昇しているが、まだまだ割安な株価水準
まず、古河電工の株価推移を見てみましょう。
ここ1年間のチャートですが、株価は大きく上昇していることが分かります。



どうしてこんなに上昇したんだろう?
大きく以下の3つに分けて、考察していきましょう。
業績好調と上方修正&増配
古河電工の株価が上昇した理由として、業績が好調で上方修正や増配を続けて発表したことが挙げられます。
2025年3月期の業績予想では、営業利益が前期の3.8倍、純利益が4.6倍と業績が急激に向上する予想です。
売上高 | 営業利益 | 純利益 | |
---|---|---|---|
2025年3月期(予想) | 11,900 | 420 | 300 |
2024年3月期 | 10,565 | 111 | 65 |
2023年3月期 | 10,663 | 154 | 158 |
2022年3月期 | 9,304 | 114 | 100 |
2021年3月期 | 8,116 | 84 | 100 |
単位:億円
これを受け、投資家の注目を集めたことが株価の上昇につながっています。



売上高の前期比で+12.6%と利益ほど伸びていないから、利益率が大幅に改善したことが分かるね!
特に、「電装エレクトロニクス」と「機能製品」のセグメントで営業利益率が大きく伸び、業績を押し上げました。
セグメント | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期 |
---|---|---|---|
インフラ | 1.7% | 2.7% | -4.0% |
電装エレクトロニクス | 0.0% | 0.8% | 2.9% |
機能製品 | 5.8% | 3.3% | 4.8% |
サービス・開発等 | -4.0% | -6.6% | -6.0% |
中でも、電装エレクトロニクス事業はここ2年間で営業利益率を0%から2.9%まで向上させることに成功しています。
一方で、「インフラ事業」は赤字に転落していることも分かります。



どうして不調なのだろう?
光ファイバ・光関連部品等について顧客の投資抑制や在庫調整の長期化等による需要低迷が大きな原因として挙げられます。
しかし、あくまで一時的な要因であり、今期はセグメントの業績で黒字化になることを予想しています。



次の節で、機能製品や電装エレクトロニクス事業が好調の理由を見ていこう!
データセンター需要の拡大が追い風に
まず、機能製品について見ていきます。
機能製品には、ケーブル管やポリエチレン管、半導体用テープなどが含まれますが、近年では生成AIの需要急拡大に伴い、データセンター関連製品の販売が増加していると考えられます。
特に、放熱・冷却製品の需要が伸びており、データセンター向けの高付加価値製品の増産・拡販を進めています。





データセンターでは、大量のCPU やGPUによる熱が発生するため、冷却装置が必須だよね!
さらに、冷却製品に加えて、以下のようなデータセンター関連部材も好調です。
- HDDの基盤材料として使用されるアルミブランク材
- サーバー・ルーターなどの情報通信機器向けのプリント配線板用銅箔





一方で、フジクラはデータセンターで使われる光ファイバーケーブルの需要拡大の影響を受けていたよね!
古河電工もさらに拡大するデータセンター需要に対応するため、ローラルリボンケーブルなどの光ファイバーケーブルの増産体制を整備。
製造能力を2023年度比で2倍に引き上げることを目指しています。
このように、古河電工はデータセンター関連製品の売上増加によって業績が向上しており、今後もデータセンター需要拡大の恩恵を受ける可能性が高いでしょう。



電装エレクトロニクス事業はどうなんだろう?
電装エレクトロニクス事業の業績が伸びた理由として、以下2つの取り組みが挙げられます。
- 軽量でカーボンニュートラル推進に貢献するアルミワイヤハーネスの拡販
- 自動車生産計画の急な変更にも柔軟に対応できる体制を整備し、生産性を向上
今期も堅調な推移が見込まれます。
まだまだ割安な株価水準
古河電工は、長らくPBR1倍を割る割安株として放置されてきました。
日付 | PBR |
---|---|
2025年3月31日 | 1.06倍 |
2024年3月29日 | 0.70倍 |
2023年3月31日 | 0.57倍 |
2022年3月31日 | 0.55倍 |
2021年3月31日 | 0.81倍 |
2020年3月31日 | 0.58倍 |
2019年3月29日 | 0.79倍 |



一般的に、割安な銘柄へ投資するバリュー投資は株式投資の基本とされているよね!
しかし、AIブームの影響もあり業績が改善したことで、2024年頃から株価が上昇し、PBRも改善されてきました。
しかし、25年3月以降の株価下落によって、PER・PBRは大きく下落。
2025年4月4日時点のPERは約10.2倍・PBRは約0.93倍と依然として割安な水準にあります。
今後さらなる業績改善が予想され、AI需要の追い風を受ける可能性が高いことを考えると、引き続き注目すべき銘柄と言えるのではないでしょうか?
無料メルマガ登録で豪華特典プレゼント


「石破総理で日本株はどうなる?」
「割安高配当株・割安成長株の探し方は?」
といったテーマのセミナー資料をご覧いただけます。
※登録後、メール画面から登録解除も可能です。
古河電工の事業内容・業績


💡このパートの要約
- 自動車部品のセグメント別売上比率が高く、電装エレクトロニクス事業が主軸
- 2025年3月期の業績予想は、営業利益が前年の3.8倍、純利益が4.6倍と大幅な成長が見込まれる
ここでは、古河電工の事業内容や業績について詳しく見ていきます。
事業内容
古河電工は、電線や光ファイバー、自動車部品、電子機器材料などを製造・販売する大手非鉄金属メーカーです。
以下の6つの部門で構成されています。


情報通信ソリューション事業


光ファイバ・ケーブルや光デバイスなどの情報通信インフラに関連する製品の製造・販売および情報通信ネットワークの設計・施工・サービス等を行っています。
また、5Gへの移行が世界的に進む中で、それらの社会的ニーズに対応する製品・サービスの開発を進めています。



セグメント別売上比率は15.6%だよ。
エネルギーインフラ事業


電線ケーブルやそれに付随する部品の製造・販売および敷設を行っています。
5G社会や生成AIの発展する社会において、高品質な電力の安定供給は重要です。
また、政府の「再生可能エネルギーを主要電源に」という方針により、電線の整備・増強が求められています。
こうした時代の変化に対応するための基盤を確立しています。
セグメント別売上比率は10.2%です。



情報通信ソリューション事業とエネルギーインフラ事業が、「インフラ」のセグメントに分類されるよ!
自動車部品・電池事業


自動車部品事業や自動車・産業用電池事業から成ります。
代表的な製品としては以下の通り。
- ワイヤハーネス
- ステアリング・ロール・コネクタ
- 鉛バッテリ状態検知センサ
- 自動車・産業用電池
セグメント別売上比率は35.2%です。



古河電工の主要セグメントだワン!
電装エレクトロニクス材料事業


同社HPより
電線、自動車部品や電子機器材料用銅製品の製造・販売を行っています。
自動車市場は、「電動化」や「自動運転化」などによる情報の共有化機械が増加することから、これらの素材の重要性が高まるとされています。
セグメント別売上比率は25.4%です。



「電装エレクトロニクス」のセグメントには、自動車部品事業と電装エレクトロニクス部品事業が分類されるよ!
機能製品事業


樹脂および非鉄金属を加工した各種機能製品の製造・販売を行っています。
樹脂や非鉄金属として含まれる素材は以下の通り。
- AT・機能樹脂
- サーマル・電子部品
- メモリーディスク
- 銅箔
データセンター需要の拡大による恩恵を受けるのはこのセグメントであり、直近の業績も好調です。
セグメント別売上比率は10.7%です。



展開している事業が多いね!
業績
古河電工の業績推移は以下の通りです。




2024年3月期は、売上高1兆565億円(前期比-0.9%)、営業利益111億円(前期比-27.7%)となりました。
主な要因は、情報通信ソリューション事業において顧客の投資抑制などによる需要低迷により、光ファイバが減収となったことです。
一方、電装エレクトロニクス事業においては、ワイヤハーネス等の自動車部品が増収となり、利益率が大幅に改善しました。



2025年3月期予想はどうなっているのかな?
2025年3月期の会社予想は、売上高1兆1,900億円(前期比+12.6%)、営業利益420億円(前期比3.8倍)と大幅に業績回復する予想です。
半導体や光ケーブル市場の緩やかな好転によって、不調だったインフラ事業での回復が見込まれます。



25/3期の期中に2回も上方修正をしたワン!
無料メルマガ登録で豪華特典プレゼント


「石破総理で日本株はどうなる?」
「割安高配当株・割安成長株の探し方は?」
といったテーマのセミナー資料をご覧いただけます。
※登録後、メール画面から登録解除も可能です。
同業他社と比較!古河電工の強みと弱みは?


💡このパートの要約
古河電工は同業他社と比較して…
- 比較的割安な株価水準である
- 利益率が低く、自己資本比率やROEなどの経営効率指標も低い
古河電工の強みや弱みは何でしょうか?
電線御三家である「フジクラ(5803)」、「住友電工(5802)」と比較した特徴を見ていきましょう。
まずは、以下に各社の主要財務データと参考指標を表にまとめています。
古河電工 | フジクラ | 住友電工 | |
---|---|---|---|
売上高(億円) | 10,565 | 7,997 | 44,028 |
営業利益(億円) | 111 | 694 | 2,266 |
当期純利益(億円) | 65 | 510 | 1,497 |
営業利益率 | 1.1% | 8.7% | 5.1% |
純利益率 | 0.6% | 6.4% | 3.4% |
自己資本比率 | 33.3% | 49.3% | 49.8% |
ROE(自己資本利益率) | 2.1% | 16.7% | 7.3% |
古河電工の強みと弱みは、大きく2つが挙げられます。
PBRが0.93倍であり比較的割安
古河電工の強みとして、まだまだ割安な水準であることが挙げられます。
古河電工 | フジクラ | 住友電工 | |
---|---|---|---|
PER | 10.2倍 | 16.0倍 | 10.2倍 |
PBR | 0.93倍 | 3.03倍 | 0.7倍 |
株価は2024年頃から上昇しましたが、25年3月以降の急落により再びPBR1倍割れの状況となり、割安な水準が続いています。
この点は、フジクラと比較した際の強みと言えるでしょう。



一時はPBR約1.7倍まで上昇したけど、再び割安圏に入ったね。
一方で、企業ごとにセグメント比率が異なるため、業績の成長率には若干の差が生じ、株価の上昇率にも影響している点には注意が必要です。
営業利益率が1.1%、ROEが2.1%と低い
古河電工の弱みとして、利益率の低さが挙げられます。
古河電工 | フジクラ | 住友電工 | |
---|---|---|---|
営業利益率 | 1.1% | 8.7% | 5.1% |
純利益率 | 0.6% | 6.4% | 3.4% |
ROE(自己資本利益率) | 2.1% | 16.7% | 7.3% |



なぜ利益率がこんなにも低いんだろう?
様々な要因がありますが、電線・ケーブル業界は競争が激しく、古河電工は価格競争の影響で利益率が低下している可能性があります。



この業界は世界中の様々な企業が参入している高競争市場だよね!
例えば、フジクラはSWR構造の光ファイバーを開発するなど、他社に対して差別化を行って優位性を持っています。
データセンター需要は増加傾向にありますが、古河電工も競争力のある製品開発や価格戦略によって生産性が向上することに期待です。
自己資本比率が33.3%と低い
古河電工の弱みの2つ目は、自己資本比率が低いことです。
古河電工 | フジクラ | 住友電工 | |
---|---|---|---|
自己資本比率 | 33.3% | 49.3% | 49.8% |
ROE(自己資本利益率) | 2.1% | 16.7% | 7.3% |
同業他社と比べると、自己資本比率やROEが低く、経営効率の面で見劣りする部分があります。
しかし、自己資本比率は年々向上しており、改善の兆しも見られます。


中期経営計画では、資本効率を重視し、既存事業の収益最大化を目標に掲げています。
その一環として、高付加価値製品の売上拡大や、アルミハーネスの優位性維持などに取り組んでいます。
同業他社として比較したフジクラについては、以下の記事で詳しく分析していますので併せてご覧ください。
古河電工の株価や配当は今後どうなる?将来性や見通しを解説


💡このパートの要約
- 前期は業績悪化も、今期はデータセンターや再生可能エネルギー向け需要増で改善見込み
- 業績向上を受け、今期増配を予定し、純利益の30%を配当する方針
- 5G、EV、再生可能エネルギーで成長を加速し、業績向上を目指す
古河電工の株価は今後どうなっていくでしょうか?
将来性や今後の見通しについて分析していきます。
前期は一時的に業績を落とすも、今期は全体的に需要回復基調
古河電工は前期、世界的な半導体不足や自動車生産の停滞といった逆風の中で一時的に業績が悪化しました。
一方、今期は業績を持ち直して、大きく改善される予想です。
今後はデータセンターへの投資が本格化し、同社の強みである光ファイバーケーブルや関連機器の需要は、生成AIの成長とともにさらに増加すると予想されます。
また、エネルギー分野では再生可能エネルギーへの移行に伴い、電力インフラの需要が増加しています。


特に、洋上風力発電向けの海底ケーブルなど、高付加価値製品の引き合いが強まっており、これが今期の業績向上に寄与すると期待されています。
今期は業績向上に伴って、増配する予定
株主にとって朗報となるのが、古河電工の配当方針です。
同社は今期の業績向上見通しを受けて、増配を予定していることを発表しています。


今後も安定的かつ継続的に株主還元していくことを基本方針とし、当期純利益の30%を目途として、業績に連動した配当を実施していく方針です。
未来を照らす3大成長エンジン ― 5G・EV・再生可能エネルギー
古河電工は、伝統的な事業に加え、5G、電気自動車(EV)、再生可能エネルギーといった成長分野での拡大を加速させています。
これらの分野は今後の企業成長を支える重要なエンジンとなり、特に中長期的には業績向上や株主還元に寄与することが期待されています。
それぞれ順に見ていきましょう。
5Gインフラの普及
5Gの普及に伴い、高速かつ大容量の通信トラフィックを支えるネットワーク基盤の構築が急務となっています。
このような中、古河電工は5G通信インフラに必要不可欠な製品を提供しており、これらのインフラ需要が同社の今後の成長の原動力となるでしょう。
また、データセンターなどで使用される大容量データ通信技術を支えるさまざまな製品を取り扱っていることも、同社の大きな強みです。



今後もこれら通信事業は古河電工の柱となりそうだね!
EVシフトと部品需要の増加
電気自動車(EV)のシフトが加速する中、バッテリー関連部品や車載電装品の需要が急増しています。
特に、EV一台あたりの電装部品の使用量は従来車に比べて格段に増加しており、これは古河電工にとって大きな追い風となっています。
アルミ電線やワイヤーハーネスなど、自動車の「神経系統」とも言える重要部品を手がけており、同社の事業拡大が見込まれます。



EVがさらに普及する中で、古河電工の製品がどれだけ存在感を示せるか注目だね!
再生可能エネルギー関連インフラ
カーボンニュートラルを実現するための世界的な動きの中で、省エネルギー製品や再生可能エネルギー関連インフラの需要が高まっています。
古河電工は、CO₂削減だけでなく、排出されたCO₂を新たなエネルギーに変換する研究開発にも注力しています。



エネルギー分野における高度な技術力を活用することが期待されているよ!



これらの分野は、社会的ニーズが高く、長期にわたって市場拡大が見込まれる分野だワン!
古河電工は、これまで培ってきた材料技術や製造技術を基盤に、これらの成長市場での地位を着実に強化しています。
その中でも、5G関連インフラ、EV関連部品、サステナビリティ分野は、今後の収益成長をけん引する重要な柱となるでしょう。
【まとめ】古河電工の株価はなぜ高い?





古河電工の株価が上昇する理由について、よくわかったよ!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
- 業績が好調で、上方修正&増配の発表によって投資家の注目を集めている
- データセンターや再生可能エネルギー向け需要増が業績改善を後押し
- 2024年から株価上昇、まだ割安な水準で成長ポテンシャルあり
古河電工の業績は今後も成長が期待できそうです。
今後市場が拡大していく5GやEV、再生エネルギー関連の製品にも注力していることも評価できるでしょう。
引き続き注目していきたい銘柄の1つと言えそうです。