かぶリッジのピックアップニュースでは、IRニュースや決算発表を元に、市場で注目を集めそうな企業を主観でご紹介します。
ニュース内容
富士製薬工業(4554)は、2025年11月11日に「2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。
同社は、女性医療領域を中心に、バイオシミラー・医薬品製造受託(CMO)事業を展開する製薬企業です。
今回の決算では、売上高・営業利益ともに大幅な増収増益を達成し、6期連続の増収・9期ぶりの過去最高益となりました。
今回発表された2025年9月期の連結業績は以下の通りです。
| 2024年9月期 | 2025年9月期 | 前期比 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 46,138 | 51,677 | +12.0% |
| 営業利益 | 3,880 | 4,990 | +28.6% |
| 経常利益 | 4,445 | 4,459 | +0.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,146 | 3,000 | -51.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 252.85円 | 122.94円 | – |
※単位は百万円
売上高は前期比+12.0%の516億77百万円と二桁成長を達成し、営業利益も28.6%増と大幅増益になりました。
領域ごとの増収となった要因は以下の通りです。
女性医療領域:売上高 223億72百万円(前期比+7.7%)
- 更年期障害治療薬「エフメノ®カプセル」が43億11百万円(同35.5%増)と大きく伸長
- 新薬の月経困難症治療薬「アリッサ®配合錠」(2024年12月に販売を開始)が5億12百万円の売上を計上
バイオシミラー領域:売上高 19億73百万円(同+7.4%)
- 乾癬治療薬「ウステキヌマブBS皮下注45mg「F」(2024年5月に販売)が2億98百万円と順調に推移
- 2025年9月にバイオシミラー3製品の製造販売承認を取得するなど、さらなる事業拡大に向けた取り組みを進めている。
グローバルCMO(医薬品製造受託)事業:売上高 83億42百万円(同+4.9%)
- 計画通り進捗
その他の領域:売上高 189億89百万円(同+25.0%)
- 2024年7月以降「田辺三菱製薬」から承継した3製品と、前期に販売を開始したジェネリック3製品が伸長
当期純利益は30億円(同-51.2%)となりましたが、これは前期に計上された投資有価証券売却益31億18百万円による一過性利益がなくなったためです。
本業の利益を示す営業利益では、前期の38億80百万円から49億90万円へと28.6%増加しており、本業の収益力は着実に向上しています。
また配当については、中間配当20円、期末配当25.50円の年間45.50円(前期42.50円)を予定しており、3円の増配となります。
| 中間 | 期末 | 合計 | 配当利回り | |
|---|---|---|---|---|
| 2022年9月 | 15.0円 | 20.0円 | 35.0円 | 3.38% |
| 2023年9月 | 17.0円 | 20.0円 | 37.0円 | 3.17% |
| 2024年9月 | 20.0円 | 22.5円 | 42.5円 | 3.34% |
| 2025年9月 | 20.0円 | 25.5円 | 45.5円 | 2.94% |
| 2026年9月(予想) | 21.0円 | 26.0円 | 47.0円 | 2.86%(※) |
2026年9月期の業績予想は以下の通りで、引き続き増収増益を見込んでいます。
- 売上高:574億90百万円(前期比+11.2%)
- 営業利益:55億20百万円(同+10.6%)
- 経常利益:52億40百万円(同+17.5%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:38億10百万円(同+27.0%)
詳細は同社IRニュースをご確認ください。
企業情報・株価
| 企業名 | 富士製薬工業株式会社 |
|---|---|
| 市場・証券コード | 東証プライム・4554 |
| 時価総額 | 約408億円 |
| PER・PBR | 10.53倍・0.86倍 |
| 11月11日終値 | 1,560円 |
| 1カ月前の株価(10月10日) | 1,581円 |
ひとこと
富士製薬工業の2025年9月期決算を見ると、売上高12.0%増、営業利益28.6%増と大幅な増収増益を達成しており、非常に好調な業績ですね📈
特に注目すべきは女性医療領域での強さですが、いずれの事業も堅調に推移していて力強さがありますね!
当期純利益は前期の一過性利益の反動で減益となっていますが、本業の収益力は確実に向上しているでしょう。
また株主還元にも積極的で、今期はさらに47.0円への増配を予定しています✨
次期も増収増益が見込まれており、女性医療とバイオシミラーという成長領域に特化した同社の戦略が今後どのように実を結んでいくのか、引き続き注目していきたいですね👀






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