
・DeNAの株価が下落している理由は何?
・将来性はどうなの?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- ポケポケ相場の反動により決算後に株価は下落
- 一発ヒット型のゲーム事業という不確実性
- 事業の多角化は進むも、依然としてゲーム依存のポートフォリオ
DeNAは、モバイルゲームやライブ配信、スポーツ事業など幅広い分野でサービスを展開するIT企業です。
中でも最近は、スマートフォンゲーム「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」のヒットで大きな注目を集めました。
しかし、ポケポケの影響で大きく上昇した株価も、ここ最近は勢いが落ち着きを見せています。
そこで今回は、DeNAの株価が下落した理由や今後の見通しについて解説していきます。

執筆:かぶリッジ編集部
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DeNAの株価が下落した理由は?3つの観点から解説

💡このパートの要約
DeNAの株価が下落した理由は主に以下の3つ!
- ポケポケ相場の反動により決算後に株価は下落
- 一発ヒット型のゲーム事業という不確実性
- 事業の多角化は進むも、依然としてゲーム依存のポートフォリオ
まずは、DeNAの株価推移を見ていきましょう。
2025年5月以降、下落が続いていることが分かります。

何が原因だったのかな?
ここからは、DeNAの株価が下落した理由を3つご紹介します。
ポケポケ相場の反動
DeNAの株価は2024年秋ごろにスマートフォンゲーム「ポケポケ」のリリース発表を受けて急上昇し、わずか半年で3倍以上に達しました。
2025年3月期決算では、売上高が前年同期比+20%と大きく伸び、赤字から黒字へと転換するなど、業績は好調でした。
しかし、市場の反応は逆で、材料出尽くしと受け止められ、株価は下落。

好業績はすでに株価に織り込まれていて、すこし過熱感があったんだね。
さらに、経営陣が「初動が良すぎた分、今後は落ち着く可能性がある」と述べたことや、2026年3月期の業績予想を非開示としたことで、成長鈍化や先行き不透明感への懸念が強まり、株価下落につながりました。
このように、好調な業績にもかかわらず、過熱感と先行き不安が交錯した結果として株価は急落しました。
問われるヒットの持続性
ポケポケの大ヒットは、DeNAのゲーム事業にとって大きな成果でした。

リリース直後から世界的に好調な滑り出しを見せ、黒字転換にも寄与したね!
しかし、市場が評価するのは「瞬間的なヒット」ではなく「その持続性」です。
ゲーム業界は流行の波に大きく左右される構造です。
過去には「パズドラ」で一世を風靡したガンホー(3765)や「モンスト」で急成長したMIXI(2121)など、いずれも爆発的なブームの後には業績が伸び悩む局面を経験してきました。

ヒット作を出しても、その後が続かないことも多いのがゲーム業界の難しさだよね。
実際、2026年3月期第1四半期決算において公表された通期の業績予想は、売上収益・営業利益ともに前期比マイナスとなっています。
こうした背景から、市場は「ポケポケの勢いをどこまで維持できるか」「次のヒット作を生み出せるか」という点に注目しています。
一発ヒット型のゲーム事業という不確実性が、今回の株価下落の裏にある投資家心理を映し出しているといえるでしょう。
ゲーム頼みから脱却できない他事業の成長鈍化
DeNAはここ数年、主力のゲーム事業への依存からの脱却を目指し、「Pococha(ポコチャ)」を中心とするライブストリーミング事業や「横浜DeNAベイスターズ」を軸としたスポーツ事業など、多角的なポートフォリオ構築を進めてきました。
しかし、足元の業績を見る限り、その取り組みは道半ばといえます。
ライブストリーミング事業の売上高は前年比4.7%減の405億円と減収に転じ、セグメント損失も2億円の赤字に転落しました。

主力タイトルである「Pococha(ポコチャ)」の売上収益が減少傾向にあるね…
ヘルスケア・メディカル事業も売上高107億円(前年比8.1%増)と伸びているものの、36億円超のセグメント損失を計上しており、黒字化の道のりは依然として遠い状況です。
一方で、スポーツ事業は横浜DeNAベイスターズの優勝(日本一)効果もあって、売上高313億円(前年比14.8%増)、セグメント利益28億円(前年比33.5%増)と堅調に推移しました。
こうした状況を踏まえると、市場が抱く「DeNA=ゲーム頼み」という構図は依然として解消されていません。
ポケポケの成功が一時的なブームで終われば、他事業の成長がまだ十分でない現状では、業績を下支えするのは難しいという構造的リスクを投資家は意識していると考えられます。
DeNAの基本情報

💡このパートの要約
- ゲーム・ライブ配信・ヘルスケア・スポーツの4事業を展開しており、中でもゲームが主力収益源
- 2025年3月期は、「ポケポケ」の好調で黒字転換
- 2026年3月期は、減収減益の予想
ここでは、DeNAの基本情報について以下の3項目を詳しく見ていきます。
事業内容
DeNAは、主に以下4つの事業を展開しています。
ゲーム事業

DeNAの主力事業であり、売上の約半分を占める重要な収益源です。
主要タイトルは以下の通りです。
- Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)
- ファイナルファンタジー レコードキーパー
- ポケモンマスターズ EX
- 逆転オセロニア

ポケポケ人気はすごかったね!
ライブコミュニティ事業

「Pococha(ポコチャ)」に代表されるライブ配信アプリを中心に、個性豊かなライバーとリスナーが双方向コミュニケーションを楽しめる場を提供しています。
ゲームに次ぐ第2の収益源として成長しており、DeNAの新たな柱となりつつあります。

ライバーとの距離が近いのが魅力だね!
ヘルスケア・メディカル事業

代表的なサービスであるヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」は、楽しみながら健康習慣を身につけられることを目的としたアプリです。
健診・検診結果などの健康データを記録できるほか、アプリの利用やイベント参加でポイントが貯まり、ギフト券が当たるゲームに参加できるなどのコンテンツも充実しています。

声によって認知機能を判定できるサービス「ONSEI」も人気だね!
スポーツ・スマートシティ事業

プロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」やプロバスケットボールチーム「川崎ブレイブサンダース」の運営を行っています。
近年は観客動員数が増加し、チームグッズの売上も好調に推移しています。

ベイスターズは去年、ついに日本一になったよね!
業績
続いてDeNAの業績を見ていきましょう。

| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 130,868 | 134,914 | 136,733 | 163,997 |
| 営業利益 | 11,462 | 4,202 | -28,270 | 28,973 |
| 当期利益 | 30,532 | 8,857 | -28,682 | 24,193 |
同社HPより
2025年3月期はゲームアプリ「ポケポケ」の好調もあり、前期の赤字から黒字へと大きく転換しました。
2026年3月期の業績予想は以下の通りです。
- 売上高:1,460~1,540億円(前期比△11.0%~△6.1%)
- 営業利益:200~250億円(前期比△31.0%~△13.7%)

ポケポケの勢いは当初より落ち着く見通しだね!

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同業他社を比較!DeNAの強みは?

💡このパートの要約
- 利益率が高い
- 多角的な事業展開によってリスクの分散を目指す
DeNAの強みは何でしょうか。
ここでは同業他社である「サイバーエージェント(4751)」、「グリーHD(3632)」と比較した特徴を見ていきましょう。
まずは、以下に各社の主要財務データと参考指標をまとめます。
| ディー・エヌ・エー | サイバーエージェント | グリーHD | |
|---|---|---|---|
| 時価総額 | 2,797億円 | 7,967億円 | 705億円 |
| 売上高 | 1,639億円 | 8,012億円 | 571億円 |
| 営業利益 | 289億円 | 400億円 | 48億円 |
| 営業利益率 | 17.7% | 5.0% | 8.5% |
| 当期純利益 | 241億円 | 159億円 | 11億円 |
| 純利益率 | 14.8% | 2.0% | 2.1% |
| 自己資本比率 | 65.7% | 32.5% | 70.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 9.0% | 9.3% | 1.3% |
DeNAの強みとして、以下の2つが挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。
利益率が高い
DeNAの強みの一つは、高い収益性にあります。
各社の利益率を見てみましょう。
| ディー・エヌ・エー | サイバーエージェント | グリーHD | |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 17.7% | 5.0% | 8.5% |
| 純利益率 | 14.8% | 2.0% | 2.1% |
特にゲーム事業の営業利益率が前期の6.4%から49.4%へと大幅に上昇したことが、全体の利益率を押し上げる要因となりました。
サイバーエージェントは自己資本比率も低いですが、DeNAは65.7%と高水準を維持しており、収益性・財務健全性の両面で安定していると言えます。

ゲーム事業が引き続きDeNAの成長を牽引できるかに注目だね!
多角的な事業展開
DeNAの強みは、多様な事業ポートフォリオを有している点にもあります。
同社は、ゲーム事業が売上の中心である一方で、ライブストリーミング、スポーツ、ヘルスケアなど、幅広い分野でインターネットサービスを展開しています。

多くのゲーム会社は収益の大部分をゲーム事業に依存しがちだよね…
DeNAもゲーム事業が売上の中心ではありますが、かつてのガンホー(3765)やMIXI(2121)のように一つのヒットタイトルに依存する構造ではありません。
このように複数の収益源を持つことで、特定事業への依存度を下げ、リスクを分散しながら安定した成長を実現できる点が大きな強みと言えるでしょう。
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DeNA株は買いか?今後の株価や将来性を解説

💡このパートの要約
- ポケポケ人気の継続と新規タイトルのリリースが鍵
- スポーツ事業は好調。ヘルスケア分野で医療ビッグデータの活用を通じて成長が期待される
- AI活用を通じた業務効率化と事業の競争力強化
DeNAの今後の株価はどうなっていくでしょうか。
以下の3点から、DeNA株は買いかどうかや、将来性を分析していきます。
ゲーム事業の安定化
DeNAの業績を支える柱は、なんといってもゲーム事業です。
2024年10月にリリースした「ポケポケ」はリリース以降、全世界で累計1.5億ダウンロードを突破し、海外での売上比率が約6割と、グローバルで高い人気を誇ります。
しかし、スマホゲーム市場では初期ブームを長期的に維持することが最も難しい部分です。

ポケポケも例外ではなく、今後は配信初期の勢いをどれだけ持続できるかが大きな焦点だね!
DeNAでは、人気維持のために以下のような取り組みを進めています。
- ゲーム内イベントの定期開催
- 新拡張パックの追加
- コラボキャンペーンなどのアップデート
こうした施策を通じて、国内外のプレイヤーが「長く楽しめるタイトル」として定着できるかが、収益の安定化に直結します。

実際にプレイしてみると、イベント更新の頻度やユーザーコミュニティの熱量など、将来性を感じ取ることもできそうだね!
また、DeNAはポケポケへの依存度を下げるため、新規タイトルの開発にも注力しています。
IR資料によると、2026年3月期の第2四半期以降に2本の新規タイトルをリリース予定とされており、ヒット作の第二・第三の柱を育てる戦略が進行中です。
今冬には、日本のポーカーブームを牽引するプロポーカープレイヤー「世界のヨコサワ」とタッグを組み、スマートフォン向けポーカーゲームアプリ『EDGE POKER』をリリースすることも発表されています。
しかし、新作ゲームのヒットは簡単ではありません。
競争が激しいスマホゲーム市場では、狙っても思うような成果が出ないことも多いのが現実です。
それでもDeNAは、新しいタイトルを積極的にリリースし、チャレンジを続けていく姿勢を見せています。
複数のタイトル展開を通じて、「ポケポケの次」を生み出せるかどうかが、DeNA株の今後を左右する大きなポイントです。
ヘルスケアやスポーツでの成長
DeNAは、プロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」などを中心としたスポーツ事業が好調で、近年は増収増益を続けています。
また、チーム運営だけでなく、地域と一体になったスマートシティ構想にも積極的です。
横浜スタジアムに直結の「BASEGATE横浜関内」は、2026年春にグランドオープン予定。

この中には、DeNAグループ直営のエデュテインメント施設「Wonderia」やライブビューイングアリーナ「THE LIVE」の開設も予定されています。

川崎市でも、複合エンターテインメント施設の建設が計画されているワン!
一方、ヘルスケア・メディカル事業は依然として赤字が続いており、黒字転換が課題となっています。
高齢化の進展に伴い医療費・介護費が増大する中で、DeNAが注力しているのが医療ビッグデータの利活用です。
会社員が加入する健康保険組合や自治体などから集めたレセプトデータ(診療報酬明細書)や健康診断データを匿名化し、それらを研究機関・製薬会社・保険会社に販売・分析提供するビジネスを展開しています。

ビッグデータはAIとも親和性が高いね!
この分野は、医療費の抑制や新薬開発、保険商品の高度化などに役立つ可能性があり、社会的ニーズは非常に高いです。
一方で、データの扱いには厳格な法規制やプライバシー管理が求められるため、収益化まで時間がかかるリスクもあります。
そのため、現時点では収益性が低いものの、医療DXやAI解析が進む中で将来的に黒字転換できる可能性を秘めています。
中長期的に見れば、DeNAの新たな成長エンジンとなるポテンシャルがある分野です。
AIオールイン戦略
DeNAは今年、全社の最重要テーマとして「AIオールイン戦略」を掲げています。

実際、社内では次のような取り組みが進められています。
- 全社員が最新AIツールを即・安全に使える仕組みを整備
- Gemini Advancedを全社導入
- 社内ドキュメントを統合した独自チャットボットの導入
- エンジニア向けにCursor、GitHub Copilot、Devin、v0などAI開発支援ツールを全面活用
- 人事(HR)領域では、目標立案支援AIを開発し、社員の半数以上が利用中
- ライブ配信アプリ「Pococha」ではAI配信審査を導入し、審査工数を60%以上削減

これにより、業務効率化や生産性の大幅な向上を目指しているね!
AIは業務効率化だけでなく、既存事業の競争力強化にも使われ始めています。
たとえばスポーツ事業では、以下のような具体的な取り組みが行われています。
- 投手のコマンド能力をAIで定量化し、1軍昇格判断に活用
- スイング解析AIを導入し、選手の育成レベルを向上
ゲームやライブコミュニティ、ヘルスケア事業などでも、AIによるパーソナライズやデータ分析を通じて価値向上を図っています。
AIを活用した業務革新と事業強化が、DeNAの次なる成長の原動力となるか注目です。
【まとめ】DeNAの株価が下落した理由


DeNAの株価が下落している理由についてよく分かったよ!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
- ポケポケ相場の反動により決算後に株価は下落
- 一発ヒット型のゲーム事業という不確実性
- 事業の多角化は進むも、依然としてゲーム依存のポートフォリオ
DeNAの株価下落は、ポケポケ特需の反動とゲーム事業への依存構造が背景にあります。
しかし、スポーツ・ヘルスケア事業の拡大やAIオールイン戦略による業務効率化など、次の成長ドライバーも着実に育ちつつあります。
中長期的には、ゲーム以外の事業がどこまで収益を支えられるかが、DeNA株の将来性を左右する鍵となります。

DeNAの今後の動向にも注目だね!




