IR系アドベントカレンダー初参加してみました。かぶリッジ(≒株式会社インベストメントブリッジ 社長室の曽根原)です。
※このサイトは10月にオープンした日本株特化のWebメディアで、「いろはにマネー」というメディアから日本株の記事をスピンアウト・強化したものです。ほかにも「ブリッジサロン」というサイトは長年運営しております!
アドベントカレンダーは以前ある方にお誘い頂いたことあったのですが、気づいたら埋まっていたということが…。なので、今回は秒速で登録させていただきました。
発起人の重松さん、ありがとうございます!(先日とあるイベントで初めてお会いでき、名刺の“COO”に衝撃を受けました)
さらに昨日はIR研究室 | 柳瀬さんの「IRのキャリア形成」。複業IR、面白いですね。(柳瀬さんも先日同じイベントで初めてお会いできました!)
さて自分はどうするか、、と色々考えましたが、週末に長い文章を読むのは疲れるので、今日は「よくあるIRのお悩み5選」をQ&A形式で載せてみます。文量多くなってしまいましたが、内容はライトです。
是非、各質問への皆さんなりの回答もXに投稿してみてください^^
では、スタート!
※今回はあくまでも簡単にQ&Aをご紹介するので、より詳しい話をしてみたい方は是非X(@kabu_bridge)or(@sonepi493)でメッセージください!
IRの必要性を分かってもらえないんですけど…
IRの必要性は色々な意見ありますが、ズバリ「投資家に信頼してもらう」ためだと私は思います。
IRって英語でInvestor Relations。投資家との関係性を構築して、深めるためにIR活動は必要なんです。
※信頼関係という意味では、SR(Shareholder Relations)も同じように大事です。
IR活動にしっかり取り組んで、投資家との信頼関係を築けると…↓
- 業績が悪い時でも、株を持ち続けてくれる/(株価下がったら)買い増してくれる
- もちろん、業績回復の道筋(課題→対策→成長戦略)や赤字の場合は理由(先行投資ならその効果)もしっかり説明するのが大事。
- 売られることもありますが、それは株式市場なので…
- 自社のことを知らなかった投資家が、徐々に気にかけてくれるようになり、最終的には株主になってくれる
- 個人投資家向け説明会など認知拡大系IRの目的は、これですね。
- 認知拡大系のIRは色々な施策打つことが多いですが、「メッセージをぶらさない」「約束(戦略やKPI開示)を守る」ことは徹底しましょう。
- 資金調達するときに有利
- よく言われる、「IRをして株価が適正水準にあれば希薄化を抑えられる」というのもありますが、、
- 投資家との信頼関係があれば、増資の目的や今後の利益成長を理解してもらえて、株価下落を抑えられます。(資金調達するときの資料や説明会もめちゃくちゃ大事です。有名ですがSHIFTさんのMSワラントの例とか。)
- 普段IRに取り組んでいない企業がいきなり(エクイティで)資金調達すると、普通に希薄化で嫌がられます。
あとはベタですが結構重要なのが、「IR活動をすればするほど、経営がアップデートされる」という点です。
IR活動では投資家からのフィードバックも数多くいただけるので、他社との比較、成長戦略へのツッコミ、海外の事例、実は株主還元よりも成長投資をしろと思われている、など色々な意見を経営にフィードバックできます。
最近は割と浸透していますが、機関投資家との面談時には企業側からも質問をするのが大事です。
と、これは私の意見です。
是非あなたが思う「IRの必要性」、Xで投稿してください!!
じゃあ、IR活動って何をやれば良いんですか?
オプションは色々ありますが、、代表的なのは以下ですね。
- コストそこまでかけない系
- 決算説明会のアーカイブ動画を残す
- 1Q、3Qでも説明会をオンライン開催する
- 決算ごとにQ&Aを掲載する(最近MTGした企業様は投資家からの質問だけでなく、自社から投資家への質問・それに対する回答も掲載されていました)
- 個人投資家向け説明会を定期的に開催する(自社開催・リアルゲイトさんの記事が面白いです^^)
- 過去に面談した機関投資家へ自社から連絡し、面談依頼する
- 月次で開示を出す(業態による)
- スマホ向けサマリを出す(とにかく接点増やす施策。アズ企画設計さんの記事でも紹介されています^^)
- コストかける系
- スポンサードレポートを出す(当社、フィスコさん、シェアードリサーチさん等)
- 個人投資家向け説明会に出る(当社、ログミーFinanceさん、湘南投資勉強会さんやKabu Berryさん等)
- 決算説明会の書き起こしを出す(スクリプツアジアさん、ログミーFinancさん等)
- 海外投資家との1on1アレンジサービスを使う(当社、ジェイ・ユーラス・アイアールさん等)
- 個人投資家向けの露出サービスを使う(当社、IRTVさん等)
- 最近の「やらなきゃまずい」系
- 「資本コストや株価を意識した経営」を開示する(これは色々コツ・事例もあります)
- ESG関連の開示をする(中小型・環境関係ない!という企業でも出せる情報はあります)
私はお客様から相談を受けた時にはコストかからないもの(企業で完結)から提案しつつ、企業単体では難しいものやプラスαもやっていきましょう!というときに当社のサービスを(ニーズによっては他社さんのも)提案しています。
他にも「当社はこんなことやってます!」という方はXで教えてください!
IR活動の効果が分からないのですが…
IR活動をやったからといってすぐに株価が上昇したり、出来高が増えることはないので、定量化が難しいですよね。
私のお客様や、色々な方とお話しすると「IR活動の効果測定・定量化」は以下のようなパターンが多いです。
- 特定期間でのIRリリース件数
- 特定期間でのIRイベント参加回数・参加者(視聴者)数
- 特定期間での出来高の変化(IRリリースやイベント参加回数と紐づけながら)
- 個人投資家のアンケート回答結果の変化(投資意向や理解度)
- 機関投資家の保有比率の変化(発行株%だけでなく、機関投資家の国や、ファンドのスタイルの変化も)
IR活動ってなかなか効果も見えづらく、「もう嫌だぁ」となる担当者さんも多いのですが、コツコツとやり続ければ必ず結果は出てきます。
実は当社がIR支援させていただいている企業様をインデックス化(社内向け)したこともあるのですが、めちゃくちゃインデックスのパフォーマンス良かったんです。
もちろん、会社が成長することは絶対条件。そこにIR活動も組み合わせるのが一番です。(IRはIR担当者だけでなく、経営陣も一緒に取り組むもの!)
もう手が回りません…/ひとりIRで孤独です…
この投稿を見られているIR担当の方も、もしかすると“ひとりIR”かもしれません。
IR施策に手が回らない場合は、まずは周辺部署(経企、経理、総務、広報等)とコミュニケーションを取り、それぞれの領域と被る部分は手伝ってもらう、というのが一つの手です。
最近は英訳や資料作成はAIを使って効率化している方もいらっしゃったり、Canvaで画像や資料を作っている方もいるので、実務的なノウハウはIR担当者同士での横の繋がりがあると良いです。(弊社のような支援企業から他社の事例を聞いたり、紹介してもらったりする手も。)
これは“IR支援側の視点”ですが、当社のお客様でもひとりIRの企業様は多いので、以下のような点を意識してサポートしています。
- なるべくライトにコミュニケーションを取る
- 日常的にチャットや電話で連絡を取り、小さな悩み事や実務的な疑問をすぐに解決できるように。
- お客様からご要望が無くても、決算資料や開示に関するフィードバック・リアクションはお送りする
- 忙しくて開示後の振り返りまで手が回らない担当者様も多いので、次の開示の際に参考になるようなフィードバックは送るようにしています。
- とにかく明るく元気にお話しする
- IR業務が忙しかったり、ひとりIRでお悩みを抱えていたり、株価が下落していたり…大変な時も多いお客様に少しでも笑顔になっていただけるよう、常に明るく元気にお話しするようにしています。
- また、当社の他のお客様を紹介し、横の繋がりができるような場も設けるようにしています。
他にも実務的なサポートは色々ありますが、当社のスローガンである「挑み続ける、あなたと挑む。」の精神でお客様と並走することを大事にしています!
株主還元ってどうすれば良いですか?
最後は割とシビアな話なのですが、株主還元をどうすべきか聞かれることも多いです。
株主還元というと、主に以下の3つが連想されるかと思います。
- 配当
- 株主優待
- 自社株買い
最近は上場維持基準をクリアするにあたり、大幅増配や優待新設を発表する企業が投資家の間で話題になることも多いですが…
前提として投資家は「リターン」を求めているので、企業としては「株主還元」の配当や優待だけに目を向けるのではなく、そもそもの株価を上げる(≒事業成長)意識は不可欠です。
また、配当を出すなら単発的に出すのではなく、配当性向・DOE・累進配当など配当方針も示す必要があります。そのためにも、利益を安定的に創出する地力は不可欠ですね。
また、優待の是非(海外投資家や機関投資家に不公平等)は議論の余地ありますが、toCで自社製品がある企業ならファン株主を増やす手段にもなりますし、長期保有株主を増やす手段にもなり得ます。
しっかり事業成長している企業が優待を新設すると、優待のニュースで個人投資家の注目が集まり、そこから事業成長・将来性も発見してもらえて、株価が上がっていくというケースもあります。
自社株買いについては株価下落時に機動的に実施できるのが魅力ですし、最近は「M&Aや事業投資等成長投資をし、配当性向〇%で配当を出した後でも自己資本比率が〇%を超えている場合、自社株買い等追加の株主還元に資金を振り分ける」といった方針も見るようになりました。
と、結局は各社の状況次第で取るべき施策は変わるので、回答も変わります。なので、「基本こうすべき」というのは本稿では書きません。
(キャッシュをどう使うかは、東証さんの『「資本コストや株価を意識した経営」に関する「投資者の目線とギャップのある事例」等の公表について』にヒントが盛りだくさんです。)
以上、5つのよくあるお悩みについて書いてみました。
最後に、明日へ繋げる前に告知させてください🥺
告知①
インベストメントブリッジでは、来月(1月24日)にESG情報開示セミナー『中小型企業におけるサステナビリティ開示のあり方』を開催します。
「形式だけの開示」ではなく、「投資家に魅力的に思ってもらえる開示」にするには?
東京海上アセットマネジメント株式会社 ESGスペシャリストの菊池様を講師にお招きした対面での開催です。
懇親会もあるので、是非IRの情報収集&横の繋がりを作る機会としてご参加くださいませ!
>>申し込みはこちらから
(アドベントカレンダー投稿されているIR担当の方々からも既にお申込みいただいているようで、ありがとうございます!!)
告知?②
私は普段PCカタカタすることも多いのですが、人と会うのが大好きです。
お客様とも定期的に対面でMTGをしたり、ご飯行かせて頂いています。
「ちょっとIRの壁打ちをしてみたい」「ほかの会社のIR事情が知りたい」「インベストメントブリッジ/ブリッジサロン、聞いたことはあるな…」という方は是非お会いする機会をいただければ嬉しいです!(営業は1ミリくらいしかしませんので!!)
お優しい方は、是非私宛にDMください。
明日はFigurout 中村さん。「資本主義のアップデートについて考える Advent Calendar」読ませていただいています。
明日の投稿、楽しみにしております!!