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NISAよりiDeCoを満額にすべきと聞きました。どっちを優先すべきですか?

読者のギモン

25歳の社会人です。

新NISAが話題ですが、父親に「NISAよりiDeCoを満額にすべき」と言われました。

実際のところ、どちらを優先すべきなのでしょうか?

編集部の回答

NISAとiDeCoはどちらも節税メリットの大きい制度ですが、節税メリットだけを考えるならiDeCoを満額にすべきです。

ですが、投資は節税メリットだけでなく“自由度”も大切です。

どちらを優先すべきかは状況次第で変わってくるため、それぞれの制度の違いに触れながら、どちらがおすすめなのかご紹介します。

本当はNISAとiDeCOの両方に投資できたら良いけど、いきなり両方に投資できる資金がある人は少ないよ。

節税メリットを考えるなら、iDeCoを満額にすべき

NISAとiDeCoを比較したとき、節税メリットを考えるのであれば、まずはiDeCoを満額にするのがおすすめです。

▼NISAとiDeCoの節税メリット

NISAiDeCo
運用益が非課税・運用益が非課税
・拠出額を毎年の所得から控除でき、所得税、住民税を軽減できる
・受け取り時に税額を軽減できる

NISAはNISA口座で投資した銘柄が利益を出したときに、通常20.315%の税金が課されるところ、非課税にできるという制度です。

一方、iDeCoはNISA口座と同様に、運用して得られた利益に課される税金が非課税になるのに加え、投資額分を所得控除できるため、所得税・住民税が安くなります。

例えば、iDeCoで毎月20,000円を投資する場合、投資した銘柄を運用して得られた収益が非課税になるだけでなく、毎月20,000円×12ヶ月=24万円を、その年の所得から差し引いて所得税・住民税が計算されるのです。

会社員や自営業者にとって、大きなメリットのある制度だワン!

また、iDeCoは60歳以降、「一時金」か「年金」方式でお金を受け取ることができます。

「一時金」方式で受け取る場合には退職控除を、「年金」で受け取る場合には公的年金と同様の控除を受けることが可能です。

あわせて読みたい

一時金と年金どちらで受け取るかによって、税額が大きく変わります。

>>iDeCoの賢い受け取り方は?一時金と年金どっちがお得?

「投資」にまだ不安があるならNISAを優先するのがおすすめ

iDeCoの方が節税メリットはありますが、iDeCoは60歳になるまでお金を引き出すことができません。

そのため、「投資」に対して抵抗や不安がある方は、まずはNISAで投資を始めるのがおすすめです。

NISAiDeCo
いつでも注文を出して売却し、お金を引き出せる売却はできるが、60歳以降まで引き出せない

NISAは通常の株式投資や投資信託への投資と同様に、売却したいタイミングで売り、お金を引き出すことができます。

一方、iDeCoは拠出したお金は原則として60歳以降になるまで引き出すことができません。

どちらも長期投資が前提だけど、NISAの方が心理的ハードルは低いよ。

年収があまり高くない方や、主婦(夫)の方はNISAを優先するのがおすすめ

iDeCoは投資額分を毎年の所得から控除できますが、所得が少ない方は効果が薄くなってしまう点に注意が必要です。

所得税は所得の高い人ほど高い税率が課される”累進課税制度”が取られているからです。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円
国税庁-所得税の税率

例えば、所得の額が920万円という方は、900万円を超える20万円分について33%の税率が課されてしまいますが、iDeCOで毎月2万円投資して、24万円の所得控除の適用を受ければ、税率を23%に抑えることが可能です。

一方、所得が195万円未満の部分は税率5%、195万円~330万円未満の部分は税率10%となるため、年収があまり高くない方や主婦(夫)の方がNISAよりiDeCoを選ぶ節税メリットは小さいといえます。

主婦(夫)の方で所得がなかったら、そもそも所得から控除することもできないよ…

NISAとiDeCoはどちらも利益が非課税ですが、iDeCoには60歳になるまで原則としてお金を引き出せないという最大のデメリットがあるため、年収があまり高くない方や主婦(夫)の方はNISAを優先するのがおすすめです。

筆者の見解まとめ

NISAとiDeCoどっちを先に満額にすべきかについて、3つのケースに分けて解説しました。

iDeCoは60歳までお金を引き出せないというデメリットがある一方で、拠出額分の控除を受けられることから、高い説税効果を持ちます

質問者さんは25歳ということで、一般的な年収と仮定するならそこまで所得軽減のメリットは無いかと思います。

これから投資を始めるのであれば、まずはNISAから始めて”投資に慣れる”と良いのではないでしょうか。

毎月一定額を投資するのに違和感が無くなったら、iDeCoも5,000円から始めてみましょう。

なお、本記事の内容を見てもiDeCoとNISAで迷ってしまうという方は、投資にちょっとハードルを感じている可能性が高いと思います。

そうした方は、まずは資金拘束のないNISAから始めてみるのがおすすめです。

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執筆:かぶリッジ編集部

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