かぶリッジのピックアップニュースでは、IRニュースや決算発表を元に、市場で注目を集めそうな企業を主観でご紹介します。
ニュース内容
レゾナック・ホールディングス(4004)は10月9日、共同研究を行っている北川進教授のノーベル賞受賞で注目が集まり、過去最高値に迫る高騰を見せました。
レゾナックHDは、半導体・電子材料を中心に、産業用の化学材料を研究開発・販売する企業です。
直近の通期決算は以下の通り。
2023年12月期 | 2024年12月期 | 増減率 | |
---|---|---|---|
売上高 | 1,288,869 | 1,389,277 | +7.8% |
営業利益 | -3,764 | 78,750 | – |
経常利益 | -14,773 | 69,692 | – |
当期純利益 | -18,955 | 55,422 | – |
1株当たり当期純利益 | -104.65 | 306.59 | – |
※単位は百万円
2019年ごろより業績が低迷していたレゾナックHDですが、2024年には利益面でV時回復を達成。
2025年度は約65%の減益予想と苦戦いまだに苦戦を強いられますが、北川教授との共同研究による新素材開発に期待がかかります。
今回、北川氏ら3人は「金属有機構造体」(MOF)の研究でノーベル化学賞を受賞しましたが、レゾナックHDと共同研究していたのもまさにこの分野。
「金属有機構造体」(MOF)は無数の孔が規則的に空いている化学構造を指し、その性質上、特定の物質を中に大量に吸着させることが可能です。
産業面では有害物質や温室効果ガスの吸着・分離に期待がかかり、SDGsにも根ざした新素材の開発が行われています。
特に、レゾナックHDは自動車周辺の材料開発や石油化学事業も行っているので、環境対策面から優位性を発揮できる場面も出てくるでしょう。
以下はレゾナックHDの直近の値動き。

北川氏のノーベル賞授与への期待から徐々に上がり続け、1ヶ月でおよそ45%増とかなり強い上昇トレンドを帯びています。
業績予想自体に修正はないため、ノーベル賞受賞を通じてMOF研究が再評価された形と取るのが妥当でしょう。
化学業界や製薬業界は技術によりシェアが左右されやすく、将来を見据えた継続的な投資が続く可能性も高いと考えられます。
企業情報・株価
企業名 | 株式会社レゾナック・ホールディングス |
---|---|
市場・証券コード | 東証プライム・4004 |
時価総額 | 約1兆1,221億円 |
PER・PBR | 42.20倍・1.70倍 |
本日(10月9日)終値 | 6,069円 |
1か月前の株価(9月9日終値) | 4,111円 |
ひとこと
CO2の吸着など、目下必要とされている技術にMOFがドンピシャで応えている点が好印象🌸
量産体制が整い、産業へ大規模な供給ができるようになれば、地球規模での環境負荷軽減も可能でしょう。
レゾナックHDの決算資料では特にMOFへ関する明言がありませんでしたが、素材への応用が効くようになればグローバル・ニッチ・トップの座を得られる可能性もあるので、今後もニュースを追っていきたいです😌