
・JVCケンウッドの株価は今後どうなるんだろう?
・カーナビやオーディオなど主力製品の将来性は?
・EVや次世代通信といった新領域で成長できるの?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 北米公共安全市場での安定的な需要は継続する見込み
- 参入障壁の高さと技術提携による競争優位
- 新製品「VP8000」による市場拡大
JVCケンウッドは、カーナビやドライブレコーダーで知られる一方、近年は北米公共安全市場向けの無線システム事業で存在感を高めています。
警察・消防・救急といった社会インフラを支える分野で安定的な需要を獲得し、さらに技術提携や新製品投入を通じて競争力を強化してきました。
今回は、JVCケンウッドの株価の今後の見通しと、主力事業・新規事業の将来性について詳しく解説します。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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JVCケンウッドの将来性は?3つの理由を解説


💡このパートの要約
- 北米公共安全市場において、無線機の旺盛な需要が引き続き見込まれる
- 無線機の参入障壁の高さや米ADI社との提携による製品性能の高さが強み
- 新製品「VP8000」の導入で市場競争力を強化
JVCケンウッドの将来性を支える大きな要因は、主力である無線システム(S&S事業)の堅調な需要にあります。
特に北米公共安全市場を中心に案件が増加しており、2026年3月期も前年度を上回る受注を見込むなど、成長軌道を維持すると考えられます。
ここでは、将来性を裏付ける3つの理由を解説します。
北米公共安全市場における無線機の堅調な需要
同社の北米向け業務用無線機の販売は好調で、この需要は今後も継続する見通しです。



特に、警察・消防・救急といった公共安全市場における案件が多いね!
2021年度と比べてセーフティ&セキュリティ分野の利益は大きく成長し、現在では全社事業利益の約65%を稼ぎ出す主力事業となっています。


警察・消防・救急といった公共安全市場における案件は社会インフラとしての重要性が高く、長期的な投資が継続しています。
特に米国では、アナログからデジタルへの切り替え需要が急速に進んでおり、需要スパンは約10年と長期に及ぶため、今後も旺盛な需要が続くと見込まれます。



カリフォルニア州で約46億円、ペンシルバニア州で約60億円といった大型案件を相次いで獲得しているね!
公共安全市場は長期契約が多いため、一度の受注が安定的な売上の積み上げにつながるのが大きな強みです。
こうした背景から、同社のセーフティ&セキュリティ分野は今後数年にわたり成長ドライバーであり続けると考えられます。
無線機の参入障壁の高さ
同社の無線システム事業は市場参入障壁の高さが強みとなっています。
通信規格への準拠や認証取得が必須であることから、グローバルでも参入できるプレーヤーは限られており、競争は寡占状態にあるのです。



グローバルにおいて競合企業が限定的なんだね!
さらに米国では、2022年11月にFCC(連邦通信委員会)が中国通信機器メーカー5社の製品輸入・販売を禁止したことで、同社にとって追い風となっています
加えて、無線機の基幹部品であるSoCの安定確保と製品性能向上を目的に、米国のAnalog Devices, Inc.(ADI社)と開発で基本合意を締結。
低消費電力によるバッテリー寿命の延長や妨害信号への耐性強化を実現し、製品競争力の向上につなげています。



ADI社は、アナログ半導体の世界大手メーカーだね!
これにより、同社は競争力の高い製品を安定的に供給できる体制を築き、無線システム事業を全社を牽引する利益創出ドライバーとして位置付けています。
新製品「VP8000」の導入で市場競争力を強化
同社は2023年1月にP25トライバンド対応デジタル無線機「VP8000」という新製品を投入しました。
1台で3つの周波数帯域と2つのデジタル無線規格に対応できるのが最大の特徴で、従来の「1周波数帯域のみ対応可能な無線機」とは大きく異なります。
これにより、同一自治体内において警察・消防・救急だけでなく、学校や民間セキュリティとも相互通信が可能となり、公共安全分野での活用範囲が大きく広がります。


公共安全市場では「通信ができないことは命に関わる」ため、無線機には高い品質と堅牢性が求められます。



JVCケンウッドの業務用無線機は長年にわたり警察・消防の信頼に応えてきたんだね!
さらに、強力なノイズキャンセリング技術を活用し、騒然とした環境でもクリアな音声通信を実現しています。
新製品VP8000をコアとして、米国の地方都市における案件獲得のさらなる拡大を目指しています。
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JVCケンウッドの事業内容・業績


💡このパートの要約
- 無線システムなどを含むセーフティ&セキュリティ分野が成長ドライバーに
- 2025年6月期の当期純利益は前年比+55.8%の202億円と大幅増益を達成
ここでは、JVCケンウッドの事業内容や業績について詳しく見ていきます。
事業内容
JVCケンウッドは以下の3分野を中心に事業を展開しています。
- モビリティ&テレマティクスサービス:カーナビやドライブレコーダーなど
- セーフティ&セキュリティ:無線機や監視カメラなど
- エンタテインメントソリューションズ:イヤホンやプロジェクターなど映像・音響製品


モビリティ&テレマティクスサービス


売上の半分以上を占める主力セグメントが、モビリティ&テレマティクスサービス事業です。
国内では自動車メーカー向けにカーナビゲーションやドライブレコーダーを提供しており、比較的高いシェアを確立しています。
一方、海外では米国・東南アジア向けにディスプレイオーディオを、欧州や中国向けには車載用アンプ、スピーカー、アンテナ、ケーブル、レンズモジュールなどを展開し、グローバルに事業を拡大しています。
セーフティ&セキュリティ


同社の成長ドライバーとして注目されるのが、セーフティ&セキュリティ事業です。
国内外の警察・消防・救急などの「公共安全市場」や鉄道・空港・教育機関などの「民間市場」に向けて業務用無線システムを提供しています。
さらに国内では、監視カメラなどのセキュリティシステムや業務用放送システムを提供。
国内外の病院向けには医用画像表示モニターも展開しています。
エンタテインメントソリューションズ


エンタテインメントソリューションズ事業では、音楽や映像に関する製品を展開しています。
ヘッドフォンやイヤホン、プロジェクターなどの音響・映像機器を提供。
また、人気アーティストの楽曲や映像コンテンツの配信やCD/DVD/Blu-rayパッケージ販売等のエンタメ事業も展開しています。
業績



JVCケンウッドの業績はどうなのかな?
JVCケンウッドの業績は、以下の通りです。
決算期 | 2022年6月 | 2023年6月 | 2024年6月 | 2025年6月 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 282,088 | 336,910 | 359,459 | 370,308 |
営業利益 | 9,054 | 21,634 | 18,226 | 21,792 |
経常利益 | 8,515 | 21,161 | 18,245 | 23,490 |
当期純利益 | 5,873 | 16,229 | 13,016 | 20,276 |
※売上高、経常利益、当期純利益は百万円単位。
2025年6月期の売上高は前年比+3.0%の3,703億円、当期純利益は前年比+55.8%の202億円となりました。
3つのセグメントすべてで増収増益を達成し、業績は大幅に改善しています。
特に北米公共安全市場向け業務用無線機の販売が好調で、セーフティ&セキュリティ分野では過去最高益を更新しました。



米国の警察、消防、救急向けに大型受注を獲得したんだね!
さらに、配当予想を上方修正したほか、自己株式取得の実施を発表するなど、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
一方で、2026年6月期の業績予想については、米国関税の影響によるマイナス要因を織り込む一方で、無線システム事業は引き続き堅調な需要の継続が見込まれています。
2026年6月期の連結業績予想
- 売上高:3,580億円(前年比-3.3%)
- 営業利益:200億円(前年比-21.0%)
- 税引き前利益:190億円(前年比-12.8%)
- 当期利益:195億円(前年比-17.0%)
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JVCケンウッドの株価は今後どうなる?


💡このパートの要約
- 2022年以降の公共安全市場での大型受注を背景に上昇したものの、直近は米国関税の影響で下落傾向
- 北米での成長が著しい同社にとって、米国関税措置の影響はかなり大きい
- 無線システムの部品供給不足の影響



JVCケンウッドの今後の株価の動きは?
JVCケンウッドの今後の株価の動きについて、以下の観点から分析していきます。
株価推移:2022年の上昇から2025年の下落へ
まずは株価の動きから確認していきましょう。
2022年ごろから株価は上昇基調となり、2025年2月を境に下落に転じています。
背景には、米国の政府予算が絡んだ公共安全市場で無線機の大型案件を獲得したことによる業績の改善があり、この流れが株価の上昇を後押ししました。
一方で直近は、米国の関税措置の影響を受けて株価は下落傾向にあります。



トランプ大統領による関税の影響は依然として不透明だね。
こうした状況を踏まえ、同社は新たに中期経営計画「VISION2025」を策定。
前計画「VISION2023」で掲げた主要目標を1年前倒しで達成した実績を背景に、2025年度には売上収益3,700億円以上、事業利益率5%超、ROE10%以上を安定的に確保することを目指しています。



1年前倒しで計画を達成した点は注目だね!
また株主還元方針としては、総還元性向30~40%を目安に安定配当と自己株式取得を継続。
成長投資・戦略投資に約1,000億円を充てる計画も示されており、その中心には北米の無線システム事業を収益の柱として据えています。
これらの取り組みは収益性向上と企業価値拡大を両立させる狙いがあり、中長期的な株価の上昇要因として投資家から注目を集めています。
米国関税措置の影響
北米での成長が著しい同社にとって、米国関税措置の影響はかなり大きいと言えます。
2026年3月期通期においては、関税措置によるマイナス影響が売上収益で約130億円、事業利益で約50億円にのぼる見通しです。



価格転嫁や中国産品の販売抑制といった対策を進めているね。
特に、モビリティ&テレマティクスやエンタテインメントソリューションズ事業では、生産・販売数量の減少や米国・中国の景気減速といった要因が重なり、業績への逆風が想定されています。
同社は米国相互関税緊急対応プロジェクトを設置し、地域戦略や生産地移管など見直しを図っています。
供給力不足と半導体対応
JVCケンウッドは、2026年3月期前半において部品供給の回復遅れから想定以上の供給力不足に直面しました。
特に無線システムの製品供給に遅れが生じましたが、代替部品の手配などにより対応を図っています。
無線システムの需要は引き続き堅調に推移していることから、製造体制の強化が求められます。





無線システムの入札案件は前年より増えているようだね!
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【まとめ】JVCケンウッドの将来性は?





JVCケンウッドの将来性について、よくわかったよ!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
かぶリッジの結論
- 北米公共安全市場での安定的な需要は継続する見込み
- 参入障壁の高さと技術提携による競争優位
- 新製品「VP8000」による市場拡大
JVCケンウッドの将来性は、北米公共安全市場における旺盛で安定した需要、参入障壁の高さを背景とした独自の競争優位性、そして新製品VP8000の投入による市場拡大という3つの強みで支えられています。
公共安全市場は社会インフラとしての重要性が高く、一度の受注が長期的な収益につながるため、安定性と成長性を兼ね備えた分野です。
加えて、ADI社との技術提携により製品性能を高め、グローバルに限られた競合の中で優位性を確立しつつあります
さらに、複数の周波数帯や規格に対応できるVP8000は市場のニーズに直結する画期的な製品であり、今後の案件獲得に大きく寄与することが見込まれます。
短期的には米国関税の影響や部品供給不足といったリスク要因が存在するものの、中期経営計画「VISION2025」では主要目標を前倒しで達成する実績も示されており、中長期的に見れば無線システム事業を収益の柱としながら企業価値を高めていく可能性が高いと言えるでしょう。