今回はIPO企業の中から、3月28日に東証グロースに上場したプログレス・テクノロジーズ グループ(339A)をご紹介します。(同日は「トヨコー」が上場予定です)
プログレス・テクノロジーズ グループは、大手製造業向けにデジタルソリューションやエンジニアリングサービスを提供する企業です。
想定時価総額は147億円で、サービス業のIPOとなっています。
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この記事の監修者

執筆:かぶリッジ編集部
かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。
プログレス・テクノロジーズ グループのIPO基本情報
ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 3月28日(金) |
---|---|
かぶリッジ独自の初値予想 | D(1倍未満) ※想定価格の1,890円未満 |
企業Webサイト | https://progresstech-group.jp/ |
取り扱い証券 | 野村証券(主)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券、大和証券など |

主幹事は野村証券だよ!
プログレス・テクノロジーズ グループのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,890円 |
---|---|
仮条件 | 1,890円~1,950円 |
ブックビルディング期間 | 3月12日(水)~3月17日(月) |
当選発表日 | 3月18日(火) |
公開価格 | 1,950円 |
申込期間 | 3月19日(水)~3月25日(火) |
上場日 | 3月28日(金) |
初値 | 1,980円 |



初値は公開価格の1.02倍になったよ!


プログレス・テクノロジーズ グループのIPO初値予想


同社は、製造業の設計開発領域に特化したデジタルエンジニアリングサービスを提供しており、成長性の高い分野で事業を展開している点は大きな魅力です。
特に、自動車・半導体・精密機器などの分野に関与しており、今後需要の拡大が期待されます。
一方で、公募比率が低いため、投資家にとってはデメリットとなる可能性があります。
また、吸収金額が大きい点も考慮する必要があります。
吸収金額が大きいIPOは市場の資金を多く必要とするため、需給バランスが悪化しやすく、特に市場環境が悪い場合は初値が伸び悩むリスクがあります。
これらの点から、IPO評価:D(予想レンジ1.0倍未満=860円未満)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
ちなみに
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
プログレス・テクノロジーズ グループの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
野村證券 | 90.01% | 3,940,800株 |
三菱UFJ モルガン・スタンレー証券 | 1.74% | 76,100株 |
SBI証券 | 1.74% | 76,100株 |
大和証券 | 1.74% | 76,100株 |
マネックス証券 | 1.74% | 76,100株 |
アイザワ証券 | 0.87% | 38,000株 |
東海東京証券 | 0.87% | 38,000株 |
松井証券 | 0.87% | 38,000株 |
あかつき証券 | 0.43% | 19,000株 |
当選しやすい証券会社ランキング



なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | SMBC日興証券 | 松井証券 | 岡三証券 | |
---|---|---|---|---|---|---|
取扱数 | 76 | 50 | 54 | 52 | 55 | 49 |
主幹事数 | 11 | 0 | 0 | 22 | 0 | 0 |
抽選方法 | 完全平等抽選: 60% IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30% 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10% | 完全平等抽選 | 完全平等抽選 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 取引実績に応じて優遇抽選 |
事前入金 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |



松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!


大株主情報
大株主の状況は以下の通りです。
第1位のジャフコSV6投資事業有限責任組合は、ジャフコグループ株式会社が設立・運営する投資事業組合(ファンド)の一つです。
ジャフコは、100以上の投資事業組合を設立し、総額1兆円の出資金を集めています。
その中でもジャフコSV6は、その中でもパートナーや社員が個人として出資する初のファンドであり、厳選集中投資の方針を堅持しています。
株主名 | 比率 |
---|---|
ジャフコSV6投資事業有限責任組合 | 76.02% |
ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合 | 19.01% |
中山 岳人 | 3.37% |
澤井 大輔 | 0.51% |
長友 一郎 | 0.22% |
子会社従業員 | 0.09% |
子会社従業員 | 0.07% |
村松 英行 | 0.05% |
子会社従業員 | 0.05% |
子会社従業員 | 0.03% |



ジャフコの他の投資先には、株式会社AVILENや株式会社フジテックスなどがあり、事業拡大や上場をサポートしているよ!
プログレス・テクノロジーズ グループの業績情報




決算期 | 2023年2月 | 2024年2月 |
---|---|---|
売上高 | 4,780 | 5,116 |
成長率 | ー | +7.0% |
営業利益 | 1,190 | 1,150 |
成長率 | ー | -3.4% |
営業利益率 | 24.9% | 22.5% |
当期純利益 | 730 | 696 |
成長率 | ー | -4.7% |
EPS | 103.3 | 98.5 |
BPS | 332.6 | 432.7 |
※2023年2月27日付で普通株式1株につき10株の割合で、また2025年1月29日付で普通株式1株につき20株の割合で株式分割を実施。
2023年2月期期首において当該株式分割が行われたと仮定して算定。
2024年2月期の売上高は5,116百万円(前年同期比+7.0%)と堅調に成長しました。
この要因としては、以下の3点が挙げられます。
- 主要取引先の業績回復:自動車・半導体・精密機械といった主要産業の設計開発需要の高まり
- デジタルエンジニアリングサービスの拡大:製造業のDXニーズが強まり、同社の提供する設計支援・シミュレーションサービスの需要が増加
- 新規顧客の開拓:既存顧客への深耕営業に加え、新規取引の獲得が進んだことが売上増加を後押し
一方で、当期純利益は696百万円(前年同期比▲4.7%)と減少しました。
主な要因は、以下3点が考えられます。
- 人件費の増加:成長に伴うエンジニア採用強化の影響で人件費負担が拡大
- 研究開発費の増加:デジタルツイン技術やシミュレーション技術の高度化に向けた研究投資が増加
- 販売管理費の増加:新規事業拡大や営業活動の強化に伴い、広告宣伝費・販売費が増加
原因として、経常利益の減少に加えて、法人税負担が増加したことが影響していることが考えられます。
売上は成長しているものの、利益面ではコスト増が課題となっており、今後は収益性改善がカギとなります。



IPOを契機に、事業拡大と収益力向上の両立が求められる局面となりそうだね!
プログレス・テクノロジーズ グループの事業内容
プログレス・テクノロジーズ グループは、製造業の設計開発領域に特化したデジタルソリューションを提供する企業です。
主に、自動車・半導体・精密機械・医療・重工業といった分野において、製品開発プロセスの上流工程を支援し、設計の高度化・効率化を推進しています。
同社の事業は大きく3つの領域に分かれます。
- ソリューション事業
- デジタルツイン事業
- エンジニアリング事業





今後もDXの加速や製造業の設計リソース不足を背景に、さらなる成長が期待されているワン!
ソリューション事業
ソリューション事業は、製造業の設計開発領域に特化し、企業のデジタル化や業務プロセス改革を支援しています。この事業は大きく以下の3つのサービスに分類されます。
コンサルティングサービス
コンサルティングサービスでは、企業の設計プロセスを再設計し、効率化を支援しています。
熟練者の知見や点在するデータをまとめて、データ化・システム化することで、設計プロセスの可視化や標準化を行っています。
デジタルエンジニアリングサービス
デジタルエンジニアリングサービスでは、最先端のツールを導入と定着支援で企業のデジタル化を促進しています。
エンジニアとコンサルタントが連携し、適切なツールの選定から運用定着まで支援することで、設計開発のデジタル化を実現しています。
プロジェクトサービス
プロジェクトサービスでは、製品開発をプロジェクト単位で受託し、企業の技術課題やリソース不足を解決しています。
経験豊富なコンサルタントやエンジニアが一つのチームとして動くことで、顧客の求める成果物を提供しています。
いずれのサービスでも、設計開発現場を熟知するコンサルタントの存在が強みとなっています。
デジタルツイン事業
デジタルツイン事業では、最先端のデジタル技術を活用し、バーチャル環境での試作やシミュレーションを通して顧客の課題解決を行っています。
グループ会社であるS&VL株式会社が中心となり、高性能な9軸アクチュエータ搭載のドライビングシミュレータを活用したバーチャルテストや、高度なモデル開発による物理現象のシミュレーションを提供しています。
これにより、実機試作や従来型の設計・テストと比べて開発リードタイムを短縮し、コストを削減することを可能にしています。
特に自動車業界では、群馬県太田市の技術研究所を拠点にOEMやTier1サプライヤーとの取引を拡大し、開発プロセスのデジタル化を推進しています。


エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、設計開発の領域に特化し、企業の開発リソース不足や技術課題の解決を支援しています。
昨今の設計開発現場では、技術の高度化や多様化により開発ボリュームが増大し、設計者不足が深刻な課題となっています。
こうした環境に対応するために、エンジニアリング事業ではメーカーの設計開発チームと連携し、ハイエンド領域の設計・開発支援を行っています。メカ・エレキ・ソフトの各分野において、専門性を持つエンジニアがプロジェクトの一員として設計・開発業務を担当しています。
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
TENTIAL | 2/28 | C(1.0倍~1.3倍未満) | 1.30倍 |
ブッキングリゾート | 2/21 | C(1.0倍~1.3倍未満) | 1.25倍 |
フライヤー | 2/20 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.73倍 |
技術継承機構 | 2/5 | A(1.5倍~1.7倍未満) | 1.35倍 |
バルコス | 2/3 | C(1.0倍~1.3倍未満) | 1.00倍 |
上場時期が重なり資金が分散され、初値が伸び悩んだIPO銘柄もありました。
ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。