2025年も後半に入り、米国トランプ政権の関税政策や地政学的リスクなどに日経平均株価が左右される日々が続いています。
株式市場の先行きが不透明な時こそ、応援したいと思える”キラリと光る企業”を発掘したいところ。
今回は「特撮ヒーローと高配当株が好きな芸人」としてYouTubeで活動するルネ岩田さんが、個人投資家を代表して株式会社ウィルグループ<6089> の角社長にインタビューを行いました。
この記事のまとめ
- キャリアの多様化に伴い人材派遣業にも変化が生じている
- 前年対比は減益だが、「ノーマライズド営業利益」は前年対比22%の増益
- 累進配当政策による積極的な株主還元に取り組む
- 働き手不足が続く中、採用計画を上回る人材確保に成功
- ルネ岩田さんの感想:社員や社長の話から職場の雰囲気や成長性を感じ、熱意ある経営姿勢に投資家として安心感を感じました。今後のさらなる成長に期待です!
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アンケート〆切:9月26日(金)※記事の後半にアンケートリンクを掲載しています。
企業名 | 株式会社ウィルグループ |
---|---|
市場・証券コード | 東証プライム・6089 |
株価 | 972円 |
株価総額 | 22,470百万 |
PER/PBR | 14.27倍/1.34倍 |
配当/配当利回り | 44円/4.53% |

お話を伺ったのは…角 裕一 氏
株式会社ウィルグループ 代表取締役社長
1980年⽣まれ。千葉県出⾝。
2003年4月、株式会社セントメディア(現 株式会社ウィルオブ・ワーク)入社。
2023年6月代表取締役社長就任(現任)。

インタビュアー…ルネ岩田
特撮ヒーローと高配当をこよなく愛する芸人。
主に日本株と米国株の大型株・高配当銘柄を長期保有し、配当収入を得る堅実な投資スタイルが特徴。
YouTubeでは「特撮と投資」をテーマに情報発信を行い、初心者にも分かりやすい解説で人気を集めている。
※本記事は企業情報をご提供するもので、個別企業の株式売買を推奨するものではありません。
キャリアの多様化による人材派遣業の変化

こんにちは。特撮ヒーローと高配当株が大好きな芸人のルネ岩田です。
本日は株式会社ウィルグループにお邪魔させていただき、 代表取締役社長の角裕一さまにインタビューさせていただきます。



早速ですが、まずは人材派遣業という業界についてお伺いします。
人材派遣業は人口減少や少子高齢化の影響を受ける印象があり、投資家としても今後の影響が気になるポイントです。
人材派遣業のマーケットについて、どのように捉えていらっしゃいますか。
「人材派遣業が今後難しいビジネスなのではないか」という観点はその通りだと思います。
人材派遣業は就労人口に比例するビジネスですので、マーケットそのものが縮小傾向に入る状況は決して楽観視できません。


ところが実際のところ、派遣で働く人は増加しています。
以前は「派遣」という働き方に、あまり良い印象がなかったかもしれません。
しかし最近では「正社員や総合職で働く」という選択肢だけではなく、自分が働きたい仕事や場所、時間などのキャリアイメージを優先して、自らジョブチェンジをしていく方々が増えています。
よって、派遣業のイメージも改善されているのではないか、と捉えています。
市場環境の変化に対応。将来を見据えた中期経営計画の修正



ありがとうございます。
では、そんな人材派遣業でサービスを広く展開されている御社の事業内容を教えてください。
ウィルグループは、さまざまな人材サービスを手掛けている企業です。
人材サービスには人材派遣や人材紹介、求人メディア事業などが含まれますが、ウィルグループは人材派遣を中心に、国内外で事業を展開しています。
国内では、販売営業職や製造、介護、コールセンター、建設、IT、保育などさまざまな業種に人材を派遣しています。





業績と中期経営計画についても教えてください。
まずは、前期(2025年3月期)の通期決算の概況を解説していただけますか。


2025年3月期の業績では、当社として元々想定していた計画に近い水準の売上利益の結果となりました。
前年対比でいうと大きく減益している状況ではありますが、前年は事業会社の売却益や一過性の利益が計上されていた背景もあります。
そういった要因を取り除いたところの「ノーマライズド営業利益」では、前年対比22%の増益となっています。


そのため、25年3月期を前期比較で見ると低パフォーマンスに見えるかもしれませんが、伸ばすべき事業をしっかりと伸ばしてKPIをクリアしていけば、今後の成長に必ずつながっていくと考えています。



中期経営計画は、一度見直されています。
3年間の中期経営計画のうち、1年が終わったところで売上収益、営業利益及び営業利益率などの数値目標を取り下げたと思いますが、これにはどのような理由があるのですか。


この取り下げは、私たちの市場の見立てが甘かったことが大きな要因です。
コロナ禍が明けたときにどのような影響があるのかという点を測りきれませんでした。
国内外どちらもコロナ禍の反動や変化があり、それを織り込めなかったことにより、従前の中期経営計画の達成は難しいという判断につながりました。



コロナ禍後はコロナ前とはまた違う市場環境になったことで、企業の適応も大変だっただろうと思います。
はい、経営陣が変わって1年目で最初の中期経営計画を修正することは、格好がつかないことでもあります。
しかし、やせ我慢をして成長の芽を摘みながら今の利益を優先するよりも、苦しみながらも投資を続け、マーケットが回復したときに大きく成長するほうが、株主の皆様にお返しできるものも多いだろうと判断して変更へと至りました。





この数年踊り場のような状況が続いていますが、ここから脱却するために角社長はどのような軌道修正をお考えですか。
国内事業に関しては、現在の戦略をそのまま続けていけば近いうちに最高益を実現できると考えています。
現在、建設業のほかにも製造業、販売営業での正社員派遣のビジネスもしっかり伸びており、成長軌道に入っています。
雇用支援のKPIでも過去最高を更新しており、国内事業は好調です。


一方、海外事業は人材紹介の実績が落ち込んでおり、これが苦戦している要因のひとつとなっています。
海外ではインフレによって賃金が高騰し続けており、人件費のコスト増が企業の採用を及び腰にさせてしまっている状況です。
そのため、現在は人材紹介ではなく人材派遣にテコ入れして、伸ばしていきたいと考えています。
社長就任後に取り組んだ累進配当政策の導入



御社は「累進配当政策」を掲げており、減配せず維持または増配することを基本方針とされています。
これは角社長の就任後にスタートした取り組みですが、どのようなお考えがあったのですか。


累進配当政策の導入にあたっては、かなりシミュレーションを行いました。
ウィルグループが創業以来一番ダメージを受けたのがリーマン・ショックの2009〜2010年辺りです。
シミュレーションでは「もし同じような危機が起きたとしても、累進配当を続けていけるのか」といったことを確認しました。
その上で導入を決定した背景があります。





株価への影響も聞かせてください。
直近では最高益だった2021年ごろの株価が高く、そこから徐々に下がってきている印象です。
社長就任時にはご自身でも株式を購入されていますが、この行動にはどのような背景があったのでしょうか。


コロナ禍では海外での業績が好調で、その影響が株価にも表れていました。
その後、社長就任からインサイダーロックの期間を経て、個人で株式を購入しています。
当社事業の成長を望む強い気持ちをステークホルダーの皆さまと共有したいと思い、買い付けに至りました。



創業者や経営者が大株主の会社は傾向として株価が上がりやすいので、投資家目線ではプラスだと思いました。
今後、投資家の方々にはどのような点に注目してほしいですか。
やはり「成長性」ですね。現在仕込んでいる事業がしっかりと花開き、利益としてインパクトを出していくところを見ていただきたいと思っています。
よって、私は当社の株価について「今日が一番安い」と考えています。
とはいえ、投資家の皆さまには四半期ごとの成果を見ていただき、その上で応援していただけたら嬉しいです。
従業員は大切な「タレント」。信頼関係の構築を目指す



次に、ウィルグループが大切にしている「人」への考え方を深堀りしていきたいと思います。
ウィルグループは従業員数が現在8,000人以上*で、有期派遣雇用を含めると2万人近くにものぼります。
*2026年3月期第一四半期決算説明資料より
売上成長率も業界6位となっている一方で、競合も多い業種だと思います。
その中で御社の強みはどこにあると考えていますか?


私は、人材派遣業などの人材サービスは、芸能事務所のような役割を担っていると考えています。
その点で当社の強みは、「従業員がいかに活躍し、その活躍をいかに派遣先に知ってもらえるか」を重視し、そのために全面的にサポートできる点だと考えています。



私もお笑い芸人として事務所に所属していたので、その考えには強く共感します!


一方で、今後は労働人口が減少していくほど人材の価値が上がっていきます。
その中で、企業が従業員に対して強者であり続けることは難しく、従業員のほうがより多くの選択肢を持ち続けるようになると考えています。
となると、企業側は従業員から見て「ベストな選択肢」であり続ける努力をしなければ、企業と従業員が共に豊かになっていく構図は実現できないでしょう。
つまり今後は、従業員に「ここは、安心してキャリアを形成していける場所だ」と思われない限り、企業に留まってもらえないということです。
よって、企業と従業員との間を取り持つ当社としては、従業員の活躍を企業にアピールしつつ、企業が従業員から選ばれ、お互いに信頼関係を構築するお手伝いができればと思っています。
こうしたお手伝いができる点も「強み」のひとつだと考えています。
建築技術者領域を中心とした好調な人材確保



ここからは、中期経営計画の中で特に気になったトピックを深掘りしたいと思います。
中期経営計画の重点施策で 「建築技術者領域のさらなる成長収益化」を一番に掲げていらっしゃいます。
現在建築業は人手不足のイメージがありますが、どのような状況なのでしょうか。


建設業界は圧倒的に人手不足です。
現場で働く職人だけでなく、施工管理者やエンジニアも不足している状況です。



そのような状況の中で、昨年の採用計画1,200人に対して、1,704名採用という実績でした。
500名以上も多く採用されていますが、その要因は何でしょうか。


大きな要因は、新卒採用を非常に順調に進められたことです。
未経験でもしっかり勤務できるようなサポート体制を会社として整えています。
もうひとつは中途採用に関してです。
中途採用はさまざまな人材エージェントと提携しているのですが、エージェントからたくさんのご紹介をいただけたことが、多くの採用につながりました。
【社員インタビュー】現場社員の本音に迫る!



今回はウィルグループの社員の方にも来ていただきました。
どのように働いているのか、ぜひお聞きしたいと思います。



まずは、自己紹介をお願いします。
西原:2023年に株式会社ウィルオブ・コンストラクションに新卒入社しました西原と申します。よろしくお願いいたします。
金子:同じく2023年新卒入社の金子と申します。よろしくお願いいたします。





よろしくお願いします!
お二人はどのような仕事をされているのですか。
西原:私は、神田駅にある新築オフィスビルで、空調衛生の施工管理に関する仕事を行っています。
金子:私は、千葉県にあるオフィスビルの改修工事を行っていて、同じく空調設備の業種で働いています。今日も現場で勤務をしてからここに来ました。



この暑い中本当にお疲れ様です…!
なぜこの業界に入ろうと思ったのですか。
西原:私は、人の手でこんなに大きな建物を作っていることがすごいなと思ったことが最初のきっかけです。
そんな仕事に関わりたいと思い、この会社への入社を志望しました。
金子:私は、体を動かしながら人とコミュニケーションを多く取る仕事に就きたいと考えていました。
そんなときに今の会社から内定をもらい、人事担当者の熱意に感銘を受けて入社を決めました。



人事担当者の熱意が伝わってきたとのことですが、より詳しくお伺いしてもいいですか。
金子:会社説明会の際に「この業界を自分たちの手で変えていく」という話をしていて、面白い会社だと思った記憶があります。
また、選考の過程ではフランクに接してくれて、他の会社では聞けないようなことまで答えてくれたので、「風通しがよく働きやすそうな会社だ」と感じて入社を決めました。





働く上で会社の雰囲気や人間関係はとても重要ですよね。
仕事をしていく中で、どんなときにやりがいを感じますか。
西原:自分が携わった建物が完成したときですね。知人に「この建物を作ったんだよ」と自慢できることはやりがいにつながると感じています。
金子:一般の人が完成形しか見られないような建物に、イチから携われる楽しさがあります。たとえば、天井や壁の中の構造や建築過程は、施工管理や建築作業に従事する人しか知ることができません。そういった過程を知ることができる点は仕事の魅力につながっていますね。
また、現場で経験を積むにつれ自身の技術レベルが上がっていくなど、成長過程が分かりやすい仕事でもある点も、やりがいにつながっています。



逆に「この仕事は大変だ…」と感じることはありますか。
西原:私は業界未経験での入社で、まさに右も左も分からない状態でスタートしました。
できないことが多く、つらさを感じる場面もありましたが、周りの方々に支えられながら仕事を覚え、自分の成長を肌で感じることができています。



ウィルグループのどのようなところが好きですか。
西原:作業員一人ひとりにキャリアマネージャーがついている点です。
何か悩みごとがあるとき、キャリアマネージャーに相談すると真摯に対応してもらえるので、仕事をする上でとても心強く感じています。
金子:不明点を質問した際などに、迅速に動いてくれる点です。
分からないことを問い合わせるとすぐに答えてくれますし、こちらのリクエストにも迅速に対応してくれます。


また、会社全体にフランクな雰囲気があり、週末にはバーベキューやサッカー、オンラインゲーム大会などさまざまなイベントが開催されています。
そういったイベントは普段の仕事で接点がない人たちと関わるきっかけにもなるので、スタッフを楽しませてくれる会社だと感じています。



本当に社員同士の仲がいいんですね!
逆に、率直にもっとこうなってほしいという要望はありますか。
西原:会社に対して直してほしい点は特にありませんが、できれば社員旅行に行きたいという気持ちはあります。
金子:私も改善要望はまったくありませんね。
これまでは社内のアンケートで「お給料を上げてほしい」と書いていましたが、先日、その要望も評価制度の見直しによって実現しました。



将来的に、ウィルグループでどんなことを実現していきたいですか。
西原:今後は現場のトップとしてさまざまな現場を経験し、未経験でも自信を持って仕事を続けられるということを証明していきたいです。
金子:自分が今まで経験して得た知識や学んだことを、後輩に積極的に伝えていきたいです。
最初は現場に出ると右も左も分からず、「質問したいことすら分からない」という状況になると思いますので、そんなときでもフランクに何でも聞けるような体制を作りたいと考えています。
>>アンケートはコチラ!【抽選で50名にアマギフ1,000円分】
働くことをポジティブに~新たなエコシステムの構築~



最後に、角社長から投資家の方々へメッセージをお願いします。
ウィルグループは人材サービスの会社ですが、選択肢がないから派遣で働くのではなく、選択肢を増やすために派遣で働くという、新たなキャリアモデルを掲げています。
投資家の方々には、業績を上げて企業価値を高めることでリターンを返すだけでなく、働くことをもっとポジティブにするエコシステムも提供していきたいと考えています。
ルネ岩田の感想~インタビューを終えて~


今回、社長やスタッフの方々のお話を聞かせていただき、現場の雰囲気が良いことを実感しました。現場レベルから雰囲気がいいというのは、本当に素晴らしいことだと思います。
従業員が良い環境で働きながらキャリアアップできる点は、会社の成長にもつながるため、投資家としても好ましいことです。
また、実際にこれだけ気合いと熱を持った社長がいるので、投資家として非常に安心感があり、「いい会社だな」と思いました。ありがとうございます。
今後の業績や決算にも注目していこうと思います。