
・大豊工業の株価は今後どうなるんだろう?
・主力製品の将来性は?
・新事業で成長できるの?
このようなお悩みを解決します。
大豊工業は、自動車部品の製造を中心としたメーカーで、エンジンや駆動系に使われる精密部品の開発・製造が主な事業です。
メタル製品やベアリング部品などの動力伝達に関わる重要部品を手がけており、自動車の高性能化・低燃費化に貢献しています。
2026年第1四半期決算では、自動車製造用設備関連事業で前年同期比51.8%の増収を達成し、経常利益は同124.6%増を記録しました。
今回は、大豊工業の株価の今後の見通しと将来性について詳しく解説します。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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大豊工業の将来性は?3つの理由を解説


大豊工業の現在の株価は以下の通りです。
今は将来への先行投資の「我慢の時期」にありますが、長期的に見れば将来性がある企業だと考えられます。
大豊工業の将来性を支える大きな要因は、主力である自動車部品の製造の需要です。
特にグローバルに展開する大豊工業は、軸受製品やシステム製品の売れ行きが今後のカギを握ります。
同社の将来性を裏付ける理由は以下の3つです。
電気自動車とガソリン自動車の需要推移
近年、電気自動車やハイブリッド自動車などの需要が世界中で拡大中です。
大豊工業の事業は、自動車部品・自動車製造用装置の販売が中心なのでこれらの需要の推移が今後の収益に影響します。
上記の資料は、エンジン搭載車とエンジン非搭載車の今後予想される生産台数の推移を表しています。
資料からわかる通り、エンジン搭載車は減少すると予想されていて、2030年には生産台数全体の約7割ほどになるとの予想。
反対に、エンジン非搭載車(電気自動車)は今後上昇すると思われており、2030年には生産台数全体の約3割ほどと予想されています。



アメリカのテスラや中国のBYDなどの電気自動車は、性能が高いと評価されているね!
これまでの大豊工業の事業の根幹であった、エンジン搭載車のための部品販売からエンジン非搭載車の部品販売を今後の新事業として挙げています。
具体的には、大豊工業の事業内容・業績にて説明しましょう。
経営基盤強化のESG



ESGって何だろう?
企業の環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取った言葉で、企業が長期的に成長するために考慮すべき3つの経営・投資の観点です。
大豊工業は、経営基盤の強化の取り組みとしてこの観点を意識しています。


今回はこの中の環境配慮についてお伝えします。
環境 Environment
環境配慮としては、循環型社会・サーキュラーエコノミーへの貢献をあげています。
新事業のめっき排水処理「アクアブレイナ」により、災害時の生活と工業用水改善や農業用水改善が実現でき、「水」のサーキュラーエコノミーを目指しているのです。
製品や資源を繰り返し活用しながら、付加価値を最大化することを目指す経済システム
2025年1月23日には、「アクアブレイナ」が愛知環境賞で優秀賞を受賞しました。


めっき排水処理「アクアブレイナ」は、めっき工程の排水処理に高機能膜を組み合わせた複合排水処理システムで、排水処理のエネルギー消費量を大幅に削減できています。
カーボンニュートラルの実現に大きく貢献する点が評価されました。



地方自治体から表彰されたことは、しっかり取り組んでる証だね!
また、カーボンニュートラリティ社会実現への貢献としてGHG削減活動や再エネ導入 、 再エネ活用原材料の導入なども行っています。
新事業開発
大豊工業は新事業開発にも積極的に取り組んでいます。
同社の新事業は、EV化、カーボンニュートラルなどの自動車産業の大きな変革期に対応するため、電動化関連部品事業と環境・サステナビリティ関連事業を柱として展開しています。
電動化関連部品事業の核となるのは、エンジン非搭載車である電気自動車や燃料電池車に不可欠な「電気」と「熱」を制御する高機能な部品の提供です。
具体的には、バッテリーからモーターへ大電流を送るためのバスバー(導体棒)の開発や、電力を制御するインバーターなどの熱マネジメント部品に注力しています。



電気自動車の波に乗った取り組みだね!
また、既存の強みである摩擦を制御する技術(トライボロジー)を生かし、EVのモーター軸を支える高性能な軸受(ベアリング)の開発も進めています。
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大豊工業の事業内容・業績


事業内容
事業内容は、自動車部品と自動車製造用設備です。
ここから、自動車部品の既存事業について説明します。
既存事業
既存事業は、大豊工業の長年の歴史と技術の基礎を築いてきた、主に内燃機関(エンジン)向けの自動車部品の製造・販売です。
現在の主な既存事業(内燃機関部品)は以下の通りです。
事業内容 | 主な製品例 |
---|---|
軸受製品(ベアリング) | エンジン用すべり軸受、駆動・補機用軸受、コンプレッサー用軸受 |
システム製品・機能部品 | バキュームポンプ、EGRバルブ、排気バルブ、ターボチャージャー部品 |
アルミダイカスト製品 | インバーターケースやコンバーターケースの一部、ロアカバーなど |
ガスケット製品 | シリンダーヘッドガスケット、排気系ガスケット |
軸受製品は、世界最大級の生産規模を誇り、内燃機関の心臓部を支える重要な部品です。
特に樹脂コーティング軸受は、低燃費化に貢献する製品として注目されています。
軸受製品が売り上げの多くを占めており、ほとんどの製品の売上高が向上していることがわかります。



商品別でみても、それぞれ売り上げが上がっていてすごいね!
大豊工業は、自動車業界の電動化が進む中でも、この内燃機関部品を「継続し、磨き上げる」としており、収益性を向上させることが既存事業の主な戦略となっています。
業績
次に業績を見ていきましょう。
2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 105,161 | 112,044 | 112,789 |
経常利益 | 1,211 | 3,236 | 910 |
親会社所有者に帰属する当期利益 | 399 | 1,747 | △4,187 |
単位:百万円



経常利益と親会社所有者に帰属する当期利益が大きく下がったね…
原材料影響や労務費の増加、工場再編費用などいくつものコストが積み重なり最終的に23.2億円の減少となりました。
経常利益の減少に伴い当期純利益は、41億7,800万円の大幅な赤字になっています。
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大豊工業の強みから見た将来性


強み①トライボロジー(摩擦工学)という確固たるコア技術


トライボロジーは、大豊工業の長年の事業を支えてきた「摩擦」「摩耗」「潤滑」という、物が動きに関わる現象すべてを扱う非常に専門的な基盤技術です。
これは、自動車の燃費改善と耐久性向上という相反する二つの目標を達成するために不可欠な技術であるため、大豊工業最大の強みとなっています。
エンジン内部で部品がこすれ合う際に生じる摩擦を科学的に最小限に抑え、無駄なエネルギー消費を防ぐことで、車の燃費を良くしてくれるのです。
EVのモーターやギアボックス内部など、「回転する」部分には必ず摩擦が発生し、トライボロジーの技術が必要になるため、EV時代においても、この技術は廃れることはないと予想されています。



時代が変化しても対応できる技術があるね!
強み②主力製品における高い競争力とシェア
同社の最大の主力製品は、自動車のエンジン内部の回転軸を支える「すべり軸受(エンジンベアリング)」です。
この製品分野において、大豊工業は世界的に見ても有数の生産規模を誇り、高い市場シェアを獲得しています。
この高い競争力の背景にあるのは、前の章で触れたトライボロジー技術です。
摩擦を極限まで減らし燃費向上に貢献する「樹脂コーティング軸受」のような革新的な製品を生み出している点が高く評価され、シェアを獲得しています。
強み③トヨタグループとの強固な関係
大豊工業は、自動車部品メーカーの中でも、トヨタ自動車が主要な株主の一つであり、長年にわたり主要なサプライヤーとして位置づけられています。
大株主 | 持株数(千株) | 持株比率(%) |
---|---|---|
トヨタ自動車株式会社 | 9,688 | 34.22 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 2,279 | 8.05 |
株式会社豊田自動織機 | 1,427 | 5.04 |
日本発条株式会 | 1,377 | 4.75 |
豊田通商株式会社 | 1,035 | 3.66 |
特に、主力製品であるエンジン用すべり軸受に関しては、トヨタ自動車向けで9割近いシェアを占めているとされており、これは極めて強力な取引基盤を意味します。
トヨタ自動車は、2025年5月の世界販売台数が過去最高の89万台を記録しました。



大豊工業の製品を使っている企業がシェアを伸ばしているのはうれしいね!
トヨタグループは世界中に生産拠点を展開しており、大豊工業もそのグローバルな生産ネットワークに組み込まれています。
これにより、世界各地の工場へ製品を供給することができ、自社単独で展開するよりも効率的かつ安定的に海外売上高を確保することが可能になるのです。
弱み①内燃機関部品への依存度の高さ
大豊工業の弱みの一つは、同社の事業構造そのものが抱えるリスクであり、自動車業界全体の流れと密接に関係しています。
これは、同社の主力製品がエンジン内部の回転を支える「すべり軸受」であることから生じます。
この軸受はエンジンを搭載する車両には必須の部品です。



エンジン搭載車って具体的にどういう車両?
エンジン搭載車の例
- ガソリン車
- ハイブリッド車(HV)
- プラグインハイブリッド車(PHEV)
しかし、近年、世界的に二酸化炭素排出量をゼロにするカーボンニュートラルへの動きが加速し、エンジンを持たない電気自動車(BEV)の市場投入が急速に進んでいます。
今後電機自動車市場がますます拡大し、ガソリン搭載車市場が縮小することは避けられないため、大豊工業は内燃機関部品への依存する現在の事業を見直す必要があるでしょう。
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【まとめ】大豊工業の株価は今後どうなるの?


💡かぶリッジの結論
- 中長期的な成長に期待
- 市場縮小リスクと共存
- 新事業の進捗次第で変動
改めて大豊工業の株価チャートを見てみましょう。
今期の決算からもわかる通り短期的には、赤字による市場の警戒感から株価は不安定になる可能性があります。
しかし、3年後~5年後に新事業のEV部品の本格的な量産が始まり、赤字から脱却できれば、その技術的な優位性とトヨタとの強固な関係を武器に、企業価値を大きく高める可能性があるでしょう。
つまり、今は将来への先行投資の「我慢の時期」にあり、新事業の具体的な成果が出始めた時が、成長を実感できるポイントとなります。