
・日本コークス工業ってどんな会社?
・大幅な赤字だけど、将来性はあるの?
・株価は今後どうなる?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- 新鋭2Aコークス炉の稼働で生産体制の再構築を図る
- 総合エンジニアリング事業が増収増益で収益を下支え
- 2026年3月期は黒字転換を見込むも、配当は未定
日本コークス工業は、1919年創業の老舗コークス製造会社です。
コークス事業を中核に、燃料・資源リサイクル事業、総合エンジニアリング事業を展開しています。
2025年3月期は、老朽化したコークス炉のトラブルと火災事故の影響で、139億円の最終赤字を計上しました。
しかし、2024年9月に完成した新鋭2Aコークス炉を主力として、生産量の回復と収益の立て直しに取り組んでいます。
そこで今回は、日本コークス工業の将来性について、事業内容や業績、強みの観点から詳しく解説します。



本文を読めばコークス業界の現状と今後の見通しを理解できるワン!


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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日本コークス工業の将来性は?3つの理由を解説


💡このパートの要約
- 2024年9月に新鋭2Aコークス炉が稼働開始
- 総合エンジニアリング事業が前期比4億円超の増益
- 2026年3月期は営業利益35億円を見込む
日本コークス工業の将来性が期待される理由は、以下の3つです。
新鋭2Aコークス炉の稼働による生産体制の再構築
日本コークス工業の最大の転機となったのが、2024年9月に完成した新鋭2Aコークス炉の稼働開始です。
同社は2025年3月期、老朽化した2炉団のトラブルと2024年12月の火災事故の影響で、コークス生産量が当初計画比51万8千トン減少の91万7千トンに落ち込みました。
この生産減により、コークス事業は123億円超の営業損失を計上する事態となりました。



生産量の大幅減少が業績悪化の主因だったんだね。
しかし、2024年9月に稼働を開始した新鋭2Aコークス炉と、2006年稼働の壮年炉1Aコークス炉を主力とすることで、生産量の回復と収益の立て直しを図ります。
今後の生産体制
- 新鋭2Aコークス炉:2024年9月稼働開始
- 1Aコークス炉:2006年稼働の壮年炉
- 老朽2炉団:将来の最適生産体制を検討中
新鋭炉を中心とした生産体制により、2026年3月期は一定水準のコークス需要を見込み、安全・安定操業を前提として生産量の確保を目指しています。



新鋭炉の本格稼働で、コークス事業の収益改善が期待できるワン!
総合エンジニアリング事業の安定的な収益貢献
コークス事業が大幅な赤字に陥る中、総合エンジニアリング事業が収益を下支えしました。
2025年3月期の総合エンジニアリング事業は、化工機事業において大口の機器納入案件があったことと利益率の改善により、増収増益を達成しました。
2025年3月期の総合エンジニアリング事業
- 売上高:92億96百万円(前期比4億65百万円増)
- 営業利益:20億72百万円(前期比4億26百万円増)
総合エンジニアリング事業は、化学装置・機器、一般産業用機器、プラントの製造・販売を行っており、多様な顧客基盤を持っています。



コークス事業の不振を総合エンジニアリング事業がカバーしているね!
この事業の安定的な収益貢献により、同社グループ全体の業績の下支えとなっています。
燃料・資源リサイクル事業の堅調な推移
燃料・資源リサイクル事業も、同社の収益を支える重要な事業です。
2025年3月期は、顧客の燃料転換トレンドが継続したことを主因に販売数量が減少し、売上高は前期比115億58百万円減の272億40百万円となりました。
しかし、営業利益は27億75百万円を確保しており、安定的な収益源となっています。
燃料・資源リサイクル事業の内容
- 一般炭および石油コークスの仕入・販売
- コールセンター事業
- 産業廃棄物処理およびリサイクル
環境意識の高まりとともに、資源リサイクルへの需要は今後も継続すると見込まれます。



多角化された事業ポートフォリオが、リスク分散につながっているね!
日本コークス工業の事業内容・業績
💡このパートの要約
- 日本コークス工業は3つの報告セグメントで事業を展開
- 2025年3月期は139億円の最終赤字を計上
- 2026年3月期は黒字転換を見込む
ここでは、日本コークス工業の事業内容と業績について詳しく見ていきます。
事業内容
日本コークス工業は、位置情報サービス関連事業の単一セグメントではなく、3つの報告セグメントで事業を展開しています。
2025年3月期の事業別売上高構成比は以下の通りです。
事業区分 | 売上高(百万円) | 前年同期比 | 構成比 |
---|---|---|---|
コークス事業 | 58,714 | -30.0% | 59.3% |
燃料・資源リサイクル事業 | 27,240 | -29.8% | 27.5% |
総合エンジニアリング事業 | 9,296 | +5.3% | 9.4% |
その他 | 3,793 | +3.0% | 3.8% |
コークス事業
コークスの製造・販売を行う主力事業です。
2025年3月期は、老朽炉のトラブルと火災事故の影響で、売上高は前期比約30%減の587億14百万円となりました。
営業損益は123億57百万円の営業損失を計上し、大幅な赤字となりました。



主力事業が大きな赤字だったんだね。
燃料・資源リサイクル事業
一般炭および石油コークスの仕入・販売、コールセンター事業、産業廃棄物処理およびリサイクルを行う事業です。
2025年3月期は、顧客の燃料転換トレンドが継続し、販売数量が減少したことで、売上高は前期比約30%減の272億40百万円となりました。
しかし、営業利益は27億75百万円を確保し、グループ全体の収益を下支えしました。
総合エンジニアリング事業
化学装置・機器、一般産業用機器、プラントの製造・販売を行う事業です。
2025年3月期は、化工機事業において大口の機器納入案件があったことと利益率の改善により、増収増益を達成しました。
売上高は92億96百万円(前期比5.3%増)、営業利益は20億72百万円(前期比25.9%増)となりました。



総合エンジニアリング事業が好調だったワン!
業績
日本コークス工業の業績は、以下の通りです。
決算期 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 124,711 | 174,062 | 135,152 | 99,045 |
営業利益 | 12,253 | -397 | 4,390 | -8,562 |
経常利益 | 11,454 | -752 | 3,640 | -10,269 |
当期純利益 | 7,380 | -1,075 | 1,898 | -13,908 |
営業利益率 | 9.8% | ー | 3.2% | ー |
※売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は百万円単位。
2025年3月期は、すべての段階利益で赤字を計上しました。



2025年3月期の配当はなかったよ…
2025年3月期の業績
- 売上高:990億45百万円(前期比26.7%減)
- 営業損失:85億62百万円
- 経常損失:102億69百万円
- 親会社株主に帰属する当期純損失:139億08百万円
大幅な赤字の主な要因は、コークス生産量の大幅な落ち込みです。
老朽炉のトラブルと2024年12月の火災事故により、コークス生産量は当初計画比51万8千トン減少の91万7千トンとなりました。



生産トラブルが業績に大きな影響を与えたんだね。
また、年度初からの原料炭・コークス関連市況の継続的な下落も、収益悪化の要因となりました。
2026年3月期の業績予想
- 売上高:980億円(前期比1.1%減)
- 営業利益:35億円
- 経常利益:22億円
- 親会社株主に帰属する当期純利益:9億円
2026年3月期は、新鋭2Aコークス炉を中心とした生産体制により、黒字転換を見込んでいます。



業績回復が期待されるワン!
しかし、2026年3月期の配当は未定です。
日本コークス工業の強みから見た将来性


💡このパートの要約
- 100年以上の歴史を持つコークス製造技術
- 多角化された事業でリスクを分散
- 日本製鉄・住友商事がその他の関係会社
日本コークス工業の持続的な成長を支える強みは、以下の3つです。
コークス製造の長年の技術とノウハウ
日本コークス工業は、1919年創業の老舗コークス製造会社です。
100年以上にわたって蓄積してきたコークス製造の技術とノウハウは、同社の大きな強みとなっています。
2024年9月に稼働を開始した新鋭2Aコークス炉は、最新の技術を導入した高効率な設備です。



長年の経験と最新技術の融合が期待できるね!
この新鋭炉を中心とした生産体制により、安全・安定操業を前提として、生産量の確保と収益の立て直しを図ります。
多角化された事業ポートフォリオ
日本コークス工業の強みは、コークス事業だけでなく、燃料・資源リサイクル事業、総合エンジニアリング事業を展開していることです。
2025年3月期は、コークス事業が大幅な赤字に陥りましたが、総合エンジニアリング事業と燃料・資源リサイクル事業が収益を下支えしました。
2025年3月期の営業利益
- コークス事業:-123億57百万円
- 燃料・資源リサイクル事業:27億75百万円
- 総合エンジニアリング事業:20億72百万円
多角化された事業ポートフォリオは、リスク分散の観点からも重要です。



事業の多角化が、経営の安定性を高めているワン!
主要顧客との強固な関係
日本コークス工業は、日本製鉄株式会社と住友商事株式会社をその他の関係会社として持ちます。
コークスは、製鉄プロセスに不可欠な原料であるため、日本製鉄との関係は同社の事業基盤を支える重要な要素です。
また、住友商事は、原料炭の調達や販売ネットワークの面で、同社をサポートしています。



大手企業との関係が、安定的な事業運営につながっているね!
これらの主要顧客との強固な関係は、同社の長期的な成長を支える重要な基盤となっています。
【まとめ】日本コークス工業の株価は今後どうなる?


最後に、日本コークス工業の将来性についてまとめます。
かぶリッジの結論
- 新鋭2Aコークス炉の稼働で生産体制の再構築を図る
- 総合エンジニアリング事業が増収増益で収益を下支え
- 2026年3月期は黒字転換を見込むも、配当は未定
総合的に見て、日本コークス工業は短期的には厳しい状況にあるが、中長期的には回復が期待されると考えられます。
プラス要因と注意点に分けて見てみましょう。
プラス要因
- 新鋭2Aコークス炉の稼働による生産体制の再構築
- 総合エンジニアリング事業の安定的な収益貢献
- 燃料・資源リサイクル事業の堅調な推移
- 2026年3月期は黒字転換を見込む
注意すべきリスク要因
- 2025年3月期は139億円の最終赤字を計上
- 老朽炉の将来の最適生産体制が未定
- 配当は当期無配、次期も未定
- 原料炭・コークス市況の変動リスク
日本コークス工業の株価見通しとしては、2025年3月期の大幅な赤字を受けて、短期的には厳しい展開が予想されます。



赤字や配当の見送りは、投資家にとって懸念材料だね。
しかし、2024年9月に稼働を開始した新鋭2Aコークス炉を中心とした生産体制により、2026年3月期は黒字転換を見込んでいます。
営業利益35億円、親会社株主に帰属する当期純利益9億円の予想は、収益回復への道筋を示しています。
💡 投資判断のポイント
- 短期投資家には不向き:2025年3月期の大幅赤字と配当見送りで、短期的なリターンは期待しにくい
- 中長期投資家向け:新鋭炉の稼働による生産回復と収益改善を期待する投資家に適している
- リスク許容度の高い投資家向け:老朽炉の今後や市況変動のリスクを理解した上で投資を検討
日本コークス工業は、100年以上の歴史を持つコークス製造の老舗企業として、長年培った技術とノウハウを持っています。
今後の新鋭炉を中心とした生産体制の構築と、総合エンジニアリング事業・燃料・資源リサイクル事業の安定的な収益貢献により、中長期的な成長が期待されます。



今後の業績回復の進捗を注視しながら、投資を検討することが重要だワン!