
持株会って何?大儲けできる?
持株会とNISAどっちがいいんだろう?
このようなお悩みを解決します。
かぶリッジの結論💡
- 持株会とは自社の株を少額からお得に買える制度
- 持株会は自社株のみ、NISAは様々な会社に投資ができる
- 持株会とNISAの併用がおすすめ!
社会人になって初めて従業員持株会(以下、持株会)という制度を知った方が多いのではないでしょうか。
新卒の方の中には持株会への加入を検討している人も多いでしょう。
今回は持株会とはどのような制度なのか、NISAと比べてどっちがいいのかを解説していきます。


執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
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持株会とは?持株会の仕組みを解説


持株会は、会員から毎月のお給料やボーナスから決まった金額を天引きして、そのお金で自社の株を購入する制度です。
購入した株は、天引きされた金額に応じて、会員である従業員に割り当てられます。
つまり、あなたは自分のお金で、自分が働いている会社の株主になれるというわけです。
その加入は義務ではなく従業員の任意となります。
どんな人が入れるの?
従業員持株会は、その会社の従業員であれば誰でも加入可能です。
加入するかどうかは個人の自由であり、強制されることはありません。
ただし、会社の経営陣(取締役や執行役など)は、持株会には参加できません。
持株会ってどこが運営しているの?
持株会は、従業員が主体となって運営する会員団体。
持株会には、会員の中から選出された理事長がいて、運営を統括しています。
会社は、従業員持株会の運営をサポートする立場にあります。
具体的には、給与からの拠出金天引きや奨励金の支給など、制度の導入・運用に協力します。
ただし、持株会はあくまで「従業員が主体」の組織であり、会社が直接運営するわけではありません。



福利厚生の一つとして導入している企業が多いよ!
従業員持株会のここがすごい!4つの大きなメリット


持株会のメリットとして以下の4つが挙げられます。
奨励金がもらえる
従業員が持株会に参加する上で、一番のメリットと言えるのが奨励金です。
従業員が会社の株を買うときに、会社が一定の割合でお金を上乗せしてくれる仕組みのこと。
- 持株会を導入している会社の約9割がこの奨励金制度を採用
- 一般的な割合としては、拠出額(積み立てる金額)の5〜10%を設定している企業が多い(2023年度従業員持株会状況調査結果より)
つまり、自分が出すお金以上に多くの株を手にできる、とてもお得な制度。



株をたくさん持っていれば、受け取れる配当金の金額も多くなるね!
以下に毎月1万円持株会で株式を購入した場合と普通に株式を購入した場合のグラフを作成しました。
通常 | 5%の奨励金あり | 10%の奨励金あり | |
---|---|---|---|
1か月目(円) | 10,000 | 10,500 | 11,000 |
2か月目 | 20,000 | 21,000 | 22,000 |
3か月目 | 30,000 | 31,500 | 33,000 |
4か月目 | 40,000 | 42,000 | 44,000 |
5か月目 | 50,000 | 52,500 | 55,000 |
12か月 | 120,000 | 126,000 | 132,000 |
5%の奨励金では1年で6,000円分、10%の奨励金では1年で12,000円分も多く株式を保有することができます。
奨励金のおかげで、より多くの株を手にできるため、自分で積み立てるよりも効率的に資産を増やせる可能性があります。



長く続ければ続けるほどお得だワン!
株式を少額から取引できる
持株会では、毎月決まった金額で自社株を少しずつ購入することができます。
最低積立額は事前に決められていますが、多くの場合「1回あたり1,000~数千円程度」といった少額から始められるため、気軽に投資をスタートできます。
毎月一定の金額で自社株を購入でき、中長期的な資産形成をすることができます。



月数千円なら新社会人でも気軽に始められそうだね!
インサイダー取引にならない
株式投資で注意が必要なのが「インサイダー取引」です。
これは、会社の未公開情報を利用して株式の売買を行い、不当な利益を得ることで、法律で厳しく禁じられています。
しかし、持株会を通じた株式の購入は、毎月決まった日に、決まった金額を積み立てる形式で行われます。
つまり、個人の判断で売買のタイミングを決めるわけではないため、インサイダー取引に該当する心配がほとんどありません。
安心して自社株投資ができる点も、大きなメリットと言えるでしょう。
毎月積立ができる
持株会では、毎月決まった金額で自社株を少しずつ購入します。
この方法は「ドルコスト平均法」という投資手法を採用しています。
価格が変動する金融商品に対し、一定金額を定期的に購入することで、高値掴みのリスクを抑えられるメリットがあります。
まとまった資金がなくても、無理なく資産形成を始められる点が魅力です。
従業員持株会の落とし穴?知っておきたい3つのデメリット


すぐに現金化できない
持株会で購入した株は、証券会社の口座で保有する株と異なり、すぐに売却できない場合があります。
持株会規約による売買制限があるためです。



具体的にはどんな制限があるのかな?
- まとまった株数にならないと売却できない
- 売却できる日が月に数日間に限定されている
このように、急にお金が必要になった際にすぐに売却して現金化できない可能性があるため、流動性が低いという点がデメリットになります。
また、証券会社の個人口座に株を振り替える手続きが必要になったり、手数料がかかったりすることもあります。
リスク分散ができない
従業員持株会の最大のデメリットは、「資産が自社株に集中してしまう」ことです。
通常の投資では、リスクを分散するために複数の会社の株や様々な金融商品(投資信託、債券など)に分散投資することが推奨されます。
しかし、持株会で積み立てるのは、あなたが勤める会社の株だけです。
もし万が一、会社の業績が悪化したり、不祥事が起きたりして株価が大きく下落した場合、あなたの資産価値は大きく目減りしてしまいます。



給与と資産を両方失うのは避けたいね。
特定の会社に収入源と資産の両方を依存することになるため、注意が必要です。
株主優待がもらえない
一般的に、企業の株主優待は「株主名簿に記載された株主」に対して贈られます。
しかし、従業員持株会の場合、購入した株は持株会名義で一括して管理されていることがほとんどです。
そのため、個々の従業員は直接株主名簿に記載されないため、株主優待の対象とならないケースが多いです。
会社の株主優待を目当てに投資を考えている方は、この点に注意が必要です。
NISAと持株会どっちがお得!?徹底検証


「NISA」も「従業員持株会」も、どちらも資産形成に役立つ制度として注目されています。



結局自分にはどっちがいいの?
両方やるべき?
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
NISAと従業員持株会のメリット・デメリットを徹底比較し、どちらがあなたにとってお得なのか、賢い資産形成のためのヒントを探ります。
このパートの要約💡
- NISAは非課税、分散投資が出来る
- 持株会とNISAの併用がおすすめ
まず、それぞれの制度がどのようなものか、基本的な特徴を見ていきましょう。
NISA(新NISA) | 従業員持株会 | |
---|---|---|
制度の概要 | 非課税で投資ができる国の制度 | 従業員が自社株を共同購入する会社の福利厚生制度 |
投資対象 | 上場株式、投資信託など多様な金融商品 | 自社株のみ |
購入方法 | 証券会社を通じて自分で銘柄を選んで購入 | 給与・賞与からの天引きで自動積立 |
非課税枠 | 年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)生涯非課税投資枠1,800万円(※成長投資枠は1,200万円まで) | 奨励金など税制優遇はあるが、制度自体は非課税ではない |
主なメリット | 投資の利益が非課税、幅広い商品に分散投資可能 | 会社からの奨励金、少額から自動積立、インサイダー取引の心配がない |
主なデメリット | 元本保証なし、自分で銘柄選定・管理が必要 | 自社株に資産が集中(分散投資不可)、流動性の制限、株主優待がない場合がある、元本保証なし |
運営元 | 国(税制優遇) | 従業員が主体の団体(会社が事務協力) |
どちらがお得かは、あなたの状況や考え方によって変わってきます。
- 「会社からの恩恵を最大限に活用したい」 → 従業員持株会
- 「幅広い資産に分散投資して、税金メリットも享受したい」 → NISA
- 「両方の良いとこ取りをしたい!」 → 両方を併用するのが賢い戦略



持株会の「すぐに現金化できない」ことが不安な人は、新NISAのつみたて投資枠との併用がおすすめだワン!
【まとめ】持株会は入るべきか?


- 大きな資金はないけど将来のために運用したい人
- 資産運用がなかなかできていない人
- 会社の成長を応援したい人
特に奨励金は、他の投資ではなかなか得られない大きなメリットと言えます。
しかし、資産が自社株に偏るリスクがあるため、持株会だけに全財産を投資するのは避けるべきです。
リスクを理解した上で、NISAなどの制度も活用し、他の金融商品と組み合わせて分散投資を行うのが良いでしょう。



リスクを理解して、自分の考えに合った投資をしてね!