
・レノバってどんな会社?
・再生可能エネルギー事業の将来性はどうなの?
・中期経営計画2030の目標は達成できる?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論
- レノバはマルチ電源戦略により安定的な成長基盤を構築
- 2030年までに設備容量5.0GWを目指し、EBITDA600億円を計画
- 太陽光・蓄電池・陸上風力の3事業に注力し収益性を向上
レノバは、「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し、枢要な社会的課題を解決する」をミッションに掲げる再生可能エネルギー開発・運営事業者です。
2025年5月に発表した中期経営計画2030では、2030年までに運転中・建設中の設備容量グロス(発電設備全体の理論上の最大出力)5.0GW、ネット(実際に外部に売電できる電力)3.5GWを目指すという野心的な目標を掲げています。
上場以来、着実に設備容量と収益を拡大してきた同社ですが、今後の成長戦略はどのようなものでしょうか。
そこで今回は、レノバの将来性について、事業内容や業績、強みの観点から詳しく解説します。



再生可能エネルギー市場の成長とともに注目される銘柄だワン!


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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レノバの将来性は?3つの理由を解説


💡このパートの要約
- マルチ電源化されたポートフォリオにより多様な需要家ニーズに対応
- 高レバレッジのプロジェクトファイナンスで効率的な資金調達
- Develop to own戦略により長期安定収益を確保
レノバの将来性が高いと考えられる理由は、以下の3つです。
マルチ電源戦略による安定成長基盤
レノバの最大の強みは、太陽光・バイオマス・陸上風力・蓄電池という複数の電源を開発・運営するマルチ電源戦略にあります。
2024年度末時点で、同社は1.5GWのマルチ電源化されたポートフォリオを保有しており、その内訳は以下の通りです。





複数の電源を組み合わせることで、顧客の多様なニーズに応えられるんだね!
このマルチ電源戦略により、レノバは24時間365日の安定的な再エネ供給を実現できます。
例えば、太陽光は日中のみの発電ですが、バイオマスは一定の電力供給が可能です。
さらに、陸上風力は冬に発電量が増え、太陽光は夏に強いという特性があります。
蓄電池を組み合わせることで、余剰電力を充電し、不足時に放電することができ、顧客が必要とする時間帯に再エネ電力を供給できるのです。



GAFAMからの要請により、製造における再エネ需要が高まる中、24時間供給可能な再エネは大きな価値があるワン!
プロジェクトファイナンスを活用した高効率な資金調達
レノバのもう一つの強みは、プロジェクトファイナンスを活用した効率的な資金調達力です。
発電所ごとにSPC(特別目的会社)を設立し、当該発電所の将来キャッシュフローを担保として金融機関から長期借入を行うことで、少ない自己資本で大規模な発電所開発を実現しています。
プロジェクトファイナンスの実績
- 件数:25件
- 調達総額:5,000億円超
- 平均レバレッジ比率:88%



自己資本比率が16.8%だけど、大規模な発電所を次々と建設できるのはこの仕組みのおかげなんだね!
さらに、2024年12月には東京ガスとの資本業務提携により約178億円を調達しました。
この資金調達により、純有利子負債/EBITDA倍率を14.4倍から10.5倍へ改善させ、財務健全性を高めることに成功しています。
Develop to own戦略による長期安定キャッシュフロー
レノバは「Develop to own」戦略を採用しており、開発した発電所を長期保有することで安定的なキャッシュフローを生み出しています。
「Develop to sell」のように事業を途中で売却するのではなく、事業期間20~30年にわたって長期保有することで、ストック型の収益構造を構築しているのです。


実際、2025年3月末時点で、同社は約1.8兆円の売電売上を確保しています。
確保済み売電売上の特徴
- 確保済み売上:約1.8兆円
- 事業期間:20〜30年
- 売電契約等の平均残期間:17.5年
- FIT制度による長期固定価格での売電契約
FIT制度とは?
FIT制度とは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tariff)の略称です。
これは、再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が国が定めた「一定価格」で「一定期間」にわたって買い取ることを国が約束する制度です。



長期安定したキャッシュフローが見込めるから、投資家にとっても安心感があるワン!
このように、レノバはマルチ電源戦略、高効率な資金調達、長期保有による安定収益という3つの強みを武器に、再生可能エネルギー市場での唯一の専業企業としての地位を確立しています。
レノバの事業内容・業績


💡このパートの要約
- レノバは再生可能エネルギーの開発・運営事業を展開
- 2025年3月期は売上702億円、営業利益41億円で増収減益に着地
- 2026年3月期の業績予想は売上905億円(前期比28.8%)、営業利益93億円(前期比128.7%)を見込む
ここでは、レノバの事業内容と業績について詳しく見ていきます。
事業内容
レノバは、再生可能エネルギー発電所の開発・運営を中核事業としています。


同社の事業は、開発から運転に至る5つの機能を全電源で内製化している点が特徴です。
レノバの5つの機能
- 開発:約70名の開発専門家チームが高難度事業を実現
- 設計・設備調達:約50名のエンジニアチームが最適設計・調達を主導
- 資金調達:ファイナンス専門チームが高難度のプロジェクトファイナンスを組成
- 工事/運転・保有:知見蓄積・共有で高効率安定稼働を実現(バイオマス稼働率90%超)
- 需要家の開拓:高品質なマルチ電源で需要家ニーズに対応(PPA締結実績437MW)
PPAとは?
PPAとは、電力購入契約(Power Purchase Agreement)のこと。企業などの電力需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約のことを指す。



開発から運転まで一気通貫でリードできる体制が、レノバの競争力の源泉なんだね!
2024年度末時点で、同社は以下の発電所を保有・開発しています。
主要な発電所(一部)
- バイオマス:秋田バイオマス、苅田バイオマス、仙台蒲生バイオマス、石巻ひばり野バイオマス
- 太陽光:軽米西ソーラー、徳島津田バイオマス併設太陽光など多数
- 陸上風力:苓北・天草陸上風力(建設中)
- 蓄電池:姫路蓄電所(建設中)、苫小牧蓄電所(着工準備中)
また、海外ではベトナム、フィリピン、韓国、米国で事業を展開しており、グローバルに再生可能エネルギー事業を推進しています。
業績
レノバの業績は、以下の通りです。
決算期 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 |
---|---|---|---|---|
売上収益 | 29,207 | 33,581 | 44,748 | 70,246 |
EBITDA | 13,087 | 18,101 | 16,712 | 23,307 |
営業利益 | 874 | 8,870 | 5,018 | 4,066 |
親会社株主に帰属する利益 | 1,581 | 2,678 | 8,857 | 2,687 |
※売上収益、EBITDA、営業利益、親会社株主に帰属する利益は百万円単位。
2025年3月期は、杜の都バイオマスエナジーや石巻ひばり野バイオマスエナジーの運転開始により、売上収益が前期比57%増の702億46百万円、営業利益が前期比19%減の40億66百万円となりました。



大型発電所の運転開始により、業績が大きく改善したワン!
2026年3月期の業績予想
- 売上収益:905億円(前期比28.8%増)
- EBITDA:316億円(前期比35.6%増)
- 営業利益:93億円(前期比128.7%増)
- 親会社株主に帰属する利益:15億円(前期比44.2%減)
2026年3月期は売上、営業利益ともに増収増益を見込んでおり、運転中発電所の安定稼働と新規発電所が5か所、蓄電所が2か所の運転開始が業績を牽引する見込みです。
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レノバの強みから見た将来性


💡このパートの要約
- 開発から運転まで一気通貫で事業をリードする体制
- マルチ電源戦略により多様なニーズに対応
- 中期経営計画2030でグロス設備容量5.0GWを目指す
レノバの持続的な成長を支える強みは、以下の3つです。
開発から運転までを一貫して手掛ける統合的な事業遂行能力
レノバの最大の強みは、発電所の開発から運転に至る5つの工程を一気通貫で行っていることです。
この一気通貫の体制により、高難度事業であっても完結できる強固なプラットフォームを構築しています。
レノバの5つの機能
- 開発(提案力・地域との共存):約70名の開発専門家チームが高難度事業を実現。地域に受け入れられる事業の提案力を持つ
- 設計・設備調達(エンジニアリング):約50名のエンジニアチームが最適設計・調達を主導。高難度事業の開発・LCOE低減を実現
- 資金調達(ファイナンス):ファイナンス専門チームが高難度のプロジェクトファイナンス組成を主導。調達実績5,000億円超
- 工事/運転・保有(オペレーション):知見蓄積・共有で高効率安定稼働を実現。バイオマス稼働率90%超を達成
- 需要家の開拓(電力販売契約):高品質なマルチ電源を開発し、需要家ニーズに対応。複数電源にてPPA締結実績437MW(13件)



開発から運転まで一気通貫でリードできるから、他社では困難な事業も実現できるんだね!
特に開発力においては、高難度事業の実績が豊富です。
高難度事業の開発実績
- 軽米西ソーラー:40ha超の分収造林解除という課題に対し、農山漁村再エネ法を活用して自治体と協力のもと解除し、開発を実現
- 石巻ひばり野バイオマス:地域資源への影響を最大限考慮し、空冷式冷却器の採用により開発を実現
- 苓北・天草陸上風力:レノバにとって国内初のゼロから完全に新しい開発・設置を行った風力事業。環境アセスや保安林解除等を推進し、開発を実現
また、エンジニアリング面でも高い技術力を有しています。
基本設計から、地盤調査、電気系統などのエンジニアがチームとなり、発電コストの低減や高難易度事業の開発を実現。
エンジニアリングの実績
- 仙台蒲生バイオマス:土地面積制約上、燃料貯蔵設備建設に課題があったが、特殊工法可能な企業をグローバルでソーシングし選定。元請け可能な企業がなく、自社でEPC各社をまとめ実現
- 苓北・天草陸上風力:系統接続難易度の高いエリアにおける建設工程最適化、事業収益を最大化する土木設計と風車最適配置、海外製機器の品質・サプライチェーンマネジメント



基本設計から内製化することで、発電効率を最大化し、最適設備・最適価格での調達を実現しているワン!
マルチ電源戦略による多様なニーズへの対応力
レノバのもう一つの強みは、マルチ電源を保有することで、多様な需要家ニーズに柔軟に対応できることです。
脱炭素化の加速により、需要家の再生可能エネルギーのニーズは年々深化しています。
レノバは、複数の電源を組み合わせることで、欲しい時に再エネ電力を供給することが可能です。
マルチ電源の供給特性
- 太陽光:日中のみの電力供給。日射量の多い夏に発電量が増え、冬は落ち着く傾向
- 風力:比較的一定の電力供給。冬に発電量が増え、夏は落ち着く傾向
- バイオマス:一定の電力供給が可能
- 蓄電池:過剰時に充電、不足時に放電。余剰電力をタイムシフトすることで、需要家ニーズに応じた供給が可能



電源ごとの特性を組み合わせることで、24時間安定した再エネ供給を実現できるんだね!
実際、レノバは全4電源でコーポレートPPAの締結実績があり、2024年度末時点で累計437MW(13件)を獲得しています。
主なPPA締結先には、東京ガス、NTTアノードエナジー、村田製作所、鈴与商事、東邦ガス、大塚商会などの大手企業が名を連ねており、レノバの高品質な再エネ供給力が評価されていることがわかります。
中期経営計画2030の実現可能性
レノバは2025年5月に、2030年までに設備容量グロス5.0GW、ネット3.5GWを目指す中期経営計画2030を発表しました。
この目標は野心的ではありますが、実現可能性は十分にあると考えられます。
2030年度の経営目標
- 設備容量:グロス5.0GW、ネット3.5GW
- 年間発電量:81億kWh/年(70万世帯分から195万世帯分に)
- 累計温室効果ガス削減量:2,000万t-CO2(780万世帯の年間排出量)
- 業績:売上収益1,300億円(2024年度比2倍)、EBITDA600億円(2024年度比3倍)、営業利益250億円(2024年度比6倍)
実現可能性が高いと考えられる理由として、実績のある3電源事業に注力し、2030年までに約3,400億円の追加投資を計画していることが挙げられます。



既存事業の収益改善だけで160億円のEBITDA増加を見込んでいて、新規事業と合わせて600億円を目指すワン!
また、事業ポートフォリオの変化も注目すべきポイントです。
2030年度の事業ポートフォリオ(EBITDA構成比)
- 電源別:太陽光36%、バイオマス45%、蓄電池13%、陸上風力7%
- 地域別:日本87%、米国7%、アジア6%
- 売電先別:固定PPA68%、FIT等26%、市場取引5%
特に注目すべきは、固定PPAの比率が23%から68%へ大幅に拡大する計画です。
これにより、FIT等の制度支援に依存しない自立可能な収益構造へと移行していくことが期待されます。



電力市場価格の変動へのリスクヘッジができるね!
このように、レノバは一気通貫のコアコンピタンス、マルチ電源戦略、実現可能性の高い中期経営計画という3つの強みを武器に、2030年に向けて着実な成長が期待できます。
【まとめ】レノバの株価は今後どうなる?


最後に、レノバの将来性についてまとめます。
かぶリッジの結論
- レノバはマルチ電源戦略により安定的な成長基盤を構築
- 2030年までに設備容量5.0GWを目指し、EBITDA600億円を計画
- 太陽光・蓄電池・陸上風力の3事業に注力し収益性を向上
レノバの株価見通しとしては、中長期的には上昇トレンドが期待されると考えられます。
プラス要因と注意点に分けて見てみましょう。
プラス要因
- 2030年度に設備容量5.0GW、EBITDA600億円という明確な目標
- 唐津バイオマス、福島復興風力の運転開始による大幅増益
- 東京ガスとの提携による事業シナジーと財務改善
- 蓄電事業(国内3ヵ所)の本格立ち上げ
- 政府の再エネ比率40~50%目標(2040年度)という政策的追い風
- Non-FIT太陽光とコーポレートPPAの拡大
注意すべきリスク要因
- バイオマス燃料価格の変動リスク
- 出力抑制の増加による売電収入への影響
- 新規発電所の運転開始遅延リスク
- 純有利子負債/EBITDA倍率11倍という高い水準
- FIT買取価格の引き下げによる新規案件の採算性低下
総合的に見て、レノバは再生可能エネルギー分野における開発・運営の唯一の専業企業として、中長期的な成長が期待できる銘柄です。
特に注目すべきは、発電事業から蓄電事業への事業領域拡大です。
再生可能エネルギーの課題である「出力変動」を解決する蓄電事業は、今後の成長ドライバーとなることが期待されます。
また、東京ガスとの資本業務提携により、燃料調達、電力販売、風力発電開発などで具体的な協業が進んでおり、事業基盤の強化が図られています。



米国テキサス州での蓄電事業など、海外展開も本格化しているね!
一方で、バイオマス燃料価格の変動リスクや出力抑制の増加には注意が必要です。
2025年3月期には、複数の太陽光・バイオマス発電所で出力抑制が実施されましたが、同社は計画の範囲内としています。
レノバは2030年に向けた発電容量の大幅拡大と蓄電事業の本格展開を推進。
脱炭素社会の実現に向けた日本政府の政策と世界的な再エネ導入の加速が追い風となる中、中長期投資に適した成長株として注目される銘柄と言えるでしょう。