
スズキの株価が高騰してるって聞いたけど、本当なの?
スズキの株価が上昇していることは、以下のチャートを見ても事実です。





特に、直近2年くらいの間での上昇幅が大きいワン!
株価が上昇する一方、スズキのPERは2025年3月6日現在で9.6倍と割安水準です。
そのため好調なスズキに投資したいと考える人は多いのではないでしょうか。
今回はスズキの好決算の理由や今後について徹底解説しています。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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スズキの株価が高騰した理由2つ





スズキの株価は、どうして高騰したの?
スズキの株価高騰が始まったのは、2023年3月期の好決算がきっかけです。
またスズキはインド市場が好調で今後も成長が見込めることも理由の1つとなっています。


加えて各指標を見ても、スズキは競合他社と比較し優れており、市場から評価されているのも納得です。
PER(倍) | ROE(%) | PBR(倍) | |
---|---|---|---|
スズキ | 9.56 | 11.72 | 1.19 |
トヨタ | 8.38 | 15.81 | 1.04 |
ホンダ | 7.23 | 9.27 | 0.51 |
日産 | ー | 7.68 | 0.26 |



ROEは10%超、PBRも1倍超だワン!
そして今回ご紹介する株価高騰の理由は以下2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
23年3月期決算で営業利益前期比1.8倍
23年3月期決算で、スズキは売上高1兆733億円増(+30.1%)・営業利益1,591億円増(+83.1%)を達成しました。



売上高が1兆円以上も増加したの⁉いち企業の売上高よりも高いかも!
この見事なまでの好決算が、株価を押し上げました。
好決算には以下の大きく2つの要因が関係しています。
それぞれ見ていきましょう。
二輪・四輪の販売台数が大幅増
好決算の大部分の要因は四輪事業での売り上げ増加です。
四輪事業の売上高は前年同期比9,573億円増(+29.9%)、営業利益は1,263億円増(+82.6%)。



売上高は前年同期比1兆733億円増、営業利益は1,591億円増だから、四輪事業の貢献度の大きさがわかるワン!
特に売上高の4割近くを占めるインドで販売台数が前年同期比+20.5%だったのは大きな増加要因です。


欧州や他のアジア地域で販売台数が減少したものの、好調のインドで需要捉えた結果の増収増益となりました。
また二輪事業では、全体の販売台数は13.4%増で、売上の8割以上を占めるアジア地域単体では15.4%増。
特に、インドやフィリピンが販売台数増に大きく貢献しています。



スズキはアジアでの戦略が功を奏しているんだね!
為替で+1,000億円の増益


スズキは海外展開を進めているため、為替の影響を受けやすい企業です。
円安の影響により、為替による増益が1,000億円を超えています。
特に全体の売上の4割近くを占める(24年3月期)インドの通貨、インドルピーの影響が大きいです。



為替差益だけでこんなに利益が出るものなんだね!



売上構成比は北米は約3%・欧州は約10%だけど、為替差益の内訳では合わせて約40%も占めているワン!
ただし欧州や北米は利下げの方向であるため、全体的に今後為替差益は縮んでいくかもしれません。
成長が見込めるインド市場でシェア1位
インドの自動車市場は2030年に10兆円を超える見通しがなされています(info BRIDGEの試算価格を1ドル140円で円換算)
実際、2022年度のインドの乗用車の販売台数は26.7%増で、スズキはシェア4割を獲得し1位です。
またインドは経済成長に伴い中間所得層が増加していて、多目的自動車(UV)購入者が増加しています。



UVに明確な定義はなく、山道など荒れた道の走行ができるものや、荷物がたくさん入る仕様のものまで幅広いワン!
実際スズキは2023年3月期決算で、売上構成変化等の項目で、営業利益が前年比1,486億円増となりました。





販売台数の増加に加えて、購入単価も上がってるってことなのね!
スズキがインドで成功している理由
インドは進出難易度が高いとされていますが、スズキは徹底した「ローカライズ戦略」で成功しています。
ローカライズとは、その国の歴史や文化、商習慣などを踏まえ、消費者に受け入れられるよう自社製品をカスタマイズすること。
ローカライズの1つとして、スズキはインドの国営会社と「マルチスズキ」という合弁会社を設立。
開発、製造から販売まで一貫して現地インドで行っています。



合弁会社を設立して、商品や販売方法も徹底的にインド流にしているんだね!
またスズキはもともと軽自動車に強みがあり、その強みがインドのニーズにマッチしています。
低価格な小型自動車は、成長するインド市場で需要があるのです。



スズキには、自社の強みが活きる市場で着実にシェアを拡大する力があるんだね!
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スズキに投資するリスク





好調なスズキだけど、投資するリスクはどんなものがあるの?
スズキは2025年3月期決算も増収増益を見込んでいて、今すぐ株価が大幅に下落するような要因はありません。
しかし、考えられるリスクとして以下2つが挙げられます。
以下で詳しく解説します。
為替リスクが高い
スズキは売上高の約75%を海外で稼いでいるため、最も懸念されるのが為替リスクです。



しかも売上の4割以上はインドでの販売だから、インドの経済状況にかなり大きな影響を受るワン!
そして、インドはカントリーリスクが高めの国です。
ただし、人口増加が見込めるインドは中長期的には伸びる市場と見て取れるため今後も伸びは期待できそうです。
インドはカントリーリスクが高め
インドはそもそもカントリーリスクが高めの国です。
日本貿易保険によれば、インドは中南米のメキシコやペルー、今戦争下にあるイスラエルと同じDランク。
アフリカや中東の国々(最低のHランク)などの方がもちろん高いですが、インドも全体で見ると低めです。



そもそもカントリーリスクって何?
カントリーリスクとは、経済や政治の状況変化によって、証券市場や為替市場に混乱が生じた場合に、対象国・地域に投資した資産の価格が変動する可能性のこと。
為替差益が出ることもあれば、インドは経済が不安定で為替差損を計上する可能性もそれなりにあるということです。



経済が堅調ならリスクは低いし、政治や社会情勢が不安定ならリスクは高いワン!
EV化で出遅れの懸念
スズキは、電気自動車(EV)の投入計画が他社より遅れている、と囁かれています。
三菱自動車やホンダは軽商用EVを上市しており、法人企業の導入実績も。
一方スズキは、ダイハツとの軽商用EVの共同開発がダイハツの不正で中断されており、未だ販売に至っていません。
しかし、以下2つの理由からこれは必ずしも大きなリスクとは言えません。
EVの普及は世界的にも進んでいない
EVの普及は世界的に見ても当初の想定より進んでいないのが現状。
米AppleがEV事業から撤退したり、ベンツが完全EV化計画を撤回したりしています。
そのため電動化の遅れがどの程度、いつから影響があるのか不透明です。



収益性も大事だから、売れないのに計画を押し進めることも危険だもんね。
社長が電動化計画に遅れはないと明言
2024年3月期連結決算会見では、鈴木社長は以下のように話しています。
「技術開発はしっかり行っている。EVはまだ普及期に入っていない、現時点では既存の顧客層に受け入れてもらえない」
また、スズキは四輪車では欧州・インドに、そして二輪車でも2024年度にバッテリーEVを投入予定です。



まさに今、市場に投入しようとしているのね!
EV化が当初予想より進んでいないことや、スズキが今年度まさにバッテリーEVを投入することを踏まえると、スズキの対応の是非の判断は時期尚早かもしれません。
しかし出遅れている部分があるのも事実のため、市場の反応やEVへの動向を踏まえ、今後どうなっていくか注視しましょう。
【他社比較】スズキの株価が下落傾向、投資して大丈夫?





好調だって聞いてたけど、チャートを見たら下落気味だった!
確かに、直近ではスズキの株価は下落傾向です。
しかし、だからと言ってスズキの好調が終わったとは言えません。
理由は以下2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
下落傾向は他社も同様


Tradhing Viewより
青:スズキ 赤:日経平均 ピンクがかった紫:トヨタ 緑:ホンダ 紫:日産
日経平均は、8月2日(金)に下落に転じ、週明け5日(月)に大幅な下落を記録しました。
そこから、競合他社も株価は戻りきらない状況が続いています。



下落しているのはスズキだけじゃないのは、ちょっと安心した!
日経平均や競合他社とも動きはほぼ連動しており、少しずつ持ち直しています。
長期で見ると下落後も高い株価
最近は下落しているとはいえ、過去のスズキの株価と比較すると、現在の株価はかなり高い水準です。


Tradhing Viewより
青:スズキ 赤:日経平均 ピンクがかった紫:トヨタ 緑:ホンダ 紫:日産



多少の下落は一喜一憂せず、長期的な目線で見ることが大事だワン!
25年3月期第一四半期決算に市場は好反応


Tradhing Viewより
青:スズキ 赤:日経平均 ピンクがかった紫:トヨタ 緑:ホンダ 紫:日産
スズキは25年3月期第一四半期決算を8月6日の多引け後に発表しています。



前年同期比で売上高+21%、営業利益+60.8%だったワン!
8月7日を見てみると、競合他社(黄・紫・緑)が下落傾向の中、スズキは上昇。
日経平均(赤)に連動しているという見方もできますが、他社は2日の急落から上昇に転じるまで更に数日を要しています。
このように市場は決算に好感を示しています。



好決算の発表があったからこそ、2日の急落からより早く回復したんだね!
\1株からスズキに投資できる!/
スズキの今後の見通し





スズキは今後も成長していくのかな?
結論、スズキは今後も成長していくことが予想されます。
理由は以下の2つです。
そえぞれ詳しく見ていきましょう。
インドで生産体制強化
スズキは2024年1月10日に、インドに新工場を建設することを発表しました。
新工場は2028年度の稼働開始を目指しており、年間生産能力は100万台、投資額は3,500憶ルピー(約6,143億円)※です。
※2024年1月10日の為替レート インド・ルピー/円 1.7551円で計算
また将来的なEVの増産を視野に、2026年度稼働開始を目指し、生産能力25万台増のラインを増設します。



インドがこれからも成長していくと踏んでいるってことだね!
25年3月期決算も増収増益の見通し
スズキは、2025年3月期決算は、売上高6.4%増、営業利益19.5%増を見込んでいます。
実際に、25年第3四半期決算では前年同期比で増収増益を達成しました。
ただし、好調なアジア市場で、タイだけは前年同期比で5割近くも販売台数が減少しています。
家計の悪化で車ローンが通らない人が増加した結果、市場が落ち込みました。
パキスタンでの売上にも期待
前年外貨規制で販売が急激に落ち込んだパキスタンが、第一四半期決算では販売台数が前年同期比1.5倍に回復。





実は、パキスタンは2024年時点で人口が約2億5,130万人の、世界第5位の人口数なんだワン!
タイの売上実績は2万台ほど減少しましたが、逆にパキスタンでの販売が11万台増加しています。
スズキはパキスタンでもシェア率約46%で1位を誇っています。
【まとめ】スズキは今後も成長が期待できる


今回は、スズキの株価高騰の理由についてお伝えしてきました。
スズキは世界12か国で四輪シェア1位を誇っている企業で、将来の成長が期待できる企業です。



スズキがインドやパキスタンなど、人口が多い国で好調なことがわかったよ!
今回の重要な結論は以下2つです。
- スズキの株価高騰は2023年3月期の好決算から始まった。
- スズキは特にインド市場が好調で、インドやパキスタンなど人口が多い地域でトップシェアを誇っている。
スズキはPER9.56倍と割安水準です。
その上今後の成長も期待できる企業のため、興味を持たれた方は投資してみてはいかがでしょうか。