今回はIPO企業の中から、2024年12月18日に上場したキオクシアホールディングス(285A)をご紹介します。
キオクシアホールディングスは、メモリおよび関連製品の製造、販売、研究開発を行う企業です。
想定時価総額は7,493億円で、電気機器業のIPOとなっています。
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この記事の監修者
監修者:曽根原 大介
上智大学 外国語学部卒業。在学中に米 San Diego State University ファイナンス学部に留学。FP3級保持。
2019年より株式会社インベストメントブリッジにて投資家向けWebサイトの運営や上場企業のIRコンサルティングを手掛け、現在は社長室 室長。
学生・新卒向けの金融教育活動も実施。日本株やアメリカ株、NISAの投信積立、仮想通貨などに7年以上投資している。
キオクシアホールディングスのIPO基本情報
ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 12月18日(水) |
---|---|
かぶリッジ独自の初値予想 | D(1.0倍未満) ※想定価格1,390円から、1,390円未満 |
企業Webサイト | https://www.kioxia-holdings.com/ja-jp/top.html |
取り扱い証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(主)、モルガンスタンレーMUFG証券(共同主)、野村證券(共同主)など |
主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券だよ!
キオクシアホールディングスのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
同社のIPOでは、「承認前提出方式(S-1方式)」という方法が日本で初めて採用されます。
この方式は2023年10月より導入され、東京証券取引所が上場を承認する前に有価証券届出書を提出して上場までの期間を短縮するものとなっています。
承認前に投資家と対話して需要を探ることができ、市場の目線が価格に反映されやすくなるほか、上場までの期間が短縮されて市場環境の変動リスクを抑えることもできます。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,390円 |
---|---|
仮条件 | 1,390円 ~ 1,520円 |
ブックビルディング期間 | 12月2日(月)~12月6日(金) |
当選発表日 | 12月9日(月) |
公開価格 | 1,455円 |
申込期間 | 12月10日(火)~12月13日(金) |
上場日 | 12月18日(水) |
初値 | 1,440円 |
初値は公開価格割れしてしまったね…
キオクシアホールディングスのIPO初値予想
想定時価総額は7,493億円、吸収金額1,150億円と大型案件です。
半導体関連株は注目の高いテーマではあるものの、半導体需要に業績が左右されます。
また、市場の成長性を予測することも難しくIPO参加者が限定的になる可能性があるでしょう。
これらの点から、IPO評価:D(予想レンジ1.0倍未満=1,390円未満)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
ちなみに
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
キオクシアホールディングスの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、現時点で次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(主幹事) | 21.44% | 4,622,800株 |
モルガンスタンレーMUFG証券(共同主) | 1.13% | 243,300株 |
野村證券(共同主) | 22.57% | 4,866,200株 |
Bofa証券 | 1.67% | 359,300株 |
SMBC日興証券 | 18.05% | 3,892,000株 |
みずほ証券 | 17.10% | 3,687,100株 |
大和証券 | 14.72% | 3,175,000株 |
SBI証券 | 1.90% | 409,600株 |
楽天証券 | 0.47% | 102,400株 |
松井証券 | 0.47% | 102,400株 |
マネックス証券 | 0.47% | 102,400株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 91 | 18 | 完全平等抽選: 60% IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30% 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10% | 必要 |
楽天証券 | 59 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 52 | 18 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 67 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 49 | 3 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 51 | 6 | 完全平等抽選 | 必要 |
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、東芝が筆頭株主になっています。
2~4位は米投資ファンドのベインキャピタルで、合わせて54.91%出資しています。
また7位のステイシー・スミス氏は、半導体メーカー・米インテルでCFO(最高財務責任者)を務めた経歴を持ち、現在は同社の取締役を務めています。
株主名 | 比率 |
---|---|
(株)東芝 | 39.68% |
BCPE Pangea Cayman, L.P. | 25.31% |
BCPE Pangea Cayman2, Ltd. | 14.60% |
BCPE Pangea Cayman 1A, L.P. | 9.15% |
BCPE Pangea Cayman 1B, L.P. | 5.85% |
HOYA㈱ | 3.06% |
ステイシー・スミス | 0.59% |
ロレンツォ・フロレス | 0.07% |
早坂 伸夫 | 0.07% |
渡辺 友治 | 0.06% |
大株主である東芝と米ベイン間で思惑が異なり、上場時期がずれ込んだんだ…
キオクシアホールディングスの業績情報
決算期 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 9,872 | 11,785 | 15,265 | 12,821 | 10,766 |
成長率 | ー | +19.4% | +29.5% | -16.0% | -16.0% |
営業利益 | -1,371 | 66 | 2,162 | -990 | -2,527 |
成長率 | ー | ー | +3175.8% | ー | ー |
営業利益率 | -13.9% | 0.6% | 14.2% | -7.7% | -23.5% |
当期純利益 | -1,667 | -245 | 1,059 | -1,381 | -2,437 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
EPS | -18.0 | -89.4 | 178.3 | 50.5 | 213.1 |
BPS | 93.7 | 6.5 | 185.4 | 241.8 | 461.0 |
※単位:億円
2024年3月期の売上高は10,766億円(前年同期比16.0%減)、営業損失は2,527億円(前年同期比1,537億円減)となりました。
減収減益の要因は、年度前半までの大幅な販売単価下落が影響しています。
しかしながら、年度後半はフラッシュメモリメーカー各社の生産調整等による需給バランス改善から回復基調が鮮明となっているようです。
実際に2025年3月期は、円安やAI需要の拡大も追い風となり第1四半期の売上高が4,285億円(前年同期比70.6%増)となっています。
これまで、マーケット環境や業績の悪化からIPO時期を模索してきましたが、事業環境が好転し業績も回復傾向にあることから短縮手続きを選択しました。
良くも悪くもマーケット環境が大きく反映されるから、市場の成長トレンドを抑えておきたいね!
キオクシアホールディングスの事業内容
キオクシアホールディングスは、主にNAND型フラッシュメモリやSSDを製造する半導体メーカーです。
国内半導体メーカーとして3位の売上高で、フラッシュメモリ市場においては世界2位のシェアを誇っています。
不正会計問題で経営危機にあった東芝から半導体メモリー事業を分社化し、米ベインが主導する企業連合の出資によって設立された「東芝メモリホールディングス」を社名変更して、2019年に誕生しました。
同社は幅広い製品ポートフォリオとフラッシュメモリ・SSD業界をリードする技術競争力で、顧客のニーズに応えています。
フラッシュメモリ・SSDどちらの製品も企画から量産までを一貫して行っており、世界をリードする基幹部品を生み出し続けています。
同社の特徴を4つにまとめました。
フラッシュメモリ市場シェア
- 約2割(サムスン電子に次ぐ世界2位)
売上収益
- 1兆766億円(2024年3月期、ルネサスエレクトロニクス、ソニーに次ぐ国内3位)
NAND型フラッシュメモリの発明
- 1987年、キオクシアは世界初のNAND型フラッシュメモリを発明。
大容量のデータ保存を可能にする記憶用デバイスで、スマートフォンなど身近な電子機器やdataセンターにおいても欠かすことのできない基幹部品となりました。
3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH」
- 2007年、キオクシアは世界初の3次元フラッシュメモリ技術を発表し、その後「BiCS FLASH」として製品化。
これにより大容量のメモリ製品が実現し、フラッシュメモリの市場がさらに拡大しました。
NAND型フラッシュメモリに強みを持っているんだワン!
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Terra Drone | 11/29 | C(1倍~1.3倍未満) | 0.92倍 |
グロービング | 11/29 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.23倍 |
ククレブ・アドバイザーズ | 11/28 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.32倍 |
ガーデン | 11/22 | D(1倍未満) | 0.96倍 |
Sapeet | 10/29 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.52倍 |
Hmcomm | 10/28 | A(1.5倍~1.7倍未満) | 1.33倍 |
上場時期が重なり資金が分散され、初値が公開価格を下回ったIPO銘柄も複数ありました。
ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。
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