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農林中金「おおぶね」が“やばい”と話題に?その理由と真相を徹底解説

農林中金「おおぶね」が“やばい”と話題に。その理由と真相を徹底解説

「おおぶね」ってなにが“やばい”の?

最近、投資信託「おおぶね」について、“やばい”といったマイナスな言葉を耳にした方もいるでしょう。

しかし、その“やばい”という評判の本当の理由は、親会社・農林中金の巨額損失によるイメージ悪化によるものでした。

かぶリッジの結論
「おおぶね」が“やばい”という評判は、ファンド自体の運用に問題があるからではなく、親会社の巨額損失によるイメージ悪化が主な原因であり、この二つは切り離して考えることが重要

なにが“やばい”と言われた原因だったのか、分かりやすく解説していきます。

目次

なぜ農林中金「おおぶね」が”やばい”と話題になったのか?

なぜ農林中金「おおぶね」が"やばい"と話題になったのか?

農林中央金庫(農林中金)の運用資産「おおぶね」が“やばい”と話題になったのは、米国での急激な金利上昇が主要因となり、巨額の赤字が見込まれたためです。

この巨額赤字の背景には、特に以下の3つの問題点があります。

1.8兆円の赤字はファンドの問題ではなかった

農林中金の2025年3月期の決算で発表した、約1.8兆円の巨額赤字は、投資信託「おおぶね」シリーズの運用失敗が原因ではありません。

では、何が真の原因なのか見ていきましょう。

赤字に至るまでの背景
STEP
農林中金は古い(安い)債券を大量に所有していた

農林中金は、安定した収益を得るため「低金利の時期に、長期で固定金利の外国債券」を大量に買って運用していました。

STEP
世界中で金利が急上昇

しかし、FRBが2022年以降に進めた利上げによって、資金を調達する際の「短期金利(調達コスト)」が、「債券から得られる利回り(運用益)」を上回るという「逆ざや」の状態に陥りました。

STEP
保有している債券の価値が急落

金利が下がって逆ざやが解消するのを待っていましたが、状況が改善しなかったため、保有していた低利回りの外国債券を売却して損失を確定させ、結果として巨額の赤字を計上しました。

つまり、「金利の急上昇」によって農林中金が保有していた外国債が大きな打撃を受けたということです。

「おおぶね」の運用実績とは無関係だワン!

農林中金の収益8割が有価証券に頼っていた

なんで農林中金だけが赤字になったのかな?

農林中金が巨額の赤字を出した主な理由は、収入の約8割を有価証券運用に頼る「集中型」の構造に極端に偏っていたことにあります。(図1、2)

この構造によって、金利が急上昇した際、主力の債券価格が下落し、収益全体に大きな影響を与えました。

一方、3メガバンクは2025年3月期に過去最高益を更新する見込みです。

メガバンクは収益源が分散されていたため、金利上昇による貸出の利益拡大などで損失を吸収し、むしろ利益を伸ばしたのです。

農林中金とメガバンクの明暗を分けた要因
  • 農林中金:有価証券運用に8割依存 → 金利上昇で大打撃
  • メガバンク:貸出業務が主力 → 金利上昇で利益拡大

農林中金は金利上昇への耐性が弱い構造だったんだね…

投資判断と組織体制が十分に機能していなかった

農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会報告書」では、以下の3つの点が、リスク管理と判断が遅れた主な原因だと挙げられていました。

1. 意思決定の「二重チェック」機能不全

投資の決定権者とリスクを管理する責任者が同一であったため、損失が出た場合の売却(損切り)を迅速に行えず、組織的なチェック機能が働きませんでした。

2. 経営陣の市場専門知識の欠如

収益の多くを市場運用に頼っているにもかかわらず、運用経験のある理事が極めて少なかったため、経営判断に専門的な視点が不足していました。

3. 外部からの客観的な視点欠如

法律上の制限により、外部の専門家(外部理事)が不在だったため、組織内部の視点に偏りがちになり、多様な意見や客観的なチェック機能が働きませんでした。

そもそも「おおぶね」とは?

そもそも「おおぶね」とは?

「おおぶね」シリーズは、短期的な相場の変動に左右されずに、10年後、20年後も競争の優位性を維持できる「構造的に強靭な企業」に厳選して長期投資するファンドです。

それぞれの概要を以下の表で見ていきましょう。

おおぶねグローバル長期厳選投資 おおぶねおおぶねJAPAN
地域日本、北米、欧州米国日本
組入銘柄数約20〜30社約20~30社約60社
純資産総額
※2025年10月時点
約232億約737億約88億
信託報酬(手数料)年0.33%以内+成功報酬固定報酬(年0.99%)固定報酬(年0.88%)
NISA成長投資枠対象
NISAつみたて投資枠対象
販売会社SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、岡三証券、JAバンク、JAバンクのiDeCo(みずほプラン)、東和銀行SBI証券、楽天証券、SBI証券 iDeCo、楽天証券 iDeCo、マネックス証券、松井証券、岡三証券、JAバンク、JAバンクのiDeCo(みずほプラン)、大和コネクト証券SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、岡三証券、JAバンク、JAバンクのiDeCo(みずほプラン)
同社HPをもとにかぶリッジ作成

「長期厳選投資 おおぶね」が最も資金流入があるワン!

3つともNISA「成長投資枠」の利用ができ、「長期厳選投資 おおぶね」はNISA「成長投資枠」・「つみたて投資枠」のどちらでも利用することができます。

「構造的に強靭な企業」の基準
引用:農林中金

「おおぶね」シリーズの運用責任者は、農林中金バリューインベストメンツ(NVA)の最高投資責任者(CIO)である奥野 一成氏です。

プロの機関投資家から15年間信頼され続ける実績を持ち、長期投資の第一人者と言えるでしょう。

奥野氏が掲げる哲学

構造的に変化しない強靭な企業に長期投資する

短期的な相場に左右されない一貫した運用方針で、多くの投資家から支持されているワン!

投資信託を購入する前に理解しておきたいこと

投資信託の資産は、法律によって運用会社や親会社の資産とは明確に分けて管理されているという点です。つまり、万が一、親会社の農林中金が経営破綻したとしても、「おおぶね」に投資している私たちのお金(信託財産)は法的に守られ、直接的な影響を受けることはありません。

「おおぶね」シリーズ3ファンドを徹底比較

次に、それぞれのファンドの特徴について詳しく見ていきましょう。

農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)

「おおぶねグローバル(長期厳選)」は北米、欧州、日本の優良企業の中から、構造的に特に強い」と確信する20~30銘柄に絞り込み、長期安定的なリターンを狙うファンドです。

おおぶねグローバルチャート
引用:農林中金

チャート全体を見ると、短期間の上下動はあるものの、一貫して右肩上がりの傾向にあります。

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順位企業業種組入比率
1日本東京海上ホールディングス保険業4.39%
2スウェーデンアトラスコプココンプレッサーメーカー4.22%
3米国シャーウィン・ウィリアムズ塗料メーカー4.16%
4米国S&Pグローバル⾦融情報サービスプロバイダー4.11%
5米国エドワーズライフサイエンス医療機器メーカー4.10%
6米国ビザ決済テクノロジー企業4.09%
7米国テキサス・インスツルメンツアナログ半導体メーカー4.06%
8日本信越化学⼯業素材化学メーカー4.04%
9米国ジャック・ヘンリー・アンド・アソシエーツ⾦融機関向けシステムベンダー4.01%
10イギリスコンパス・グループフードサービスプロバイダー3.95%
引用:月次運用レポート

色々な国と業種の企業が並んでいるね!

農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね

「長期厳選投資 おおぶね」は、成長性が高く、本当に強いビジネスモデルを持つ米国企業に集中的に長期投資をすることで、安定的なリターンを目指しています。

3つのファンドの中で一番人気だワン!

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順位企業業種組入比率
1ZOETIS INCヘルスケア5.6%
2VISA INC-CLASS A SHARES金融5.5%
3S&P GLOBAL INC金融5.3%
4TEXAS INSTRUMENTS INC情報技術5.1%
5TRACTOR SUPPLY COMPANY一般消費財・サービス4.2%
6TJX COMPANIES INC一般消費財・サービス4.1%
7AMAZON.COM INC一般消費財・サービス4.1%
8AMPHENOL CORP-CL A情報技術4.1%
9EDWARDS LIFESCIENCES CORPヘルスケア4.0%
10SERVICE CORP INTERNATIONAL一般消費財・サービス3.9%
引用:月次運用レポート

S&P500と比較したらどんな違いがあるのかな?

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S&P500長期厳選投資 おおぶね
対象範囲米国の主要な500社日米欧の優良企業から約20~30社を厳選
運用手法パッシブ運用(市場全体の値動きに連動)アクティブ運用(独自の哲学に基づき銘柄を選択)
目的アメリカ経済と優良企業に、高効率で分散投資すること独自の視点で銘柄を選び、市場平均を上回る利益を狙う。

S&Pが広く浅く投資するのに対し、長期厳選投資 おおぶねは20~30社に絞り込むというハイリスク・ハイリターンの集中投資をしています。

農林中金<パートナーズ>おおぶねJAPAN

「おおぶねJAPAN」は企業価値を重視し、持続的に利益を生み出す日本の有望企業に長期的に投資します。

順位企業業種組入比率
1三菱UFJフィナンシャル・グループ銀⾏業3.31%
2第⼀⽣命ホールディングス保険業3.27%
3三菱地所不動産業3.26%
4TIS情報・通信業3.21%
5東京海上ホールディングス保険業3.20%
6全国保証その他⾦融業3.19%
7ユー・エス・エスサービス業3.16%
8丸井グループ⼩売業3.11%
9東宝情報・通信業3.11%
10セコムサービス業2.97%
引用:月次運用レポート

TOPIXと比較したらどんな違いがあるのかな?

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TOPIX(東証株価指数)おおぶねJAPAN
対象範囲東証プライム市場に上場する全ての普通株式(約2,100銘柄)日本企業の中から厳選した有望銘柄(約60銘柄)
運用手法パッシブ運用(市場全体の値動きに連動)アクティブ運用(独自の哲学に基づき銘柄を選択)
目的日本株式市場の平均的な動きを捉えること市場の平均(TOPIXなど)を上回るリターンを目指すこと

TOPIXは日本の主要上場企業の株価を反映した指数で、日本株式市場の“平均的な動き”を示します。

一方おおぶねJAPANは、独自の基準で選んだ少ない「勝ち組企業」だけに集中投資をして、市場平均を超えるリターンを目指すファンドです。

日本企業かつ高いリターンを求めるひとにピッタリのファンドだワン!

「おおぶね」の運用実績は?

それぞれの運用実績を見ていきましょう。

農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)

2025年9月は、米欧の利下げ期待を背景に株価は堅調だったものの、円換算後のリターンは-1.47%となりました。

AI関連株が相場をけん引する一方、S&Pグローバルなど一部銘柄の下落が影響しました。

資金流出は4か月連続で、投資家のリスク回避姿勢が継続しています。

農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね

2025年9月は、米国株式市場が利下げ再開期待を背景に上昇した一方、当ファンドの円換算後リターンは-2.29%となりました。

AI関連株の上昇が相場を支えたものの、S&Pグローバルやテキサスインスツルメンツなど一部銘柄の下落が影響たようです。

基準価額は27,726円と前月比で下落し4か月連続で資金流出が続く中、投資家の慎重な姿勢が見られました。

農林中金<パートナーズ>おおぶねJAPAN

2025年9月の日本株市場は、AI関連銘柄の上昇やトランプ米大統領による関税引き下げの発表を背景に史上最高値を更新

当ファンドは+0.81%と小幅な上昇で、東京エレクトロンやディスコなど半導体関連株が寄与しました。

一方、MonotaROやテルモなど一部銘柄の下落が抑制要因となり、資金流出は4か月連続で続いています。

「おおぶね」の評判・口コミ

「おおぶね」の評判・口コミ

「おおぶね」に関する評判や口コミでは、投資方針に魅力を感じる層もいますが、「手数料の高さ」と「比較対象であるTOPIXの扱いに関する情報開示の点」についてマイナスな意見が目立ちました。

信託報酬(手数料)の高さ

「おおぶね」の信託報酬は0.99%で、人気のインデックスファンドと比べると高く見えます。

運用方法信託報酬(手数料)
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねアクティブ運用0.99%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)パッシブ運用0.09378%

なんでこんなに手数料が違うの?

この手数料の差は、運用方法の違いによるものです。

アクティブ運用とパッシブ運用の違い
  • パッシブ運用(インデックスファンド)
    市場全体の平均に連動することを目指すため、銘柄選定にコストがかからず手数料が安い(例:S&P500)
  • アクティブ運用
    プロが銘柄を厳選し、市場平均を上回るリターンを目指すため、調査・分析コストがかかり手数料が高くなる(例:おおぶね、ひふみプラス)

つまり、運用方法が違うファンドと手数料を比較しても、高い・安いの判断はできないのです。

同じアクティブ運用のファンドと比較するのが正しいワン!

では、同じアクティブ運用の人気ファンドと比較してみましょう。

アクティブ運用ファンド信託報酬(手数料)
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね0.99%
ひふみプラス1.078%
三井住友DS・海外株式ETFファンド1.22%

アクティブ運用ファンドの中では、「おおぶね」の手数料は標準的、むしろやや低めの水準と言えます。

アクティブ運用の平均は1.0~1.5%程度だから、おおぶねが特別高いわけじゃないワン!

ただし、アクティブ運用が必ずしもパッシブ運用より高いリターンを生むとは限りません

手数料の差を考慮すると、長期的にはインデックスファンドの方が有利になるケースも多いため、ご自身の投資方針に合わせて選択することが重要です。

TOPIXの削除

公式の説明がないため理由は不明ですが、2025年1月まで掲載されていたTOPIXの比較が削除されたことで、一部の投資家の間で情報開示の透明性への懸念が広がり、マイナス評価につながっています

【今後の見通し】農林中金「おおぶね」は“やばい”のか?

SBI証券「おおぶね」の紹介画面
参照:SBI証券

結論として、農林中金「おおぶね」ファンド自体が“やばい”ということではありません。

🔰かぶリッジの結論

  • 「おおぶね」が話題になったのは、親会社・農林中金の巨額赤字(1.8兆円)が原因
  • 農林中金は資金調達やポートフォリオの見直しを進めている
  • 「おおぶね」の運用は今後も継続される見通し

「おおぶね」に投資するならSBI証券!

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投資を検討する際は、親会社のニュースに惑わされず、ファンドの方針、手数料、そしてご自身の投資目的との適合性を冷静に判断することが重要です。

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