今回は、個人向けスマートフォンアプリの開発・提供や、企業向けのシステム開発、eコマースなどのサービスを提供する「日本エンタープライズ」をご紹介します。
※本記事は、かぶリッジを運営する株式会社インベストメントブリッジ発行の無料アナリストレポート「ブリッジレポート」(ブリッジサロン)を元に作成しています。
日本エンタープライズはどんな会社?


どんな会社なのかな?
まずは日本エンタープライズの会社概要や事業概況について確認していきましょう。
会社概要
代表取締役会長 | 植田 勝典 |
---|---|
代表取締役社長 | 杉山 浩一 |
市場・証券コード | 東証スタンダード・4829 |
決算期 | 5月 |
株価 | 119円 |
時価総額 | 約45.86億円 |
配当予想 | 3.00円/株 |
配当利回り | 2.52% |
日本エンタープライズ株式会社はモバイルソリューションカンパニーを標榜し、個人向けスマートフォンアプリの開発・提供、企業向けシステム開発、モバイルキッティング、e コマース等のサービスを提供しています。
同社の経営理念は「綱領・信条・五精神」に刻まれていて、以下の通り。
綱領 | 我々は商人たるの本分に徹しその活動を通じ社会に貢献し、文化の進展に寄与することを我々の真の目的とします |
信条 | 我々は以下に掲げる五精神をもって一致団結し力強く職に奉じることを誓います |
私たちの遵奉する精神 | 一、商業報国の精神 一、忘私奉職の精神 一、収益浄財の精神 一、力闘挑戦の精神 一、感謝報恩の精神 |
こうした正しい考えと正しい行動の下にこそ、長い目で見た「株主価値の極大化」、すなわち「資本という大切な“お預かりもの”を1円もムダにせず、最大化していくことが可能である」と言うのが同社の創業者・代表取締役会長を務める植田氏の考えです。



植田会長の考え方から、株主のお金を大事にしていることが伝わるね!
事業概況



どんな事業を行なっているのかな?
日本エンタープライズは、「クリエーション事業」と「ソリューション事業」の2つのセグメントを展開しています。


クリエーション事業


クリエーション事業では、自社IP(Intellectual Property)を活用したコンテンツサービス、ビジネスサポートサービス、再生可能エネルギーの3つの事業を展開しています。
- コンテンツサービス(53.2%)
スマートフォンによるアプリサービスを中心に、ゲームや電子書籍などの一般消費者向けコンテンツを提供 - ビジネスサポートサービス(43.6%)
キッティング支援、調達支援、教育支援、交通情報サービス、音声テクノロジーサービス、エスクローサービスなどを法人向けに展開 - 再生可能エネルギー(3.2%)
山口県において、太陽光発電による地域活性化を推進
※カッコ内は、売上高構成比率(24/5期実績、以後同様)
各事業における代表的なサービスは以下のとおりです。
セグメント | カテゴリ | サービス内容 |
---|---|---|
コンテンツサービス | エンターテインメント | ・ちょこっとゲーム forスゴ得 ・BOOKSMART ・なでしこ書店 |
ライフスタイル | ・ATIS交通情報 ・女性のリズム手帳 ・Speak Lab forスゴ得 ・ラッキーステーション ・いなせり市場 | |
ビジネスサポートサービス | キッティング支援 | RPAツール『Kitting-One』を用いてデバイスの初期設定を自動で行うサービス |
交通情報 | 世界で初めて高度交通情報を運輸交通機関などに提供。 事前災害対策や物流効率化で重要性が高まる。 | |
コミュニケーション | 操作性・柔軟性に優れたビジネスフォン環境を提供する「IP-PBXコミュニケーションシステム」 | |
EC・ASPサービスなど | ・調達業務支援サービス ・自治体向け観光振興アプリ ・社員研修に関するeラーニング ・飲食事業者向けECサイト「いなせり」 |



個人・法人の両方に対して多様なサービスを提供しているんだね!
2024年12月2日に、交通情報サービス「ATIS交通情報」をトヨタ自動車東京本社に提供したことで大きな話題を集めました。



この発表を受けて、株価は前日比+17.14%と大きく躍進したワン!
ソリューション事業


ソリューション事業では、クリエーション事業で培ったノウハウを活かし、法人からの依頼によりシステムを開発するシステム開発サービス、業務支援サービス等を提供しています。
- システム開発サービス
コンサルティングから開発、保守・運用、ユーザーサポート、販売促進までトータルソリューションサービスを提供 - 業務支援サービス
高度人材によりクライアント企業における上流工程の業務支援を行う - その他サービス
中古端末買取販売サービスなど、主力サービスに付随し拡大している端末周辺サービス



ソリューション事業に関連するDX市場の国内市場規模は、2030年度に約8兆円まで拡大すると見込まれているワン!(2023年度は4兆197億円)
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【業績】2025年5月期第2四半期決算/通期予想





業績はどうなのかな?
続いて、2025年5月期2Q決算と、通期の業績予想を見ていきましょう。
2025年5月期第2四半期決算まとめ
25/5期 2Q | 前年同期比 | |
---|---|---|
売上高 | 2,154 | -2.2% |
売上総利益 | 768 | -9.9% |
販管費 | 756 | +3.1% |
営業利益 | 12 | -89.5% |
経常利益 | 27 | -79.2% |
四半期純利益 | -8 | ー |
売上高は2,154百万円(前年同期比-2.2%)、営業利益は12百万円(同-89.5%)と減収減益となりました。



減収減益になったのはなぜだろう?
要因を探るために、セグメントごとに分解していきましょう。
25/5期 中間期 | 前年同期比 | |
---|---|---|
クリエーション事業 | 835 | +4.7% |
ソリューション事業 | 1,318 | -6.1% |
連結売上高 | 2,154 | -2.2% |
クリエーション事業 | 185 | -18.9% |
ソリューション事業 | 124 | -21.4% |
調整額 | -296 | ー |
連結営業利益 | 12 | -89.5% |
売上高に関して、クリエーション事業が増収となったものの、ソリューション事業では減収となりました。
減収となったサービスとその要因をまとめると以下のとおりです。
クリエーション事業
- ビジネスサポートサービス(前年同期比 -3.4%)
- 「キッティング支援(作業請負)」の需要の後ろ倒し
- 「コミュニケーション」の売上高減少
ソリューション事業
- システム開発サービス(前年同期比 -11.1%)
- 「受託開発」「ラボ型開発」における大型案件の一巡
- その他サービス(前年同期比 -57.7%)
- 24/5期1Qのソリューション関連機器の特需の剥落



システム開発サービス全体では減収となっているものの、その中の「SES」や「運用保守」は増収となっているワン!



クリエーション事業は増収となっているけど、どのサービスが寄与したのかな?
増収となったサービスをまとめると、以下のとおりです。
クリエーション事業
- コンテンツサービス(前年同期比 +10.5%)
- 通信キャリアの定額制コンテンツが伸長
- 再生可能エネルギー(前年同期比 +1.6%)
- 良好な天候の影響
ソリューション事業
- 業務支援サービス(前年同期比 +31.7%)
- DXなど顧客ニーズの高い高度人材提供の影響



定額制コンテンツの増収は、安定収益にもつながるよね!
一方で営業利益に関しては、クリエーション事業・ソリューション事業ともに大幅な減益となりました。


要因としては上図の通り、減収の影響に加え、定額制コンテンツの運営管理費などの「売上原価」と「人件費」の増加が挙げられます。



「定額制コンテンツ」のサービス拡大に向けて積極的に先行投資しているんだね…。
2025年5月期 通期業績予想
2025年5月期の通期業績予想は、以下の表のとおりです。
25/5期 予想 | 前期比 | 2Q進捗率 | |
---|---|---|---|
売上高 | 5,310 | +13.1% | 40.6% |
営業利益 | 295 | +11.5% | 4.2% |
経常利益 | 300 | +7.5% | 9.1% |
当期純利益 | 185 | -11.6% | ー |
2025年5月期は、売上高5,310百万円(前期比+13.1%)、営業利益295百万円(同+11.5%)を見込んでいます。
2Q決算では大幅な減益となりましたが、以下の取り組みに注力することで、連結の業績予想は据え置きました。
クリエーション事業
- 「定額制コンテンツ」の既存サービス拡大や新タイトルの投入
- 「キッティング支援」のサービス拡充や販路拡大
ソリューション事業
- DX推進に対応した「システム開発サービス」の案件獲得
- 「業務支援サービス」の強化
今後の注目点


以下のセグメント別の売上高や利益の推移から、2025年5月期以降、クリエーション事業・ソリューション事業ともに業績が低迷していることが分かります。




また上期の売上高進捗率が40.6%、営業利益が4.2%と例年よりも低いです。


ブリッジレポートよりかぶリッジ作成
一方で、中間期の大幅な減益を受けても通期業績予想は据え置かれました。
これは上述のとおり、「定額制コンテンツの既存サービスの拡大と新タイトル投入」や「DX推進に対応したシステム開発サービスの案件獲得」などの施策の効果が見込まれているためと言えるでしょう。



これらの取り組みが、下期にどれだけの好影響をもたらすかに注目だね!
【まとめ】日本エンタープライズ





日本エンタープライズについてよく分かったよ!
今回は日本エンタープライズ株式会社のアナリストレポートから、同社の決算概要や今後の注目点をご紹介しました。
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※かぶリッジ、ブリッジサロンともに株式会社インベストメントブリッジが運営しています。