今回はIPO企業の中から、12月17日に東証スタンダードに上場予定の黒田グループ(287A)をご紹介します。(同日は「ファイントゥデイホールディングス」「リスキル」が上場予定です)
黒田グループは、エレクトロニクス業界および自動車業界への電子部品、電気材料等の販売を行う企業です。
想定時価総額は298億円で、卸売業のIPOとなっています。
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この記事の監修者
監修者:曽根原 大介
上智大学 外国語学部卒業。在学中に米 San Diego State University ファイナンス学部に留学。FP3級保持。
2019年より株式会社インベストメントブリッジにて投資家向けWebサイトの運営や上場企業のIRコンサルティングを手掛け、現在は社長室 室長。
学生・新卒向けの金融教育活動も実施。日本株やアメリカ株、NISAの投信積立、仮想通貨などに7年以上投資している。
黒田グループのIPO基本情報
ここでは上場日や、かぶリッジ独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 12月17日(火) |
---|---|
かぶリッジ独自の初値予想 | D(1倍未満) ※想定価格の640円未満 |
企業Webサイト | https://www.kuroda-group.com/hd/ |
取り扱い証券 | SMBC日興証券(主)、野村證券(共主)、大和証券、みずほ証券など |
主幹事はSMBC日興証券だよ!
黒田グループのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 640円 |
---|---|
仮条件 | 640~700円 |
ブックビルディング期間 | 11月29日(金)~12月4日(水) |
当選発表日 | 12月6日(金) |
公開価格 | 12月6日(金)発表予定 |
申込期間 | 12月9日(月)~12月12日(木) |
上場日 | 12月17日(火) |
初値 | 12月17日(火)発表予定 |
まずは公開価格がどうなるか注目だよ。
黒田グループのIPO初値予想
割安感があることはプラスの要素となるでしょう。
しかし、オファリングレシオが高く、吸収金額が大きいことは初値にマイナスの影響をもたらすでしょう。
また、公募比率が0%である点にも注意が必要です。
これらの点から、IPO評価: D(予想レンジ1.0倍未満=640円未満)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
ちなみに
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
黒田グループの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(主幹事) | % | 株 |
野村證券(共同主) | % | 株 |
大和証券 | % | 株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | % | 株 |
みずほ証券 | % | 株 |
SBI証券 | % | 株 |
楽天証券 | % | 株 |
マネックス証券 | % | 株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 91 | 18 | 完全平等抽選: 60% IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30% 取引状況等を踏まえて定めた配分: 10% | 必要 |
楽天証券 | 59 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 52 | 18 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 67 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 49 | 3 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 51 | 6 | 完全平等抽選 | 必要 |
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、第2位の細川浩一氏は同社の代表取締役です。
また筆頭株主のケイエム・ツー・エルピーは、投資事業有限責任組合となっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
ケイエム・ツー・エルピー | 97.09% |
細川 浩一 | 0.68% |
森 安伸 | 0.32% |
鈴木 秀和 | 0.22% |
尹 棡洙 | 0.22% |
小林 郁夫 | 0.22% |
Cheng Jit Ann | 0.22% |
執行役員 | 0.22% |
執行役員 | 0.17% |
従業員 | 0.17% |
第1位以外は経営陣や従業員などの関係者が占めているね!
黒田グループの業績情報
決算期 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 40 | 401 | 4,090 | 139,275 | 126,691 |
成長率 | ー | +902.5% | +920.0% | +3305.3% | -9.0% |
経常利益 | -546 | -293 | 3,600 | ー | ー |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
経常利益率 | ー | ー | 88.0% | ー | ー |
当期純利益 | -370 | -285 | 2,902 | 2,597 | 378 |
成長率 | ー | ー | ー | -10.5% | -85.4% |
EPS | -159.2 | -122.7 | 1246.5 | 55.7 | 8.7 |
BPS | 8650.5 | 8527.7 | 9774.3 | 740.3 | 804.3 |
※20204年9月21日付で株式1株につき10株、2024年10月18日付で株式1株につき2株の割合で株式分割を実施。EPS、BPSは2023年3月期期首に株式分割が行われたと仮定して算出。
※2023年3月期から連結決算に移行。
2024年3月期の売上高は前年同期比-9.0%の1,266百万円、当期純利益も前年同期比-85.4%の378百万円と成長が鈍化しました。
ハードディスクドライブの市況回復の遅れや固定資産やのれんに係る減損損失を計上したことによるものと説明しています。
3カ年経営計画では、DX化等のデジタル戦略や技術戦略に中期的に継続していく考えを示しています。
連結決算に移行しているから、単純比較できない点には注意が必要だね!
黒田グループの事業内容
黒田グループは、エレクトロニクス業界および自動車業界への電子部品、電気材料等の販売を行う企業です。
持株会社である黒田グループ株式会社を頂点としてグループ会社がそれぞれの事業を行っています。
製造から商社まで幅広いビジネスが展開されているね!
生産財製造事業
生産財製造事業では、データストレージ業界、自動車業界、エレクトロニクス業界の顧客に対して、生産に必要な生産財を提供しており、3社が担当します。
液晶ディスプレイ用特殊印刷版や電子回路設計、大型樹脂成形金型の製造が行われています。
実際にどんな製品がつくられているのかな?
株式会社コムラテックは凸版印刷版の一種であるフレキソ印刷版の製造などを手掛けていて、国内外に広いシェアを持つ企業だワン
直材製造事業
直材製造事業では、データストレージ業界、自動車業界、電設資材業界の顧客に対して、生産に必要な部材を供給しており、4社が担当します。
ハードディスクドライブ(HDD)用部品、住宅用電設資材、アルミダイカスト製品の製造や、自動車用電子部品のレーザー加工事業などが行われています。
名前だけだと想像がつきにくい…
日動電工株式会社は、コンクリート埋設配管部品といった電力用配電機材・住宅用電設資材を主に製造しています。
国内商社事業
国内商社事業を担当する黒田電気は、主に自動車業界やエレクトロニクス業界のお客様に対して、国内外の仕入元様の製品を販売しています。
顧客密着型、ソリューション型のビジネスが強みで、グローバル戦略を推し進めているよ!
海外商社事業
海外では東アジアや東南アジア、アメリカなど13の国と地域にネットワークが構築されており、現地完結型のサービスが提供されています。
13か国に拠点を持っているのはすごい‼
Z. クロダ(シンガポール)PTE. LTD.を皮切りに各社が自動車業界およびエレクトロニクス業界のお客様への電子部品や電気材料等の卸売を行っています。
シンガポールでは1978年から50年近く事業展開が行われているよ!
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Sapeet | 10/29 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.52倍 |
Hmcomm | 10/28 | A(1.5倍~1.7倍未満) | 1.33倍 |
リガク・ホールディングス | 10/25 | D(1倍未満) | 0.96倍 |
東京地下鉄 | 10/23 | C(1倍~1.3倍未満) | 1.36倍 |
Schoo | 10/22 | B(1.3倍~1.5倍未満) | 1.1倍 |
上場時期が重なり資金が分散され、初値が公開価格を下回ったIPO銘柄もありました。
ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。
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