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仕手株とは?見分け方や仕組みをわかりやすく解説!

・仕手株ってたまに聞くけどどんな株のことなんだろう?
・仕手株の疑惑がある銘柄は?
・うまく儲ける方法はある?

このようなお悩みを解決します。

かぶリッジの結論

  • 仕手株とは仕手筋という投資集団によって意図的に株価を操作されている株
  • 仕手株は玉集め・玉転がし・ふるい落としの3ステップによって株価が操作される
  • 短期間で株価が乱高下するため、投資初心者は避けた方が良い
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執筆:かぶリッジ編集部

かぶリッジは、20年以上にわたり投資家向けサービスを提供する株式会社インベストメントブリッジが運営しています。日本株投資や米国株投資を実践する編集部メンバーや、現役の証券アナリスト、元証券会社勤務の社員等で運営しています。

目次

仕手株(してかぶ)とは?

仕手株とは

投資をしたり、株価を見ていて「なんでこの会社はこんなに株価が上がっているんだろう…」「あの材料でこんなに株価が上がるのか!」と思ったことはありませんか?

実はその株、「仕手株」かもしれません。

仕手株(してかぶ)ってなんだろう?

仕手株とは、巨額の資金を用いて意図的に株価操作された株のことを指します。

「巨額の資金を用いて」ということから分かるかもしれませんが、個人投資家や一般投資家ではなく、集団の投資家によって行われるもので、この集団の投資家の事を「仕手筋」と呼びます。

仕手筋は、本来上昇する要素のなかった銘柄の株価を一気に上昇させることで、莫大な売買益を得るというわけです。

仕手株となってしまった銘柄は株価が乱高下するため、初心者の方は特に注意が必要だと言えるでしょう。

仕手株の仕組み

仕手株の仕組み

そもそもそんなに簡単に株価って操作できるの?

もちろん、株価を操作するというのは簡単なことではありません。

株価を操作するには、莫大な資金と長期間に渡る仕込みが必要です。

実際に仕手筋が利益を得るまでにとるアクションは以下の3ステップ。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①玉集め(操作する対象の株を集める)

玉集め

まず、仕手筋は株価を上げると決めた銘柄を少しづつ買い集めます。

なぜ少しづつなのかというと、一気に買い集めてしまうと他の投資家に気付かれてしまうためです。

この、仕手筋が株を集めている段階のことを「玉集め」と呼びます。

後で売りに出す株を気付かれないように買っているワン!

②玉転がし(株価を吊り上げる)

玉転がし

十分に玉集めが終わると、仕手筋は一気に買い注文を出して出来高を急増させ、とにかく目立つようにします。

このことを「玉転がし」と呼びます。

玉転がしが行われると、他の投資家は「何かの思惑があるのかも…」「まだ市場に出回っていない情報が洩れているのでは?」など考え、だんだんと買い出していきます。

他の投資家を巻き込みながら買い注文が殺到する結果、株価が大きく吊り上がるというわけです。

こうした仕込み筋以外の投資家が買い出すことを、提灯に火が付くことに例えて「提灯買い」と呼ぶワン!

③ふるい落とし(集めていた株を全て売却)

ふるい落とし

他の投資家による提灯買いが行われるようになると、仕手筋は今まで集めていた株を全て売却します。

結果として大量の株式が売られることになり、株価の急落につながります。

また、あえて株価を一時的に下落させ、多くの個人投資家がそれにつられて売った後に再度玉集めを行う場合もあり、この一時的な株価の下落のことを「ふるい落とし」と呼びます。

主にこの「玉集め」、「玉転がし」、「ふるい落とし」という3つの手順を踏んで、株価を乱高下させて仕手筋は利益を出します。

一方で株価が上がった後に購入した投資家は損をしてしまうため、個人投資家は特に仕手株かどうかに注意を払う必要があるのです。

仕手株になりやすい銘柄

仕手株になりやすい銘柄

仕手株が危ないのは分かったけど、どうやって仕手株を見分ければいいんだろう・・・。

現在上がっている株が仕手株かどうか見分けることは、市場に慣れている投資家でないと難しいです。

しかし、仕手株になりやすい銘柄のポイントをおさえることで、仕手株かどうかを判断することが出来ます。

「仕手株になりやすい銘柄のポイント」としては以下の3点があります。

①と②をかけ合わせると、時価総額が低い銘柄という意味にもなるワン!

①発行済株式数が少ない

1つ目に挙げられるのは、発行済株式数が少ないということです。

できるだけ株式を買い占めたい仕手筋の視点から考えると、株式数が少なければ少ないほど買い占めやすくなり、影響力が増します。

そのため、発行株式数が少ない銘柄は狙われやすい傾向にあります。

目安として発行済株式数が6,000万株未満の銘柄は注意が必要とされています。

②株価が低い

2つ目は株価が低いということです。

株価が低いと、買い集める際のコストが低くなるため、仕手筋に好まれます。

また、発行済株式数が少なく、株価が低いと時価総額(発行株式数×株価)も低くなるため、時価総額で判断することも出来ます

目安としては、株価が500円以下の場合に仕手株に狙われることが比較的多くなるので覚えておきましょう。

③出来高が少ない

3つ目は出来高が少ないということです。

仕手筋は気づかれないように株を買い集める必要があるため、普段からあまり取引量の少ない、つまり出来高が少ない銘柄を仕手株のターゲットにすることが多いです。

以上をまとめると「発行株式が少なく」「株価が低い」、また、「出来高が少ない」銘柄は仕手株になりやすいので、この3つのポイントを意識することで仕手株かどうか見分けやすくなります。

この3点以外にも、特に理由が無いのに株価が急激に上がっていたり、不自然な値動きをしている銘柄にも注意が必要だワン!

仕手株の実例は?疑惑がある銘柄トップ10も紹介

仕手株の実例や疑惑がある銘柄

仕手株がどういったものなのか理解できたところで、実際にどのような銘柄が仕手株として狙われたのか、どのような株が今後狙われそうか、実例を見ていきましょう。

また、仕手株の値動きには特徴が出るので、その点にも着目します。

過去に仕手株の疑惑があった銘柄

過去に仕手株として狙われた疑惑がある銘柄の一つに、フルッタフルッタ(2586)があります。

フルッタフルッタはアサイーやアマゾンフルーツの製品を販売している企業です。

下のチャートは2020年6月~7月末までの同社の株価の値動きを表したもの。

フルッタフルッタ
2020/6/1 終値:160円
発行株式数約4,549,629株(2020年3月期決算短信より)
時価総額約7億円

6月1日の終値は160円で発行済み株式数は約454万株、時価総額は約7億円でした。

仕手株になりやすい「株価が低い」「発行株式が少ない」という要素が含まれているね…

チャートを見てみると6月中旬ごろから同社の株価は上がり始め、7月9日にはなんと一時906円の高値を記録。

6月1日の終値から計算してみると約5倍ほど値上がりしたことになりますが、その後は下落が続いています。

本当に仕手株だったかどうかは分かりませんが、その可能性は高かったと言えるでしょう。

仕手株として狙われた銘柄の株価は、このような急騰と下落を短期間に経験した結果、逆V字のチャートを描くことが多いです。

仕手株の疑惑がある常連銘柄トップ10

リスクのある取引をしないためにも、過去の事例だけではなく、今後仕手株になりそうな銘柄は知っておきたい!」という方もいらっしゃるかと思います。

そんな方のために、仕手株として狙われやすいと考えられる銘柄トップ10をリストアップしました。

スクロールできます
株価発行済み株式数出来高
マツモト(7901)869円1,143,900株1,200株
アースインフィニティ(7692)85円110,131,200株377,200株
フィスコ(3807)70円45,908,222株186,400株
リミックスポイント(3825)157円122,727,800株373,100株
ウェッジホールディングス(2388)60円42,494,478株27,000株
北浜キャピタルパートナーズ(2134)20円141,556,993株3,558,600株
創建エース(1757)25円267,651,756株49,400株
KOZOホールディングス(9973)19円238,091,340株524,400株
ポラリス・ホールディングス(3010)173円127,933,989株196,800株
グローバルウェイ(3936)158円36,425,650株4,560,300株
2024/10/18時点

どの銘柄も、株価や発行済み株式数、出来高のうちどれかが極端に少ないね…

これらの銘柄のうち、実際に仕手株として狙われたと考えられる銘柄もあります。

今回は特に値動きが顕著だったマツモト(7901)アースインフィニティ(7692)をご紹介。

マツモト(7901)とアースインフィニティ(7692)の仕手株かもしれない事例
TradingViewのチャートを基に
かぶリッジが作成

どちらも丸で囲った箇所で大幅な急騰と下落を記録していることがわかります。

このような値動きがあった銘柄は、再度仕手筋により狙われることもあるので、投資を検討する際にはよく調べてから行うようにしましょう

仕手株は儲けられる?

仕手株は儲けられる?

実際の値動きなどを見ていると、「うまく乗じることができれば儲けられるかも…」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、本文で何回も触れているとおり、仕手株への投資は避けたほうが良いと言えます。

短期間で儲けられる可能性があることから一見魅力的にも思える仕手株ですが、なぜ手を出してはいけないのか。

理由は大きく以下の2つ。

それぞれ説明していきます。

仕手株は犯罪

そもそも、仕手株は相場操縦行為にあたると判断された場合、犯罪として罰せられます。

これらの行為が露見した際には10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金などが科せられることに(証取法第197条1-⑤)。

個人で仕手株に乗じた際に罰せられる可能性はあまり高いとは言えませんが、可能性がゼロとは決して言えません。

実刑という特大のリスクを背負わないためにも、敢えて仕手株に手を出すのは絶対にやめましょう。

仕手株の値動きは読めない

また、仕手株の値動きが非常に読みにくいというのも仕手株をおすすめできない理由です。

基本的に、仕手株の値動きは企業の業績やニュースに依らないため、自分が仕手集団の一員でない限り値動きを読むことは不可能です。

なんの根拠もなくいきなり株価が上がっていきなり株価が下がるから値動きが読めないんだよね…

また、個人投資家が仕手株だと気付くころには、既に仕手筋の手の中。

仕手株を買ってしまった人は値上がりに喜びつつも、いつ仕手筋が一斉売却を行い暴落を起こすかわからないという不安を抱えることになります。

仕手集団は莫大な資金を大人数で扱っているため、彼らの操作に対して個人投資家はまず太刀打ちできないでしょう。

保有している銘柄に明らかな仕手株の疑いが出た際には、気付いた時点で速やかに売却をすることをおすすめします。

【まとめ】仕手株には注意が必要

【まとめ】仕手株とは

改めて仕手株に関する重要なポイントをおさらいしておきましょう。

かぶリッジの結論

  • 仕手株とは仕手筋という投資集団によって意図的に株価を操作されている株
  • 仕手株は玉集め・玉転がし・ふるい落としの3ステップによって株価が操作される
  • 短期間で株価が乱高下するため、投資初心者は避けた方が良い

仕手株になった銘柄は、ストップ高の翌日にはストップ安になったりと、とにかく値動きが激しいことが特徴です。

「この銘柄はなぜ上がっているんだろう?」「こんなに上がるものなのか?」など少しでも疑問を感じた際には、自身でその企業を詳しく調べてから、自分の意思で投資を行うことが大切でしょう。

DAIBOUCHOU氏が考える「割安高配当株・割安成長株」の探し方とは?

投資先選びはどうすれば良い?どんな基準で銘柄を選別すべき?
「DAIBOUCHOU」氏が、割安高配当株・割安成長株の探し方を解説。

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