
・メディカルネットとヨシダの提携で何が変わる?
・メディカルネットの海外(タイ)事業での展開は?
このようなお悩みを解決します。
🔰かぶリッジの結論
- 日本最古の歯科機械メーカー・ヨシダとの資本業務提携により、国内外での事業拡大が加速
- タイ市場での歯科クリニック開業支援サービスを本格展開し、海外事業の収益基盤を強化
- 新中期経営計画で2029年5月期に売上120億円、営業利益15億円を目指す
全国にはおよそ7万件の歯科医院があり、実はコンビニよりも多い数です。
その歯科市場を、インターネットやプラットフォーム、DXの力で変えようとしているのが株式会社メディカルネット(3645)。
同社は2025年6月、日本最古の歯科機械メーカーである株式会社ヨシダと資本業務提携を締結しました。
この提携を機に、国内外での事業拡大が期待されています。
今回は、メディカルネットの事業内容、ヨシダとの提携の狙い、そして今後の成長戦略についてご紹介します。



歯科業界で圧倒的No.1を目指す戦略がポイントだワン!
※本記事は、かぶリッジを運営する株式会社インベストメントブリッジ発行の無料アナリストレポート「ブリッジレポート」(ブリッジサロン)を元に作成しています。
メディカルネットはどんな会社?


まずは、メディカルネットの基本情報を確認していきましょう。
会社概要
株式会社メディカルネットは、2000年に創業されました。
「インターネットを活用し 健康と生活の質を向上させることにより 笑顔を増やします。」を企業理念に事業を展開しています。
代表者などの概要は次の通りです。
| 代表取締役会長CEO | 平川 大 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都 |
| 決算期 | 5月 |
| 株価* | 309円 |
| 時価総額* | 3,328百万円 |
| 配当 | 1株3円 |
同社は歯科医療プラットフォームを中心に、医療機関の経営支援から患者向けの情報提供まで幅広く展開。



グループ会員数は56,000名超と業界最大級だワン!
近年はタイなど海外市場への進出も積極的に進めており、グローバル展開を加速させています。
事業内容



どんな事業をしているの?
メディカルネットは、5つの主要事業セグメントで構成されています。
これらの事業により、生活者・歯科医院・歯科関連企業を結ぶ歯科医療プラットフォームを構築しています。
それでは、それぞれの事業を詳しく見ていきましょう。
メディア・プラットフォーム事業
同事業では、「からだ」「健康」「美」に特化した情報を提供するサイトの開発・運営を行っています。
歯科分野や美容・エステ分野など、様々な切り口で61のサイトを運営。
主なサイトでは歯科医院を検索したり、治療の説明やよくある質問などを無料で閲覧することができます。



患者と医療機関をつなぐ架け橋になっているワン!


それぞれのポータルサイトは医療機関などから広告出稿料を得ています。
原則として12ヶ月の継続契約(自動更新)のため、収益モデルは積上げ式のストックビジネスであることが特徴です。
安定した収益基盤を持つことで、継続的な成長が可能となっています。


医療機関経営支援事業
同事業では、医療機関の開業から経営に係るソリューションをワンストップで提供しています。
不動産や内装外装、歯科機材・医薬品販売、ホームページ制作に至るまで包括的な支援が可能です。



メディカルネットだけで全部完結できるよ!
主なサービスとして、次のものがあります。


国内では東京・大阪・宮崎・鹿児島の4拠点体制、タイでは歯科商社2社を展開するなど、国内外で事業が堅調に推移しています。
医療BtoB事業
同事業では、歯科医療従事者と歯科関連企業などをつなぐBtoB型歯科医療総合情報サイト「Dentwave」の運営を行っています。
歯科医療従事者登録は、2025年8月末時点で56,101人と日本最大級です。
同サイトでは、歯科医療従事者に向けて有益な歯科医療情報を提供しています。



メディカルネットグループでの会員数は、上場時の約8.5倍に拡大しているワン!
歯科関連企業には、広告ソリューションやリサーチ、コンベンションの運営受託などマーケティング支援が可能となっています。
2026年5月期第1四半期では、新サービス「Dentwave Prime」の医院プランをリリースし、歯科医院の在庫管理を効率化する「zaico for dental」の導入支援にも注力しました。
クラウドインテグレーション事業
同事業は連結子会社AVision Co., Ltd.を中心とする事業で、タイ国内において小売業、製造業や病院向けにPOSシステムの開発・導入・メンテナンスサービスを行っています。
タイ国内における歯科クリニックのIT化を促進し、タイ国内での歯科プラットフォームの構築を目指しています。


2026年5月期第1四半期において、システム開発・導入案件の受注が好調に推移しました。



売上高は前年同期比58.4%増、利益は581.2%増と大幅成長だワン!
現在、総合管理デンタルシステム開発を進行中で、今期中に同プロダクトの販売を目指しています。
タイ国内6,000件のクリニックを対象にサブスク販売を展開する計画です。
その他
管理業務受託事業等において、経理、人事総務等の管理業務を受託しています。
このような5つの多角的な事業展開により、同社は歯科医療業界における総合プラットフォーマーとしての地位を確立しています。


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ヨシダとの資本業務提携


2025年6月26日、メディカルネットは株式会社ヨシダとの資本業務提携を発表しました。
この提携は、歯科業界で圧倒的No.1のプラットフォームを構築することを目指すものです。
ヨシダとの協業により、国内外での事業拡大が大きく前進すると期待されています。



日本最古の歯科メーカーとの提携で業界に大きなインパクトだワン!
ヨシダはどんな会社?
株式会社ヨシダは1906年創業で、現存する日本最古の歯科機械メーカーです。
日本全国各地に支店、営業所、SC(サービスセンター)を配置しています。
歯科医療機器・材料・情報機器(コンピュータなど)や歯科医院内の環境全般にわたるハードやソフトの開発・販売・修理・保守メンテナンスを実施しています。



120年近い歴史を持つ老舗企業だワン!
| 会社名 | 株式会社ヨシダ |
|---|---|
| 所在地 | 東京都台東区上野7丁目6番9号 |
| 代表者 | 代表取締役社長 山中一剛 |
| 設立 | 1961年5月 |
| 資本金 | 3億2,000万円 |
| 売上高(2024年7月期) | 349億円 |
世界各国のブランドメーカーと連携して自社ブランドの製品開発、サービス開発にも注力しています。
また、歯科医療情報の提供のために、歯科機械・材料・医院経営に関わる出版物を刊行し、歯科医院の開業・経営に関する企画・調査などの総合コンサルティングも実施しています。
資本業務提携の内容と狙い
メディカルネットは2024年12月よりヨシダと協議を開始し、2025年6月に提携契約を締結しました。
資本提携の内容としては、メディカルネットがヨシダに対して第三者割当により自己株式538,600株を処分しました。
本資本業務提携では、国内事業と海外事業の両面で協業を進めています。



処分価額の総額は約1億5,500万円で、M&A資金に充当する予定だワン!
国内事業でのシナジー効果
国内事業では、メディカルネットの歯科医療プラットフォームとヨシダの全国ネットワークを組み合わせた相乗効果が期待されます。
具体的には、以下の3つの取り組みを中心に協業を進めます。
- 日本国内における歯科事業並びに臨床教育システム導入支援
- 開業・承継支援
- 歯科医療従事者メディア(Dentwave)関連事業
メディカルネットは、ヨシダの顧客である歯科医院に対して、自社の歯科医療プラットフォームを活用したWebマーケティング支援や開業・経営支援サービスを強化します。



開業から経営、事業承継までワンストップで支援できるワン!
一方で、メディカルネットの顧客基盤を活用し、ヨシダの販路拡大にも寄与します。
両社の強みを掛け合わせることで、歯科医院の持続的な発展と歯科医師のウェルビーイング向上につながるとの期待が拡大中です。
海外展開の加速
海外事業では、タイを起点とした東南アジア、そして世界への展開を視野に入れています。
具体的な取り組み内容は以下の通りです。
- 日本国外における歯科事業並びに臨床教育システム導入推進
- 日本人歯科医師による開業支援
- ヨシダ取扱製品の輸出
- 予防を含むヘルスケア事業
メディカルネットはタイで3院の歯科医院を運営し、歯科商社2社を展開するなど、すでに現地での事業基盤を確立しています。
この基盤にヨシダの製品力とブランド力を組み合わせることで、海外事業の拡大が加速すると見込まれます。



日本の高度な歯科医療技術を世界に広げていくワン!
これらの取り組みにより、両社は歯科医療領域を包括的にカバーし、歯科業界で圧倒的No.1のプラットフォームを構築していくことを目指しています。
タイ市場での事業展開


メディカルネットは、タイ市場での事業展開を積極的に推進しています。
2017年からタイで歯科医院経営を開始し、現在では3院を運営しています。
さらに2025年9月、タイと日本を繋ぐ歯科クリニック開業支援サービスを本格展開することを発表しました。



「日本の歯科医療を世界に!」というミッションを実現していくワン!
タイ・バンコクの歯科市場の成長性
タイの歯科市場は急激な成長を遂げており、今後も拡大が続くと予測されます。
タイ政府は豊富な観光資源と高度な医療技術を組み合わせた医療ツーリズムの推進を国策として掲げています。
タイのIT市場は2019年の196億ドルから2025年には593億ドルへと約3倍に成長する見込みです。



市場規模が急拡大している成長市場だワン!


タイ・バンコクには日本人が約50,000人在住しており、都市別在留邦人数では世界第2位を誇ります。(2024年10月1日時点)
しかし、完全日本語対応できる歯科医院の数は少なく、日本人を対象とした歯科医院のニーズは今後も増えると見込まれます。
メディカルネットのタイでの取り組み
メディカルネットグループは、タイに子会社が6社あります。
- 歯科医院運営(3院)
- 歯科商社事業(NU-DENT、D.D.DENT)
- POSシステムの開発・導入・メンテナンスサービス



バンコクの頼れるインターナショナルクリニックとして成長しているワン!


運営する3つの歯科医院は以下の強みを持っています。
- インターナショナルとローカルの双方を運営し、幅広い需要に対応
- 日本人の管理者を設けることで日本品質の管理体制を構築
- 多言語対応が可能な人材層とクリニック設備の清潔さで質の高いサービスを提供
2025年5月期第1四半期では、日本人以外の外国籍患者数が増加しました。
来院患者の属性に幅を持たせることで、タイ・バンコクにおけるインターナショナルクリニックとしての立ち位置がさらに盤石になるでしょう。
新サービス:タイでの歯科クリニック開業支援
2025年9月、メディカルネットはタイと日本を繋ぐ歯科クリニック開業支援サービスを本格的に開始しました。
このサービスは、日本で学び研鑽を積んだ歯科医師に対し、「タイでの歯科クリニック開業」という新たな選択肢を提示するものです。



日本での開業と比較して、初期コストが約3分の1に抑えられるワン!
メディカルネットは2017年からタイで歯科クリニック経営を開始し、日本の先進歯科医療技術を普及させてきた知見とノウハウを蓄積しています。
この実績を活かし、開業、集患、事務、経営支援まで全てトータルでサポートします。


2026年5月期第1四半期では、外資系(主に日系)の開業支援が増加し、すでに3件の見込案件を受注しています。
さらに、フランチャイズ展開にも注力しており、継続的な事業の拡大と成長を目指しています。
メディカルネットの業績・株主還元


メディカルネットの最新業績と今後の見通しを確認していきましょう。
同社は2025年8月に新中期経営計画を発表し、2028年5月期から2029年5月期に売上120億円、営業利益15億円を目指すことを表明しました。



現在の約2倍の規模を目指す意欲的な計画だワン!
2026年5月期1Q決算と通期業績予想
2026年5月期第1四半期の連結業績は、売上高15.6億円(前年同期比14.9%増)、営業利益2,411万円(前年同期は388万円の営業損失)となりました。
前年同期は営業損失でしたが、今期は黒字化を達成しています。
親会社株主に帰属する四半期純利益も2,159万円となり、前年同期の純損失から大幅に改善しました。



赤字から黒字への転換に成功したワン!
| 2025年5月期1Q | 2026年5月期1Q | 前年同期比 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,358 | 1,561 | +14.9% |
| 営業利益 | -3 | 24 | 黒字転換 |
| 経常利益 | -3 | 53 | 黒字転換 |
| 親会社株主帰属純利益 | -35 | 21 | 黒字転換 |
2026年5月期通期の業績予想は、売上高64億円(前期比5.3%増)、営業利益2.7億円(同173.3%増)を見込んでいます。
前期は親会社株主に帰属する当期純損失6,814万円でしたが、今期は純利益1.21億円へと大幅な改善を予想。
既存事業の効率化と海外事業の拡大により、収益性の向上が期待できます。
新中期経営計画を発表
メディカルネットは2025年8月、新中期経営計画(2028年5月期~2029年5月期)を発表しました。
最終年度の2029年5月期には、以下の数値目標を掲げています。
- 売上高:120億円
- 営業利益:15億円



2025年5月期実績の約2倍の売り上げ規模を目指すワン!
中期経営計画では、「口腔まわりから始まる健康寿命増進プラットフォームビジネスNo.1」を目指す姿として掲げています。
具体的な成長戦略として、以下の取り組みを推進します。
- タイでの事業拡大
歯科医院運営、歯科商社事業に加え、クラウドインテグレーション事業を活用した歯科医療バリューチェーンの構築 - 保険診療歯科医院への価値提供
自由診療だけでなく保険診療歯科医院もターゲットとしたサービス展開 - 歯科医療向け受発注プラットフォーム
歯科医院と各種関連企業を結ぶ流通経路のDX化
株式会社ヨシダとの資本業務提携も、この中期経営計画を実現するための重要な施策の一つです。
株主還元
メディカルネットは、安定的な利益還元を実施する方針です。
2026年5月期の配当予想は、1株当たり3円(配当性向23.0%)となっています。
前期(2025年5月期)も1株当たり3円の配当を実施しましたが、前期は純損失だったため配当性向は207.6%でした。



今期は黒字化により適正な配当性向に戻る見込みだワン!
| 2025年5月期 | 2026年5月期(予想) | |
|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 3.00円 | 3.00円 |
| 配当性向 | 207.6% | 23.0% |
配当方針としては、内部留保をM&Aや人的投資に活用し、中長期的な企業価値向上を目指すとしています。
ヨシダとの資本業務提携で得た約1.5億円の資金も、事業拡大のためのM&A資金に充当する予定です。
成長投資と株主還元のバランスを取りながら、企業価値の向上を図る姿勢は評価できるでしょう。
【まとめ】メディカルネットの今後の注目点


メディカルネットの事業内容や成長戦略について詳しく見てきました。
最後に、今後の注目ポイントをまとめておきましょう。
🔰かぶリッジの結論
- 日本最古の歯科機械メーカー・ヨシダとの資本業務提携により、国内外での事業拡大が加速
- タイ市場での歯科クリニック開業支援サービスを本格展開し、海外事業の収益基盤を強化
- 新中期経営計画で2029年5月期に売上120億円、営業利益15億円を目指す
メディカルネットの最大の強みは、生活者・医療機関・関連企業を結ぶ歯科医療プラットフォームを構築している点です。



57,000名超の会員基盤は業界最大級だワン!
タイでの歯科クリニック開業支援サービスも、日本の歯科医師に新たな選択肢を提供する画期的な取り組みです。
今後は、国内外での事業展開の進捗、特にタイでの開業支援サービスの成果や新中期経営計画の達成度合いに注目していきましょう。
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